HARD BLOW !

日本ボクシング連盟激震の内幕 澤谷廣典氏インタビュー

澤谷
前近大ボクシング部総監督 澤谷廣典

 『村田諒太を私物化する「ボクシング連盟のドン」』と銘打たれた、山根明会長告発記事が、週刊文春8月10日号に掲載されて以来、沈黙を守っていた日本ボクシング連盟(以下日連)ですが、8月18日になって公式ブログ上に『文春砲』への反論とも言うべき文書を掲載しました。

日連ブログ反論記事へのリンク→「週刊文春」の記事について

反論文中で日連は、文春報道を全否定していますが、そこは週刊文春側が続報で裏付けと反論を出してくれるでしょうからそれを待つとしましょう。

私が、この文書で個人的に気になったのは、週刊文春へ情報提供した、前近大ボクシング部総監督である澤谷廣典氏へのむき出しの敵意であります。「山根会長への反逆者は許すまじ」という、人格攻撃とも言うべき激しい筆致に、私は思わず鼻白んだのでありました。

以前から日連のブログには、海外や国内の大会で活躍した選手や海外からの賓客、プロ側の重鎮などが山根会長に『謁見』する様子を伝える写真や記事が多数掲載されており、どこかの国のニュースのような個人崇拝的ノリがありましたが、ここに来て組織防衛のために攻撃性がより先鋭化しているという印象です。

直接取材が信条の当HARD BLOW!としては、ここでも当事者のお話を伺うしかない!ということで、山根会長に反旗を翻した告発者、澤谷廣典氏にFACEBOOK経由でコンタクトをとってみたところ、インタビューを快諾していただき、じっくりとお話を伺うとともに、様々な資料も見せて頂きました。

元々は赤井英和総監督(当時)の後輩であると言う個人的な結びつきから、部員による強盗事件で廃部状態だった近畿大学ボクシング部の復活プロジェクトに関わったと言う澤谷氏は、ボクシングには門外漢でした。そこから個人的な人脈を駆使してマスコミなどに働きかけながら、学生選手や大学当局と協力してボクシング部を復活させ、一部に返り咲くまでの強豪へと部を育て上げてきました。


実は澤谷氏は、今年の三月に高校選抜大会の視察に訪れていた岐阜で、脳梗塞に見舞われ、生死の境を彷徨うという経験をしており、この取材時もリハビリ中。当初は、担当医師から確実に後遺障害が残る、と言われたそうですが、現在は右手の指二本と顔面にやや麻痺が残る程度にまで驚異的な回復を見せており、取材当日も特に何の障害もなく会話が出来ました。 

インタビューを読んでいただく前に、筆者のこの問題に対するスタンスを間単に説明しておきます。週刊文春誌上では、山根氏の金銭問題や強健的な組織運営、女性問題などが俎上にあがっておりましたが、当ブログはボクシングブログであり、何を置いても問題とするべきなのは「日連が政治力を持って特定の選手を勝たせているのではないか」「IOCやAIBAと方針をたがえるような組織運営をしているのはなぜか?」「プロとなぜ協力関係築けないのか?」と言う疑問であります。競技の本質を歪めているかもしれないこれらの問題を、日連の内情を良く知る澤谷氏に質すのが今回のインタビューの大きな目的でありました。

澤谷氏はざっくばらんに、その胸中と数々の疑惑について語ってくれました。(澤谷氏の発言は赤文字

澤谷「今、アマの選手はヒーローインタビューする時には、猫も杓子も『山根会長のおかげです』と言います。これ言わないやつは全部チェックしてますからね。

近畿大学が、二年前入れ替え戦に勝ってマスコミは、テレビも新聞も山盛り来てくれてました。あくる日、どの新聞見ても『近畿大学7年ぶり復帰。赤井男泣き。』とダーっと出たわけです。で、我々もコメント出してたんですが、そこに『山根会長のおかげです』と言う言葉がないから、エラい私に怒って来たんです。そういうことを露骨にトップが要求してくることは『情けないな』と思ったんですけど、私は父親もおりませんので山根会長との関係は『オヤジと息子』やという気持ちもあったし、(山根会長に)いいところも勿論あるし、我慢して尽くしていかなアカンと。ただそれもあくまで、近畿大学のため、近畿大学ありきですよ。選手を世界の舞台に送ってもらうには山根会長の力も必要や、と。そういうことで私も我慢に我慢を重ねてきた。

