HARD BLOW !

大人の問題 子供の意見

 さてさて、二審判決が迫って参りました安河内剛氏の地位確認訴訟。

 先日の記事で書いた通り一審判決が踏襲される見込みが高く、注目されるのはJBCサイドの出方のみと言う感じであります。

 時間稼ぎだけを目的に裁判費用を浪費してまで最高裁まで行くのか?違法行為を認めて安河内氏を復職させ、違法行為を犯した人間を処罰して正常化できるか?対応が問われます。

 それプラスボクシング界のステイクホルダーである、協会員や、業界を取り巻くメデイア、ファンの見識も問われていると思います。公共財であるプロスポーツの統括団体の腐敗を看過すれば、一般社会から白眼視されるだけとなります。

 安河内氏と一緒に解雇された職員の皆さんにこれから支払われる未払い賃金や、すでに和解した職員へ支払われた和解金などを合わせると、JBCサイドの支出は恐らく何千万単位。そこに裁判費用や弁護士費用が加算されます。

 これらの原資は全てボクサーやクラブオーナーが支払ってきた血の出るような金。従来より当方が指摘しているように、莫大な費用を捻出するために、試合が理由となる傷病に対する医療費目的で集められた健保金が消費されているいう『疑惑』すらあるのです。

 怪文書に乗じて、胡散臭いゴッシプライターと結託して安河内氏に濡れ衣を着せて追い出した人間達が、JBCを乗っ取った結果起きたことは、急激な財政の悪化であり、司法による違法行為の認定でした。

 ことここに及んでも「亀田を追い出した今のJBCは良い体制だと思うよ」と言うファンはまだ居るんでしょうかね?

 大人の問題に子供が口出してるような居心地の悪さを感じるのみです。

 というわけで判決後はこの一連の騒動の、様々な階層・断面について総括し分析していこうと思っております。

 カナダの女子サッカー人気に驚いた(旧徳山と長谷川が好きです)


 

Comment

B.B says... ""
「あれほどの明快な、また踏み込んだ判決は稀だ」と言われる一審判決を受けてもなお、被告JBCは控訴した訳ですが、ボクシング協会長名義の陳述書提出(これが今協会内で大きな問題となっている)や新証人(と言ってもクデーター一派のひとり)の陳述書もむなしく(この内容も読むに堪えないほど酷いものだったようですが)また他三人の証人を立てたようですが、陳述書の提出をするまでも無く却下。
もっとも裁判が継続され証人として出廷していれば、一審における数々の証人尋問を見ても、違法行為に加担した事が明るみに出るばかりか、自ら墓穴を掘る事になるので、内心はホッとしているのではないでしょうか。
こうした結果を見ると記事の通り、この控訴も棄却される事は濃厚。
17日の判決を見て安河内氏は司法記者クラブにおいて記者会見を行いますが、幹事社は讀賣新聞との事。他の大手新聞社の一人は「高裁の判断が決定となるでしょう」と。

今後の動向ですが、常識で言えば、一審敗訴~高裁棄却で(棄却は門前払いと同じ事)普通の企業ならば完全敗訴を受け入れるでしょう。
三審制とはいえこれ以上争う事にまったく正当な理由がありません。
一審では組織的違法行為を認定し、そして誰が主犯格で誰が実行したのかまでが示されているのです。
何故一審で完膚なきまで負けたのか?理由も責任の所在も未だに理解出来ないコミッション上層部の脳乱。
担がれたとはいえその社会的責任は極めて重大です。
権力闘争と保身に狂ったか、上層部に虚偽を吹きこんだ職員の自爆テロ行為。
改革などとは程遠い経営の悪化と組織破壊を招き、司法の判断を見てもなお平然を装っているようですが、自分達がしでかした事をまだ理解出来ないのでしょうか。
何れ結果は出ますが、騒ぐだけ騒いで焼け野原のような状態にして、挙句責任も取らず逃げ出すような事があれば卑劣漢としか言いようがない。
コミッション解体論まで出ている中で「これでもう安河内の出る幕はないよ、ゲラゲラ」と言ったところでしょうか。だとすれば、まさに自爆テロ行為。
それとスポーツコミッションとしての公共性の観点から言えば、無駄な裁判継続でコミッションの資金破綻が予想される中、上層部に正常な判断を失わせた顧問弁護士を含む代理人らの責任はこれまた重大です。
こうした人らにコミッションは操られているのです。

