HARD BLOW !

安河内判決を読む 司法判断で何が語られたのか?PART6

 判決文の検証も今回でひとまず完結とします。

 判決文中の原告とは安河内剛氏、被告とはJBCのことです。

 東日本大震災に際して世界中のボクサーから送られたチャリテイグッズが放置されていたという問題が読売新聞に報じられたことについて、JBCサイドは安河内氏から森田氏への引継ぎが無かったことが原因だと主張しますが、これまた裁判長からの身も蓋もない厳しいツッコミが浴びせられます。以下、判決文99~100ページから引用します。

安河内さん判決文 99
安河内さん判決文 100

原告と森田との間で本部事務局長職についての引継ぎが行われなかったこと(前記1(5))については争いがないところ,被告は,引継ぎが行われなかったのは専ら原告に原因があるかのように主張する。
 しかし,そもそも就業規則11条(事務引継)は,「異動を命ぜられた者は,速やかに,前任者よりその業務を引き継がなければならない。」として,基本的に後任者が前任者より業務の引継ぎを受けるべきものと定めているのであり,加えて,本件においては,平成23年6月28日の本件降格処分以降,原告は,本部事務所に事実上立ち入ることができない状況になっていた(前記1(4)及び5)のであるから,本件降格処分に伴う事務局長職の引継ぎについては,基本的に森田が原告から引継ぎを受けるべく対応すべきであると解されるところ,森田は,原告から引継ぎの連絡がない限り引き継がなくてもいいものと考え(証人森田・64頁),自ら引継ぎを求めなかったのみならず,前記1(5)のとおり,原告が平成23年12月7日及び同月8日に森田に対して業務の引継ぎ及びアドバイスをさせてもらいたい旨をメールで懇願したにもかかわらず,森田は,上記メールを読まず(証人森田・37,38頁),又は何ら対応をしなかったことが認められる。以上によれば,平成23年6月28日の事務局長交代に伴い事務局長職の引継ぎを怠っていたのはむしろ森田の方であると評価するのが相当であり


就業規則上、後任の森田氏が引継ぎを願い出るべきであるとJBCの主張をバッサリ。返す刀で、そもそも当時安河内氏はJBCの命令により新宿の事務所が勤務地で本部事務局への立ち入りも禁止の身であり、状況を鑑みても当然森田氏が引継ぎの対応をするべきと指摘します。のみならず、『(安河内氏は)森田に対して業務の引継ぎ及びアドバイスをさせてもらいたい旨をメールで懇願したにもかかわらず,森田は上記メールを読まず』と言う状態であったのに「自分達の責任じゃないよ」と言い切れるJBCは本当に勇気のある組織だと再認識しました。

 あとは相当チマチマした話なのですが、勤怠の問題点などが指摘されます。

 JBCは安河内氏が仕事中に「おびただしい回数の職務に関係ないメールの交信を行い,これに要する時間に相当する執務を懈怠した」と主張し就業規則に違反していると主張していたのですが...。以下判決文101ページから102ページかけて引用します。

安河内さん判決文 101
安河内さん判決文 102
被告が指摘する原告によるメールの送受信は,送信は1か月に平均約8回程度,受信は1か月に平均約13回程度であるが,これらのメールには被告の業務に関連する内容のものも含まれているからすべてが職務外のメールの送受信であるとは限らず,また,受信のうち3分の2程度は受信したままであるから,当該メールの受信が必ずしも原告の職務遂行を妨げているとはいえないというべきである。

一ヶ月に送信が8回で受信が13回ということですが、これって仕事を妨げるほど「おびただしい」ですかね?しかも業務に関係するメールもあるというし。こんなこと言い出したら舞台裏のトラブルをせっせとゴッシプライターにメールしてるあの人はどうなるの?と思うのですが。

しかしこういうしょうもないことにでも律儀に回数をカウントして判定を下さなければならない裁判官と言うのも本当に大変な仕事だと思います。

裁判長は職務専念義務についてもJBCサイドにまたも厳しいツッコミを入れています。以下判決文107ページより引用します。

安河内さん判決文 107

羽生ら他の職員についても,乙4の怪文書が本部事務所に送付された直後や平成23年5月31日及び同年6月23日の各記者会見の直前に,記者会見の準備等に追われて本来の職務を懈怠していたと評価し得る実態があったと認め得るところ,羽生らの職務懈怠について被告内で問題にされた様子はうかがわれないことに照らせば,原告が就業時間中に業務と無関係なメールをやり取りしたことがあるとの事実のみをもって,直ちに原告に職務専念義務違反が認められるとの評価をすることは相当でないというべきである。

あなた達も怪文書騒動の時はやれフグの領収書で公益通報だ、新コミッションだと記者会見やってたけど、あれの準備してたのも就労時間中でしょ?あれは問題になってないよね?じゃメールはなんで解雇理由になるの?と見事なブーメランが命中。

『新コミッション』『公益通報』という二つのブーメランが刺さったままのJBCにさらにキツイ追い討ちとなりました。

というわけで、まともな知性をお持ちの方であれば、判決文を通してJBCが殆どの争点において負けていることがご理解いただけたことと思います。

この敗訴はそんじょそこらの敗訴とは違うボロ負け、惨敗であります。この期に及んでなお控訴する神経が信じられません。立証方針においても社会規範を逸脱したような主張が散見されます。またこの訴訟で消尽されたJBCの予算も相当莫大な金額です。

ことここに至ってなお「亀田を排除したから今のJBCは良い体制だ」と言う人は、もはやボクシングに害をなす存在だと私は思います。

というわけでファンの皆様におかれましては、今後は遠くない判決確定とその後に向けて心の準備をしていただきたいと思います。

判決文読み込んだら無駄使いされた時間と金とエネルギーを思って悲しくなった(旧徳山と長谷川が好きです)

Comment

B.B says... ""
旧徳さん、お疲れさまでした。
とても解り易い解説であり論評であったと思います。
途中、それは余分だろ?てな部分もありますが旧徳さんらしくて、それも良いかなと。
僕らこんな内容のメールを毎日しております(笑

裁判ではメールについて被告代理人が得意気に送受信の回数を表にして迫っていましたが、傍聴席ではそれが確認出来ずにおりましたので、こりゃ相当の回数なのだな、勤怠突かれても仕方ないかなと思いましたが・・
ドームの弁護士さんてこんなもんなのか?
ムダ使いだよなぁ。
改めてですけど、専門誌含めて取り巻くメディアがしっかりしてればこんな問題にはならなかったはず。
あの青雲の志は何処に行ってしまったんだ。
いつもリングサイドにいるあんたとあんたの事だよ!