今回の話でも、事件にもならんような私のことを拾ってきて『暴行やから処分する』『事件や!』『事件や!』というけど、何が事件やと。」


 『ボクシングビート』誌が2017年7月号で報じた、当時総監督だった澤谷氏による『コーチ暴行事件』が氏の総監督辞任の直接の引金となりました。その顛末は澤谷氏によると以下の様なものでした。暴行事件があったのは今年の3月18日のことです。

澤谷「当時はボクシング部が、新しい寮に引越す費用の700万円の金策のさなかでした。道場で仕事をしてたら、そこにコーチのAがやって来て『日連のコーチ登録費3万円がないんで、出してくれないか』と言うて来たんです。私は金策で頭が痛い状態で、というかこの二日後に脳梗塞で倒れたわけで、実際に頭が物凄く痛くて体調は最悪でした。そんなときにわずかな金額の話を言ってきたので『おまえそれぐらい自分でちゃんとせい』と言うたら、Aは『ほんなら辞めますわ』と言い返して来たんです。

私は最初は『ほんなら辞めんかい』と言って無視してたんですけど、段々頭にきて、Aに詰め寄って足を蹴り上げて、そのあと道場ではアカンと思って場所を変えて、『お前カネ、カネ言いやがって、ええ加減せいよ!』言うて平手打ちもしたんです。」


 暴行があったのは事実でした。そのことは澤谷氏も認めています。どのような事情があったにせよ、やってはならないことです。

 その二日後、澤谷氏は旅先の岐阜で脳梗塞を発症し、死線をさまよいます。岐阜の救急病院で意識が戻った後、澤谷氏は見舞いに来たボクシング部の関係者からAコーチが引き続き練習指導に来ている事を聞かされて安堵します。

澤谷「Aは大学時代の後輩の弟で、その後輩から『Aのことを頼むで』と言われてきたような関係です。コーチ業以外の昼間の仕事の身元引受人も私がなっています。今までコーチ業に関わる経費もほとんど私が負担してきました。ずっと面倒見てきた人間が甘えたことを言ってきたから、パチンとやってしまったわけです。」

 『パチンとやった』という表現が、適切かどうかは暴行を受けた当人の捕らえ方とは違うかもしれませんが、澤谷氏にとっての認識はそのようなものでした。脳梗塞発症から10日後の3月29日、大阪の病院に転院した澤谷氏のもとに、後にセクハラ・パワハラ事件で諭旨解雇となる鈴木康弘監督がAコーチを伴って現れ、そこで話が出来たことで澤谷氏はAコーチとは『和解が出来たものと思っていた』そうです。

ところが、それから一ヶ月以上経過した5月上旬になって、澤谷氏は突然近畿大学の理事から「A氏への暴行事件について聴取したいから来てください」という呼び出しを受けます。その際の理事との面談で、Aコーチが事件直後に診断書をとっていたことを知らされ、澤谷氏は「とっくに和解したはずなのに、なぜ?」と驚いたそうです。澤谷氏は自らの暴行の事実は認めて、すでに当事者と和解したことを説明し総監督に留任しますが、氏の脳梗塞発症に乗じて発生した近大ボクシングの内部抗争は一気に顕在化します。

事件直後にA氏に診断書取得を命じて(経費も負担していた)、保管していたその診断書を五月になって大学当局に持ちこんだのは、ボクシング部OB会長のB氏でした。学生選手を置き去りにしたこの人事抗争は、一部リーグ戦の優勝争いが激しくなった6月まで続きました。指導者の内輪もめに巻き込まれたボクシング部員の境遇は気の毒としか言いようがありません。

澤谷氏の見解では、そのリーグ戦の優勝争いがこの問題の背景にあるというのです。

澤谷「こっちはゴタゴタを乗り越えてリーグ戦も全勝で来て、芦屋大学と4勝0敗で並んで、さあこれから決戦やと思ってました。そしたら、6月に入って鈴木監督とAに対して日連から呼び出しがあって、山根会長は『Aに対する暴行事件は問題やから、澤谷は処分や!』と言うて来たんです。でもAはそのときに『和解してるし、この問題は選手は関係ない』と言ってます。私も『事件や言うなら警察でも何でも行ったらよろしいがな。処分でも何でもしなはれ』と言ってたんです。そしたら『いや澤谷の暴力事件は、マスコミが嗅ぎつけとる』と。それが、ボクシングビートに載ったあの記事ですわ。でもこれは、なんのことはないリークして書かしとるんですわ。ビートの発売前に前田編集長から『山根さんが澤谷さんを処分するって言ってるけど、どういうことなの?』という電話が来ましたから。

