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JBC亀田裁判控訴審 証人尋問傍聴記 PART5

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 引き続きJBC関西事務局のS氏の尋問の様子をお伝えします。

 前回書いた通り、S氏は通訳のH氏や元亀田ジムの嶋氏の証言を真っ向から否定しました。亀田側はS氏の証言の信用性を突き崩す必要があります。

 亀田側弁護士は『H氏がルールミーティングで通訳をした』という証言に疑問を呈し

 「H氏に通訳を頼んだということだが、来なかったらどうするつもりだったのか?」

 と尋ねると、S氏は

 「来るということ予め聞いて知っていた」

 と答えました。急病や交通機関の遅れなどの可能性は充分にあったはずですが、もしH氏が遅れたり、来なかったりしたらどう対応するつもりだったのでしょうか?

 続けて「H氏に通訳を断られたらどうするつもりだったのか?」

 と問われたS氏は

 「断られたことが無かったので大丈夫だと思った」

 とこれまた驚くような返答。なんのことはない、『JBCには語学力があるスタッフがいないけど、いつも来るテレビ局の通訳が頼んだらタダでやってくれるっしょ』と言ってるのと変わらないわけです。しかもこの話を通訳のH氏は否定してるし...。

 更に「騒動後に改めてIBFに見解を問いただしたのか?」

という問いに対して、S氏は

 「IBFは謝罪したと聞いている」 

と返答。それを踏まえて「リンゼイ・タッカーは『亀田は悪くない』と言っているが」と問われると

 「その報道は知らない」

と答え、IBFの謝罪の意味を理解していない様子でした。

 更に、前回記事で触れた高松での『監禁・恫喝・暴行』を捏造した報告書の起案をS氏がしたという事実について質問が及ぶと、JBC側は「(高松の件は)本件とは全く関係がない」と異議を申し立てますが、亀田側が「S証人の信用性に重大な関係がある」旨を申し立てると、裁判長はすぐに「続けてください」と応じました。土台、関係がないわけがないわけですが、これ以降の部分こそが個人的に一番重要なやりとりでした。

 報告書で『監禁・恫喝・暴行があった』と主張している高松でのやり取りを、JBC側がビデオで確認していることを

「知っている」とS氏はと答えましたが、「JBCはなぜ亀田兄弟を処分しなかったのか?」と問われると、

 「調査が不十分だから処分が無かったと思った」

 と返答し、未だに『監禁・恫喝・暴行』があったという姿勢を堅持しているのに驚きました。更に

  「(S氏と同調して)亀田による『監禁・恫喝・暴行』を主張していたJBC職員Tさんが名誉棄損で亀田兄弟に敗訴した時点で、自分が間違っていたと思わなかったのか?」


 と聞かれたS氏は

  「『ああTさんは負けたんだな』くらいにしか思わなかった」

 と他人事のような返答。問題のソリス戦以前に、亀田兄弟に言いがかりをつけて処分しようとしていたことと、それが法的に捏造と認定さた後も未だに一切反省していないことを法廷で堂々と述べるS氏の姿を見て、「JBCは裁判に勝つ気があるのか?」と心底驚きました。

 通訳のH氏がルールミーティングで通訳をしたことを否定していることについては、改めて「H氏が間違っている」と断言。

 「TBSにルールミーティングの映像を提供してもらうように依頼したことはあるのか?」

 と言う質問には

 「依頼はした。TBSのスタッフの顔は分かるけど名前が分からない」

 とこれまた脱力する返答。そんなもん当時の記録を調べるなり、TBSの当該部署に電話して聞けば即座に解決する話です。ビデオ映像の提出を拒否されれば、それはそれでJBCにとって有利な証拠になるはずです。なぜやらないのか理解に苦しみます。更に

 「JBCはルールミーティングで議事録を残す習慣はあったのか?」

 「ない」

 「当事者間で書面を残さないのか?」

 「残さない」

 「それが当たり前なのか」

 「自分が知る限り、それが慣例だった」

というやりとりが展開されて、JBCの試合管理が大いに心配になりました。ホント大丈夫?

 反対尋問の後、最後に裁判官から「H氏にいつ通訳を頼んでいるのか?」と問われると

 「計量やルールミーティングでその都度頼んでいる」

 とこれまた試合の運営が心配になる回答がありました。

 筆者がS氏の尋問全体を通じて感じたのは、職責に対するなんとも腰が引けた姿勢で、通訳の依頼もあやふやだし、計量ミスと言うトラブルに積極的に関与する姿勢が乏しく、「これじゃ揉め事になるよな」と思いました。

 そもそもS氏はこの試合以前に、高松でのトラブルについてJBC本部に虚偽情報を記載した報告書を提出して亀田兄弟を処分させようとしたことが分かっており、公平な試合管理が出来るのかは大いに疑問です。また、法廷でその姿勢を一切隠そうとしなかった所も驚きでした。

 筆者としては、この尋問で裁判の趨勢は決まったのではないか、と感じました。

 次回は、最後の証人である当時のJBC事務局長、森田健氏の尋問の様子をお伝えします。

 片岡亮に犯罪者呼ばわりされてから一年経った(旧徳山と長谷川が好きです)



 

 

 

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