2015.04.07 04:12 | URL | #bH1htKmU [edit]
B.B says... ""
それと一部の自称ジャーナリストらね。
過ちは誰にでもある。
ゴーンガールでも観て早く大人になって下さいませ。
でなければ世間が大人の対応をする事になりますよ。
そうならないうちにと切に願います。
2015.04.07 04:45 | URL | #bH1htKmU [edit]
懲戒 says... ""
この判決に対するJBCの反応が、即時控訴です。
通常でであれば弁護士がこのような判決が出ないようブレーキを掛けるはずですね。

そしてもう一つが、浦谷事務局次長の事務局長昇格です。
地裁判決を読んだ上での意思決定です。

JBCという組織の本質がよく表されているかと思います。
2015.04.07 11:11 | URL | #- [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
組織の為に体を張ったら違法行為をしても出世する組織なんでしょうかね?

凄い価値観だと思います。
2015.04.08 00:07 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
背景の一つには秋山イズムというものがあると思います。
前コミッショナーというよりも元東京ドーム社長、林 有厚氏への忠誠心。
これを巧みに利用した人らがいると僕には映ります。

以下はヒーロー願望もあったかも知れないが、恨み、出世欲、保身しか見えない。
そもそも組織破壊をした人らの策謀は、秋山氏登場以前です。
組織を守るといった大義に体を張ったなどとは到底思えません。
2015.04.08 07:02 | URL | #bH1htKmU [edit]
懲戒 says... ""
この組織の持つ権威と利権に目が眩んだのかもしれないですね。
一連のJBCに係わる騒動の当事者を整理してみますと

Aグループ
 今回の謀議の首謀者であるJBC職員及び試合役員。
判決で断罪されている浦谷氏、羽生氏ら安河内氏追放へ具体的に活動した者。
判決文にはないですが、亀田問題で再三名前の出るリングアナウンサーの関与もありますね。
彼らの中枢は獨協大学ボクシング部OBという結びつきがあります。
判決確定すれば責任の所在は明らかになるでしょう。

Bグループ
 JBCの実質上母体である株式会社東京ドームの関係者、他
安河内氏降格騒動の後JBC運営に関与し、一連の混乱に拍車をかけた者。
安河内氏の転配に深く関与し、公益認定を捨て、健保金制度を崩壊に導いた秋山氏。
第二コミッション設立の会見を開き、判決でも再三糾弾されている森田氏。
今後の展開としては、Aグループが問題を起こしただけで我々は巻き込まれた、
とでも言うのでしょうか。

Cグループ
 事件を背後から介入し、自己の影響力を行使するもJBC敗色濃厚となるや距離を取りこっそり撤退する者。
森田氏をJBCの事務局長に推薦したのは誰でしょうか。第二コミッション構想は森田氏、浦谷氏らが単独で企図したものでしょうか。森田氏は事務局長就任後も早期の退任を希望していたらしいですが、そのような人物がコミッション設立を企図するでしょうか。
森田氏を事務局長に推薦した者や、先日の理事改選でこっそり理事から名前が消えている人物もおりますね。
 判決後判決内容には触れず、安河内派と反安河内派の対立によるJBCの混乱と試合管理の必要性を口実に別コミッションを構想したとすれば、ボクシング界は何も変わらないでしょう。

Dグループ
 本来は第三者として権力を監視する役割を持つメディア関係者でありながら、騒動に加担した者。
フグ屋の領主書他、安河内氏の中傷記事を書き続けたゴシップライター。
同じく今回の判決とは真逆の内容を記事として執筆したつまらないほうの専門誌編集者。
取材から事実を積み上げ執筆することなく、結論ありきで記事を執筆するライターらはそもそもどのような目的で記事を書いていたのでしょうか。
他にも騒動には加担していませんが、メディアの役割である権力への監視を怠り、JBCの権力維持に加担した関係者もおりますね。これらのうち幾人かのメディア関係者は部外の第三者と称して、スポーツ監督機関の監視をおこなっていると体裁を繕ってきましたが実態は権力維持に加担し、法律を無視し村社会の価値観を守る事に必死でしたね。

まずは高裁の判決を待ち、責任の所在を明確にすべきかと思います。
2015.04.08 13:22 | URL | #- [edit]
たぬきち says... ""
大変判りやすく読ませていただきました。

懲戒さん の説明・・・なるほどです。

1、泥舟から一足先に B,Cグループが離脱して「待ってるよ、お先に。」
  で 新コミッション設立。
2、自分は悪くないが裁判がおかしいと言ってAグループが泥船から抜ける。
3、Aグループが新コミッションに入って JBC を批判する。

ところで誰が悪かったの? こうならない事を祈ります。
2015.04.08 19:16 | URL | #- [edit]
エメラルド says... "はつよろです♪"
なんだかファンになっちゃいました(+´∀`+)

わたしですね…このところついてなくて(汗)
すべり台を滑っても滑ってもゴールが無い感じなんて言えば少しは伝わりますか?
ものすごい急降下中なんです。。

そんなこんなで色んなブログ読み漁ってたらここで足が止まりました(o゚▽゚)o不思議と心惹かれたんです。
HARD BLOW !さんも色んな時間を過ごされてるんですよね。きっと。。

急なお願いで戸惑わせてしまうかもしれませんが
話し込んでみたいというか話しを聞いてもらえたらって気持ちを持たずにはいられなかったんです(´∀`*)

連絡してくれたら有難いです。
もしも迷惑であればコメントごと私のこと消してください。
2015.04.10 21:07 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
こちらから、メールする事はありませんので。

意見発信、要望などありましたらこの投稿欄でお願いします。
2015.04.10 23:54 | URL | #bH1htKmU [edit]
says... "承認待ちコメント"
このコメントは管理者の承認待ちです
2015.04.11 13:05 | | # [edit]
中立的ファン says... ""
某サイトを見てましたら、
先日の試合の日本タイトルマッチの試合結果が間違って逆になって一般紙に載っていたと。