一日も早く終止符を打ち、コミッション再建を目指して欲しいと強く願いますが、さて17日の記者会見で安河内氏は何を語るのか注目されます。
2015.06.14 08:29 | URL | #bH1htKmU [edit]
幻 says... ""
興毅選手も先ほどブログで取り上げてましたよ。
この裁判には自分達のライセンスを取り上げた人物がいると。
2015.06.14 12:14 | URL | #- [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
>この裁判には自分達のライセンスを取り上げた人物がいると。

実際いますね(笑)。結局亀田を苛めることで自分達を正当化してるんですよ。でも法律を犯してるの彼らです。


2015.06.14 13:28 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
幻さん、ありがとうございます。
亀田選手のブログこれですね。
http://ameblo.jp/koukikameda/entry-12038707962.html#cbox

現役選手としては異例の激白ですね。
アンチ亀田としては最後の一文はどうなのかと一瞬思いましたが、家族として一致団結して闘うという事でしょう。深く強い意志を感じました。
これがどういう意味か。
コミッションの人たちも今後は痛いほど思い知らされるはずです。

さて、今回の世間で言われる所の亀田問題はJBCライセンス資格問題です。
「気分や感情で剥奪だ、停止だ、不承認だとするのは間違い。コミッションは明らかにおかしい」と業界の中にも声があり、ルールに則った裁定でない事が伺われます。
本来はこれまでの慣例やルールに従って問題を収束させる事が仕事であるはずのコミッションや協会が、筋道を曲げてまで間違った方向に歩みを進めてしまった原因の一つに利害関係と一部の強烈な亀田アレルギーを持った人たちの存在があります。
興行の面から言えば、これは利害の絡んだ金銭闘争ですからある意味勝ち負けも有る訳ですが、負けた人は恨みに思うかも知れない。
狭い市場ですからバッティングする事も多いでしょう。
亀田サイドとて一人勝ちが出来るほど甘い世界では無いはずで、ここは世間の何処にでもある自由市場競争の世界とも言えます。
だからこそ興行の世界にも最低限のルールがあるはずで、それを逸脱するのであれば誰人も批判を受けるのは当然のこと。
ここは業界の論理もあり慣習もあると思いますので口は挟みませんが、どうも利害の絡んだ人らが騒ぎ過ぎているように感じます。
理事会での大竹ジム不承任決議がたった一本の電話で決定したというような事を聞くと、これはもうそれしかないと。
目立つ人が大衆の感情論にさらされるのは仕方ないとして、しかし、一部メディアの売名行為とその他の横並び心理に踊らされている人たちが業界の中にも居るということが問題だと思うのです。
自分の身に引き当てて、ルールとこれまでの慣例に従い、公正で冷静な判断をして頂きたいと切に願います。
ルールに抜け道など問題点があるならば、議論を尽くし修正し明文化し実行して行く事が、ファンにも一般にも理解されて行く正しい筋道ではないでしょうか。
2015.06.14 17:27 | URL | #bH1htKmU [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
JBCにしたらライセンス取り上げて締め上げたら謝るだろうと、亀田の商売邪魔してたら、亀田のほうは未だ闘志満々みたいですね(笑)。

