HARD BLOW !

地域密着・底辺拡大 プロスポーツを根付かせる為には?

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 さてさて昨年末の興行ラッシュでも「絶対なんかやらかしますよ」と言う某関係者の予想通り、中間採点を読み間違えるという情けないケアレスミスを犯したポンコツ一般財団法人JBC。昨年は裁判で敗訴したり、亀田兄弟に訴訟を起こされたり散々でありました。今年もトラブルが続くことが予見されます。

 ですがスポーツの統括団体を舞台にした揉め事と言いますと、何もJBC様だけではございません。

 社会的な議論を巻き起こした「Japanese Only横断幕事件」やJリーグの2シーズン制移行を巡る迷走、アギーレ監督の八百長関与疑惑など事件続きだったのは日本サッカー協会。代表監督が刑事告訴されるとなればまさに前代未聞。難しい対応を迫られることになります。

 もう一つ大きな問題を巻き起こしたのは日本バスケットボール協会でした。かねてからトップリーグの分裂状態が国際組織から問題視されていた日本協会は、再三の警告を受けながらついに事態を収拾できず国際資格を停止されてしまいました。事態収拾のために国際組織から職員が派遣されるとともに、文部科学省も仲裁に乗り出し、トップリーグの統一に向けての話し合いが進められています。バスケット界といえば桜ノ宮高校の体罰事件でも体質に批判が起こったばかり。幹部のガバナンスが問われたのは当然でありましょう。

 私の職場にはインカレ優勝メンバーだったと言うバスケ部出身者がいまして、色々と背景を聞いてみると、バスケット界は昔から人脈支配の構造が強く、派閥抗争が絶えないのだとか。そういった素地がある状況で2006年に自国開催した世界選手権が全く話題にならぬまま大赤字で終了したことでさらに派閥抗争が激化したのだとか。

 で、結局国際組織が何を問題にしているかと言うとそれはトップリーグが二つに分裂していること。従来の日本リーグの流れを汲み、企業チーム中心のJBLと、プロ化を目指して日本リーグを飛び出した新興プロクラブチームだけで構成されたBJリーグが、2005年以降対立しながら並存してきたことが、競技の振興やレベルアップを阻害しているという理由であります。

 なぜにバスケットボールのトップリーグは分裂してしまったのか?それはプロ化を巡る路線対立が原因でした。

 リーマンショック以降、様々な競技で企業チームの廃部が続いたことはスポーツファンの皆様の記憶には新しいところでありましょう。長期不況の中で、企業が実業団チームを保持することが難しくなっている現状を打開するべく、独立採算のクラブチームによるプロ化こそが生き残りの方法であるという方針のもと、BJリーグは生まれました。

 「日本でプロバスケを根付かせることは出来るのか?」「2リーグ並立では少ない観客を取り合うことになるのではないか?」「そもそも採算が合うのか?」という様々な心配の声を尻目に今年で十周年、しぶとく存続しております。

 自分は昨年出張で何度も沖縄に行ったのですが、当地ではBJリーグの琉球キングスがなかなか人気があるようで、選手が大手航空会社のキャンペーンキャラクターを勤めていました。

 ここ数年は急激にチーム数を増やし、岩手、秋田、群馬、と言ったプロスポーツ未踏地へ積極的に進出するという戦略をとるとともに、今年からリーグの冠スポンサーにトルコ航空を迎えるという渋いチョイスも見せています。

 BJリーグのチーム運営予算は平均で2~3億円程度で、Jリーグのチームに比べると手を出しやすいというのが急激なチーム増加の理由になっているようです。サラリーキャップ制度によって(チーム全体で7600万円)選手の年俸を抑制するとともに、チーム力の拮抗もはかっています。

 安倍内閣が成長戦略として『プロ野球球団のエクスパンション』にも言及したように、成熟段階に入った資本主義社会ではプロスポーツ興行は有効なフロンティアとなり得るものだと思います。BJリーグはJリーグの成功過程を参考にしつつも独自の工夫で新たな地域密着のスポーツ興行のモデルを着々と形作りつつあります。

 と言うわけで見物がてら年末に行われた試合の方を見に行って参りました。

 自分が見た試合は大阪エヴェッサ対富山グラウジーズ。会場は堺市の金岡公園にある体育館でした。ホームチームであるエヴェッサの試合興行は大阪府内の体育施設を巡回しながら行われているようで、固定したホームアリーナは無いようです。この辺は評価が分かれるところなのでしょうが、「まずは話の種に一回見てもらう」という方針をとっているのではないかと思われます。