そこからは、とにかく総監督を『辞任せい』『辞任せい』の一点張りですわ。『澤谷が辞めんかぎり、近畿大学はリーグ戦に出さん。優勝しても、全日本には出さん。』とも言われたようです。これを丁度、芦屋大学と近畿大学が4勝0敗で並んだ時に言うて来たんですよ。これもしね、ウチがどっかで星を落としとったら、こうはなってなかった思いますわ。僕がAを怒って叩いたことなんかとっくに分かってたことでしょ?問題にするならその時やったらいいじゃないですか。それが、二週間後に優勝かけて一騎打ちやいう時に急に言うてきて、ボクシングビートにも載せて。」


ボクシングビートに記事が掲載されたこともあって、澤谷氏は近畿大学に辞任届けを提出しました。

澤谷「それでいざ決勝迎えたら、関東から山根会長が子飼いにしてる腰巾着連中を審判に呼んどるわけですよ。以前、山根会長は私に『そのうちオマエのところ(近畿大学)がぶっちぎって優勝するようになるんやから、今はあんまり焦ってガタガタ騒ぐなよ』と言ったことがあるんです。これって要は『その内優勝できるんやから、今年は芦屋大学でええやろ』と言ってるようなもんでしょ。

去年も二回ダウン取ってるのに負けにされて、アマに嫌気さして中退してプロに行った子がおるんです。それで、今度やったらゆるさんぞ、と思ってたところにこれですわ。」


 ここで澤谷氏の口から飛び出したのは、判定が操作されているという衝撃的な告白でした。俄かには信じられないような話です。

とはいえ、以前からアマチュア・ボクシングをよく観戦している人から「奈良出身の特定選手が、判定で優遇されているとしか思えない勝ち方をする」と言う話を、聞くことはありましたし、ネット上でもそのことに言及した書き込みは多々あります。果たしてそんなことが実際にあるのでしょうか?

もしそれが事実なら、実際にどのような手法で、審判を操作するというのでしょう?澤谷氏は私の疑問に、よどみなく答えてくれました。

澤谷「今はC、D、Eという三人の理事が審判団を仕切って、多い時で一日40試合くらいの審判を決めてます。対戦表の横に審判割りというのがあって、試合前にそれを山根会長のところに持っていって、それを見ながら奈良の選手のところを『ちょっとこいつとこいつ代えとけや。」とやるわけです。ほんなら入れ替えられた人間は、なんで自分が入れ替えられたか分かるわけです。私は以前インターハイで滞在していたホテルで、山根会長が奈良出身の選手に負けの判定をつけたジャッジを自室に呼び出して『お前は舐めとるんか?!今度やったら処分や』恫喝するのも目の前で見てます。」

HB「もし思ったような判定が出なければ、個別に呼び出されて叱責される、ということですか?」

澤谷「そういうことです。最近は、何かあったら奈良県が総合優勝、国体も二連覇してるわけです。私も奈良県ボクシング連盟の理事も兼ねとったから、ここの祝賀会にいかなあかんわけです。スピーチもせなあかん。でもどんだけ情けないか。ホンマに情けない。こんなことしてて、よお『勝った!勝った!』と喜べるな、とやっぱり思うじゃないですか。奈良の体育協会は、ある高校に新品のリングまで寄贈してます。

去年の国体でも地元岩手の選手が、奈良の選手相手に最終ラウンドに二回ダウンを取ってるのに、判定で負けにされて、会場は『おいなんだこれ!逆じゃねえのか?!』ってお客が騒ぎ出して、物凄い雰囲気になったんですよ。」


その騒動について岩手県の地方紙の報道を調べてみると、確かに判定のおかしさを指摘する内容になっていました。
 新聞記事
2016年10月7日付 岩手日報より

記事を書いている記者がアマチュアボクシングの採点基準を理解していないことや、岩手県の新聞が地元選手について書いていることから生じているバイアスなどを考慮しても、判定が納得のいかないものであったことが伝わって来ます。会場が騒然となったことも事実のようです。

澤谷「いつも思うんですよ。山根会長が奈良の会長やったら奈良県の子を勝たせたがるの分かるけど、アンタはもう日本の会長やろ、と。それやったら奈良が勝とうが、広島が勝とうが、北海道が勝とうが、ホンマに強い子を育てたらええんちゃうの?と。なんでこないに、奈良奈良奈良というのか...。まあ息子(日連理事の山根昌守氏)が奈良の会長やっとるからね。」