判決や財政状況を考えたら亀田より亀田苛めてる皆さんのほうが先にコケそうですね。

2015.06.14 20:10 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
面子を優先した結果の権威主義の破綻ですね。
「(亀田は)コミッションの権威を失墜させた」と言った人がいますが、そもそも貴方がその権威を作った訳ではないだろうと。
コミッションの権威は組織自体の権威であって人の面子の問題ではない。
それが解らず肩書きに騙される人の何と多い事か。
むしろ先人が知恵を絞って作って来た権威に座して威を借りた権力者は、もはや老害というよりも破壊者にしか僕は見えません。
取材に答えてある人は様々な状況を明かした上で「ボクシングが解らない、こんな人らに今のボクシングは牛耳られているんですよ。他のスポーツではあり得ない事です」と他人ごとではない自身の胸中を激白されましたが、こちらの胸が痛くなるほどでした。
権力者が筋道を誤ると皆が不幸になる。
目先の事では無く10年20年と日本のボクシングと選手の将来を見据えるビジョンを持った人に舵取りをして頂きたい。
2015.06.14 21:11 | URL | #bH1htKmU [edit]
says... ""
ザックリ過去記事コメみたらシジミとBBしかいないじゃん。シジミがこのサイトの管理人?もしかしてシジミはBBは自演か?気味悪いサイトだな(笑)
2015.06.14 22:42 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
都合の悪い人には気味の悪いサイトに見える事でしょうね。
興味のある方にはじっくり読んで頂ければ詳細が解る仕組みになっていますので、宜しくお願い致します。
2015.06.15 01:21 | URL | #bH1htKmU [edit]
たぬきち says... ""
お早うございます。
いよいよ今週ですね。

結果が出るまでは所詮、推測の話になりますが、今までの経過等
を読ませていただく限りでは一審の通りの審判が下ると思います。

JBCが悪いわけではなく、一部の上層部メンバーが踊らされて判断を
誤ってしまったということなのでしょうか。
それが反省もなく、貴重な資金を使っての控訴をしたわけですからその
根拠となる理由を説明する義務が発生するはずです。

ボクシングファンとして言いたいことは沢山ありますが、判決前であり推測
の話になってしまうのでやめておきます。

お疲れ様でした。と明日言わせていただけると確信しています。
2015.06.15 07:15 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
>JBCが悪いわけではなく、一部の上層部メンバーが踊らされて判断を誤ってしまった
概ねそういう事だと思います。
JBCはあくまでもボクシングを公正に運営する為の言ってみれば装置ですから、これ自体に罪はありませんね。
試合ルールにしても世界に誇れるものと思いますし。
たしかに組織の構造上の問題も指摘されますが、今回の問題点を絞れば、あくまでも運用運営上の問題。つまりはJBCという本来は優秀な自動車を正しく操作しなかった人が事故を起こした。
今後は誰にでも解る、誰がやっても正しい結果が出るガイドライン(指標)の再構築が急務となります。
それともう一つ公益等の問題です。
いくら優秀な自動車でも整備された道がなければいつか立ち行かなくなります。
環境を整備するのもコミッションの役目だと思います。
新たにスポーツ庁が設けられますが、これはいわば優先道路。
ここに辿りつく道さえも見失ってしまった可能性がある。
ということは、ボクシングはいつまでも田舎道を走らなければならないという事です。
健保金の問題もこれは組織運営とは異なりますが、いわば搭乗者傷害保険のようなもので、正しく操作しても起こる事故はあります。
搭乗者の同意の上とはいえ、最低限の誠意は必要ですよね。
これも環境整備です。
問題なのはそれらを理解しないで運転席に座ってしまった人たちがいるという事だと思います。

さて、自動車運転で操作を誤り事故を起こした人には罰則があるのは常識です。
危険運転を助長したり、それを知りながら止めなかった人にも同等の罪が問われます。
故意に事故を起こそうとした人は・・これはもう○○未遂。
あくまでも例えですが。
2015.06.15 09:49 | URL | #bH1htKmU [edit]
B.B says... ""
スポーツ庁とはおおよそ何か?が分かるサイトです。
http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2015/01/14/1354480_05.pdf
東京五輪には業界を挙げて取り組む事には間に合わなくなりましたが、(本当にこの3年間は勿体無かった)まだ日本のプロボクシングが大きく変われるチャンスがここにあります。
2015.06.15 10:16 | URL | #bH1htKmU [edit]
渡辺パンチ says... ""
渡辺パンチです。

普通の感覚をお持ちの方ならお気付きでしょうが、亀田のブログ、最新の内容って自分で書いてませんよね?