JBCの記録が間違っていて、通信社がそれを配信したようなことが書かれてましたが、
もしそうだとしたら、八重樫戦のときの途中採点の間違いもありましたし、
ケアレスミスが多くなってる気がします。
2015.04.14 16:14 | URL | #- [edit]
中立的ファン says... ""
訂正。
東洋太平洋タイトルマッチでした。
2015.04.14 16:16 | URL | #- [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
どの試合でしょうか?
調べても出て来ないのですが
2015.04.14 19:00 | URL | #- [edit]
幻 says... ""
横から失礼しますが、どうやら昨日のスーパーライト級の東洋太平洋タイトルマッチのことらしいですよ。

ところで新チャンピオンになったウォズの大森選手はご存じですか?
以前に動画で見たときから、これはちょっとモノが違うなと思いました。
2015.04.14 20:18 | URL | #- [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
小原選手ご本人がブログで書いてますね
     ↓
http://ameblo.jp/9-03/entry-12014189398.html

ちょっと聞いたことが無いミスですけど、本当にリリースが間違っていたならとんだポンコツ運営ですね。

大森選手凄い勝ちっぷりだったようですね。自分は見たことはないです。彼も兄弟ボクサーなんですね。松本亮との試合が見たいですねえ。
2015.04.14 22:15 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
これは酷いですね。
確認しない配信社、報道機関も酷い。

大森選手については話題になってましたね。
左ストレート、返しの右フック、右アッパー。キレがありますね。
キャリアある益田選手相手にこんなに早く決めるとは思ってませんでした。
勢いですねぇ。

エスキベル戦もハッとしましたが、これはマッチメーク(組み合わせ)かなと見てました。
ちなみにエスキベルは左のカウンターパンチャーが苦手で、しかも負けはすべてサウスポー。
2015.04.15 06:18 | URL | #bH1htKmU [edit]
東日本の善良な市民 says... ""
認定事実によると、事務局職員のうち、「選手の命に関わる試合管理業務に対する意識の低さもうかがわれる」方にだけは怪文書が届かなかったんですよね。それにしては嬉々として立ち回っているように見えますが。

また、今年1月23日の東京地裁判決によれば、怪文書が届いた職員6名のうち2名には、怪文書の入った封筒の中に、自分や家族を守りたければ安河内のパワハラがあったことを認めろ、というような脅迫文や低俗な文言が添えられていたとのことでした。この2名はその後解雇され、今年1月23日と安河内さんと同日の東京地裁判決で、いずれも解雇無効の一審判決を受けた方々です。

平成24年6月15日には同年3月13日の人事異動に不満を持った職員2名が退職しています。

気に入らないものを排除しまくっていたら、それは人手も足りなくなりますよね。

JBCの公式サイトを見ると平成25年6月5日付の試合役員募集広告が掲載されていますが、報酬が交通費程度で、経験なくても可。状況はいつ改善されるのでしょう。

「職員が誰の指示で何をすればよいか,業務の報告を誰にすればよいか明確でない状態となっており」(主題の判決文104頁)

安河内さん解雇直後から世界戦で採点の集計が遅れたりしていましたが、この状況が一番気がかりです。
2015.04.15 07:51 | URL | #7SPhLgiM [edit]
つ says... ""
>B.Bさん

>これは酷いですね。
>確認しない配信社、報道機関も酷い。

朝日新聞の例http://www.asahi.com/sp/articles/DA3S11703511.html

今回の誤報は媒体より、情報発信者の責任が大です。
今後、同様の誤報を無くす優先順位で考えれば
1 JBCは正確な情報発信に万全を期す。
2 配信社はJBCには直接取材を優先し、リリースは必ずJBCに確認を取る。
3 メディアはJBCに関する報道は直接取材優先とし、配信記事を極力扱わない。
4 メディアはJBCのリリースでは必ず発信者に確認を取る。
4 プロボクシング業界とファンが努力して国民の関心を高め、世界戦以外のタイトルマッチにもスポーツ担当記者が必ず取材するようにする。

メディアが配信記事を使わないと言う選択はありません。あらゆる方面に記者を配置することは不可能だからです。しかしJBC関連についてのみ扱わないというのはあり得ます。

今回は配信があったから記事にしたのでしょうが、JBCリリースだけだと読者の関心が高くないとして記事にしなかった社もあったのではないかと思います。

とは言え配信社、メディアともに致命的なミスです。今後、ミス撲滅のために現実的手段として恐らく、不安の残るJBC発信の情報は、しばらくの間、最小限にとどめる姿勢になると思います。

記事の優先は読者の関心度の高さに比例します。プロボクシングに関して言えば、一般紙だと世界戦以外のタイトルマッチはベタ記事止まりの関心事でしょう。スポーツ担当記者が必ず出向くことは当面なさそうな気がします。

記事機会が少なくなれば、ファンが会場が足を運ぶことへも影響します。今回のJBCリリースのミスはプロボクシング界にとっては大きな打撃だと思います。その自覚がJBCにあれば、反省をもって改善もなるでしょうが、その辺どうなんでしょう?

安河内裁判の判決文を読む限り、その組織体質から期待が持てないと思うのは私だけでしょうか。
2015.04.15 14:23 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
つさん、ありがとうございます。

「JBCの公式記録が誤っていた」とありますね。
まったくもって、つさんのご指摘通りであります。
記録を管理する組織としても、大失態が表に出てしまった。
ミスは誰にでもあるなどとは言われてはならない、本来はそうした組織であるはず。

>今後、ミス撲滅のために現実的手段として恐らく、不安の残るJBC発信の情報は、しばらくの間、最小限にとどめる姿勢になると思います。

実は以前にも同じ事を言われた新聞記者の方がいました。
記録だけでなく、ルールについても「JBCにちゃんと答えられる人がいない」のだそうです。
2015.04.15 16:51 | URL | #bH1htKmU [edit]
B.B says... ""
東日本の善良な市民さん、補足ありがとうございます。
今回記事の判決文にみならず、他の裁判についても詳細に読み込まれている事に驚いております。

>認定事実によると、事務局職員のうち、「選手の命に関わる試合管理業務に対する意識の低さもうかがわれる」方にだけは怪文書が届かなかったんですよね。それにしては嬉々として立ち回っているように見えますが。