現在の日本におけるアマチュアボクシング報道の第一人者である、ノンフィクションライターのせりしゅんや氏は、アマチュアボクシングの判定の政治性についてブログの記事中で以下のように述べています。

 2015年8月4日のインターハイについての記事より以下に引用いたします。

『負けた選手側の応援団がなかなか納得できないのが現在の採点法だが、明らかに不公平な採点がなかったわけではない。大げさではなく、観戦した最低8割が逆だと思っていた判定まであった。分の悪い試合で勝者になり続けると、選手は誤った感覚を磨き続けるため、結局、伸び悩むことになってしまう。それを考えても「ジャッジが勝手に保身に入った採点」は、今後も抑制に努めていくべきだろう。これはこの競技における伝統的な問題である。』(引用以上)
 
『ジャッジが保身に入った採点』という表現は、澤谷氏の語った内容と合致するものがあると思います。
氏の口から語られた日連の内情は驚くべきものでした。はたして一連の氏の告発は事実なのでしょうか?次回はオリンピックのプロ選手出場問題や、大手プロジムとの金銭やチケットを介した密接な関係について触れて行きます。

またも熊本に来てる(旧徳山と長谷川が好きです)

************************************
(補足)

発言中で触れられている国体の総合優勝ですが、実はボクシング競技は2023年度から、国体では隔年開催になることが決まっており、関係者からは失望の声が広がっています。金メダリストの村田諒太選手も、FACEBOOK上でこの件にふれて厳しいコメントを発しています→村田諒太選手のFACEBOOK記事へのリンク。以下に引用します。

 7月27日の書き込みより
『国体のボクシング競技って隔年開催になるそうですね。僕の時代では日本記録にあたる、高校6冠王という記録を目指したりもしたもんですが、隔年開催じゃ、それも難しくなりますね。そして選手からしたら、試合するチャンスが失われるなんて最悪の事態です。競技団体に下された評価を元にしているそうですが、こういった責任は誰がとるんですかね?根本的に、良い時に「自分達のおかげだ」という人間は多いですが、そういった人間達に限って、悪い時に「責任を取ります」なんて間違っても言わないものでしょう愛する世界が陥っている状況に悲しみを覚えています』(引用以上)

村田 FACEBOOK



村田選手が『競技団体に下された評価を元にしているそうですが』と書いている判断の根拠については、日本体育協会によって採点基準が公表されています→日本体育協会『国民体育大会における実施競技について』

1800点満点で競技団体を並行比較して、ふるい落としが行われたようですが、採点基準を見れば分かるとおり、ボクシングはオリンピック競技であるために入れ替わりで毎年開催になった柔剣道に比べて200点のアドバンテージがありました。にもかかわらず、隔年開催になってしまった。このことは日連のガバナンスに対する冷徹な評価といえるでしょう。

金メダリストからの苦言は、果たして日連のトップには響いているのでしょうか?

Comment

B .B says... ""
これはもう、山根さんにも話しを聞くしかありませんね。
2017.08.27 09:41 | URL | #bH1htKmU [edit]
せきちゃん@mos says... ""
こんにちは、Twitterではいつも絡んでいただいてありがとうございます。

ボクシング選手名鑑管理人のせきちゃん@mosです。
名前をしっかり出してここに書きこむのは初めてですね。
よろしくお願いします。


この記事を読んでの印象ですが…
「なかなか難しい問題に突撃されたな」という思いと、「大丈夫?」という印象を持ちました。

今後、この問題はさらに新しい情報が更新されていくのでしょうし、外野にいる自分が現段階で何かを言うのは早い気もしています。


ここでは、僕自身が現在、抱いている懸念を伝えさせてください。

まず記載されている3つの問題のうちこの記事では、「日連が政治力を持って特定の選手を勝たせているのではないか」…という部分が中心になっているように思えます。


奈良判定問題ですが、これはなかなか難しいと…。

澤谷さんがおっしゃっていることが立証できれば、これは許されざるべきことです。
ただし、ここがグレーであれば、まずは奈良判定が存在することを証明しなければならないと感じます。

たとえば、今世界選手権に出場している森坂嵐を、よく見もせずに「奈良だから勝てている」と言っていた方もいます。
でも、実際蓋を開けてみたら、アマの世界のトップで活躍できる選手だった。