自分の事を興毅って名前で呼ぶって(笑)小さい子供や馬鹿な女じゃあるまいし、いくら女々しい亀田興毅でもそこまでしないですよね?

2015.06.15 15:03 | URL | #- [edit]
渡辺パンチ says... ""
渡辺パンチです。

すいません

大人の問題、子供の意見というのは亀田に対しての事だったんですね

失礼いたしました
2015.06.15 18:09 | URL | #- [edit]
たぬきち says... ""
>>亀田興毅でもそこまでしないですよね?

文章の流れ的に書いたのかは判断できませんが、自分のブログですよね?

2chや他人のブログに書いているわけじゃないですから、たとえ興毅が独り
言を話している内容を第三者が書いたにせよ、
第三者が書いた文を興毅が載せたのしても承認した本人に責任がありますよね。

後から自分が書いたんじゃないとか言わないように見守りましょう。
2015.06.15 19:10 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
たぬきちさん、申し訳ないですね。
うんざりもしますが、経験と知的レベルに差があるのがより明確になりますから、その程度の人は放っておいて良いですよ。
2015.06.15 21:16 | URL | #bH1htKmU [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
この程度の知的レベルの人にも発言の機会があるのがネットのいいところですね
2015.06.15 22:02 | URL | #- [edit]
けんろん says... ""
ここは相変わらず活気があっていいですね
反響も大きいでしょうから、さぞや亀田や裁判で戦ってる方もお喜びでしょうね?
知的レベルが低い?そんな輩を相手にそういうもの言いしてるでアナタのレベルも伺いしれますがね(笑)
まあ大人の問題に子供が、何てご自身で言ってるんですからあまり首突っ込まないほうがよろしいんじゃないでしょうか(笑)
2015.06.15 22:16 | URL | #w4R48A.M [edit]
東日本の善良な市民 says... ""
安河内さんの裁判とは少し離れたところからになりますが、「スラップ」「不当訴訟」「訴権濫用」などを調べるうちに、これらをめぐる法理が安河内さんの裁判におけるJBCの態度と交錯してきました。安河内さんの裁判とは大分ずれる部分もありますが、こちらにまとめて書かせていただきます。ご了承ください。

まず、裁判所の判断において原告側の定義による「スラップ(もしくはSLAPP)」の語(日本ではまだ法律用語辞典にも法律学辞典にもない言葉で、裁判所によって自発的にこの語が使われた例も定義された例もありません)がわずかでも肯定的に使われたのは【東京地判平成24・12・6裁判所ウェブサイト(平成24年(ワ)第11119号)】、およびその控訴審である【知財高判平成25・9・25裁判所ウェブサイト(平成25年(ネ)第10004号)】の2件(実質1例)のみのようです。以下はその判示部分。

《一審判決》
「被告は、故意により、競争関係にある原告の営業上の信用を害する虚偽の事実を流布したものと認められるから、不正競争防止法2条1項14号、4条により、原告に対する損害賠償責任を負う。……原告は、被告の信用毀損行為により、弁護士としての信用を毀損されたものと認められる。しかしながら、原告の売上高が減少するなどの実害が生じた形跡は格別窺えないし、……原告が「手抜き」や「詐欺的取引の助長」、「スラップ」、「批判者の口封じ」をしているように見える面もあったものであり、原告自身も、原告ブログ等に本件……記事等を投稿して、被告の感情を害していたのである。」

