HARD BLOW !

『スラップ訴訟』が聞いて呆れる。単なる『捏造中傷記事裁判』分析 PART1

 お待たせしました。今回から判決文の内容について、私なりに分析を加えていきます。

 早速内容を見て行きましょう。まずは主文の部分を引用いたします。ちなみに判決文中の『原告』は亀田興毅氏と亀田和毅選手、被告はフリーライターの片岡亮氏です。(引用部分は赤文字、筆者の注は青文字で表記します)
 
1 被告は、原告亀田興毅に対し、150万円及びこれに対する平成26年2月7日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。
2 被告は、原告亀田和毅に対し、150万円及びこれに対する平成26年2月7日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。
3 原告らのその余の請求をいずれも棄却する
(引用以上)

 報道された「亀田兄弟二人に対して300万円の支払いの命令」というのは、興毅氏と和毅選手双方へ150万円ずつと言う内訳であることが分かります。

 三項目の 「その余の請求」とは、亀田兄弟サイドが求めていた、謝罪文の掲載のことであると思われます。

 慰謝料300万円というのは、ブログ記事としてはかなり高額なのではないでしょうか?

 以前、当方が記事中で触れたデヴィ夫人のブログ上の名誉毀損事件が、和解で165万円。

 つい先日、橋下徹氏が週刊文春の記事について提訴した裁判は、これも和解で200万円。

 ページビューや発行部数を鑑みると、社会に与えた影響は明らかにデヴィ夫人や文春のケースの方が大きいはずですが、賠償額は片岡氏の方が高いと言う事実は、重要なポイントだと思います。

 裁判長はどのような判断に基づいて、この判決を下したのか?判決文を見て行きましょう。以下、判決文29ページより引用いたします。

本件紛争において、原告興毅及び嶋は、グローブの使用、JBCの対応などに関するA(亀田兄弟に敗訴したJBC職員の氏名)らの回答に納得せず繰り返し質問したり、大きな声で責め立てるような発言をしたりする場面があるものの、終始敬語を用いており、怒鳴り声を上げたり凄んでみせるなどの言動に及んだことはなく、他方、Aは、原告興毅の発言を途中で遮ろうとし、B(当時現場にいたJBC関西事務局所属の職員の氏名)は、自ら発言をするなど、いずれも原告輿毅及び嶋の質問や追及に臆することなく冷静に回答しており、原告興毅及び嶋を恐れている様子はうかがわれない。そして、嶋は本件出入口から退出しよう として扉を開けたAに対し、その腕や肩に手を軽く添えて本件会場内に戻るよう促したが、その際、Aを脅したりしたこともなく、Aは、自ら本件会場内に戻ったものである。その後、Aが再び本件会場から退出しようとした際、本件会場の外の本件出入口の前に立っていた原告和毅は、Aと向かい合う形となったが、 原告和毅がAに対して「まだ、話は終わっていないんや。」などと凄んだことはなく、Aは、扉を押えるように横に伸びていた原告和毅の腕を払って、本件会場から退出したのであり、また、B及びC(現場に居たJBC職員の氏名)も、本件会場から退出する際に、原告らから妨害を受けてはいない。さらに、2 か所ある本件会場の出入口はいずれも 施錠されていなかったものである。
 そうすると、本件紛争を通じて、Aは、原告らから繰り返しJ B Cとしての見解を求められるなどしたために困惑した様子はうかがえるものの、原告らの質問に対して臆することなくJBCの立場を説明した後、いったん本件会場を退出しようとしながら、原告らの求めに応じて再び本件会場中程に戻り、この場では更なるJBCとしての見解は出さない旨を明言するなどし、その後Aらは、原告らに妨害されることなく本件会場を 退出したのであり、原告らがAらを畏怖させ又は身体の自由を奪ったことや、Aらが原告らの言動により畏怖したことを認め得るものではない。
したがって本件紛争において、原告ら及び嶋が「 監禁」又は「恫喝」と評価される行為をしたとの事実は、認められないというべきである。
(引用以上)

 JBC職員が敗訴した裁判と同じく、「部屋の鍵開いてるし拘束もしてないし、普通に歩いて部屋を出てるし、普通に会話してるし、暴力も振るってないし、全然『監禁・恫喝・暴行』じゃないよ」―というごくごく普通の結論が出ました。ビデオ映像を見れば誰でも分かる単純な事実であります。

 この判断の根拠となる証拠となったビデオ映像について、片岡氏は改ざんの可能性を指摘していましたがそれも明確に否定されます。

 判決文の30ページより引用します

 被告は、本件映像について、欠落部分や重複部分があるために信用することができない旨を主張する。しかし 、本件映像には、嶋の求めに応じてメディア関係者が本件会場を退出して話合いが開始された後、Aが自ら退出するまでの聞に欠落や重複する部分は見当たらず、この間の状況は、前記認定事実のとおりであるから、真実性が問題となる核の部分に不自然な収録部分を認めることはできない。したがって、被告の上記主張は、採用することができない。
 (ウ)以上によれば、本件記事等が捕示する、原告らがJB C職員に対して監禁及び、情喝を行った事実が真実であると認めることはできない。
(引用以上)

 結局事実関係はビデオ映像の通りで、編集や改ざんもナシ、と言う至極当然の結論となりました。なぜにこういう単純な話がかくも面倒くさい話になるでしょうか?

