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捏造記事裁判番外編 判決文で認定された大手メディアの情報漏えいについて

 さて、スラップハンタイ!界隈の逃げ足の速さとヘタレ対応には呆れかえるしかないわけですが、判決文について、私にはもう一つ気になることがございます。

 昨年書いた傍聴記でも触れましたが(記事へのリンク→『スラップ裁判はありまあ~す』 普通の名誉毀損裁判傍聴記in東京地裁 PART1)、片岡亮氏は、試合の取材の為に高松クレメントホテルにいた三つの大手メディアのスポーツ記者から情報提供を受けて、件の捏造記事を書いたと証言しているのです。片岡氏が上げたメディア名は、東京スポーツ、サンケイスポーツ、時事通信の三つ。

 これは判決文でも触れられています。判決文37ページより以下に引用いたします。

  裏付けが十分ではなか ったものの、本件紛争の一方当事者であるA(筆者注:亀田兄弟に敗訴したJBC職員)ら、 第三者である記者に対する取材を経て、本件記事等を掲載したものである。


 片岡氏が、大手メディアの記者から情報提供を受けて、記事を執筆したことは判決文で事実であるとされています。

 もしこれが事実であるなら、実は問題があるのです。
 
 記者には倫理規範と言うのがございまして、報道目的で知りえたことを目的外で使用することは、基本ご法度なのであります。

 例として朝日新聞の行動基準へのリンクを貼っておきます。
朝日新聞記者行動基準

 報道目的で知りえた情報が、亀田兄弟を中傷する目的の捏造記事に使われて、そのうえ裁判でも証拠になっていると言う事実は、記者倫理・報道倫理に抵触するのではありますまいか?

 まあたまたまその場に居た人として取材受けたというタテマエは通用するかも知れませんが、流された情報を元に二つの裁判で600万円超の賠償を命じられるような捏造記事が書かれたとしたら、そのことだけをとっても問題であると思います。

 時事通信社にはメールによる問い合わせ窓口がありましたので、昨年の時点ですでに「取材目的で知りえた情報を目的外使用として、フリーライターに提供したのですか?」という質問メールを送付したのですが、特に返答はございません。

 取材記者というのは、社会的には国民の知る権利の代表として、特権を得て現場取材を託されている身なのであり、捏造記事への情報提供は明らかに本義でもなく倫理にもそむいていると思わざるを得ません。

 まあ大手メディアにとったらどうでもいいんでしょうね、こんな問題...。

 電話取材自体が本当に事実なのか疑わしいとも思える(旧徳山と長谷川が好きです)

 

 

 

 

 

Comment

東日本の善良な市民 says... ""
3つの視点に分けて考えてみることにします。

1. まずは片岡氏の立場から(どこかにすでに書きましたが、別冊ジュリスト179号より抜粋)。

情報源については、信憑性の吟味ができない匿名者の供述やいわゆるオフレコの情報を根拠とするのみでは不十分であって、さらに真実と信ずるに足る合理的な裏付資料を収集すべき義務がある(和歌山地新宮支判平成元・11・28判時1351号83頁)。

つまり匿名3記者への取材では全く不十分ということです。

2. 次に大手記者の立場から。
最高裁昭和44年11月26日大法廷決定から引用しますが、ただし今回片岡氏が記者3名から得たと主張する情報については、いずれも監禁・暴行等を裏付ける内容ではなかったことも今回の東京地裁判決であわせて事実認定されていたことを明記しておきます。

「公正な刑事裁判の実現を保障するために、報道機関の取材活動によって得られたものが、証拠として必要と認められるような場合には、取材の自由がある程度の制約を蒙ることになってもやむを得ないところというべきである。しかしながら、このような場合においても、……取材したものを証拠として提出させられることによって報道機関の取材の自由が妨げられる程度およびこれが報道の自由に及ぼす影響の度合その他諸般の事情を比較衡量して決せられるべきであり、これを刑事裁判の証拠として使用することがやむを得ないと認められる場合においても、それによって受ける報道機関の不利益が必要な限度をこえないように配慮されなければならない。」

つまりは、報道の自由を守るためには、たとえ刑事裁判の証拠となりうる情報であっても、提出を命じる際に証拠としての価値や必要性の有無(中略した部分の要約です)、報道の自由に及ぼす影響を慎重に吟味した上で決定しなければならないと判じています。
(もっともこの最高裁決定〔テレビフィルム提出命令事件〕では状況が切迫しており、「この程度の不利益は、報道機関の立場を十分尊重すべきものとの見地に立っても、なお忍受されなければならない程度のものというべきである」として提出命令が肯定されています。)