《控訴審判決》
「被控訴人が自らの被った権利侵害に対し救済を求めようとする真摯な意思に基づいて上記仮処分申立てを行ったといえるのか疑問の余地もないわけではない。……控訴人が、上記……の記載において、被控訴人が嫌がらせの目的で仮処分を続けて申し立て、これがスラップに当たるとの意見を表明したことについては、全く根拠がないものであるということはできず、それなりの理由があるものであるから、これが単なる意見の表明ではなく、その旨の事実の摘示であるとしても、虚偽の事実であると認めることはできない。」
「上記……の記載については、被控訴人がモラルの欠如した弁護士であるとの意見の表明と、被控訴人が嫌がらせ目的の仮処分申立て(スラップ)をすることにより、社会に害悪を及ぼしているとの意見の表明であると同時にその旨の事実の摘示とみることもできるものである。そして、上記……の記載のうち、被控訴人がモラルの欠如した弁護士であるとの記載は、やや不適切なものであるが、本件……記事全体の文脈からしても、控訴人の意見ないし論評の表明であり、事実の摘示であるとまではいえない(なお、意見ないし論評の表明であっても、その域を逸脱する場合は、不法行為となる〔引用者注:当該訴訟がスラップであるなどの主張が、その表現方法や程度によっては相手方弁護士への侮辱罪や名誉毀損罪を構成する〕こともあり得るものの、本件は、不正競争防止法の虚偽の事実の流布に当たることを前提とする請求であるので、この点については判断しない。)。」

現在の日本では、スラップ(もしくはSLAPP)を定義し、裁く法律はありませんが、別冊ジュリスト179号156頁で「『不当訴訟』の中の独立類型としての批判的言論威嚇(抑圧)目的訴訟」と説明されているのが、【東京地判平成13・6・29判タ1139号184頁(平成9年(ワ)第84号/平成9年(ワ)第15567号)】で、これがいくつかの裁判でそれぞれの原告が定義するところの「スラップ(もしくはSLAPP)」に最も近似したものであるようです。(法整備にあたっては関連法令の改正なども考えられるので、まだしばらくはこの判例に従うことになります。)以下は引用です。

「Y2は原告Y1の代表者として、同教団に敵対する者に対する攻撃ないしは威嚇の手段として訴訟を用いるとの意図を有していたこと、本訴の請求額が従来のこの種の訴訟における請求額の実情を考慮したとしても不相当に高額であることが認められ、……本訴提起に至った経緯に関するY3証言の内容が合理的な内容を有するものとは認められないことをも併せ考慮すると、本訴提起についての意思決定は、仮にそれがY2自身によるものではないにしても、Y2の意図を体現した原告Y1の組織的意思決定としてされたものというべきである。そして、特に本訴が……訴訟の提起からわずか2週間程度の短期間で提起されていることに照らすと、本訴提起の主たる目的は、……訴訟を提起した被告X1及びその訴訟代理人である被告X2各個人に対する威嚇にあったことが認められる。
……よって、原告Y1は、主に批判的言論を威嚇する目的をもって、7億円の請求額が到底認容されないことを認識した上で、あえて本訴を提起したものであって、このような訴え提起の目的及び態様は裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠き、違法なものといわざるをえない。」

しかし、大体において、原告の「これはスラップ(SLAPP)である」という主張は次のように斥けられており(【福岡高判平成25・3・15判例集未登載(平成24年(ネ)第796号)】)、日本ではまだスラップ(SLAPP)に関する法(案)適用が妥当と思われるサンプルがあまりに少ないのが実情です。
控訴人は、SLAPP訴訟について論じているが、そもそも本件に関しては、被控訴人らの言論抑圧目的を認めるに足る証拠はなく、個々の裁判についても違法性は認められないのであり、本件名誉毀損裁判1及び2についてはもとより、他の訴訟等を含めた一連の提訴等の行為により不法行為が成立することはない。