 枕を並べて敗訴し、仲良く300万円という高額な賠償(利子を含めれば更に高額)を命じられた片岡氏とJBC職員A氏は、なぜにこのような子供じみた捏造をしたのでありましょうか?まともな大人が見れば事実は明らかなのに…。

 次回はこの判決文のなかで個人的に一番興味深かった、片岡氏の主張とJBC職員A氏の主張とが食い違う部分について論じていきます。(この項続く)

 報道番組が捏造ライターを使っている事実に驚いた(旧徳山と長谷川が好きです)

Comment

谷川しゅんき says... ""
メディアに長くいたものとして、ひとつ思うのは、話題にならなければ、いいことも、悪いこともなかったことになってしまう、ということです。

今回の件で、フリーライターの方がブログで反応しなかったのは賢明で、見事に世間では、なかったことになってしまった、と思います。私の古巣の時事通信社がフリーライターさんの実名を出した記事を配信したのが、(実名を出して大丈夫か?)と私のようなものにさえ思わせてしまうことおになっているのが、今回の顛末です。

刑事事件でないことが、おそらくかなり大きいのでは。民事裁判では、実は「勝者・敗者」はありません。賠償責任が生じるだけで。つまり、刑事でないと、完全な告発は難しい、ということです。名誉回復もそう。私も、それで苦労(笑)してますから。

残念ながら、メディアはこうです。聴視者が、ひっきりなしに抗議電話でもすれば変わるかもしれませんが、今の状況では、世間にとって、どうでもいいこと。なので、ありえないでしょう。今後を考えると、別件ながら関係のある「名誉棄損」案件にかかわっている、と私が思っている関西のライター2人と某ジム会長、安堵したのではないでしょうか?刑事でないと大したことにはならない。残念ながら。何年もに渡っていますから、責任だけはきちんと取らせたいのは、私の個人的な思いではあるのですが。
2016.02.04 23:07 | URL | #GALQnsu2 [edit]
東日本の善良な市民 says... ""
編集なしの映像が公開されることは職員氏によって止められていましたが、裁判ですべてが白日のもとにさらされましたね。
七並べでワイルドカードになるジョーカーのように、あの映像と原告側主張の対照表だけでも大々的に公開されていれば、と商業メディアへの恨めしさは拭えませんが、真実を伝えてくださったHard Blow! さんには深い敬意があるばかりです。
初動が遅れればとてもついていけないような、だからこそ途中で止まるわけにもいかない厄介な作業だったと思いますが、他に誰一人としてできなかったことを、お忙しい中、皆様がそれぞれの時間と労力を費やしてここまでやり遂げてくださった成果は、これから何十年何百年の時間の経過に耐える記事群として今ここにあります。
ここにいられることを私も誇りに思います。
2016.02.04 23:09 | URL | #7SPhLgiM [edit]
一介のネトウヨ says... "斜め上だか斜め下だか分からない被告側の主張"
2ヶ所ある扉が、いずれも施錠されていなかったと映像の内容から、はっきりと判決文に書いてありますな。
(;一_一)

そこから読んで分かる事は、密室状態には程遠いのは言うに及ばず、随って監禁など成立しない。

更に恫喝と判断するには、職員に動揺も恐怖も見受けられず、認められない。
暴行に至っては全く確認は出来ず、そればかりか被告と職員氏との主張自体が食い違っており、判決文はこれをも指摘し明記しているのである。

同じ事案を巡って、立場を同じくするはずの人達が主張が食い違う? (゚Д゚)ハァ?

いやはや、展開としては予想出来る判決ですが、途中経過が斜め上でありますよ。
斜め下なのかも知れませんが…
なぜ、そんな斜め上だか斜め下だかの、失笑すべき始末となっているのか?
次回、判決文で触れられた部分を期待して待つといたしましょう。(。・∀・)ノ
2016.02.05 00:31 | URL | #- [edit]
東日本の善良な市民 says... ""
何度やっても投稿できません。
再起動しようが書き直そうが、
「不正な投稿と判断されました」
「過去の投稿と内容が重複しています」
が延々と。うーーーん。。。
2016.02.05 12:34 | URL | #7SPhLgiM [edit]
東日本の善良な市民 says... ""
>私の古巣の時事通信社がフリーライターさんの実名を出した記事を配信したのが、(実名を出して大丈夫か?)と私のようなものにさえ思わせてしまう

