HARD BLOW !

OPBFスーパーフライ級タイトルマッチ 赤穂亮×戸部洋平

今夜のダブル東洋戦は、非常に対照的な挑戦者二人が、世界ランカーの王者に挑む、という図式でした。
わずか5戦目で王座を狙う若い戸部選手と、長らく保持していた世界ランクを失い、背水の陣で、41歳の誕生日の今日、大一番を迎えた嶋田選手。両王者にとっても、上を目指す以上は当然負けられないものの、大きなリスクも伴う試合なわけで、「よくぞこれが実現したな!」というカードです。
私が朝10時にホールへチケットを買いに行った時点で、指定席は残りわずか。観戦はセミセミからになってしまいましたが、その時点ではもう会場は満員御礼で、ファンの期待の大きさがわかります。

赤穂選手の試合は、2年くらい前に何試合か見ましたが、その時の印象は「とにかく豪腕」。バタバタとした、何だか落ち着かないスタイルなんですが、どこからでも一発で試合をひっくり返すそのパンチ力は魅力です。
戸部選手は未見でしたが、何と言ってもあのタフなラッシャー河野公平選手を、プロ3戦目で降したというのはタダモノではないでしょう。優秀なアマ戦績もある選手なので「追う赤穂、捌く戸部」という展開が予想されましたが…

◆◆◆

開始早々、予想は裏切られる。なんと両者ともに、大きな左フックや右のオーバーハンド等を振り回し、いきなり最終回の打ち合いのような光景が。どちらもガードが低く、また繰り出すパンチがどれもフルスィングなので、大味と言えば大味ながら、非常にスリリングな立ち上がりとなる。
戸部陣営としては、敢えて赤穂の土俵で勝負して、それでも圧倒してやる!という自信があったのだろうか。

しかしこの選択は裏目に出る。二回終了間際に赤穂が放った左右フックが戸部の顔面をとらえ、ロープにもたれて棒立ちに。この時、一瞬ではあるが完全に意識が飛んでいたように見えたが、そこでちょうどゴング。あと10秒あったら終わっていただろう。
インターバルでは回復しきれないダメージを負った戸部だが、細かく手を出して少しずつペースを取り戻そうとする…が、またも終了間際に連打をもらい、あわやの場面に。キャリア初の大苦戦。

四回終了時の採点は三者とも39-37で赤穂。さあここから益々赤穂はイケイケになるかと思いきや、ガクンと手数が減る。しかしラスト30秒~1分くらいからは連打を繰り出して襲いかかるので、ラウンド終了間際でジャッジにアピールする作戦なのか、それとも少しずつ当たり出した戸部のパンチを警戒してのことなのか。いずれにせよ五回~七回は動きの少ない展開。互いに序盤から、あれだけフルスィングの空振りを続けてたので、かなり疲労もあるかもしれない。

このまま両者ともに消耗して判定決着もあるかも、と思ってた八回、やはり回の折り返しからラッシュを仕掛けた赤穂がダウンを奪う。これは、バランスを崩したところをこづかれたようなダウンに見えたが、しかしここまでの蓄積したダメージが戸部の体を重くしているのは明らか。
ようやくチャンスが来たとばかりに仕留めにかかる赤穂に対し、戸部も前に打って出る。この相手に、ダメージを引きずった体で下がりながら捌こうとしても、逆に飲みこまれてしまう可能性が高いので、これは正解。
しかし、回転の速さ、パワーの差は如何ともしがたく、打ち合いの中で赤穂の左フックがジャストミートした瞬間、レフェリーがストップ。8ラウンド2分58秒(だったかな?)、TKOでチャンピオン赤穂の防衛となった。

◆◆◆

久々に見た赤穂選手、相変わらずの豪腕も健在でしたが、以前気になってたバランスの悪さもやや見受けられました。ガードされていても、相手の体にパンチが当たっている時はリズムよく攻められるのですが、空振りした時や、相手の攻撃を受けて真っ直ぐ下がってしまう時等、必要以上に体勢を崩してしまうので、今後、より相手が強くなるにつれ、改善の必要がありそうです。しかしパンチがあるというのは大きいですね。
戸部選手は、今日に限っていえば、二回終わり際のダメージが尾を引いてしまった印象で、本来はもっと幅の広いボクシングが出来るんだと思います。有力選手がひしめくクラスですので、これからの活躍に期待したいと思います。

Comment

B.B says... ""
先日の赤穂選手の再起戦、テレビ観戦しました。
相手のジェッカー・ブハウェはフィリピン国内下位ランカーでしたがハートの強い選手でまだ23歳。戦績からは想像出来ない好選手でしたが、ゴング後に加撃したり、腕をロックして回すなどダーティファイトも。
これは赤穂選手の圧力に手を焼いたためでしょう。

持ち味の荒々しい攻撃が魅力の赤穂選手は佐藤洋太戦から余り変化が見られませんでしたが、6R1分過ぎ、力まず出した右ストレートは切れてブハウェからダウンを奪い、すかさず連打をまとめてストップ勝ち。

試合後、相手が出て来たので「久しぶりに楽しい試合でした」しかし世界ランカーの試合としては熱くなり過ぎて「冷静になれと自分に言い聞かせましたが・・」と反省の弁も。

対するブハウェは比国関係者に「タイミングで貰っただけ。レフェリーのストップが早過ぎる。充分に挽回出来たはずだがその機会を奪われた」と試合後も強気一辺倒のコメント。
確かにストップはやや早いかとも思われましたが・・
2013.11.05 05:17 | URL | #bH1htKmU [edit]

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