さて、上述の東京地判平成13・6・29について、東京法曹会・懲戒事例研究29頁では、次のように書かれています。
「訴訟の提起自体が不当であるとされた事例は多くない。なお最高裁は、訴えの提起が違法となる場合について、『民事訴訟を提起した者が敗訴の確定判決を受けた場合において……、当該訴訟において提訴者の主張した権利法律関係が事実的、法律的根拠を欠くものであるうえ、提訴者が、そのことを知りながら又は通常人であれば容易にそのことを知りえたといえるのにあえて訴えを提起したなど、訴えの提起が裁判制度の趣旨目的に照らして著しく相当性を欠くと認められるときに限られるものと解するのが相当である』(最三小判昭63・1・26)としており、裁判制度の自由な利用が阻害されないようにとの配慮から、違法性の認定は相当限定されるものと思われる。」

同判例について前掲別冊ジュリスト179号の157頁では、「訴権濫用による訴え却下はよくよくのこととも思われる」「訴権濫用判断は裁判を受ける権利を実質的にも侵害してない」とし、訴権濫用に関して詳しく説明しています。一部引用します。
「東京地裁平成12 年5 月30 日判決(判時1719 号40 頁……)が示す訴権濫用の要件は、上記昭和63年判決を参考にしたものであった。すなわち、主観的要件として、①『提訴者が実体的権利の実現ないし紛争の解決を真摯に目的とするのではなく、相手方当事者を被告の立場に立たせることにより訴訟上又は訴訟外において有形、無形の不利益・負担を与えるなど不当な目的を有』すること、客観的要件として、②『提訴者の主張する権利又は法律関係が事実的、法律的根拠を欠き権利保護の必要性が乏しい』ことを挙げる。その評価因子については、提訴者の意図・目的、提訴に至るまでの経緯、提訴者の主張する権利又は法律関係の事実的根拠・法律的根拠の有無ないしその蓋然性、それらの法的性質・事実的背景、提訴者の訴訟追行態度、訴訟追行による相手方当事者の応訴の負担、相手方当事者及び訴訟関係者が訴訟上又は訴訟外において被ることがある不利益・負担等を総合的に考慮して判断すべきであるとした。その結果、『民事訴訟制度の趣旨・目的に照らして著しく相当性を欠き、信義に反すると認められる場合』は、訴権濫用に当たるとする。」
また、その控訴審である東京高判平成13・1・31判タ1080 号220 頁も同旨であったとして、次の部分を引用しています。
「当該訴えが、もっぱら相手方当事者を被告の立場に置き、審理に対応することを余儀なくさせることにより、訴訟上又は訴訟外において相手方当事者を困惑させることを目的とし、あるいは訴訟が係属、審理されていること自体を社会的に誇示することにより、相手方当事者に対して有形・無形の不利益・負担若しくは打撃を与えることを目的として提起されたものであり、右訴訟を維持することが前記民事訴訟制度の趣旨・目的に照らして著しく相当性を欠き、信義に反すると認められた場合には、当該訴えの提起は、訴権を濫用する不適法なものとして、却下を免れないと解するのが相当である」

JBCのやっていることが不当訴訟であるとも訴権濫用であるとも言いません。ですが、JBCの行いはこれらに通じるところがあり、利益を損ねられているのは亀田選手であり、安河内さんであり、あるいは多大な逸失利益がありながらも裁判を起こさず(起こせず)にいる大沢選手です。(逸失利益については簡単になりますが追って別に投稿します。)