これほど慎重に扱われねばならないはずの情報を命じられもせずにホイホイ出すなら、それらの記者(実在するなら)は自ら報道の自由を手放し、ひいては記者全体の地位を貶めて恥じない人物ということになるでしょう。

3. 最後に、片岡氏によるこれら3記者への取材がどういう性質のものであったか。
これもどこかに書きましたが、非公式の談話や、記録の不正確な扱い、あるいは観測をまじえた取材については取材した者の過失が認定されます。今回は3記者は訴外ですし、取材から得られた情報がいずれにしろ監禁やら暴行やらに結びつかないものでしたので、訴訟経済を考慮して追及は甘かったですね。
2016.02.14 18:36 | URL | #7SPhLgiM [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
まあ記者の倫理ちゅうのは法規とは別だと思いますので、違法かどうかはさておき、取材現場で知り得たことを部外者にペラペラ喋ってるとしたら大変問題だと思います。時事、サンスポ、東スポの記者は現場で見聞きしたことを部外者に喋るという認定が法廷で下りたということですからね。
2016.02.14 22:37 | URL | #- [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
私ら運送屋の世界ですら、最近じゃ新築のホテルやアミューズメント施設、コンビニやメーカーの展示会などの仕事すれば、写真や情報の流出はご法度で、SNSなんかに情報書き込みしたのがバレれば確実に懲罰です。マスコミってそんなゆるい世界なんですかね?
2016.02.14 22:44 | URL | #- [edit]
ウチ猫 says... ""
マスコミがゆるいというよりは、ボクシング界がなめられてるんじゃないですか。ボクシング番の記者もいないから、ホントに芸能ゴシップ扱いで。

ちなみに印刷・製本業界でも、AKBだとかポケモンとかの人気キャラクターものを作るときは、機械をセットするときの試し刷りといった、本来は再生ゴミとして処分するものも全て、発注者が引き取る場合が多いですよ(発売前に漏れるのを恐れて)。
或いは、こちらに処分を任せる場合でも、「外部に漏らしません」といった一筆を取られたりとか。
2016.02.15 01:11 | URL | #gnBYJsCU [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
記者でなくても、普通に仕事場で見聞きしたことを部外者にペラペラはしゃべらないですよね
2016.02.15 01:17 | URL | #- [edit]
東日本の善良な市民 says... ""
今回の旧徳さんの記事に補足しておくと、片岡氏は、複数目撃者がいる、と繰り返し指摘することで彼の書いた暴行等が裏付けのある真実であるような表現をしていたと裁判所は判断しており、この複数目撃者について片岡氏が裁判の中で上掲3媒体の記者であったことを証言していたのでしたね。

>マスコミってそんなゆるい世界なんですかね?

バブル崩壊後は新人研修にあまり時間をかけることもなく、加えて社内で新人研修から教育した人間ばかりではなく、中途採用の社員や契約社員などの記者(・校正者)も多いでしょうから、ゆるさが許されるはずはなくても管理の行き届かない現場はありそうですね。

少し話が逸れますが、安河内さんの事件も今回の亀田さんの事件も他では同じ性質の情報は一切報じていなかったわけで(東スポも直接取材は亀田さん側だけでしたっけ? 他は間接的な表現に終始していたはず)、裏もとれないまま一刻を争って発表しなければいけない類の情報ではありませんでした。だからなお、より丁寧な取材が求められる案件でした。
2016.02.15 08:29 | URL | #7SPhLgiM [edit]
says... ""
片岡氏に記者の資質が全く以って欠けているということが、ますます明らかになったということですね。
それでも片岡氏を使う媒体が、テレビ含め少なからずあることが不思議です。
2016.02.15 14:52 | URL | #- [edit]
東日本の善良な市民 says... ""
>印刷・製本業界でも、

全然話が変わりますが(ちょっと息抜き)。
印刷物って不便な点もあるけど(文字だと検索かけられないとか)、目も疲れにくいし、好きなんですよ。4色印刷だと色にこだわらないといけなくて何を何パーセント強く、とか細かい指示で調整したりするでしょう?

