HARD BLOW !

JBC裁判傍聴に行って来た。

12月12日、そして昨日26日といよいよ佳境に入った亀田対JBC裁判の傍聴に行って来ました。

「いよいよ」と書いて煽るつもりはありませんが、日本プロボクシング唯一のスポーツコミッションの命運がこの裁判には賭けられているわけですから、師走のこの時期、仕事を投げ打ってでも我々にはこの裁判を見届ける必要がありました。
2012年の安河内剛氏の懲戒解雇事件から始まったJBCの迷走と暴走、そしてその後の混乱を、我々はずっと余すことなく伝えて来ました。
その理由は、これを発端にしてボクシング界は大混乱に陥ると予想し、大きな危機感を持ったからです。

入廷の直前に大手メディアの方を見つけて、この裁判の争点は何処にあると考えておられるか聞こうと声を掛けさせて頂くと「ハードブロウさん、読ませて貰いましたよ。良くやってますね」とお褒めの言葉を頂戴しました。
恐縮しながらも、当時一般的には誰も振り返らない一連の問題を取り上げて来ましたので、今こうしてプロメディアの方が問題と原因について「注視して下さることが、僕らにとって何よりも有難い事なのです」とお答えしました。

過去記事は右のカテゴリからJBC関連をお探し頂ければ見ることが出来ます。
時系列から追うとピックアップには多少苦労されると思いますが、興味のある方は是非お読み頂きたいと思います。
旧徳さんらの記事や考察、そして主張が、ほぼ証明されていると思います。

さて、この日は原告被告関係者、メディアだけでなく、一般の傍聴も多数あり注目度の高さを感じました。
やはりこの裁判の持つ意味が浸透しつつあったのでしょうか。
これまで不当解雇を申し立てた職員らによる地位確認裁判で、和解含む実質4連敗がすでに確定して解決金、賠償金などの他、高額な弁護士費用がコミッションの一般財源から支払われましたが、ここまでの総額は約9千万と言われています。
この日はライセンス更新却下を不服とする元亀田ジム会長、マネージャーによる地位確認裁判の最終証人尋問で、最終書面提出は4月上旬、判決は6月と予想されます。
更にこの後にはライセンス更新が認められなかった末に道を閉ざされた亀田兄弟らによる日本プロボクシング史上最高額となる賠償請求事件の結果が控えています。
如何にJBC側が組織防衛と言い張っても、結果として1億円以上の金が無駄に流出する事になります。
その他にJBC職員による例の監禁、恫喝、暴行と騒がれた亀田兄弟らを訴えた裁判がありましたが、これは職員の訴えは虚偽であるとしてこの職員に対し賠償金が命じられたのは既報の通り。
このJBC職員敗訴の裁判は「個人としたものでJBCとは一切関係ない」とするJBCですが、この職員の大きな問題行動が本裁判だけでなく一連のJBC問題の原因の一つとして大きく関わった事を示す証言がJBC側からもたらされました。
裁判は厳しいですね。
炙り出される事実はすべて一連の繋がりあり、そこに関与した人物が暴かれて行きます。
それら詳細は本裁判判決後に書くとして、この裁判の争点整理がほぼ終わったこの時期のこの証言が、この裁判だけでなく大混乱の原因解明の今後の重要なキーワードになります。
そして因果関係と責任の所在はずべて明らかになるのは間違いないでしょう。
他にもこの職員に絡み監禁恫喝と騒ぎ名誉棄損が確定したフリーライターなどの関与はありますが、これはもはや枝葉に過ぎず、報道等により周知された事で少なくともボクシング界では、同じような被害は出ないと思われます。


さて、この日はじめに証言台に立ったのは、亀田大毅氏でした。
この裁判の発端となるIBF王座問題の当事者にして、この後に続く問題の最大の被害者といえます。
2013年12月3日のこの試合、彼は正当に準備し正当に戦い、王者として選手として、その義務を立派に果たした、ただそれだけの事です。
網膜剥離が直接の原因で引退した訳ですが、その道程において彼が受けた苦しみは想像に難くありません。

JBC側の尋問に朴訥に答える彼の後ろ姿からは、まだボクサーの色香が漂っていましたが、裁判官による尋問に答えた時、一瞬にして法廷は悲しみの色に染まりました。

「この問題が無ければ・・」
「日本でもっと試合がしたかった・・。悔しいです・・。」

選手経験者ならば、身近に選手と接している人ならこの意味が一瞬にして理解出来るはずです。
そしてこの日の裁判官にもそれは伝わったと感じました。
僅かな嗚咽を飲み込んだ彼を見て、改めて選手の活動を妨げてはならないし、二度と選手に理不尽な仕打ちをしてはならない。
そして、このような場所に立たせてもならないと思いました。

その後、辞任がほぼ確定とされる現統括本部長の浦谷氏、JBCのトップに君臨する秋山専務理事の証人尋問と続きますが、裁判の争点が何処にあるのかまだ把握出来ていない様子で、繰り返される尋問の中で、自分本位の主張の綻びが色濃く浮かび上がっただけと感じました。
おそらく手に負えないような指示を出すクライアントに弁護士も相当に苦渋したはず。