また、奈良出身の方が、国際大会のコーチなど重要なポストについていますが、相応しい結果が残っていますから、こいういったことまで「奈良だから」になってしまわないか心配しています。

「奈良判定」という言葉が行き過ぎることも多々あり、それはプロが「亀田」という名前を全て悪と決めてかかったことにも類似すると思います。

全てが奈良だから…と言うボクシング世論が出来上がってしまうのは危険。
そのあたりの棲み分けはきっちりすべきで、これは難しい作業になると思います。

この記事の流れだと、せりさんの指している内容が、奈良判定を指しているように読みとれてしまいますが、そうじゃない可能性も僕はあると思っています。
強化指定選手有利に出た判定かもしれないし、他のことを指しているかもしれない。

おかしいと感じる判定は多々ある現実はありますが、全てが奈良判定と繋がっているように見えてしまうと、ちょっとまずいですよね。


アマチュアボクシングを愛している方の中に「奈良判定」を感じたことはないと言う方もいます。

今後、この話が決着するとき、詰め切れずグレーで終わるのなら、「奈良判定があると断定はしていないよ」と言うことをはっきり明記しないと内容が一方的なまま終息してしまわないかな…と。
そんな終わり方は…嫌ですよね。



また、ハードブロウさんがアマチュアの問題を扱うに当たり、2つの懸念があります。


①アマチュアを愛してきましたか?

ハードブロウさんはボクシングを愛する集団であることは理解しています。
しかし、プロを中心に愛している方々…とこれまでの記事から感じます。
失礼かもしれませんが、もし、アマチュアを継続して愛してきたメンバーがいないのであれば、この問題の扱いは他の記事とまた種類が違ってくるはずです。

もし、メンバーの中にアマチュアを強い思いを持って見守ってきた方がいらっしゃるのであればそれは僕の完全な取り越し苦労になるのですが…
そうでなければ、これまでハードブロウの核をなした、「ファンとしての視点」が弱くなる可能性があると。
そういった危うさを感じると思うのです。

アマチュアボクシングの関係者だけでなく、アマチュアボクシングの熱烈なファンの意見が聞いてみたいと僕は思います。

「ダウンが2回あったのに判定負け…」
僕のような浅いアマチュアボクシングのファンでも、これだけなら別におかしくないでしょ?って感覚があります。

プロのファン視線と、アマのファン視線では全く感覚が違うと思うのです。



②高山のアマ転向を支援する援護射撃?という勘ぐり

高山勝成のアマ挑戦を支援しているハードブロウさんだからこそ、この勘ぐりは、避けて通れないところでしょう。

読む方々は、きっとその色眼鏡で読む。
むしろ騙されないぞ!くらいの感覚の方もいるでしょう。

偏った内容に終始すれば、その色眼鏡は外れない気がしますし、過去の記事まで遡って、色眼鏡をかけられる可能性もある。
それは、ハードブロウを読んでいる人間としては残念です。



誤りがあった時、ちゃんと「ごめんなさい」ができる方々だと思いますし、しっかり取材される方々だと信じています。
何よりそうしてきた実績がある。

こういった問題に挑んでいくことを強く応援したいと思います。



最後に…
好ましくない報道が注目を集める形のスタートではありますが、これをきっかけに、この問題のゴールがいい形になればいいと思っています。

僕はプロ>アマチュアだと思っていないし、競技のシビアさは軽くプロを上回ると思っています。
これをきっかけに「アマチュアの凄さ」が世間に理解してもらえれば…。
ここもまた、アマチュアボクシングの課題だと思いますので。

戦う選手たちを守ってやってください。


2017.08.28 11:38 | URL | #- [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
>せきちゃん@moss様

真摯なコメントを頂き大変ありがとうございます。

疑問に対しては今後の続報で答えて行きますが、総論を...。

例えば週刊文春にアマチュアボクシングに対する愛情を期待しても詮無いことだと思います。オリンピック競技の統括団体には税金も投入されています。厳しいチェックを受けるのは当然のことです。疑惑の究明を求めるに当たって、対象に対する愛情の有無は何の関係もありません。ロンドン五輪で清水聡の判定が覆ったのも、普段アマボク見てない一般の人やメディアの間で「なんじゃこの判定?!」と大騒ぎになったからです。

あるいは東芝や東京電力の経営判断を批判する時に、対象に対する愛情の有無が問題になるでしょうかね?相撲協会やFIFAのスキャンダルにしてもそうです。むしろジャンルに対する偏愛や執着は目を曇らせる原因にもなります。

