なぜ隔年開催?「国体第三期実施競技選定 評価結果」に見るアマチュアボクシングをとりまく危機的状況

今年の3月4日、国民体育大会(以下国体)でのボクシング競技が2023年度から隔年開催になると言う決定が日本体育協会(以下日体協)から発表され、アマチュアボクシング界には大きな衝撃が走りました。
金メダリスト村田諒太選手も、この決定に対してFACEBOOK上で非常に踏み込んだ意見を発しています。

以下に重要と思われる部分を引用します。
『こういった責任は誰がとるんですかね?
良い時に「自分達のおかげだ」
という人間は多いですが、そういった人間達に限って、悪い時に「責任を取ります」
なんて間違っても言わないものでしょう』(引用以上)
この決定に至るには、当然日体協内での選考がございました。選考はポイント制で実施競技を採点・評価した上で、順位をつけることで行われました。採点基準や配点については日体協のホームページ内で情報公開されています。以下のリンクをご参照ください。
↓
日体協HPより『国民体育大会における実施競技について』
選考結果の採点表については、WEBでは公開されていなかったのですが、日体協様に電話で採点結果と順位表が見たい旨を問いあわせたところ、快く採点結果の文書を送付していただけました。一般人の要望にも、すぐ対応して頂けるという見上げた情報公開振り!さすがであります。
では、さっそく採点結果を見ていこうと思いますが、その前にひとつだけ留保事項を。
それはこの評価は『競技そのものの評価であって、競技団体を序列化したものではない』言うことです。この順位は競技団体の順位を付けたものでなく、ある基準に沿った競技の評価であり、サッカー協会がテニス連盟より優れているとかそういうことではない、ということは分かっておいてください。勿論、競技団体のガバナンスや運営方針などは採点の対象にはなっていますが、『この順位=競技団体の順位』でないことは、重々ご承知おきください。前置きが長くなりましたが、以下がその順位表です。

なんとなんとボクシングは実施競技中最下位の41位!40位のクレー射撃との点差は、16点という大差のぶっちぎり。逆に下を見れば、ゲートボールとは5点しか差がありません。
個別の項目を見てみれば、『ジュニア世代の充実』や『女子スポーツの推進』『協議会の開催・運営能力』が最低水準。6項目中3項目がほぼビリでは話に成りません。『競技会の活性化』と『競技団体のガバナンス』も41競技中20位台の後半。実に六項目中五項目が低水準。唯一そこそこの評価だったのは『スポーツ医・科学サポートの充実』の項目ですが、これも丁度中間くらいのランキング。頭部を直接打撃する格闘技としては物足りない水準であります。
正直このままでは隔年開催すら危うい状況で、公開競技一歩手前とさえ言えます。アマチュアボクシングを統括する日本ボクシング連盟(以下日連)にとっては、何を置いても取り組まねばならない喫緊の課題だと思うのですが、何らかの対策は検討されているのでしょうか?「インターハイでも隔年開催にされるのではないか?」ということも囁かれる現状で、果たして有効な対策が打てるのでありましょうか?
関係者の危惧が分かるような気がします。
採点表自体がなかなか興味深かった(旧徳山と長谷川が好きです)
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オマケ情報 『一枚の文書』
先月中旬まで日連のHPに掲載されていたものですが、現在URLは削除されています。題して『会長、山根明の経歴および人間像について』…。

文中『歴史、伝説、貢献で有りこの三文字を』とありますが、『歴史、伝説、貢献』を足すと6文字ではないでしょうか?