仰る通り、裁判官は客観的事実として受け止めたようですね。

>平成24年6月15日には同年3月13日の人事異動に不満を持った職員2名が退職しています。

お一人は消極的にも怪文書に賛同された方。後に言われていた方向や事実と違う事に気付き嫌気がさされたと聞いております。
もうお一人は、裁判の傍聴にも来ていらっしゃいまして、お話しを伺いました。
組織を守らねばとの強い思いがあられたようですが、しばらくして、ある試合役員(現職員)が言った「乗っ取った」の一言で「この組織はもう終わる」と無念の思いで区切りを付けられたそうです。
「ボクシングが好きで、奉仕したいとの思いでこの仕事に付きました。生活の事もありますし悩みましたが、信念に反する事は出来なかった」とも仰っていました。
2015.04.15 17:26 | URL | #bH1htKmU [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
リリースは訂正されたみたいで、初期のリリースを基にした配信記事を使った朝・読が誤報を出したようですね。

報道機関は訂正・謝罪記事出したけどJBCはダンマリ。

ゴッシプライターにせっせと自前のタレコミの『リリース』を送ったりしてるくせに、通信社に送る試合結果はいい加減とはねえ。職業意識ゼロと言うほかありません。

ルール知らない、現場で試合管理出来ない、レコードいい加減、健保金は辞める、これでコミッションの存在意義ってありますかね?

2015.04.15 18:11 | URL | #- [edit]
スモールプロモーター says... ""
メディアに期待するのも厳しいかと思います。

JBCの誤報ではありませんが、西岡ドネア戦が日本の報道のみ統一戦と表記されていたことも
ありましたね。WBCのダイアモンドベルトが統一戦になるわけでもなく、WBOチャンピオンに挑戦するチャレンジャー西岡のはずですが、各メディアでは堂々と統一戦と表記されていましたね。
日本語のプレスリリースが原因ではないかと思いますが、いずれにせよリリースを鵜呑みにするメディアにも問題はあるかと思います。

http://www.wowow.co.jp/sports/excite/nishioka/
http://www.nikkei.com/article/DGXZZO47259760V11C12A0000000/
2015.04.15 18:55 | URL | #- [edit]
まつば says... ""
揚げ足取りかもしれませんが、こんなにいろ言われているコミッションでも、WBCからは去年の総会で、軽く表彰されているんですよね。

http://s.ameblo.jp/stanbox7/entry-11966481922.html

まぁ、これは例の公開採点発表ミスよりも前の話ですから、果たしてWBCは表彰したことをどう思っているんでしょうかね。
2015.04.15 19:29 | URL | #- [edit]
たぬきち says... ""
えっ、勝者が逆だったのですか。黙・・・

>>ルール知らない、現場で試合管理出来ない、レコードいい加減、健保金は辞める、これでコミ>>ッションの存在意義ってありますかね?

>>「選手の命に関わる試合管理業務に対する意識の低さもうかがわれる」方

突っ込みどころが判ってないのは感じていましたが、これはまずいでしょ。

IBFの当日計量の連絡がなかったとか騒いでいたのが、立ち会ったにも
かかわらず、失うもののない相手が当日3kg以上もオーバーしているにも
説明もなく試合をさせて。最初から判るでしょ、失うものがない選手が10ポンド
なんか守るわけないのが。
普通はここで突っ込みを入れるのでしょうが・・・
「IBFは認定できない、WBAだけのタイトルマッチしか認めない。負けたら空位
なんて言ってはいけない。本来なら試合もさせられないよ。」

そして試合が終わってから。
A氏「IBFが言っているのならそうなのでしょう。」

言ってることが判りませんね。

2015.04.15 19:31 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
まつばさん、
>軽く表彰されているんですよね。

これねぇ。
あまり言いたくないんですけど、大手プロモーターとWBCとの繋がりで。
それはともかくとしてハテナ?と思われた方は結構いますね。
表彰には当然、なになにについてというのが付いてくるはずで。
しばらくのOPBF幹事国として、という意味合いもあったかと思います。

過去にもコミッションは表彰受けてますが、何について表彰されたのかあとで調べておきます。
2015.04.15 19:57 | URL | #bH1htKmU [edit]
B.B says... ""
まつばさん、
>果たしてWBCは表彰したことをどう思っているんでしょうかね。

これについて方々に聞いてますが、やはり明確な回答は得られませんでした。
WBCにメールして聞くしかないですね(笑

昨晩はWBC総会に出席された事のある方に聞きました。
この方の記憶だとコミッションは過去にも数度WBCより表彰を受けていて、僕が言った、なになにに対してという明確なものでは無くて、これまでの功績を称えるという意味合いの物だそうです。
昨年の表彰については「IBF,WBO加盟の危機感の表れ」とも。

以前、安河内氏にインタビューした時のメモに「事務局長に就任した年(2006年)の総会。ベストコミッション賞。これまでのJBCの功績を称えるもので、あくまでも代表として拝受したもの。その後3年連続で受賞」とありました。

で、過去のJBC広報を探すと2007年のトピックスには、森田氏(レフェリー)大槻氏(ドクター)の名前も。
2015.04.16 13:19 | URL | #bH1htKmU [edit]
スモールプロモーター says... ""
ビッグプロモーター様が表彰してくれと言えばくれるんじゃないでしょうか(笑)
WBCと日本の特定プロモーターとの癒着はお気づきの方は多いんじゃないですか。
2013年以降のWBC軽量級世界タイトルはメキシコ人とビッグプロモーター様及び
ビッグプロモーター系列選手が出場する試合がほとんどです。世界戦は世界戦の約八割はチャンピオンか挑戦者がメキシコ人かビックプロモーター様系列の選手、約六割は両選手ともメキシコ人かビックプロモーター様を占めます。(笑)。実態は世界チャンピオンと呼ぶには程遠いメキシコの国内タイトルとビックプロモーター様の統一チャンピオンといっても差し支えないと思います。
2015.04.16 14:57 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
スモールプロモーターさん、どうもです。