黒人の肌の色は人によって様々で(光の加減で実際の色も多少は違って見えるけど)、ネットだと端末によって(同じ端末でも設定によって)色が全然違って見えるし、試合の画像を検索してもトランクスの色味さえまちまちだったりして、どれが本当の色なんだろうっていつも思うんですよ。

あまり自由だとかえって居心地が悪くなってしまう性分なもので、ネットとかテレビで自分で色を調整できてしまうのはあまり好きじゃないんです。印刷物だと印刷上がったときの色をみんなが一様に見るじゃないですか。実物と違ってても見た人がそれを記憶してしまうのはこわいことでもあるし、商品だったりすると色の調整される方は大変なんだろうなと思うけど、でも例えば福田直樹さんの写真をリング誌のサイトで見る時、どの色で見たらいいの?って、いつも誰かに教えてほしくなります(まあ、だらしのない人間です)。

今は色とはほとんど無縁な仕事をしてますが、日々霞ヶ関文学と格闘するなかで、やっぱり同じことを感じるわけなんですよ。
ボクシング関連の判決文は昔も今も明快そのもので、印刷物の色のように迷いなく受け止められてスッキリしましたけどね。
ちょっとぼやいちゃいました。

霞ヶ関文学という言葉についてはこちらをどうぞ。↓
http://www.the-journal.jp/contents/jimbo/2010/03/post_49.html
2016.02.15 21:31 | URL | #7SPhLgiM [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
>それでも片岡氏を使う媒体が、テレビ含め少なからずあることが不思議です。

やくざの姉さんだった細木数子さんも、溝口敦さんの暴露が出るまでゴールデンで番組やってましたからね。北芝健さんも黒木昭雄さんに経歴詐称を暴かれるまで、普通にテレビに出てました。

名誉毀損の先輩(笑)のデヴィ夫人も未だに普通にテレビに出てますし、それ言ったら清原さんだってそうですからね。

テレビってそんな厳しく身体検査してないんじゃないでしょうか?
2016.02.15 21:57 | URL | #- [edit]
東日本の善良な市民 says... ""
何が言いたかったんだろうと整理してみたのですが、ひとつは(改めて言うまでもないことですが)情報なんて送り手と受け手の匙加減次第で変わってしまう不確かなものだな、ということ。
そしてもうひとつは、ボクシング界にも指標があってほしい、ということ。それがある程度示されているから、私はここにいついています。ある程度、と書いたのはルールでも何でも常に見直しが必要だから。ゼロから作るのは難しくても、誰かが決めたことにダメ出しをするのは意外と誰でも得意だと思うんです。だから必ずしも最初から完璧なものである必要もないと思うんですよね。ただし、ダメ出しをするにはそれ以上の指標の用意が必要で、単にダメ出しするだけなら破壊行為でしかありません。
安河内さんの裁判も亀田さんの裁判も判決文は明快そのものでした。でも、JBCは指標を失って久しいです。
「JBC崩壊劇は、安河内剛前事務局長の失脚から始まった。」と書いたのは週刊朝日2013年12月20日号。昨年末には現代の藤岡記者がJBCの財政が急激に悪化していること、使途不明金があること、健康管理金が目的外に使われている可能性について指摘していましたね。
改めて振り返ると、安河内さんの一審判決文はそれだけでひとつの大きな指標になりうるものだったと思いますが、JBCは不服として控訴。控訴審判決では一審判決にいくつかの修正が入りましたが、その多くない修正点のひとつでは、 本部事務局長について「極めて特殊な職位」と判示していました。しかし、ここで示された新たな指標も、JBCは統括本部長の設置によって全否定してみせました。これは控訴審判決の示した指標に対して、創造のための破壊だったと言えるのかな?
2016.02.16 01:29 | URL | #7SPhLgiM [edit]
谷川しゅんき says... ""
2011年4月に、当時のJBC本部事務局長のことが夕刊紙に掲載されて以後、いろんな出来事や裁判が行われましたが、現在までの結果として、言い方は悪いのですが、先にやったもん勝ち、になってしまったな、と思っています。

ジャーナリスト、とか、フリーライター、とか、ノンフィクションライターと名の付く方で、大手に属している、あるいは全くの個人、関係なく、一連の出来事で不利になったり、信用を失ったり、仕事が出来なくなったり、という方は、僕の知る限り、ひとりもいません。前にも、書きましたが、それが「民事裁判」なんだ、と今は、思っています。直近の裁判で、高額の賠償金を支払うことを命じられたフリーライターが、何も変わることなくテレビに出演(むしろ有名になってられる)のが典型かな、と。

