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JBC亀田裁判控訴審 証人尋問傍聴記 PART4

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 今回は三人目の証人、JBC関西事務局職員S氏の尋問の様子をお伝えいたします。

 やり取りの様子に向かう前に、もう一度前提となる事実をおさらいしておこうと思います。

 この裁判は、2013年12月に行われた亀田大毅×リボリオ・ソリス戦後のIBFタイトル巡るゴタゴタを理由に、JBCが亀田三兄弟が所属していた亀田ジムの吉井慎次会長と嶋聡マネージャーのライセンスを停止したことに端を発しています。

 亀田サイドはJBCの処分には正当性が無いとして、ライセンスを停止によって生じたという6億6千万円の損害を賠償せよと、JBCと理事達に求めています。一審の地裁では、亀田サイドの主張を認めてJBC側に4550万円を支払うように命じる判決が出され、その後双方控訴して現在高裁で第二審が審理されています。

 ここまで読んで、「あれ、亀田兄弟はもうジムを開いてボクシング界に復帰してるんじゃないのかい?」という疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。JBCから追い出せれたはずの亀田興毅氏は、既に大阪市内にジムを構えており、三男の亀田和毅選手は所属選手として現役復帰しています。JBCは既に亀田兄弟の業界復帰を認めており、プロボクシング興行で協業する関係でありながら、法廷では「亀田兄弟をボクシング界から排除したのは正当だ」と未だに主張してるわけです。もはや排除は正当だという論理は、現実を見れば破綻しています。

 安河内剛氏を不当解雇した裁判においても、JBCは完全に敗訴しましたが、判決で安河内氏を違法な手段で排斥したと名指しされた職員達は、未だにJBCに居座って安河内氏と同じ事務所で机を並べて日常的に一緒に仕事をしています。こうした事実も、世間一般の常識からみればかなり異常なことです。

 更にもう一つ、このあと尋問の様子をお伝えするS氏については、特筆するべきある要件があります。

 亀田大毅×リボリオ・ソリス戦から3ヶ月前の2013年9月、香川県高松市で行われた亀田大毅×ロド リゴ・ゲレロ戦の前日に、試合で使用するグローブを巡って亀田サイドとJBCの間で意見の相違が生じるというトラブルがありました。その際現場で亀田サイドから批判されたJBC職員のTが、「亀田兄弟に監禁されて恫喝されて暴行された」と狂言騒ぎを起こし、友人のフリーライター片岡亮と結託してデマ記事や記者会見で虚偽の事実を拡散するという酷い事件を起こしました。この現場にはS氏も同席しており、事件後「亀田興毅に恫喝されて恐怖で動けなかった」「亀田和毅がJBC職員Tにのどわをした」などの虚偽事実を、JBC本部に報告書と言う形で伝えています。
 
 なぜ、『狂言』『虚偽』と断定できるかといいますと、高松の事件は一部始終がビデオカメラで撮影されていたからです。散々デマをまき散らして亀田兄弟を中傷したTと片岡亮は、名誉棄損で訴えらえて敗訴しており、その主張もビデオの映像を元に裁判で虚偽と認定されています。ということは、S氏が自らの被害体験として報告書で申し述べている亀田兄弟による『監禁・恫喝・暴行』も当然虚偽となります。詳しくは亀田サイドが制作した以下の対照表をご覧ください。筆者は実際にビデオ映像で一部始終を見ていますが、ビデオ映像は以下の表の描写と相違ありません。裁判所もそういう見解です。

原告主張とビデオ映像の対比_01_R

 そうしたS氏の人物像も分かった上で、以下の尋問の様子をご覧ください。

 まずS氏はJBC側弁護士の質問に答える形で、ルールミーティング中の事実関係を証言していきますが、

・IBFルールは理解していた
・H氏に通訳を頼んで、リンゼイ・タッカー(IBFスーパーバイザー)から「負ければ空位になる」という回答を得た
・大毅の外国人トレーナーは英語でタッカーに質問していない。タッカーが回答もしていない。
・IBFルールのペーパーは配られていない


と、通訳のH氏や元亀田ジムの嶋氏の証言を否定し、明確な対立姿勢を見せます。

 更にS氏は、ルールミーティング後に亀田兄弟の父親、亀田史郎氏から
「グローブハンデを付けるわけにいかないか?」
と相談されて
「それは出来ない」
と断った、という驚くべき証言します。

 ご存知の通り亀田史郎氏は、現在ライセンスを停止されてプロボクシング界を追放されている状態です。ライセンスが無い人間が試合に関与するなんてそもそもおかしいのですが、なんでもS氏によると、この事実は控訴審前に思い出して陳述に加わった要素だそうです。

 さらに

・記者発表の為に、『試合は開催する』『大毅が負ければタイトルは空位』『グローブハンデはなし』と言った決定事項を森田健氏に説明した
・H氏とは顔見知りだったのでルールミーティングでの通訳を頼んだ
・過去10回くらいは同様の通訳を頼んでいる
・バンデージを巻く時間や試合開始時間を通訳してもらった

とH氏の語学力に依存する形でルールミーティングを進行したという旨の証言をしました。これらもまた悉く、H氏や嶋氏の証言と対立しています。

 双方の事実認識は、勘違いや記憶違いでは済まされないくらい食い違っており、どちらかが嘘をついているのは明らかです。

 次回は亀田側弁護士からの反対尋問の様子をお伝えします。

 冷やし中華を作って食べた(旧徳山と長谷川が好きです)
 

Comment

says... ""
亀田興毅対セシリオ・サントス戦でも
サントス選手が体重超過してましたが、
グローブハンデをやるとパンチが防がれやすくなるので、グローブハンデはやりたくないのでしなかったという記事を昔見たことあります。
だから、グローブハンデは必要無いと言った嶋氏が嘘をついている感じはしないですね。
2021.06.14 00:11 | URL | #- [edit]
says... ""
決着は既に明らか。
コミッション内部でも落とし所を模索。
しかし時すでに遅し。
賠償金増額決定も。
誰を守る為の裁判?
裁判初期の費用はすべて協会と選手の金。
全て使い果たしてそれでも足りなくて国庫から?
秋山元専務理事経由からの東京ドーム資金?
これいわゆる疑獄ですよ。
文春いかんかな?
三井不動産知ったらコミッション終わり。
2021.06.14 02:05 | URL | #- [edit]

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