少々解りにくいのですが・・世界戦の何割とまで言われますが、ピンときません。
スイマセン、全ては無理にしても具体例を幾つかご提示頂けたらありがたいです。

WBCの日本の窓口は帝拳プロモーションさんという話しは聞いた事があります。
2015.04.16 15:39 | URL | #bH1htKmU [edit]
スモールプロモーター says... ""
単純に言うと2013年以降のWBCの軽量級は
メキシコ人orビックプロモーター系列 vs その他選手の世界戦 が約二割
メキシコ人orビックプロモーター系列 vs メキシコ人orビックプロモーター系列の世界戦が約六割です。選手の名前出すのは適切ではないので具体例はご容赦ください。
その他選手は中南米の世界下位ランカーが大半です。要するにタイトルは彼らの間をグルグル回っています。WBAばかり叩かれていますが、カネのWBA、コネのWBC、ある意味後者のほうがタチが悪いんじゃないでしょうか。この程度の承認団体の表彰にどういう意味があるのか、と思います。
2015.04.17 12:18 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
スモールプロモーターさん、
少し調べてみましたが・・唖然としました。
なるほどでした。
2015.04.17 21:14 | URL | #bH1htKmU [edit]
つ says... ""
ルール違反気味ですが、別記事「安河内剛氏がJBCに勝訴した地位確認訴訟の判決文を転載します」での、私とB.B さんとの会話の続きをこの記事でさせて下さい。

http://boxing2012.blog.fc2.com/blog-entry-400.html#cm
私(つ)「知る権利の元となる情報を正しく伝えるジャーナリズムを育成していくためにも、貴ブログには、明らかに不適格なジャーナリストに対しても検証してもらえればと思います。」
B.Bさん「偏向するジャーナリズムに対する批判は本来ジャーナリスト自身の手で行われるべきものと思います。
その出現を心から祈ります。」


司法判断では、安JBCの河内氏に対する処遇の元となる検証作業が、組織内であるがゆえに、客観性を持ててないことを示しています。
JBCが恣意を以て安河内氏への公正な処遇ができなかったのと同様、B.Bさんの仰る「偏向するジャーナリズムに対する批判は本来ジャーナリスト自身の手で行われるべき」も、ボクシング記者には自浄が期待できません。ましてやスポーツジャーナリズムのなかでも、プロボクシング報道はかなり偏向している印象を私は持ちます。亀田選手絡みの記事などは、まさに典型的だと言えるでしょう。


それゆえ、この件に携わったボクシング記者に対する追及もHARD BLOW!の諸氏でされることが、ボクシングジャーナリズムの健全化の一端につながるのではないかと私は思います。
2015.04.18 16:01 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
つ さん、どうもです。

ハードブロウとしても、一貫して主張するところにメディアの責任というものはあります。
これまでも、問題提起の記事をいくつも挙げてますが、特に一部専門誌の記事は余りに酷かった。
裁判の行く末がほぼ見えて来て、僕らの主張の正しさも、ほぼ証明されたのではないかと思っています。

さて、検証としてメディアの責任の所在についても一々に明らかにして整理するべきと思いますが、この検証作業は僕らとっては、かなりハードルの高いもので、困難な部分がかなりあります。
多くの方々のご協力なくしては出来ないものでありますし、これまでの作業も、資料提供、アドバイス、証言など数多くのご協力があってこそでありました。
問題意識を持つ方々の参加を、これからもお願いしたいと思います。
宜しくお願いいたします。

また、新たな裁判が始まる可能性もありまして、先ずは粛々とそれを伝えて参ります。
2015.04.18 19:22 | URL | #bH1htKmU [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
一連の報道を検証することは必要だと思いますが、それは報道被害にあわれた方の名誉回復を通じて行われるべきだと個人的には思います。そして意図的に悪意の誘導をしたジャーナリストやゴッシプライターは勿論のこと、傍観していたメデイアの責任も問われねばならない。

一つのジャンル内にも本来は対抗言論があるのが健全な状態なわけですが、結局ボクシングには批評が今も無いということじゃないかと思えます。技術評や試合評が出来ても、業界のあるべき姿や未来図を語れる素地が無いんじゃないかと。

そして大半のファンもスター待望の思考停止に陥っているのではないかと思えます。新しい選手に飛びついて、すぐ飽きてしまうような風潮や、いとも簡単にネット上のイメージ操作に乗せられてしまうところなど問題大有りと感じます。

辰吉jrの取り上げられ方にしても、思い入れがあるのが仕方が無いことですが、一方で「一介の4回戦の選手になんでここまでエネルギーを割くのか?」と言う批判も無ければならないと思います。嫌がられてもそういうことを指摘してバランスをとる人が居なくなってしまっている。

これからJBC裁判の判決が確定すれば、業界内も少なからず紛糾すると思います。その時メデイアがどう振舞うか?と言うことを注視したいと私は思います。

2015.04.18 19:59 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
まったく仰る通りと思います。
2015.05.02 15:23 | URL | #bH1htKmU [edit]
東日本の善良な市民 says... ""
>組織の為に体を張ったら違法行為をしても出世する組織なんでしょうかね?

たぶんそうなんでしょう。残念ながら現状では、就業規則違反を犯し、JBCの風紀秩序ひいては名誉を傷つけ、多大な不利益を及ぼした面々が出世する組織でしかありません。一方でこれらの科のない職員を解雇するという不法行為が行われ、他で書いた通り、この不法労働行為に対して中労委からも命令書が出されるとともに、それぞれの損害賠償請求がほぼ全面的に認容されています。
http://web.churoi.go.jp/mei/pdf/m11318.pdf

いずれにしても現JBCの価値観は世間一般のそれとはかけ離れたものがあります。各判決文の事実認定部分を見るとJBCの判断には理解に苦しむ、というより理解は不可能といったところが多々あります。今年1月の一審判決文にはこんなくだりがありました。
「同公益通報もいわゆる内部通報にとどまり、殊更外部に喧伝したものでもない。……X2らが報道関係者に対して行った、原告、X5ら4名の飲食代1万7180円を被告の経費として処理した行為が背任罪に当たるとの外部通報において、何ら懲戒処分はなされておらず、むしろ、X2がまもなく主任に昇進していることは前記認定のとおりである。以上によれば、……同通報に及んだことが、懲戒解雇事由を定める就業規則55条2号所定の素行不良に該当するとまでは認められない。」
「そもそも、前記認定のとおり、X3、X1及びX2らにおいては、X10の事務局長解職前、報道関係者向けに記者会見を開き、被告に代わって国内試合を統括する新団体設立の意向を外部的に表明したこともあったところ、かかるX3らの外部的表明を伴う上記行動に対して何らの処分もなされておらず、むしろ、X3は事務局長に就任し、X2は主任に昇進し、X1も被告における枢要なポストに収まっていることからすれば、……内部的検討にとどまっている原告らについて懲戒解雇事由に当たるとするのは、明らかに均衡を欠くともいえる。」