最後に、弁護士職務基本規程を見てみましょう。
http://www.nichibenren.or.jp/library/ja/jfba_info/rules/data/rinzisoukai_syokumu.pdf
「職務を行い得ない事件」についての規定で、28条4号として「依頼者の利益と自己の経済的利益が相反する事件」については、「その職務を行ってはならない」とされています。ただ、同条柱書但書では、「ただし、第1号及び第4号に掲げる事件についてその依頼者が同意した場合」は、「この限りでない」としています。
「受任の際の説明等」についての規定では、29条3号として「弁護士は、依頼者の期待する結果が得られる見込みがないにもかかわらず、その見込みがあるように装って事件を受任してはならない」としています。

「依頼者(JBC)が期待する結果」って何なのでしょうか? 勝訴の見込みがあるとは思えないのですが、それを目指さない(期待する結果が勝訴ではない)なら、上に述べた不当訴訟や訴権濫用に通じるものがあると感じられます。
また、依頼者(JBC)の利益と自己(顧問弁護士)の経済的利益は相反しているように見えますが、弁護士職務基本規定に則っているのだとすれば、JBCはこの利益相反について同意していることになります(そうでなければ顧問弁護士は職務を行いえないことになります)。

同規程「第5章 組織内弁護士における規律」では、「違法行為に対する措置」についての規定で、51条として、「組織内弁護士は、その担当する職務に関し、その組織に属する者が業務上法令に違反する行為を行い、又は行おうとしていることを知ったときは、その者、自らが所属する部署の長又はその組織の長、取締役会若しくは理事会その他の上級機関に対する説明又は勧告その他のその組織内における適切な措置をとらなければならない」としています。

私は以前、「ボクシング関連では不法行為を含む事実の適示について、名誉毀損の違法性が阻却されるかどうかを争ったものが多いことがひとつの特色と言えます」と書きました。つまり、刑事事件として訴えれば違法と判断されかねないことも、刑法230条の2第2項のいう「公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為」の域を出ず、それらが後々刑事訴訟に至ることもありませんでした。ですが、内規や仕来りのようなもので内々の判断で処理するのはもう限界なのではないでしょうか?

※日弁連のURLにエラーがあったので修正しました。
2015.06.16 00:45 | URL | #7SPhLgiM [edit]
懲戒 says... ""
>JBCが悪いわけではなく、一部の上層部メンバーが踊らされて判断を誤ってしまった 概ねそういう事だと思います。
JBCはあくまでもボクシングを公正に運営する為の言ってみれば装置ですから、これ自体に罪はありませんね。

明確に違うと考えます。今回の一連の騒動はJBCの存在自体が明確に欠陥装置であった事に起因します。通常の組織体制には当事者が判断を誤った場合、内部統制即ちいづれかのチェック機能が働くべく制度設計がされています。しかし今回はチェック機能を果たすべき役割の部分がことごとく混乱を助長させてしまいました。混乱の原因を踊った側、踊らされた側にのみ求め、病巣を判断を誤った一部の人物に責任転嫁することが適切だとは思えません。健全な組織であれば、事故を起こしても事故処理対応を経て通常業務に復帰するのではないでしょうか。JBCにはその能力が全く欠如しているのはご指摘の通りです。安河内氏が事務方のハンドルを握れば大丈夫といったたぐいの話とは違うのではないでしょうか。
JBCが本来は優秀な自動車とは到底思えません。そもそもコミッショナーも安河内氏を除く歴代事務局長もお飾りであり、自己主張する事務局長安河内氏は個々の利害関係者の邪魔になったという当事者たちのエゴが事件の背景にあります。何を以てJBCを構造的欠陥があるのか、肝心な部分ですがそこは高裁判決を経て明らかにすべきかと思いますが、ただ取り急ぎ、現在もハンドルを握り続けている飲酒暴走運転中の運転者をどうするのか早急に決めるべき事と思います。
2015.06.16 03:51 | URL | #- [edit]
懲戒 says... ""
東日本の善良な市民 様