『自分はよく野球やサッカーで同じ問題があったら、ファンや世間がどう反応するか?』という仮定の話をしますが、内部事情に精通している人からトップが不正をしてると言う内部告発があれば「それは事実なのか?」「真相を究明せよ」と言う声が上がるのが普通だと思います。それがボクシングだと「身内の恥を晒すな」「普段見ていない愛情のない人が批判するな」と言う論調になってしまう。

東京五輪で日本選手が二度ダウンして、判定勝ちになったら世間の人はどう反応するでしょうか?きっと「おかしいんじゃないの?」と言う声が主流になると思います。そのときに「アマチュアボクシングのルールではダウンもパンチ一発も同じ採点基準だから」と説明して世間の見方は変わるでしょうか?「変なルールのスポーツだな。判定でなんぼでも裁量を効かせて不正が出来るじゃん」と思われるだけではないでしょうか?

スポーツと言うのは万人に開かれたもので、更に言えば高校や大学の部活は学生の課外活動です。マニアや好事家のもんじゃないのです。岩手日報さんの記事もそうですが、普段ボクシングを見ない人に「何だこのへんな競技は?」と思われたらそこで終わりなんですよ。

そもそもアマチュアボクシングの審判制度は中立性を担保するなんらかの監視システムはあるのでしょうか?ファンやマスメデイアはおかしな判定をおかしいと批判できる風通しのよさはあるのでしょうか?
2017.08.28 16:42 | URL | #- [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
高山選手の件については過去記事にあるとおりで、IOCのアジェンダでプロの参加が明言されていて、AIBAも認めている(認めなければオリンピック競技から外されるので当たり前)のだから、ルール上参加できなきゃおかしいのです。

プロ選手の参加を拒否するのは単なるルール違反であり、間違っているというだけです。議論の余地は特にありません。
2017.08.28 17:05 | URL | #- [edit]
せきちゃん@mos says... ""
返答ありがとうございます。

実は僕自身もまだアマチュアの観戦歴は浅いんです。
アマチュア大好きな方に情報をもらったり、色々教えてもらって観戦しています。
そんな僕がこんな指摘をするのも、何かおこがましい気持ちを抱えながらではあるのですが…それは置いておいて記述します。



「東京五輪で日本選手が二度ダウンして、判定勝ちになったら世間の人はどう反応するでしょうか?」

ここにまさに僕の懸念があります。
アマチュアのルールを無視して、"プロボクシング"の概念で語ってしまうのは少し変ですよね。
アマチュアを見続けた人たちと、プロを見続けた人たちの感覚のズレがここにあると思うのです。

アマチュアのルール変更は頻繁に行われます。
もしかすると、東京五輪の頃にはよりプロに近くなっているかもしれませんが…。

ダウンも一発のヒットとして扱われるという、現行ルールがあるわけですから、
それをプロのルールで語って「おかしい」と言ってしまうことに違和感があります。
「高校野球は金属バット使ってるからおかしい!」みたいに言われている感覚なんです。

この感覚…理解できますか?
それがアマチュアを愛していますか?という質問に繋がっています。

ここの理解度を持って、先に進めて欲しいと感じているのです。
だって、世界中がそのルールでやって、そのルールに合わせて選手は練習してるんです。
プロを見る感覚でそれを違うと否定されたら…そう言われても…って僕は思います。

逆に2Rまで優勢なのに、3Rにダウン二回しているからお前の負けねってなったら…。
それは納得がいかないでしょう。
ルールと違う結果が出ているんですから。


「世間の人はどう反応…」

そのルールを理解してもらえるほど、ルールを浸透させれていないことが問題だと思います。
(すぐ変わっちゃうから浸透させても…ってとこもあるかもしれませんが)

トーナメントでは、もっと怖いルールがありますよ。
カットで続行不能なら、切った方が負け。
ヘッドギアが外れて、これの頻度は上がりそうです。

準決勝のバッティングで切った傷が、
決勝で開いて負けなんてこともあるのです。

これはトーナメントである以上、仕方ないとも思える部分です。
負傷判定を導入したところで、切った方が勝ち上がっても…戦えないですよね。
勝ち上がって棄権にしろって思うかもしれませんが、
アマチュアボクシングはそういうルールなんです。


プロボクシングであれば、みなさん色濃く見られてきていますから、前提知識がたっぷりある。
しかし、似て非なるアマチュアボクシングを題材にしたとき、そのプロを見てきた前提知識や感覚が逆に足かせになる懸念は充分に考慮に入れてください。

