HARD BLOW !

 『スラップ裁判はありま~す』 普通の名誉毀損裁判傍聴記in東京地裁 PART3 『ソースは東スポ』編

 前回の続きです。
 これまでの尋問の様子についてはこちらからどうぞ。
  ↓
『スラップ裁判はありまあ~す』 普通の名誉毀損裁判傍聴記in東京地裁 PART1
 『スラップ裁判はありま~す』 普通の名誉毀損裁判傍聴記in東京地裁 PART2 取材メモ断舎利編

 と言うわけ尋問もいよいよ終了予定時刻間近となり、片岡弁護士に代わって北村晴夫弁護士が、自ら被告人であるフリーライター氏に質問していきます。

 テレビでお馴染みの有名弁護士というということで、こちらとしてもどのような尋問をされるのか興味津々でございます。ゆらりと立ち上がった北村弁護士が被告人に歩み寄って質問を始めると、なんと!

 声小さ!

 なんか声が小さいし、モゴモゴとした話し方で傍聴席の端っこにいた自分にはイマイチ聞こえにくいのであります。この辺は意図してるのか、単に話しベタなのかは分かりませんが、声が小さいおかげで、図らずも前のめりに話を聞く姿勢とはなりました。

 北村氏はまずは東スポの記事を盛んに引き合いに出す被告人に対して
「なぜ東スポでは使っていない、監禁・恫喝と言う単語を使ったのか?」
と尋ねると、被告人は
「(行われたことが)実質的に監禁・恫喝だと思ったから」
と答えます。

しかし亀田サイドには現場の状況を撮影したビデオ映像があります。
「そのビデオ映像を見てどう思ったか?」
と問われた被告人は
「激しく詰め寄られているから恫喝だと思った」と答えます。

 繰り返しになりますが筆者は件のビデオ映像を見ております。その顛末は亀田サイドが発表しているこの文書の通りです。

原告主張とビデオ映像の対比_01_R

 ビデオ映像については亀田側が出している上記の文書と相違がないことは私自身が確認しています。一方でJBC職員側の主張は状況の描写から個々人の発言内容までビデオ映像とかなり違うのです。

 まずこの時点で記事の真実性には大きな疑問符がつきます。

 しつこくなりますが、現場の様子は一部始終ビデオ映像で記録されているいるのです。その映像を見れば事実関係の検証は一発で終わるレベルの問題に過ぎないのです。

 またも繰り返しになって恐縮ですが、もし監禁や恫喝したことが事実ならそれは刑事犯罪に相当する重大事件です。またもし暴行があったなら、プロボクサーの拳は凶器だと言う判例がありこれも重大事件です。

 どうもこのライター氏は、他人を犯罪者呼ばわりするも同然の言葉の定義がどうにもあやふやで拡大解釈が目立つのです。

 「激しく詰め寄られたから恫喝」
「何度も同じ事を聞かれたから恫喝」
と答えるライター氏に対して、北村氏は
「あなたはジャーナリストですよね。言葉は大切にして下さいよ」
とクギを刺した上で、再度言葉の定義について説明を求めると、ライター氏は
「今辞書を持っているわけではないので...」
と断った上で
「この場においては恫喝であったと思う」
と答えます。これはつまり、主観的に言葉の意味を定義していると告白してるようなもんではないでしょうか?

さらに、JBC職員が原告となっている裁判における尋問で、なんとJBC職員本人が「のどわをされた」という事実は否定してるというじゃないですか!

ライター氏はそのことについての意見を求められても

「(JBC職員からの電話で)はっきり聞いたと記憶している」
と答えるのみ。

取材源が取材時点で聞いた話を否定するような話を法廷でしているなら、記事を訂正するのが誠実な記者ではないのでしょうか?この時点で記事にある『暴行』の信憑性もかなり下がってしまうと思うのですが...。

そもそも傍聴に来てる位ですから、かなり密な関係にあると思えるJBC職員氏とライター氏が、記事の信用性にまつわる重大な矛盾に対策せず尋問に応じていることにも大変驚いてしまいました。

続いて質問は被告がこの裁判をスラップ訴訟だと公言していることについて。

北村氏は
「東スポの記事は亀田サイドのコメントも取っているし憶測という断わりもあるから、(ライター氏のブログ記事とは)全然違う」
と言いますが、ライター氏はここでもあくまで
「東スポを訴えないで自分だけを訴えるのは言論封殺」
と主張して譲りません。

 しかし前述の通り東スポの記事は全然断定的でもないし、そもそも東スポ自体が憶測記事やトバシ記事を「ほんまかいな?」と言う感じで読む、お楽しみ夕刊紙です。『日付以外は全部誤報』なんて言われる由縁であります。

 しかしあくまで「東スポありき」と言う前提で、他人のフンドシで相撲を取るライター氏は

「自分のブログ記事は読者にとっては、東スポほどの信憑性は無いはず。記事も断定的には書いていないし、読者は東スポの記事を見て『(監禁・恫喝・暴行は)本当なんだ』と思ったわけで、コメント欄の流れも東スポの記事掲載以降傾向が変わった」