 ご指摘は最もだと思います。私も本来は刑事訴追の対象になるべき事案が沢山あると考えています。特に顧問弁護士に関する部分は今回の安河内裁判の確信部分だと思います。
 一方でご指摘部分である”「公訴が提起されるに至っていない人の犯罪行為」の域を出ず、それらが後々刑事訴訟に至ることもありませんでした。”は村社会であるが故決定的対立を避けねばならず、結局は刑事訴追をすることができない当事者と結局は刑事訴追をされることは現実的にはありえないと判断してきた管理者側の横暴によって支えられてきた村社会の現実がもはや限界を露呈しているのだと思います。
2015.06.16 04:58 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
懲戒さん、ご指摘ありがとうございます。
仰るところの意味、本質を突かれること良く解ります。
この部分が皆に広く理解されれば改革への糸口が一気に見えて来る事と思います。
ただ、この“広く理解される”事がいかに難しいか。
ここは現実論で一つ一つまた段階的に論じるべきというのが僕の主張の立場です。
>JBCが本来は優秀な自動車とは到底思えません。
僕も完成された物とは考えておりませんで、あくまでも他のローカルコミッションに比してという事です。
ただ、これまでの日本ボクシングの出発を見てもローカルコミッションの創設が必要であった事、その後60年間に渡ってこの競技の持つ精神性と伝統を築き上げ、プロスポーツとして文化にまで昇華させた功績は誠に偉大であったと思います。
その間には健康管理問題も含め数々の環境整備を行って来た事は事実であり評価されるべきで、真っ向から否定して対立する事は現実的でないと(現時点では)考えています。
しかしながら、現状のガバナンス崩壊という観点から見ると、コミッション及び協会の上部機関がチェック機能を果たしていないのもまた現実で、新しい装置の発明や人材の登用が急務であると僕も思います。
様々現状を考えるに、今は残念ながら価値論よりもビジョンを示しながらの方法論で進めるしか道は無いのではないか?と

>安河内氏が事務方のハンドルを握れば大丈夫といったたぐいの話とは違うのではないでしょうか。
これもまったく同意します。
これまで個人の能力に頼り過ぎて来た事も事実ですが、実にこれほど危うい事はない。
しかし、組織運営はやはり優秀な人の手を借りなければ成らない事を考えると、今後先ずやるべき事は、そこに携わる誰がハンドルを握ろうとも同じく正しい結果が得られるシステムの構築(組織改革含む)と確固たる指標(ガイドラインの作成)を示すこと。
これはトップダウンで遂行出来るはずと想像しますが・・難しい。
はて?トップ(判断主体者)って誰なんだ?
この辺りは判決後に懲戒さんが示して頂けるものと思います。

次に(これが一番に重要と思われますが)業界を挙げてのボクシングに対する時の揺るぎないそして皆が共有出来る理念の構築と、その教育です。
これは主義主張を超えて対話さえあれば直ちに取りかかれる事ではないかと。
しかし、その前に東日本さんや懲戒さんが言われるように、痛みを伴っても出す膿は出しておかなければなりませんね。
2015.06.16 08:29 | URL | #bH1htKmU [edit]
ななし。 says... ""
横槍でもなんでもなにのですが、ひとつだけ。
安河内氏の前の、小島茂事務局長は決してお飾りなんかではありませんでした。
欧州のコミッションを巡り、あり方を考えられたのもこの方(当時のコミッショナーがしっかりしていたこともあります)ですし、JBCの財団法人化に尽力されたのもこの方です。網膜はく離をめぐる、大阪帝拳の先代会長との白熱のやり取りも、この方が真面目にボクシングに取り組んでいたから起こったことだと思います。その方が亡くなった際の、今のJBCの広報誌をはじめとする処置がすべてを物語っています。何も大事にしない。それに関して安河内氏だけが違う人だった、とは到底思えません。
2015.06.16 20:24 | URL | #/OUezYRM [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
今回の『事件』を奇貨として、より民主的な組織になってほしいと思います
2015.06.16 22:24 | URL | #- [edit]

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