どうか慎重に…。



「プロ選手の参加を拒否するのは単なるルール違反であり、間違っている」

その通りです。

しかし、判定に不正があるかも…と、いっしょくたにしてしまうのは違いますよね。
ハードブロウさんがいっしょくたにしているとは思っていません。
いっしょくたに見られてしまうのではないかと懸念しているのです。

「高山の応援が昂じて、山根叩きをしている」という色眼鏡をかけられてしまうことで
訴求性が損なわれないかを心配しています。

高山も大事、判定も大事。
ただ、この二つがまったく別問題ということは、読者に意識させてほしいと思います。
せっかくここに切りこんでくれたんだから…。


岩手日報の件に戻りますが、ルール上はあり得る判定。
しかし、動画を見ていないのでなんとも言えません。
3R通じて支配したうえでダウンも2度奪っているというならこれはおかしな判定でしょう。

「会場が騒然となった」
この岩手日報を拡散する関係者がいる。
この試合の判定がおかしな判定で
…積もり積もったうっぷんが噴出した可能性も否定できません。

おかしな判定はやはり、ありますから。

2017.08.29 00:11 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
>似て非なるアマチュアボクシングを題材にしたとき、そのプロを見てきた前提知識や感覚が逆に足かせになる懸念は充分に考慮に入れてください。どうか慎重に…。

仰る通りです。
真心からの、一つ一つのご忠告と受け取りました。
誠に有難い事です。
今後とも宜しくお願いいたします。

ところで、貴兄の運営されるボクシング選手名鑑。
以前に何度か拝見した事があります。
これほどの大変な作業をされている方がいらっしゃるとは!と驚いたものです。
愛情はありますか?と聞かれましたが、こうした事を継続される事は、言い換えれば情熱であります。
そうしたところからの進言は特に、僕らは真摯に受け止めなければならない。
ご指摘の通り、アマとプロは別の競技と言って良く、正直、僕らは現段階ではアマチュアボクシングの知識は皆無と言っていいほどで、その緒についたばかり。
また、それぞれの問題もただ提起するだけなら現象の羅列でも構わない訳ですが、それだけでは無責任の謗りは免れない。
結果、誰かを(当事者以外でも)傷つけるだけならば、それも意味のない事と個人的には思います。
もっと言えば、誰かを傷つけてでも、社会正義として問題解明をするべきという強い覚悟があるかないか。
切り込んだからには、それを僕らは迫られている。
ただ、一つの現象があって、そして縁あって覚悟を決めた人に出会ってしまった。
それが正義か、単なる権力闘争なのか、どちらとも言い切れないのか、
これからの取材で明らかにしたいと、旧徳さんは考えていると思います。

JBC問題もまだ途上ですが、ただ、最後の最後には、そこにある人間群像と人間論に帰結すべきと言うのが僕の希望です。
そして反省がそこにあれば、再生への道もまた見えて来る。
プロだろうがアマだろうが、それは変わらないのですから。
2017.08.29 16:23 | URL | #bH1htKmU [edit]
B.B says... ""
余談ですが、ボクシング名鑑でご苦労される事として外国人選手の名前があると思います。リンクさせる時にも苦労されますね。
例えばアーサー・ビジャヌエバ(Arthur Villanueva)http://fanblogs.jp/boxingmeikan/archive/1004/0
対戦者のレイ・ミグリノはメグリニョあるいはメグリノ。
マルコ・デメッシロはデメシリオなど本国の呼び名にならうとカタカナ表記は、
アーサー・ヴィリアヌエバあるいはビリヤヌエバ。
https://www.youtube.com/watch?v=qPlUqLWXhxM
4分40秒辺りにコールがあります。
プロモーター発表時点で間違えていたり、あるいは日本語訳情報が間違っているなどが結構ありますね。
あるいは間違っていてもマネージャーさんがこれで行く!という場合もあります(笑
しかし、これをいちいち検証するのは時間的にも過酷。
気付いた事があれば(検証可能な場合について)投稿させて頂きますね。
2017.08.29 17:22 | URL | #bH1htKmU [edit]
せきちゃん@mos says... ""
B.Bさん、ありがとうございます。


>これからの取材で明らかにしたいと、旧徳さんは考えていると思います。

全てはこれからですよね。
安心しました。

日連(山根さん)の問題、AIBAの問題…。
いたるところに問題はあると思います。
しっかりすみ分けてもらえればと思います。

このブログの姿勢と、これまでに培った物を信頼しています。


選手名の件、ありがとうございます。
僕のブログなんてBoxRecがあるんでほんとはいらないんですけど、
実は過去の地方ボクサーってBoxRecからかなり漏れているんです。