何故かと言えば、判り易く言うと、頑固一徹なある意味純真なワンマン社長がおだてと取り入るだけが取り柄の不良社員のウソに乗せられ、暴走を許した挙句にそのツケを払わされることに。裁判で屋台骨まで食いつぶす打撃を被ったと。
それでもまだ可愛い社員のウソを鵜呑みにして、と言うか、自分の眼力の衰えが信じられず、無用な裁判と敗訴をくりかえし初めて「なんで?なんで?」と。
そして、親切な仲裁人から「こいつら不良社員ですよ。そのウソをまだ信じてるの?」と言われハッとした時にはもう遅かったと。
会社に帰ったあと社長さんの怒りは何処にぶつけられるのでしょう。
どうであれこの社長とそのバックに忠誠を誓った?弁護士さんは覚悟を決めざるを得なかったのではないか?
少なくとも被告代理人の中でも特に人の好さそうな弁護士さんは、安河内氏の事件の前から一部始終を見て知っていた訳ですし、不良社員のウソも見破っていたはずで、本件を引き受けるのにも相当の苦渋があったはずと想像する訳です。
もちろんその人の人間性とやった事の責任は別の問題です。

しっかし、業界の人がいつまでこの人らにコミッションを任せる事を許すのだろうと、不思議でなりません。
スポーツコミッションとしてのJBCの権威は守られるべきと考えますが、それはその機能に対してであり、個人に対するものではありません。
今さらこんな簡単な理屈が理解できないとは到底思えないですが、はき違えている人がまだ居るということでしょうか?

地裁を出て、一人の傍聴者が「これでほんとうに終わりましたね。秋山さんはまだ気付いて無いようですが」と溜息をついていました。

記事について、ご質問等あればご投稿お願いします。
出来る限りお答えしたいと思います。

※記事タイトル変更しました。

やっつけ仕事みたいですが、実は一生懸命に書いてる・・ B.B




Comment

いやまじで says... ""
JBCに反抗的な態度をとると痛い目にあうよ…
というような報復的、ある意味感情的な対応が目立つと私は感じていますが、
今回の証人尋問でJBCサイドの証言として具体的にどのような点に「綻び」が見られたか、
教えていただくと幸いです。(あ、年明けで結構です。)

>選手の活動を妨げてはならないし、二度と選手に理不尽な仕打ちをしてはならない。
そして、このような場所に立たせてもならない

全く同感です。
2016.12.31 16:12 | URL | #Twj7/TDM [edit]
B.B says... ""
>JBCに反抗的な態度をとると痛い目にあうよ…

まったくもってこれなんですよ。
これまでの裁判でも、裁判官はこの「驕り」を感じた結果という印象があります。
裁判官も色をなすというのを初めて知りました。
スポーツコミッションの在り方を法廷は理解していたという事です。
まだ、法廷がそうした認識に立っているという事だけでも有難い事。
JBC代理人は争点の駆け引きに自信満々であったそうですが、理屈になっていない。
排除した理由にAとBがある。
しかし、「Aという前提が崩れた時にBの前提について検証しなかったのですか?」と。
これは安河内さんの裁判と同じで、彼らの心根が現象として現れたと感じました。
強弁を繰り返す(いや、本当にそう信じていたと思う)秋山さんは「していません」と正直に答えました。
秋山さんには更に厳しい尋問がありました。
要は監禁恫喝騒ぎの「虚偽を言ってる人間を今も信じるのですか?」と。
これに被告JBC側弁護士が猛然と食って掛かった。
それと本件は「関係ない」と。
しかし、この裁判官は毅然として、因果関係に連続性がある事を示しました。

まぁ、裁判は判決を見ない限り断言は出来ませんが・・日本語が解る人ならどちらが破綻したか、一目瞭然であったと思います。
2017.01.04 05:46 | URL | #bH1htKmU [edit]
B.B says... "既に多くの報道で周知された事ですが"
法廷で示された、この因果関係の連続性に大きく関わった東と西の虚偽報告のJBC職員。
裁判では、何度も出て来る名前ですが、ご本人らはこの事実を知らないのでしょうか?
知っていれば普通なら恥ずかしくて穴にも入りたいでしょうが、まだリングに上がったり、リングサイドに居ますね。

余りに常識からかけ離れた不思議で異常な世界です。
非日常はリングの上だけでいいんですよ。
リングが非日常だからこそ、リングの外は常識の日常であり続けなければならないと思います。
一つの裁判が終わったら、その責任が免れ、あるいは禊が終わったなどと考えるのは大間違いです。
2017.01.04 06:04 | URL | #bH1htKmU [edit]
いやまじで says... ""
JBCはボクシングの試合を管理・運営する職責を担っているわけで、当然試合のルール・レギュッレーションは知悉していないといけない。ところがそれができていなかったことは明らかなわけで、それがために事態がここまでこじれてしまっている。それを認めないために、責任回避のために、無用な労力と資金が費消されている。
現統括本部長は2016年8月に辞任が確定しながらそれが回避された際にヘラヘラ薄ら笑いを浮かべながら囲み取材を受けていましたが、このような人にいかなる求心力があるのでしょうか。
現実を直視することができない人たちに待っているものは破滅以外の何ものでもないことは、時を経れば明らかになることでしょう。
2017.01.05 00:43 | URL | #Twj7/TDM [edit]
says... ""
裁判というパブリックな場所で公開された内容ですから、伏せずに書いてもいいと思いますが…
判決後の記事を期待しています。

言いたいけど言えないことがまだあるように感じますから。
判決が出たらすべて言ってしまってください。
応援しています。
2017.02.01 04:28 | URL | #- [edit]
B .B says... ""
応援ありがとうございます。
不透明な中でも戦っている人らが居ます。
共通の理念がありますので、それらの人を僕らも応援し続けます。
全てはボクシングの未来と選手らの為と。
2017.02.03 13:09 | URL | #bH1htKmU [edit]

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