と言う旨の主張を堂々開陳!裁判に勝つ為とはいえ、自分のブログ記事の信憑性はお楽しみ夕刊紙の東スポ以下と言い切ってしまう潔さは大変衝撃的でした。コメント欄云々というのも、まあハッキリ言って自演でも複数書き込みでも規制でも何でも可能なブログのコメント欄で流れが変わったとかなんとかそういうことを、名誉毀損の裁判で重大事のように主張する度胸のよさにも感心致しました。

 尋問もいよいよ最終局面を迎え、話題はJBC職員が出した報告書に。

 そこでJBCの文書には監禁と言う表現が無いことについて質されたライター氏は
「出るに出られないからいわゆる監禁だ」
と主張し、あくまで譲りません。
「JBCの報告書には『軟禁』と言う表現はあるが監禁とは書いてないでしょ」
と問われると
「軟禁も監禁の一種です。」
と力強く断言!監禁であるならなぜ刑事告訴しないのかと言う疑問がさらに膨らみます。
この事件についてJBCサイドが何の処分もしていないことについて聞かれると、ライター氏は
「その後もっと大きい問題(2013年末の大毅×ソリス戦以降のトラブルのことか?)が起こったのでウヤムヤになったのかなと思った。処分をしないという発表もされていないし未だに調査中なのではないかと...」
と『JBCが恐ろしく悠長な対応をしているのでは?』という分析を披露。仕事の現場で監禁や恫喝や暴行をされた事案がウヤムヤになるような組織で働くJBC職員氏も本当にお気の毒だと思いました。これが事実だとすると、この『事件』の後、問題が解決していない調査中の状態で、当事者である亀田ジムの世界戦興行を承認してしまったJBCは相当デタラメな組織だと言うことになってしまいますが...。

 さらに、重大な証拠である現場のビデオ映像について、編集の可能性を信じて疑わないライター氏は、亀田ジムのジム開きのイベントで、件のビデオが上映されるという報を聞きつけて、プライバシーの観点からイベントの前日に抗議するとすぐにモザイクがかかった状態のビデオで上映されたという話を引き合いに出して

「亀田ジムのビデオ編集能力はかなり高いと思う」

と言う持論を展開。子供の運動会のビデオ作ってるお父さんでも出来る技術レベルの編集にかなり脅威を感じている風でありました。実はこのビデオは、被告側の弁護人もマスターテープを確認しているのですが、そのことについて問われると

「確認すると言うことは聞いているが確認したとは聞いていない」

と返答。またも被告サイドの連携がちょっぴり心配になったのでありました。

 最後もう一度スッラプ訴訟と主張する根拠を問われたライター氏は

「2000万円と言う金額は高額だし、まず削除依頼などをせずいきなり訴訟を起こすのはおかしい」

と不満を申し述べますが

「内容証明を送りましたが無視しましたね」

と問われると

「はい」

と返答。訴訟の経緯がいきなりでも何でもないということが分かります。

削除依頼云々と言うのもあくまでインターネット上のルールであり、名誉毀損の被害者が加害者に依頼するというのもおかしな話です。もちろん法律に優先するようなルールでもありません。しかしライター氏にとってはネット上のマナーやルールのほうが法律よりも重要なんでありましょうか?大変不思議な感覚だと思います。

 被告・原告双方の尋問は終わって、裁判官が不明点を尋ねる尋問の時間に。

 裁判官は記事をアップした後、追記を入れて編集していった時系列などについて尋ねて、ライター氏はそれに答えていくのですが、その様子がかなり詳細でありました。記事をアップしていくと更新順に並ぶだけなので、コメントの多い記事をトップページに持ってきたりなど、記事の場所を調整する方法をかなり事細かに述べるのですが、たしか裁判冒頭の被告人弁護士による尋問では「パソコンに詳しくないので、メールで記事を送っているだけ」だと言ってたように記憶しているのですが、随分詳しく話しているなあと感じました。

 記事の前提となる情報の確度については
「ブログの記事は仕事でやる記事よりは事実認定は多少甘い。」
とのこと。また
「東スポの報道以降表現を断定的に変えた」
ということも再度述べました。

最後に裁判長ではない女性の裁判官が
「自分のブログだと言う認識はあるか?」
「編集権はあるか?」
と尋ね、被告人はどちらにも
「はい」
と答えました。これはつまり文責・編集責任を自覚しているか否かということを確認する質問だと思われます。

あとは次回の期日などを決めて終了となりました。次回公判で双方最終書面を提出で結審ということになりそうでした。裁判長が
「あちらの(JBC職員が亀田兄弟を訴えている)裁判はどうなっていますか?」
と双方の弁護人に聞いていたので、当然そちらの審理内容や判決も参照されるものと思われます。