コメント欄で協力してくれる方もいらっしゃるので、
いろんなボクサーの情報の中に、そんなボクサーの情報を混ぜて
彼らの歩いたボクサーズロードを人目につくところに置いておきたいなんていう
おせっかいな思いもあるんです 笑

フィリピンは難しいですね。
タガログ語もセブアノ語も英語もある。
どれが何語か解っても、正確な読み方はわからないんですが 笑

B.Bさんのように指摘してくれる方々に頼って作成しています。
褒めてくれて素直にうれしいです。
ありがとうございます。

2017.08.29 23:11 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
>実は過去の地方ボクサーってBoxRecからかなり漏れているんです。

そうなんです。
僕も記事を書く上でホントに僅かな経験ですが、ぶち当たります。
ある人が、教えてくれました。
正統な記録はその競技の正統な歴史であり、そこに存在する人すべての正統な歴史であると。
貴兄が為されている事は、おせっかいでも何でも無くて、もはや理念であると、僕は思います。
少なくとも日本の歴史は僕ら日本人が守って行かなければならない。
貴兄はボクシングの守り人と思います。
2017.08.30 04:21 | URL | #bH1htKmU [edit]
B.B says... ""
蛇足ではありますが、そこにこそ人間群像があり、そして人間論に想いを馳せる事が可能になると思っています。
重ね重ねではありますが、今後とも宜しくお願いいたします。
2017.08.30 04:31 | URL | #bH1htKmU [edit]
says... "管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017.08.30 09:06 | | # [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
非公開コメントの方、ありがとうございます。

一言、酷いと思いました。
2017.08.30 18:48 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
僕も見させて頂きました。

戦った二人の若者のリングの中だけは嘘が無いと思いました。
それを嘘にしてしまう周りの大人が居るのではないか?
勝者も敗者も不幸な事だと思いました。
自分の息子もボクシングをやりたいと言いますが、こうした現実を見ると、親としては心に傷をつけるような世界なら、安心して預けることは出来ません。
綺麗ごとだけでは生きて行けないとも思いますが、何とかせなアカンと思います。
理想は一体何処にあるのでしょうか?
2017.08.30 19:45 | URL | #bH1htKmU [edit]
せきちゃん@mos says... ""
映像がyoutubeでも確認できるようになりましたね。
まずは、この件について叫びをあげている方々の言葉の一つが
裏付けられる形になったことに安堵しました。

しかし、同時に重たい気持ちと…また、憂いがあります。

現在、奈良で活躍している選手たち、中には世界で戦おうとしている逸材もいます。
今後「奈良判定」が声高に叫ばれることにより、彼らの残した足跡が汚されてしまわないか。
それ以外の選手たちにとってもそうです。
正当な勝ちまで"奈良だから"と…そんなのあんまりですよ。

リングの外側をリングの中に持ち込んじゃいけない。
それはプロもアマも同じです。
この試合にかかわった人々以外にも、沢山の犠牲者を生み出すと感じます。

聞いた話ですけど、山根さん、奈良の生徒たちには凄く優しいそうです。
判定操作が事実なら、山根さんは優しい顔して彼らを裏切ってきたんですね。
最低だ…。
あくまで事実なら…信じたくない。
2017.08.30 23:41 | URL | #- [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
学生の試合の勝敗・タイトル実績と言うのは、オリンピックに出れるかどうかに始まって、推薦入学や就職、プロ転向の際の判定基準にもなり、いわば人生がかかった重いものです。

「次頑張れ」で済む話では到底無い。選手にとっては試合は一回こっきりです。

全てをボクシングに賭けてきたやってきた選手が、勝利を盗まれたとしたら、それは恐ろしく罪深いことです。

もし不正があるなら、勝った選手の心配の前に、まず負けた選手のことを考えるべきだと思います。

その上で、勝った選手にも十字架を負わせる罪深いことだと思います。
2017.08.31 00:51 | URL | #- [edit]
せきちゃん@mos says... ""
たしかに…おっしゃる通りです。
負けた選手が一番の被害者です。

加害者はこういったことが、この試合だけに限定された罪と思わないで欲しいですよね。
様々な形の被害者を産み出すわけですから。
2017.09.01 02:47 | URL | #- [edit]

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