 入場料は地下鉄来場者に適応される割引のおかげで一人1900円。観衆は千人程度ですが、バスケ部軍団と思しき中高生の姿が目立ちます。ホームのエヴェッサの固定ファン(『ブースター』というらしい)も暖かい声援を送っています。勿論アウェイの富山から来た熱心なファンもスタンドの一角に陣取っています。

 試合前にはチアダンスのショウや堺市長によるテイップオフなどもあり、なかなかに華やかな雰囲気で持込で設置されている音響設備やビジョンなども、少ない予算で運営されているであろうにしてはなかなかのもの。アナウンスや進行の段取りもスピーディー。

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スポンサー企業には上場企業も名を連ねる

 ハーフタイムには観客参加のフリースローコンテストがあり、チアガールがここでも大活躍。一丸となって興行を盛り上げます。会場内で販売されているフード類や物販なども充実しており、値段も手ごろ。接客態度もこなれていて好印象。思ったよりいいじゃん、と思ったのであります。

 で問題は試合であります。肝心の競技のレベルが...これが素人目にも明らかにイマイチ!なのであります。フリースローが入るのが二分の一くらいと言えば分かっていただけるでしょうか?選手の動きは外国人も日本人もモッサリしていてゴール下に入るのも一苦労で、パス回しはミスが多くお世辞にもスリリングとは言いがたい。その上試合展開も前半に大差がついて退屈そのものと来ては...。まあ勿論NBAなんかと比較するのは酷な話でありまして、サッカーやボクシングと同じく、海外のトップ選手の試合との距離感なき比較は意味がございません。「おらが街の代表が一所懸命やってるんだ」と言う目線で暖かく見て楽しむべきもんだと言うことは私も分かっています。ただ「このままチームが増え続ければますます競技レベルが下がるんじゃないの?」と言う危惧を感じてしまいました。競技力をどう向上させるかが課題でありましょう。

 そもそも日本のバスケット界の特殊事情として、トップ選手がNBLの企業チームに集まると言う現実があります。日立や東芝や三菱電機、トヨタと言ったグローバル企業の社員選手になる方がクラブチームのプロよりもステイタスが高いとのです。年俸の最低補償が300万円、チームの総年俸が7600万円で首になれば何の保証もないBJリーグは日本国内のトップ選手の選択肢とはなり得ていないのです。そしてNBLのトップチームを抱える企業とて、宣伝の媒体としてチームを保有しているだけで、収益性が高いとはいえないプロ化には何らメリットを感じていないと言うのが現状です。結果BJリーグにはNBLに入れなかった選手が集まると言うのが現実となっているのです。

 BJリーグよりも選手にとってはステイタスが高いNBLですが、企業チームとクラブチームの戦力格差がひどくリーグとしての盛り上がりには疑問符がつきます。新年早々パナソニックの実業団を引き継いだ和歌山トライアンズが経営破綻し、NBLチームの経営状態も決して楽ではないことが伝わって来ます。

 両リーグとも一長一短があるわけですが、いかにして統合を行うかは結局企業チームの腹一つと言えると思えます。企業チームの親会社は超優良企業ばかり。日本国内のバスケットボール市場というような小さな利権に拘泥せず、大きな目でプロスポーツとしての育成を担って欲しいと思えてなりません。

 試合は展開自体は大差のまま終始しましたが第4クオーターは負けていたエヴェッサがそこそこ奮起し一定の盛り上がりを見せ、一応豪快なダンクや見事な3ポイントも少ないながらもありましてまあ満足。
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ダンク!
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3ポイント!

 また機会があったら足を運びたいと思ったのでありました。というか出張に行った旅先で見てみたいなあ。

 ボクシングの興行にも様々なヒントを与えてくれるのではないか?と感じる観戦体験でありました。

 休憩ばっかりのダラダラ興行やってる某プロモーターはbjリーグの仕切りを参考にして欲しいと感じる(旧徳山と長谷川が好きです)
 
 

 
 

Comment

やわらか says... ""
休憩ばっかり…どうやら私が行った大阪以外の興業も休憩ばっかりだったみたいですね。あんなに早く開場する必要が何かあったのか不思議でならないです。観戦してても一戦やって休憩、一戦やって休憩…熱さめてしまうんですよね。下手したら休憩のが長かったりしてましたし。
2015.01.10 17:58 | URL | #- [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
うーむ他の会場も似たり寄ったりだったんですねえ。

フジの中継もあんだけインパクトがあった試合だったのに視聴率はイマイチだったみたいですね

テレビ屋さんの感覚もちょっとずれてるんじゃないですかねえ
2015.01.11 01:37 | URL | #- [edit]

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