ここで就業規則について触れた部分がありましたので、安河内さんの一審の事実認定部分から、JBCの就業規則のうち一部抜粋して引用します。JBCの就業規則55条は、以下のいずれかに該当するときは懲戒解雇を行うと規定しています。
2. 素行不良、勤務怠慢又はしばしばの諸規則に違反し、事務所内の風紀秩序を乱したとき
3. 他の職員に対し辞職を強要し、又は他人の業務遂行を妨げたとき
4. 著しく自己の権限を越えて、独断の行為があったとき
6. 業務上の重大な秘密を他に漏らし、又は漏らそうとしたとき
11. 故意又は重大な過失によりJBCに損害を与えたとき
14. 不正の行為をしてJBCの名誉を汚したとき

これらの規則の下での他の職員の言動の一部を安河内さんの一審判決文から引用します。(他のおふたりの裁判の判決文で人物のお名前を伏せた関係で、この判決文も同様の表記としてあります。)
「原告が被告において反社会的勢力の根絶を目指した活動を行っていた関係上、同様の文書が送付されてきたことが以前にもあったため、X6やX7は特に動じずに冷静に過ごしていたが、X2ら本部事務局の他の職員は、……怪文書の送付以降、毎日この件で本来の業務もなおざりになるほど騒いでおり、離席して事務所の応接室で相談等をすることもしばしばあった。」
「平成23年6月23日発売の『週刊……』に、『……』との見出しを付けて、……怪文書に添付されていた写真のうちの一つが見開き2頁の大きさで掲載された。記事には、X1の意見として『(原告の一連の疑惑は)ボクサーや職員を愚弄する行為で許せません。本当にボクシングを愛しているなら自ら身を引くべきです。これは、現場で働く我々の総意なのです。』とのコメントが掲載されていた。」

これらは就業規則55条2号・3号に、権限もなしに職員に解雇を通知した方も同条4号の懲戒解雇事由に該当しかねず、各判決文でもこの点に言及した部分が見られます。安河内さん他2名の方の解雇事由よりはるかに深刻な就業規則違反であったと思います。

この当時のJBC内部の環境として、昨年11月の安河内さんとは別の方の一審判決では、(怪文書が届いてからのJBCの対応をみると)「原告が、被告の組織としてのあり方に疑問を持つのも、被告内部で問題点を指摘し改善を求めても効果がないと思うのも、いずれも無理からぬことと考えられる」とされています。改善が見込めない状況でずいぶん苦しまれたことでしょうね。

>JBCの記録が間違っていて、通信社がそれを配信したようなことが書かれてましたが、

小原選手ご本人のブログを拝見しましたが、大人ですねえ。精神面の充実した方だということがよくわかります。
これも他に書きましたが、昭和55年10月30日の最高裁判決では、新聞社が警察官からの情報を鵜呑みにし、被疑者から裏付けをとらなかったことが真実相当性を欠くものとされ、名誉棄損罪が成立していますので、心がけの問題として気を付けてほしいものです。

>お一人は消極的にも怪文書に賛同された方。後に言われていた方向や事実と違う事に気付き嫌気がさされたと聞いております。
(B.Bさんのこのコメントについて思うところは分けて別途投稿します。)

>もうお一人は、裁判の傍聴にも来ていらっしゃいまして、お話しを伺いました。
>「ボクシングが好きで、奉仕したいとの思いでこの仕事に付きました。生活の事もありますし悩みましたが、信念に反する事は出来なかった」とも仰っていました。

他に類似団体もないのに退職されたのは無念だったでしょうね。JBCにとっても損失だったと思います。

>以前、安河内氏にインタビューした時のメモに「事務局長に就任した年(2006年)の総会。ベストコミッション賞。これまでのJBCの功績を称えるもので、あくまでも代表として拝受したもの。その後3年連続で受賞」とありました。

2008年は年間最優秀コミッションにJBC、年間最優秀コミッショナーに安河内さんが選ばれていますね。
http://www.nabfnews.com/news-mainmenu-2/412-wbc-convention-awards.html

記者の勘違いでなければ、安河内さんは2009年にも最優秀コミッショナーに選出されているかもしれません。
https://ringnews24.com/world-boxing-news/item/300-statement-by-wbc-on-wonjongkam-kameda-incident

もっとも私はこうした団体の選ぶ賞については懐疑的で、例えば高山選手の、細かいものも含めたら何冠になるのかよくわからない年間最高試合(ロドリゲス戦)も、大小のメディアが選出してくれたからこそ価値があるように思います。
ただ、コミッションやコミッショナーが表彰されるシステムは稀なので、妥当な結果であれば祝福したいと思います。安河内さんの場合はこの当時、WBCにおいて(だったか、ちょっと失念)リング事故調査担当とか、他にも何か役目を果たされていらっしゃったようなので、それらが評価されたのではないでしょうか。
2015.05.04 00:16 | URL | #7SPhLgiM [edit]
東日本の善良な市民 says... ""
>お一人は消極的にも怪文書に賛同された方。後に言われていた方向や事実と違う事に気付き嫌気がさされたと聞いております。

これまで怪文書怪文書と、この元祖怪文書をさも悪者のように言ってきましたが、元祖怪文書は手段は間違っていたとはいえ、その真意は公益通報(内部通報)が姿を変えたものだったかもしれません。職場環境等に改善の見込めない状況で講じた窮余の策だったことでしょう。何らかの方法で不正経理と女性への金の流れを信じ込んで(あるいは信じ込まされて)いたとして、この女性との関係を窺わせる写真が手に入ったので、あくまでも「内部」で問題意識を共有して解決の道を探ろうとしたのかもしれません。