まずは9月30日のJBC職員が原告となった裁判の判決を見れば、この裁判の判決もおのずと結果が予想できるかと思います。

というわけでまずは9月30日を注目して待ちたいと思います。

あっという間にお盆休みが終わって呆然としてる(旧徳山と長谷川が好きです)

Comment

幻 says... ""
裁判って甘くない
矛盾点なんて簡単に出るんだと思いました。

というよりも、ゴシップライターさんは裁判を舐めすぎなんじゃ?と思いました。
2015.08.17 08:21 | URL | #- [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
今までばれてなかったのが不思議なくらいですからね
2015.08.17 08:45 | URL | #- [edit]
たぬきち says... ""
>>「(行われたことが)実質的に監禁・恫喝だと思ったから」

ジャーナリストを名乗る人が犯罪者と思ったから書いておいて、
指摘を受けたら「自分の文章は信頼性がありません。」・・・ですか。

こんなジャーナリストに騙され続ける人もいるのですね。
2015.08.17 20:57 | URL | #- [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
東スポの憶測記事に絶大な信頼を置くライター氏の姿勢が大変不思議でして...。

自分の書いた記事について「信憑性が低い」と言い出した時は耳を疑いました(笑)

半信半疑だった記事が東スポの憶測記事で確信に変わる!ということを大真面目に言ってる人の裁判に募金が出来るのは本当に心が広い人たちだと思います。
2015.08.17 21:35 | URL | #- [edit]
谷川俊規 says... ""
過ちを自覚すれば、きちんと謝るなり、訂正するなり、ジャーナリストなら発表の場があればできます。

この方は、ジャーナリスト、を名乗りながら、過ちを指摘されたとき、自分のブログ(hard blow!さんの文章によれば、自分のブログだという認識も編集権も、裁判所で認めてしまっていますね)で、謝らない理由ばかりを記しているように私には思えます。私自身も、まだコメント欄の謝罪はいただいておりません。ここにはっきり書きますが、私が刑事告訴したブログの「2012年11月26日」に書かれていた記事(長田署の刑事の指導などもあり削除済み=現在は起訴猶予処分)の当該箇所をコピーしたコメント欄を長い間放置していた事実は消えません(ちなみに、当該の刑事告訴したブログの編集責任者の方からの謝罪もまだ直接、いただいておりません。時効はまだと、私は認識しております)。

先月号で、不備を私が指摘したボクシングマガジンは、最新号のインフォメーション欄で、私に対するJBCの処分がきちんと撤回されて「円満退職」となった事実を伝えてくださってます。これが、本来のジャーナリズムが最低でも行うことです。

ジャーナリストを名乗る方々の名誉のためにも、やることはある気が私はします。
2015.08.17 22:42 | URL | #/OUezYRM [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
>谷川俊規様

マガジンは訂正出したんですね。

間違ったら間違いを認めて訂正謝罪すれば済む話なんですけどね。

謝罪を避けるために「自分の記事には信憑性はありません」と言い出したら本末転倒だろと思います。
2015.08.18 07:02 | URL | #- [edit]
たぬきち says... ""
>>半信半疑だった記事が東スポの憶測記事で確信に変わる!ということを大真面目に言って >>る人の裁判に募金が出来るのは本当に心が広い人たちだと思います。

おはようございます。
これって「スラップ」と言う、題名だけは正しい裁判に対して支援をしている人も
含まれているのではないでしょうか?(題名は正しいことと思われます。)

「裁判など関係ない、法律が自分たちの考えと違うだけ」とか言う人ばかりでは
無いと思いますので、話が違うと言われ返金を求められたらどうするのでしょうか?
人事ながら気になります。(大きなお世話で申し訳ありませんが。)
2015.08.18 07:25 | URL | #- [edit]
says... ""
>間違ったら間違いを認めて訂正謝罪すれば済む話なんですけどね。

いやいや、訂正謝罪ですまない話もあるでしょう。取材メモを偽造し、個人の取材と偽りながら特定の人物を攻撃する明確な意図を持ち中傷ありきで記事を書き、公判維持のため被告に立証責任のある事項を取材と称して収集し被告側に提供し続けてきたノンフィクションライターらも訂正謝罪で済むんですか?世の中はそれほど甘くはありません。
2015.08.18 19:03 | URL | #- [edit]
ホシイモ says... ""
寄付?した今のあちらのコアなボクシングファンの人らのお金はどう扱われるのでつかね
(´ω`)お金だしちゃうといろいろ遠慮して問題でるかもだからやめますた
ホシイモが寄付したから言うこと聞きしゃいとかいいたくないでつし
(。・ω・。)
あちらでは捏造されて荒らしにされてまつけど
2015.08.18 19:22 | URL | #bGf9qjkw [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
>公判維持のため被告に立証責任のある事項を取材と称して収集し被告側に提供し続けてきたノンフィクションライターらも訂正謝罪で済むんですか?

それは書かれた側の気持ち次第だと思います

>ホシイモ様

過去に読者から金集めて裁判闘ったライターなんかいるんですかね?
2015.08.18 20:41 | URL | #- [edit]

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