私の直接かかわった、といっていい二人の関西のライターは、その後、一人は児童書とスポーツを絡めた分野で、日本の小学生の多くが読む「課題図書」に選定される署をものにしてられますし、もう片方の方は世界王者になれなかった日本の有名ボクサーで俳優の方の名前を借りる、第三者的には「それどう?」という商法でスポーツ分野でのベストセラーを手にし、作家デビュー。ビリヤードについて書きながら、過去に深くかかわってられた体操の分野で、また新たなノンフィクション書を発刊されます。

何がいいのか、の判断はできかねるのですが、刑事罰、が与えられない限り、メディアはメディアにかかわったいる人には甘い、というのはこれらの事実でも分かると思います。そして、メディアを離れて分かるのは、僕らがどう頑張って、彼らのおかしい、と思える行為を指摘しても、それはマス、を対象にはできない。ミニコミに毛のはえたものにしかならない、という事実です。

大学教授ら有識者の闇、と今、私は仕事上では対峙していますが、同じくでメディアの闇、も深いです。僕らが言っても、マスで扱う事件、しかも多くの方が注目しない限り、なかったこと、にしかなり得ない。メディアに26年間、そして違う分野で社会とコミットするようになって、完全に理解できたこと。普通の人間のやることは、やはり、メディアにはスポイルされる、という事実です。残念ながら、今回のほぼ5年間の出来事で、私のめからみて、誰かを陥れよう、あるいは叩き潰そう、という悪意を持って記事を書いたり、情報提供したメディア関係者で窮地に陥った方は、現在のところ、ゼロ、です。
2016.02.16 13:43 | URL | #e327kUro [edit]
東日本の善良な市民 says... ""
>一連の出来事で不利になったり、信用を失ったり、仕事が出来なくなったり、という方は、僕の知る限り、ひとりもいません。

一連の、とは、JBC 、安河内さん他職員・元職員の方々、亀田さん、片岡氏をめぐるボクシング関連の裁判という理解でよろしいでしょうか。今のところ、和解した元職員の方々やマッチメーカーさん以外の裁判はいずれも確定していないようですので、それについては、確定後に時間をおいて改めて振り返ってみたいと思います。今なお、業界を改善するためにご自身の環境を整えようと努力を加速されている方もおられます。私は私の身をおく静寂な環境のなかで(遠巻きながらで恐縮ですが)、公の場で記録すべきものは記録しながら、見守っていきたいと思います。

>普通の人間のやることは、やはり、メディアにはスポイルされる、という事実です。

一方、メディアのやることはもまたメディアによって、あるいは大衆によってスポイルされる、とも言えます。私もメディアに長く身をおいた(文字、写真)後、今は法律に携わっていますが(本来公の場で言うことではなく、お会いした上でなら詳しくご挨拶したかったですが)、その経験を踏まえた上での実直な感想です。
2016.02.16 19:06 | URL | #7SPhLgiM [edit]
等々力酸素魚雷 says... ""
http://www.sponichi.co.jp/battle/news/2016/02/16/kiji/K20160216012054060.html

亀田兄弟の勝訴確定 JBC職員「監禁」訴訟、控訴取り下げ
 ボクシング亀田兄弟の長男興毅氏、三男和毅選手による監禁や脅迫行為があったかどうかをめぐり、兄弟側と日本ボクシングコミッションの男性職員が争っていた訴訟は、「監禁などはなかった」と名誉毀損を認め、職員に320万円の支払いを命じた昨年9月の東京地裁判決が16日までに確定した。職員が東京高裁への控訴を15日付で取り下げたため。

 地裁判決によると、次男大毅選手の世界タイトル戦前の記者会見があった2013年9月、興毅氏と和毅選手が会見場から報道陣を退出させ、グローブに関して職員を問いただした。職員は、その際に2人から怒鳴られたり小突かれたりして脅迫されたと知人のジャーナリストに情報提供するなどした。

 この事実関係をめぐり双方が提訴。地裁は現場を撮影した映像などを根拠に、職員がうその事実の公表で兄弟の名誉を傷つけたと認めた。
2016.02.16 21:40 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
このスボニチの記事、一定の評価はします。
だけど遅いんだよ!と言いたい。
2016.02.16 23:30 | URL | #bH1htKmU [edit]
ホシイモ says... ""
結局職員取り下げで片岡しゃんもおしまいの巻で
亀田との関係はオシマイになるのでつね
もう引退してるから二度と絡むことはないのね

やらなくていい裁判だと見ていておもいますた

半分は古いアンチ亀田ファンがお金負担する感じでおわりますた

片岡ファンやめる人も増えそう

(。・ω・。)
2016.02.16 23:44 | URL | #bGf9qjkw [edit]

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