JBC亀田裁判控訴審 証人尋問傍聴記 PART6
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今回は、亀田大毅×リボリオ・ソリス戦が行われた当時のJBC事務局長だった、森田健氏の証人尋問をお送りします。
尋問の冒頭、ご高齢(85歳)ですっかり耳も悪いと話した森田氏に、JBC側の弁護士が「あなたは経験豊富なレフェリーで三万試合もの実績があるのですか?」と尋ねると
「そうです」と自信満々で答えます。森田氏は最近マスコミにコメントを出すときも、この『三万試合』をよく使うのですが、森田氏がレフェリーを勤められたのは約40年間なので、もし仮にその40年間に三万試合を裁こうと思えば、平均すると年間750試合になります。マスコミやファンなどを相手に、面白おかしく経験談を伝える際に『三万試合』というような実績を誇られるのは一向に構わないとは思いますが、真実を述べる旨を宣誓した上で法廷で陳述する場合にもそういう経歴を使っているのは、筆者には大変驚きでした。
亀田大毅×リボリオ・ソリス戦のルールミーティングの際に配布されたペーパーに、「亀田が負けた場合は空位になる」と言う旨のメモを取ったという森田氏は、その際に通訳のH氏やIBFのリンゼイ・タッカーの発言を聞いたと断言しするのですが、ご高齢の為か、同席して色々と説明してくれたという関西事務局のS氏の名前がなかなか出てこなかったり記憶にバラつきがある様子。
さらに「海外含めて100回以上ルールミーティングを経験した」という森田氏は、
「(通訳なしで)英語は分かる」と驚きの発言。森田氏が英語が分かるなら、なぜにS氏は尋問であんなにも通訳が介在したことに拘ったのでしょうか?困ったら森田氏に聞いたら済む話であります。
自身のサインがある契約書については、紙一枚でルールブックは綴じられておらず、「(IBFルールにサインをしたわけではなく)この試合をやっても良いという意味でサインをした」とのことで、元亀田ジムの嶋氏から試合後に電話があった際に、英語ができるスタッフの必要性について進言されたことも否定しました。
続いて亀田側の反対尋問に移ると、改めて『負けた場合は空位になる』と判断した根拠について
「現場で英語も分かったし、S氏が説明してくれたし、自分も後から確認した」
と答えるのですが、「ルールミーティングで発言したのか?」と問われると
「よその国に来たような感じで黙っていた」
と耳を疑うような返答。リンゼイ・タッカーについても
「男の人はIBFだよね」
とWBAの女性立会人とどっちがどっちかあやふやだったり、となんとも記憶が頼りない。
「ドローの場合、タイトルはどうなるか話し合ったか?」と問われると
「何年も前だから覚えてないですよ。何が聞きたいんですか?ボクシングを知らない人が聞くんだから仕方ないですけど」
と苛立つ一幕も。
両陣営と関係者が回覧した上で署名したという契約書の所在については
「IBFが原本を持っていて、JBCがコピーを保管している」
とのこと。そうなると、JBCの弁護士が嶋氏に文書の所在をしつこく聞いていたのは、一体何だったのでしょうか?
最後にもう一度JBCの弁護士が出て来て、森田氏が試合後にメディアに向けて「IBFがやることにJBCがどうこう言えない」と言う主旨の発言をした意図について尋ねると
「東京に帰ろうと急いでいたので、(タイトルの問題は)IBFがやろうとしてるから私には関係ない」
と言う意味で言った、と耳を疑うような返答が...。
安河内剛氏の裁判では
「私にも自分の仕事があるからボクシングの仕事ばかりしていられない」
という『名言』を残した森田氏ですが、高給をとっている事務局長と言う地位の職責を未だに理解していない様子でした。こんなトップの生活を支える為に命がけで戦ってきたボクサー達が本当に気の毒です。
筆者には、森田氏の尋問は一体なんの意義があったのかさっぱり分かりませんでした。
次回、主張の違いや問題点などを整理して、一連の尋問の記事は終わろうと思います。
書いた記事が半分消えててゲンナリした(旧徳山と長谷川が好きです)