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安河内判決を読む 司法判断で何が語られたのか?PART1

 さてさて判決文も公開されいよいよ大詰めを迎えつつある、いわゆる「安河内裁判」。

 裁判をずっと追いかけて来た我々にすれば至極当然な判決が下り、確定しようとしているだけなのですが、読者の皆様におかれましては実際に判決文の原本を読むことで事の次第をはじめて理解された向きも多いかと思います。

 私が実際に判決文を読んでみて驚いたのは、非常に踏み込んだ表現でのJBC批判が多々あることです。

 「裁判の判決文なんて無味乾燥なものなんだろうなあ」と勝手に思っていたのですがあにはからんや、非常に温度のある正義感に貫かれたものでありました。それプラス『怒り』と言っていいような、個人名を挙げての辛辣な表現すらありました。

 これから判決文の具体的な内容に踏み込んで考察を加えていこうかと思います。

 今回安河内氏のブログで公開されたのは、判決の主文と結論部分です。安河内氏とJBCサイドがともに事実だと認めた部分について、裁判長がどのように解釈しどのように考えて判断を下したか?という一番大切なところと言えます。

 まず主文から

 判決文1P目

地裁判決_02_R

 この部分は要するに「安河内氏の解雇も配置転換も降格も無効であり、未だに事務局長職にありますよ」「従って降格した時点から遡って、未払いの賃金や減給分に年利5%の利子をつけて支払いなさいよ」ということです。

 谷川氏へ和解の際に支払われた金銭や、安河内氏と他の解雇職員にこれから支払われる未払い賃金を合わせれば恐らく何千万円単位。そこに年利5%という破格の利子がつきます。これは同時に、「安河内氏降格後に事務局長となった人、解雇職員に代わってJBC職員になった人には法的な正当性はなく、支払われた給与は不要な支出であった」ということでもあると思います。

 続いて裁判長の結論部分について考察していきます。75ページの後半部分

地裁判決_06_R

 安河内氏の解雇理由とされた部下へのパワハラですが、安河内氏の降格に先駆けたJBCの内部調査でも「パワハラではない」と認定されているわけで、そういう判断を下したJBCが降格理由にしていることがそもそもおかしいわけですが、裁判長はさらに踏み込んで当時の部下によるパワハラの主張は「選手の命に関わる試合管理業務に対する意識の低さもうかがわれるところであり」「叱責などの意味を理解しないまま,又は理解しようとせず、原告に対する不満等を募らせていたものと推認することができる。」と断じて居ます。要は言われて当然のことを言われただけなのに、真摯に反省せず逆ギレしてるようなもんだというところですね。公の裁判でこんな風に無能者であるかのように認定をされるなんて本当に酷なことでお気の毒だと思います。

地裁判決_07_R

 さらにアルバイトや試合役員についての言動についても、一方の言い分だけを聞いただけで客観性が無く、また叱責された試合役員の勤務態度にも従前から怠業の問題があったことが示唆されます。要は注意されるような理由があったということです。さらに怪文書と言う客観性が乏しい文書を根拠に『不祥事だ』と断じる拙速さにも疑問が呈されます。

 地裁判決_08_R

 ここから現在事務局長へと『出世』された浦谷信彰氏の怪文書への対応について、裁判長からこれでもかとツッコミが入ります。

 浦谷氏は「(試合役員)の総意として,信頼できない事務局長の下で試合運営をすることはできないとされた旨述べる」のですが、裁判長は「決議がとられたわけではない」から総意とは認められないと一刀両断。さらに、もし賛成が多数だったとしても「怪文書のコピーが全員に配布され」た状態で試合役員会のトップとして影響力の強かった浦谷氏が「(安河内氏は)辞めるべきだ」と繰り返し主張していた状態では、試合役員は「客観的な状況の把握が必ずしも容易ではなかった」とこれまた至極当然の指摘をします。要するに、真偽不明の怪文書を回覧し、『安河内は辞めるべきだ』と盛んに煽って意思決定を迫るようなやりかたは違法だという認定を裁判で受けたということです。
 
 こうなるとこの怪文書がどういう意図で作成されたものなのか?と言う疑問が湧いてきます。

 この怪文書によって利益を得た人は誰なのか?この怪文書に乗じてJBCを乗っ取った人は誰なのか?

 それを考えれば結論はおのずと出るような気がします。(この項続く)

 敦賀気比の春夏連覇が楽しみになった(旧徳山と長谷川が好きです)

Comment

幻 says... ""
この問題については良く知らなかったのですが、
怪文書の作成元はやはりアレですか(笑)
2015.04.02 07:05 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
幻さん、どうもです。

怪文書の出処は未だ不明ですが、今後の司法の場で明らかにされる可能性はあると思います。
ただ、背景には権力闘争があってそれも幾つかのグループがあったと話される元職員の方がいます。
この方の話しによるとあの怪文書は「職員によって書かれたものに間違いないだろう。しかしこの職員はその後、自ら辞めた。事務方トップの交代に当初の思惑通りにならなかったからではないか」との事でした。
この話しによれば、それぞれの思惑は別々のところにあった。つまり今納まった形はうまくこの怪文書を「利用した人たち」という事になります。

安河内氏は組織や職責について非常に厳しい考え方を持っていて、例えばこれまで無かった職員の定年制を導入したり、あやふやな支出についても経理管理の是正を行い透明化を目指しました。
ここに不満を持つ職員が複数いた事をこの方は指摘されていました。
判決文にはありませんが、一連の裁判では証人尋問において一部試合役員と業界関係者の癒着や試合役員に対する賃金規定にない曖昧な報酬についても触れられていました。
なるほど、これを打ち切られて不満や恨みに感じた人はいたであろうと推測します。
重ねて言えばこれらは皆、当時改革派試合役員と言われた方々の中にいる人です。

2015.04.02 09:46 | URL | #bH1htKmU [edit]

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