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HARD BLOW !

熱戦!WBFアジアタイトルマッチ 後藤心大×チェ・ヨンドゥ 観戦記

 ボクシングに貴賎なし!もはやその辺の関西のジムよりよっぽどコンスタントに興行を打ってる、山口賢一会長率いる大阪天神ジムの非JBC興行のレポートです。井上×ドネアの情報はその辺の新聞・テレビ、ネットニュースやファンのブログ、SNSで子細に分かりますが、非JBCのボクシング興行について詳細に読めるのはHARD BLOW!だけ!というわけでもないんですが、今回もレポートしたいと思います。

 今回の興行が行われたのは11月4日。まずは前日の計量とフェイスオフから見学して参りました。今回の興行のメインはWBFアジアのSフェザー級タイトルマッチ後藤心大とチェ・ヨンドゥ選手の試合です。今回の試合はスーパーバイザーが韓国のKBAから来日しており、ウエイトもキッチリとチェックしていました。

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 個人的に楽しみだったのは60キロ契約のSHINSUKE×小澤大将戦。SHINSUKE選手はキックボクサーとの兼業選手で、6月の天神ジム興行でデビューし勝利しています。タイでの試合やボクシングにも積極的に挑戦する逞しい選手です。一方の小澤選手は元JBCのA級ボクサーで、天神ジム興行ではお馴染みの選手。九州からクレイジーキム会長と一緒に現れた小澤選手は、秤の前で服を脱ぐと39歳とは思えない切れ切れの身体で500グラムアンダーで計量クリア。
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 小澤選手は撮影用のフェイスオフでSHINSUKE選手に「顔くっつけてやりませんか?」と言われて「いやいや、それは明日試合でするから」といなすも、その後「なんだよアイツ?何に憧れてんだ?」と少し頭に来ていた様子。この経緯が翌日の試合への伏線でありました。

 明けて翌日、会場に向かうと名古屋から『ボクシング選手名鑑』の管理人せきちゃんが登場。わざわざ大阪まで非JBC興行チェックしに来るとは相当なスキモノであります。会場に入ってみるとスタッフは音響や会場のチェックに走り回っており、『破天荒ボクサー』の武田倫和の姿も。

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 ジャッジの元WBCフライ級王者マルコム・ツニャカオさんもリングロープ調整を手伝っております。この辺の『手作り感』は良さでもありますが、ハッキリ言って不手際の温床でもあり、今回も音響が聞こえなかったり、選手が入場の導線を間違えたり、暗転が暗すぎてリングアナが字が読めなかったりと興行としては宜しくないことも多々ありました。この辺は課題ではあると思います。

 ただ孤軍奮闘、一本独鈷でJBCの向こうを張って行われる独立ボクシング興行は、それ自体が既存の価値観との戦いであり、権威主義のボクシングファンのように冷笑していては決して分からない魅力や輝きがあるのです。

 そして肝心の試合のクオリティは今回も本当に素晴らしかったのです。

 まずはSHINSUKE×小澤大将の60キロ契約4回戦。不敵な笑顔で入場してきた小澤は、リング上でも不穏な空気を発散し、仕掛ける気満々という感じ。

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一方のSHINNSUKEは好青年風のキャラクターで、「アウェイのリングで専業のボクサーを食ってやろう」という自信にあふれています。緊張感の中でゴングがなると、開始数秒で数発ジャブの交換があった後、SHINNSUKEがジャブをかわして不用意にコーナーに下がったところに小澤の右強打が爆発!SHINSUKEは糸が切れた人形のようにバッタリとリングに倒れ伏し、レフェリーは瞬間的に手を振ってストップ。小澤は倒れたSHINNSUKEを見下ろしながら「これがボクシングだよ!ボクシング舐めんなよ!」とリング上で絶叫。スポーツライクなボクシングとは対極の怖いシーンでしたが、こういうヒリヒリした感情むき出しの試合もプロならではとも言えます。

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 他流試合だったことでお互いの選手の感情を引き出した面が確実にあったと思います。この辺がJBCの興行では決して見れない要素であります。

 この試合で会場の空気は一気にピリッとしましたが、メインの後藤心大×チェ・ヨンドウのWBFアジアSフェザー級タイトルマッチがこれまた素晴らしい好試合。後藤は天神ジム期待の選手ですが、自分は前回興行は観戦できなかったので、WBFアジアのベルトをとった試合は見ていません。一方のチェの試合は二年前に見ていますが(その試合のレポート→JBCだけがプロボクシングにあらず 5.3観戦記)、その時はうまくサイドステップを使って戦う曲者という感じで「面白い選手だな」という印象でした。果たして二年間でどれくらい変化しているか?

 試合が始まるとすぐに、チェが長い右を立て続けに当ててペースを掌握。距離が合わない後藤は先手をとられて序盤から顔を腫らして行きます。チェはジャブやステップで後藤の距離を外して、インサイドとオーバーハンドを使い分けて大きな右を再三ヒット。チェのボクシングは以前私が感じた変則のイメージはなく、堂々たる王道のスタイル。一方後藤は距離が遠く、中々頭へのパンチが当たらず苦戦気味。それを見たセコンドの山口会長は「ボディを狙え」と指示。後藤は展開を変えようと、強引にくっついて回転が良く強い連打でチェに対抗。一方のチェはあくまでジャブからの右強打で後藤を削っていき、顔へのパンチを浴び続けた後藤は4Rに入ると目が塞がった影響か反応が落ちてくる。するとチェは右を警戒する後藤の裏をかいて、飛び込むような左ボディでダウンを奪取。展開もポイントもチェの優勢は決定的となる。

 天神ジム興行の小さいリングはファイター寄りの後藤に有利なはずだが、チェはガードとフットワークで的確に後藤のパンチを外して隙を見せない。その後チェはジャブに、ダウンをとったボディを織り交ぜながら後藤の耐久力を計るような攻め。後がなくなった後藤は6Rに入ると被弾覚悟で強引に接近し、捨て身の連打。ダメージがあるはずだが連打は止まらず、勢いに飲まれたチェはガードしきれずに下がりながら一瞬棒立ちに。このまま奇跡の逆転KOか?と思わせた矢先、チェが乾坤一擲の右ストレートで後藤をぐらつかせると一気にラッシュ。ロープに詰めさらに大きな右を当ててぐらつかせたところでレフェリーが割って入ってストップ。ダウンはありませんでしたが、タイミングの良いレフェリングでした。

 最後の後藤のラッシュからフィニッシュまでの一連のシーンは、なかなか見られない激しいパンチの交換で、客席もかなり盛り上がりました。私の横で見ていた、兼業選手の応援に来た普段はキックや総合しか見ていないであろう若者グループが「ボクシング面白いなあ」と興奮気味に語り合っていました。

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 試合後はリングでスーパーバイザーから認定証が渡され、チェがリング下でベルトをもって撮影大会。WBFのことをやれマイナータイトルのなんのとクサす根暗で権威主義のマニアがいますが、あんたらそもそも試合見てないじゃん。ハッキリいって日本タイトルやOPBFタイトルでこれよりつまらん試合沢山あるよ。

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 試合後はラウンドガールも一体になって後片付け。確かに仕切りが拙い面はありますが、こういう参加意識に満ちた一体感がある興行はなかなかございません。素晴らしい余韻を抱いて会場を後にしたのでした。皆さんも悪いこと言わんから一回見た方がいいですよ。

新人王に行けなかった(旧徳山と長谷川が好きです)

 

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