2002年開催のモントリオール会議では、「全ての国々や国際機関が発する公的な法情報は、人間の共通財産の一部である。この情報へのアクセスを最大化することは、正義と法の支配を促進する。」との宣言が採択され、司法制度改革審議会は2001年6月12日の意見書で、「判例情報をプライバシー等へ配慮しつつインターネット・ホームページ等を活用して全面的に公開し提供すべきである。」としています。

「プライバシー等へ配慮しつつ」というのは具体的に何が必要かといえば、裁判の公開原則に関わる問題として、憲法82条が根拠条文になるでしょう。刑事事件について公開原則がより強く影響するのは以下の82条但し書きのほか、37条がその根拠となります。

「裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。」

つまり「公の秩序又は善良の風俗を害する虞」があれば公開しないことを検討する必要がありますが、今回はそれにはあたらないでしょう。
ボクサー逮捕の実名入り記事掲載後、釈放を伝える続報がないことも日常茶飯事となっていますが、最後まで報道できないならボクサー逮捕という話題に最初から首を突っ込むなと各紙にまず言いたい。
今回も同様で、少なくとも一方当事者である職員と片岡氏の記者会見のみを伝えたメディアは、裁判結果を責任をもって伝えるべきです。
そういう意味で今回の時事通信社は立派だったと思います。
2016.02.05 12:55 | URL | #7SPhLgiM [edit]
B.B says... ""
>300万円というのは、ブログ記事としてはかなり高額なのではないでしょうか?

やはり橋下氏デヴィ夫人のように和解なら減額された可能性もあったのではないでしょうか。
ただし、おそらく謝罪文の掲載は飲まなければなりませんが。
判決まで争った事と亀田サイドの被害を考えると兄弟それぞれに対する150万の支払い命令ですから妥当にも思えます。
ただ、亀田プロモーションが亀田三兄弟と関係者の3年間の遺失利益を計算した時、果たしてこれで収まるのか?と見る人もいます。
もちろんこの裁判と実質追放処分の責任はコミッションにありますから別ですが、もし因果関係が証明された時にはこれで終わらないとする人もいます。
北村弁護士は職員との裁判判決直後に「今回は名誉棄損について」と言ったことから、遺失利益の請求については可能性が残る。
そうすると控訴はマイナスに働く可能性大で、僕だったら謝罪文の掲載と共に和解を申し出た方が傷口を広げないのでは?とアドバイスしますね。
まぁ「失うのは金だけと」なかなか骨太な事を言ったそうですからそれは無理かなとは思いますが。
しかし、それにしても事実でない事を記事にして提訴され、それをスラップ訴訟にすり替えて読者から募金まで募ったのは不味かったと思います。
同情を誘った後でそれが嘘だった場合の世間のしっぺ返しは恐いですよ。
2016.02.05 14:36 | URL | #bH1htKmU [edit]
ウチ猫 says... ""
東日本の善良な市民 様

いつも投稿ありがとうございます。
件の「投稿できない」コメントですが、なぜか「迷惑コメント」扱いとなっておりました。
「ころす」みたいな言葉を漢字で書いたり、放送禁止用語のようなものが入ってると、勝手にそちらに送られてしまうことがあり、普段私たちが見る画面でも、「迷惑コメントが来てます」といった案内がないので、見過ごしてしまうんですよね。
今後同じことがあったら遠慮なくご指摘ください。

今回のコメント、一応内容を確認しましたが、当然のごとく問題のあるものではありません。何らかの理由で機械的に振り分けられたと思われますので、承認しておきました。全体の5番目のところに復活して登場しております(笑)。

これからもよろしくお願いします。
2016.02.05 17:40 | URL | #gnBYJsCU [edit]
東日本の善良な市民 says... ""
すみません、お騒がせしました!
お力添え(介助?介護?)ありがとうございます。
途中で書き換え書き換えやってたら、何だかやけくそになってきまして。最後の一文、訂正します(笑)。

そういう意味で今回の時事通信社は立派だったと思います。
→そういう意味で今回の時事通信社は常識的だったと思います。
2016.02.05 19:14 | URL | #7SPhLgiM [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
>東日本の善良な市民様

いつも長文入れてくださるのでスパム扱いになってたのかも分からないですね。

亀田サイドからも、もっと情報発信してほしいです。いやホンマ。

2016.02.05 19:26 | URL | #- [edit]
たぬきち says... ""
じっくり読ませていただきます。
>>主張が食い違う??

「監禁なんて言ってない。」「あれっ、言ったような気が・・・」
「言ったとしてもそう言うつもりじゃ・・」

勘違いしただけなのに大げさに。と持って行きたいのでしょうか?
それとも、お友達解消のなすりあいでしょうか。
たとえ自称でも、ジャーナリストと言う人が裏付けもなく書いたのか?

不思議な人ですね。
2016.02.05 19:58 | URL | #- [edit]

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