元祖怪文書は当初、全国のボクシングジムおよび被告事務所宛てに送られましたが、これを超える「外部」には流出していませんでした。しかし、4日後の東京試合役員会では、同役員会会長の主導で、怪文書のコピーが出席者全員に配付され、会長と試合役員1名により安河内さんを解雇させる方向へ向けて、不正行為のほとんど唯一の物証もどきとしての道を歩むことになり、写真は週刊誌に掲載されました。当該週刊誌から引用します。
「……4月22日には、レフェリーなどで構成されるJBC・東京試合役員会が理事会に、安河内氏の解任を求める意見書とキス写真を提出した。その書面には、海外審判員への法外な金額の接待や、職員へのパワハラなど、組織の私物化を表す数々の証言が綴られている。
意見を取りまとめた役員会の会長でレフェリーの浦谷信彰氏は、『安河内さんの一連の疑惑は、ボクサーや職員を愚弄する行為で許せません。本当にボクシングを愛しているなら自ら身を引くべきです。これは現場で働く我々の総意なのです。』
……第三者を交えた調査委員会の答申は、28日の理事会で発表される。ジャッジは如何に?」

調査の結果を待たずに根拠薄弱な不正の「疑惑」が外部に公表されたわけですが、この調査委員会の判断がどうであったかと言えば、(1) 不正経理を通じて横領行為や背任行為に及んだとする事実、(2) 情実により権限を濫用して女性職員を不正に採用した事実、(3) 本部事務局員の女性職員に対し程度を越えて親密に接し事務局長としての体面を汚した事実、(4) 執務上の職務を懈怠し、又は職場を離脱したり職務を放棄したとの事実はいずれも認められないと公表されています。このあたりの、内部の情報を外部へ持ち出して騒ぎを大きくする手法は、亀田選手が係属中の裁判でJBCから証拠提出された報告書がサイゾーで公開されているのとよく似ています。安河内さんの裁判では「被告の対応が中立性を欠くとする書面や原告の従来の言動を批判する書面等を各方面に提出するなどし」などと短期間にむやみやたらと多くの書面が登場するのですが、名義が架空であったり、手間暇かけた調査の結果、内容に根拠がないことが判明したりと、これらの正体(作成者の真意)は元祖怪文書よりよほど悪質であるように思われます(少し脇道にそれました)。

にもかかわらず、「被告は、本件降格処分の理由につき、……具体的には、予てからの組織運営の問題点としては原告によるパワーハラスメントを、不祥事としては……怪文書の添付写真に写っている『不適切な行動』等及びこれに対する社会的非難をそれぞれ挙げ、これらにより、原告がリーダーシップを喪失し、組織の掌握に失敗して、被告の信用を失墜せしめた旨主張」しています。

一方のパワハラについては旧徳山と長谷川が好きですさんがすでに「安河内判決を読む 司法判断で何が語られたのか?PART1」でとりあげていらっしゃる通りです。
http://boxing2012.blog.fc2.com/blog-entry-402.html

他方の「不祥事」について、今年1月の裁判におけるJBCの主張では、怪文書に写真が添付されていたことの説明に続き、「この点で」安河内さんがJBC事務局職員を含むボクシング界の多くの関係者たちから顰蹙を買うことになったとされており、この文脈では、怪文書にあったという不正経理の噂については一切触れられていません。もっとも、そちらも事実無根でした。この「不祥事」は降格処分の理由となっただけでなく、秋山さん・森田さんの証言に拠れば、「怪文書に添付された写真が週刊誌に載ったこと(女性問題)も理由の一つとして考慮」して懲戒解雇処分が決定されています。

降格および懲戒解雇の処分理由となったこの「不祥事」ですが、東京地裁の判断は以下の通りです。
「被告は、……怪文書に、『安河内はボクシング関係者すべてに対して背信行為を行っている。』、『新たな愛人の入社』などと記載されていること及び添付写真4枚に写っている女性との写真を指して『不適切な行動』、『不祥事』と主張しているものと解されるが、そもそも、……怪文書の記載自体、添付写真に女性と2人で写っていること以外は、何ら客観性のない内容であり、……怪文書のみから、そこに記載された内容がすべて原告の『不適切な行動』であるとも『不祥事』であるともいえないことは当然である。」

つけ入る隙を与えた安河内さんは迂闊だったと思いますが、ここで、他でも触れた平成13年12月26日の東京高裁判決から、こうした報道に対する「社会の民度ないし人権感覚」について述べた部分を引用したいと思います。
一部の新聞や週刊誌による人権侵害にわたる私事暴露的記事は目に余るものがあり、これを抑止するには高額の慰藉料の支払を命ずるのが効果的であることは否めず、そのような社会的要請も一部にあると思われるが、解釈論としては限度があり、政策論としても、低俗なのぞき見的好奇心からこのような報道を受け入れる社会の民度ないし人権感覚を問題とすべきではないかとの視点もあり得るところであり、全面的に支持することはできない。」

ついでに司法上の「公的人物」の意義についても軽く触れておきます。この公的人物の概念は清水英夫「週刊誌の独自取材記事と名誉棄損」『マスコミ判例百選』〈54事件〉108頁からアメリカ連邦最高裁 (Gertz v. Robert Welch Inc., 418 U.S. 323 (1974)) の定義を引くと「社会の事柄に関して特別目立つ役割を果たす地位にある者」であり、公的人物はメディア等を利用して反論する機会に恵まれているが、私的個人はそうではない、とされています。

最後に、一連の裁判記録を調べていて、安河内さんの地位確認とは直接大きく関係しない部分で気になった部分を2点。
まず1つ目として、第一審判決で次のような判示がありました。
「ボクシングの試合会場への立入りの許否自体は、当該会場の管理者又は当該試合の主催者であるボクシングジムがこれを最終的に決する権限を有するものと解されるのであり〔秋山さんの証言に拠っています〕、被告にはその立入り自体を禁じたり、これを解いたりする権限はないと解される。……被告が原告に対し『本部事務所やボクシングの試合会場に立ち入らないように。』などと告げたとしても、それは、被告から原告に対する要請又は事実上の指示にとどまるものであって、これに反した場合に懲戒処分(……)を行うことが予定された『「業務命令』であるとまでは評価できないというべきである。」
職員については就業規則上、罰則規定がないとの判断ですが、JBCが選手や協会加盟のジムに対してはどこまで権限を持つのか、協会側から質して明らかにさせておいたほうがいいかもしれません。ジムや選手の処分の際に立ち入りを禁じたりする例が今後ありえないとは言えませんから。

