HARD BLOW !

市民団体の舞台裏 ・・それでもボク愛

私たち一行は東京駅近くのコインパーキングに車を止め、海鮮居酒屋屋に入りました。
すでにこの時には2ちゃんねるでの実況は止んでいました。

私としてはまだこの日の仕事を終えてはいませんでしたが、皆ここで解散という空気になりましたので警備ごっこも「もうこの辺りでいいだろう」と思いまして、ビールを注文しました。
ここ二日の緊張が解放され疲れがドッと押し寄せて来ましたが、頭の中は動き出したファンの会の事で頭が一杯になっていました。

「これはもう一度原点に帰って情報収集と議論を重ねなければならない。時間をかけてやるべきだ」

そんな事を思いながらすでに降格となっていたY事務局長の話題になった時です。

Yからの反撃は有り得るのだろうか。スキャンダル写真が週刊誌に掲載され、それが引き金となって事務局長はクビになったという事でしたが、K記者がこれに絡んでいる内容の話しを本人からもコミッション役員からも聞いていました。
実際、その週刊誌を「僕は10冊買い友人らに配りましたよ」と言うとK氏は「ありがとうございます」と言いましたし、あるコミッション役員も「あれはKさんでなかったら出来なかった事です」と言いましたので、おそらくはその通りなのでしょう。K記者は業界でも一躍脚光を浴びる存在になったという事でしたし、その後はジャーナリストとして飛ぶ鳥を落とす勢いになっていた事と思われました。

私はずっと彼がそうなる事を願い、これまで微力ながらお手伝いをして来たつもりでしたし、どうであれ友人であるという思いに変わりはありませんでしたが、このJBC問題については多くの利害関係の無い人たちを巻き込んでいる以上、冷静にならなければならないと考えました。世の常としてスキャンダルで始まった事は単なるスキャンダルで終わってしまうと思えたからです。
また水面下で改革派とY派の駆け引きがいまだ続いていると聞いていましたので、私たちにとっては後任人事が気になるところです。
これはどんなに足掻こうと所詮ファンは蚊帳の外ではあります。
しかし、問題があると聞いた以上は皆が望む理想的な人事と組織改革をして貰いたいと願う心は誰にも妨げられません。

Y氏は降格になったものの解雇とはならず(それはそうでしょう。表に出た根拠がスキャンダルの域を出ていないのですから)復権の可能性もあるという事でしたので、改革派の理想とする組織になる為に、またY氏の息の根を止める為にも「追撃の二の矢三の矢はあるのですか?」とK記者に聞きました。

彼は「今は答えられませんが、あります」と言いましたが、それに続く言葉に私は頭を打たれたような衝撃を受けました。

「アレだって僕がわざわざ○○まで行って取って来た物なんです」

ここではそれが具体的に何を指すかは書きませんが、その「アレ」とは、改革派役員の内部告発の一つとして拳論でも記事になった、重要な証拠とされるものです。
その「アレ」の、証拠としての能力について言えば、正直不正を暴く根拠としては乏しいものと思われましたが、Y氏の個人的資金流用が他にもあるのではないか?と思わせる効果はありました。

それはどうでもいい。
問題なのは、その「アレ」が、正真正銘のオリジナルではなく、K記者が某所で調達してきたいわば「ニセモノ」と呼ぶべきものである、ということです。
一つの根拠を証明する為に、ゴシップライターの世界では良くある話かも知れないし、彼のこれまでの手法はそうだったのかも知れない。

しかし、この世に存在しないはずの二つ目の「アレ」を以って、改革派の告発の根拠とすることは社会的に許されない事ではないのか?
万一法廷での争いになった時にその「嘘」が発覚したとしたら、全ての告発の信用性までもが疑われてしまうのではないか。
それを知ったファンは振り上げた怒りの拳をどこに降ろせば良いのか?そして誰が責任を取るのか!

その証拠の真偽を問うても今さら仕方の無い事。
しかし、そこに一つでも虚偽があったならば私には「許されない事」と思われたのです。

彼の一言で熱病集団の中にいた私は一気に醒めました。

この時、拳論発のファンの会は「終わった・・」と思いましたが、ファンを巻き込んだ以上引き返せない。これを昇華させる為にはどうしたら良いものかと考えました。


私は皆の前で「Kさんも記者の立場があるという事ですし、僕らも一旦拳論から離れメンバーが業界関係者に直接会って話しを聞くべき」と努めて穏やかに提案しました。
いやまじでさんやウチ猫さんのいるこの場で「彼が信じられないのだ」とはさすがに言えませんでした。
自分一人怒りを胸の内に沈めてファンの会を成功させる為にはどうするべきかを考えました。
私は感情が直ぐに表に出る性質でしたので悟られまいと必死でした。

本当のファン主体の会を作るべきだ。正しい情報を元にして進むべきだ。自分たちで苦労して道を探すべきだ。

「対立よりも、ファンによる対話を軸とした会にしましょう。業界関係者の折衝には僕があたります。会合にも出席して貰って生の声を聞きましょう。出来る限りやってみます」

葛藤渦巻く心中をひた隠し私は努めて穏やかに言いましたが、K記者はこれを曲解しました。

彼からは僅かな反論がありましたが、すでに私も聞く耳を持っていませんでした。

「大変なことになった・・」

私の思いにこの時はおそらく誰も、いや一人を除いては気付いてはいなかったはずです。

唯一K記者のみが、「私が何かに気付いたと」この時に感じた事でしょう。
彼にはそういった嗅覚の鋭い所があるのだと思います。


続く・・

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