2つ目として、今回の一連の裁判でJBCは再三、秘密保持義務を主張していましたが、これについては昨年11月の別の方の判決で「被告における情報管理の基準等が明らかでないから(……)、当該メールによる情報の開示が『情報漏洩』に当たるとは直ちに認められず、」とした部分があります。
所属選手やジムが安心して情報の管理を任せられるように、また、有事の際に権利を主張するためにも、個人情報や知的財産等の管理方法を明文化あるいは厳格化しておいたほうがよいと思われます。(杜撰な管理をしていれば持ち出されても文句は言えず、情報泥棒にタダで差し上げることを余儀なくされます。)
ただ、JBCが何に対して秘密保持義務を主張しているかというと強い疑問を感じざるを得ず、今年1月の裁判の判決文では「およそ営業秘密に該当するような情報の漏洩があったとまでは認め難いし、この点を措いても、損害の発生を認めるべき証拠はない。」としたものがあります。同じ判決文で「〔部外者に共有されても〕実害も認め難い」とか「営業秘密として管理していたものでもない」とされた情報にまで鍵をかけて取り扱いを厳格化することに手間暇かけるのは的外れだということは申し上げておきたいと思います。
2015.05.04 00:27 | URL | #7SPhLgiM [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
この怪文書と夕刊紙、ゴッシプライターのブログとの連動振りがまずもって怪しいと私は思います。まあ要するに為にするリークなんじゃないのか?という疑惑であります。実際怪文書を題材に大騒ぎしてゴッシプライターは現JBC職員を取材現にしている関係であります。そもそも怪文書は所詮怪文書に過ぎずまともな組織なら事実関係を確認するのが当たり前です。「怪文書に書いてある」「週刊誌にでてる」から解雇と言ってる連中は、自分が同じ目にあっても我慢するんでしょうかね?それは部外者にしてからが同じこと。「安河内には組織を混乱させた責任がある」とかしたり顔で言ってるバカがいますが、『組織を混乱させた』責任がより重いのは怪文書に乗じて事実もないのに背任や横領でっち上げた連中です。「今更帰っても組織の中に居場所がないから金だけもらって身を引くべき」なんて意見まであって、こういう人って心に一抹の正義感もないのかと寂しくなりますね。自分が不当解雇された時もそのように恬淡と振舞われるのでありましょうか?

誤発表についてはメデイア側はチェックの甘さを批判されても仕方ないですが、プレスリリースが間違っていたことは事実な訳で、その責任は免れ得ない。まして日本タイトルマッチでしょ、と言う話です。未だ謝罪すらないのは異常なことです。

情報の外部漏洩といいましてもボクサーの戦績なんてネットですぐ見れるもので、なんだったらもっとも開かれているべきものです。むしろ問題なのは自分達にも落ち度があるバックステージの揉め事をすぐに胡散臭いゴッシプライターにもらして、一方当事者を貶めるような印象操作に利用してしまうようなモラルの低い職員ではないでしょうか?というのは私何回も書いてますね。まあそういう人はまさかいないと思いますけどねえ(笑)。

2015.05.04 16:27 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
東日本の善良な市民さん、

ありがとうございます。
まさに言いたかった事を書いてくださいました。
月末月初に掛り仕事でどうにも時間がとれませんで、返信もままならず大変に申し訳ありません。

しかし、世間はゴールデンウィークで・・あ、今日は子供の日じゃないか・・うう・・。
明日は休もう、絶対休む。いややっぱり無理。
2015.05.05 15:26 | URL | #bH1htKmU [edit]
いやまじで says... "東日本の善良な市民 様"
東日本の善良な市民 様

ご愛読&投稿ありがとうございます。
旧徳さんの簡潔にして明そしてスパイシーな解説に、法の専門家の観点からの解説が補強され、この問題への私の理解も深まりました。他記事に於きましてもボクシングの歴史に光を当てる資料をご提供いただきたいへん参考になっております。

JBC問題を広く一般の方にもアクセス可能なものにすることが私の記事の目的でしたが、それが東日本様(省略失敬!)のご投稿により進展・拡大されたものと感じております。(短期間での膨大な資料検討にビックリ!もしております。)

感謝と敬意を表します。今後とも折を見てご投稿ください。


2015.06.14 17:03 | URL | #Twj7/TDM [edit]
東日本の善良な市民 says... ""
いやまじで様 皆様

いやまじで様の作成された膨大なデータがなければ、ここに来ることはなかった気がします。また、他の管理スタッフの方のハートがなければ、ここで足を止めてしばし留まることもなかったでしょう。コメントを入れていない時も、いつも拝見しています。

嫌なものがたくさん見えて苦しいですが、人的証拠を目の当たりにせずに整理された物だけを見て判断している分、私は皆様ほどは苦しめられていないはずです。近いうちにまたお邪魔します。
これまで通りソフトロー(シキタリ的なもの)ではなくハードロー(判例を含め)に基づいて思考を進めていきたいと思っています。(業界の皆様は逆転してしまっているところがある。)
2015.06.15 12:49 | URL | #7SPhLgiM [edit]
東日本の善良な市民 says... ""
少し説明不足な部分がありましたので簡単に補足しておきます。判決文で「外部」通報を内部通報と明らかに区別していることについて、不思議に思われた方もいらっしゃったかもしれません。今年1月の一審判決文における原告の主張によれば、「被告の就業規則上、『JBCを誹謗中傷する目的をもって外部に対して告発をしたとき』(就業規則54条7号)でさえ減給又は停職と定められている」とあります。裁判所の判断において「外部通報でさえも」というような記述が見られるのはそのためです。
ついでですが、これに関連して、記者会見(外部通報)における発言責任について【東京地判平成13・6・29判タ1139号184頁(平成9年(ワ)第84号/平成9年(ワ)第15567号)】から引用しておきます。
「記者会見を開く者は、その会見の内容が報道されることを容認あるいは望んでいるのが通常であるから、会見における発言等と報道された内容とが著しく食い違う等の特別の事情がない限り、記者会見を開いた者は、その報道による名誉毀損について責任を負うべきものである。」
2015.06.15 23:57 | URL | #7SPhLgiM [edit]

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