HARD BLOW !

読者投稿 WBO・IBF承認から1年半過ぎて 

読者投稿を一本掲載します。こういうフィードバックがあるのは楽しいですね。
こういう面白い投稿は歓迎いたします。原稿料は出ません(笑)

WBCのスーパーフェザーから下は八重樫・井上以外、帝拳とメキシコ人しかいないんですね。帝拳でメキシコ人の人もいますが(笑)。

大相撲の八百長問題の時に「ヤバい経済学」と言う本が話題になりましたが、これらの現象にはどのような動機付けが働いているのでありましょうか?

と言うわけで以下より本文をお楽しみ下さい。(旧徳山と長谷川が好きです)
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検証Ⅰ WBO・IBF承認から1年半過ぎて 

2013年4月1日よりJBCがWBO・IBFを承認し、約17か月過ぎつつある。国際化の名のもと、やや性急に議論もなく行われた4団体加盟はどのような結果をもたらしたのか、一度整理して検証すべきではなかろうか。個人的には現在のファンや関係者のWBO・IBFの承認の印象と、現実には大きな乖離があるのではなかろうかと感じている。IBFチャンピオン高山選手の敗北と、JBCによるWBOチャンピオン亀田和穀選手のJBCランキングからの消去をもって、男子のJBC傘下のWBO・IBF世界王者はいなくなってしまった現在こそ、検証するにちょうど良い時期かもしれない。

まず始めに、先日hardbrow内に書き込まれたコメントから引用を始めようかと思う。
以下は8/1のとっくめい氏の書き込みである。


 IBFやWBOを認可したのだって世界的な趨勢に合わせて統一戦などのビッグマッチ実現に近付ければという期待があったけど、今や穴王者狙いの意図が見え見えだし、業界寄りに意見したって展望なんか見えやしない。 

何故このコメントを引用したのか。業界よりかどうかはともかく、恐らくは“穴王者狙いの意図が見え見え”の部分は現在も多くの方が持っている印象ではないでしょうか。一時期は世界チャンピオンが8人も並立し、ベルトの権威と価値が低下した事にWBO・IBFの承認が大きく影響したと感じてしまうのは時期的に一見もっともに見えるのだが、果たして事実はどうでしょうか。


検証Ⅱ WBO・IBF承認の印象と実際
 さてもしお読みの皆さんも“穴王者狙いの意図が見え見え”の印象をお持ちであれば、その印象は何によってもたらされたのでしょうか。おそらくは両団体の承認後最初の王者がその要因ではないかと推察します。
 その両団体の王者ですが、
 WBOは 2013年8月1日、亀田家の三男和穀選手がバンタム級で日本人初のチャンピオンを獲得し、
 IBFは 2013年9月3日、亀田家の次男大穀選手がスーパーフライ級でJBC承認後初のチャンピオンを決定戦で獲得しています。
 亀田3兄弟のこれまでの印象と評価がみなさんご承知の通りであり、さらに大穀選手が決定戦であったことからもWBO・IBFも亀田家の影響を受ける団体との印象が浸透し、両団体への期待が失望に変わったのではないでしょうか。最初の王者が亀田家から誕生したことで、亀田家の印象をも背負ってしまった感があります。しかしながら、両団体のベルトは穴王者狙いと言われるほど政治力で簡単に獲得できるものなのでしょうか。


検証Ⅲ IBFの実際
 それにはまず、この17か月の軌跡を追ってみる事で簡単にわかります。
IBFは承認後5人挑戦し、獲得は亀田大穀選手のみです。(承認前の高山選手除く)
高山、亀田大穀選手がチャンピオンとして活動し、日本人対決の高山vs小野戦を両カウントし、3勝6敗です。
 2013.9.3  ○ Sフライ決定戦 亀田大穀 vs ロドリゴ ゲレーロ 判定
 2013.12.3 ○ ミニマム 高山勝成 vs ビルヒリオ シルバノ 判定
2013.12.3 × Sフライ統一 亀田大穀 vs リボリオ ソリス 判定
 2014.4.23 × Sバンタム 長谷川穂積 vs キコ マルチネス 7RTKO
 2014.5.7 ミニマム 高山勝成vs 小野心 判定
 2014.5.7 × フライ 井岡一翔 vs アムナット 判定
2014.7.18 × Sフライ決定戦 帝里木下 vs ゾラニ テテ 判定
 2014.8. 9 × ミニマム統一 高山勝成 vsフランシスコ ロドリゲス 判定
 
 IBFには世界戦以外に、挑戦者決定戦もあります。
2014.4.4  ×  バンタム 大場浩平 vs ランディ カバジェロ 8RTKO
2014.5.31 × Sバンタム 石本康隆 vs クリス アヴァロス 8RTKO
2戦2敗です。IBFには世界、挑戦者決定戦計7人挑戦し、井岡選手や長谷川選手等の実績のある選手を含み6人失敗しています。統一戦の高山―ロドリゲス及び石本選手を除き、日本での試合です。ここで気になるのは3勝のうち高山選手のシルバノ戦、小野戦は挑戦者選択試合で、残りの試合の対戦相手は敗戦試合も含め、日本側が選んだ選手ではない、ということです。

検証Ⅳ WBOの実際
WBOは承認後17か月で、高山選手の統一選を含み4人の選手が挑戦し、獲得したのは亀田和穀選手1人のみです。和穀選手が防衛戦を含み3戦し、全6戦3勝3敗です。
 2013.7.13 × Sミドル 清田祐三 vs ロバート スティグリッツ 10RTKO
2013.8.1 ○ バンタム 亀田和穀 vs パウルス アンブンダ 判定
 2013.8.24 × Sフライ 久高寛之 vs オマール ナルバエス 10RTKO
 2013.12.3 ○ バンタム 亀田和穀 vs イマヌエル ナイジャラ 判定
 2014.7.12 ○ バンタム 亀田和穀 vsプンルアン ソーシンユー7RKO
2014.8. 9 × ミニマム統一 高山勝成 vsフランシスコ ロドリゲス 判定
ビックプロモーター傘下の強いチャンピオンが揃ったWBOには、挑戦の機会すら少ないのが現実です。12月3日の和穀選手以外の5試合は海外です。
 この間、参考までにWBAは亀田興穀、宮崎、井岡、内山、河野選手がチャンピオンとして在籍し、WBCは山中、八重樫、井上、三浦、佐藤洋太、五十嵐選手がチャンピオンとして在籍し、戦績12勝6敗。6敗は向井、荒川、角谷、佐藤洋太選手がいずれも敵地で、残り2敗はツニャカオ、五十嵐選手の日本ジム対決。両団体は承認以前のチャンピオンが多いですが、IBFと違い敗退はほとんど敵地です。つまり、呼んだ外国人相手にはすべて勝っています。

さて、WBO・IBFに穴王者狙いは通じたでしょうか。亀田家は成功しましたが、次男の大穀選手はホームでしっかりと判定で敗れています。IBFは多くの国内トップ選手がホームで敗れ、WBOに至っては挑戦の機会すら少ないのが現実です。そして8月現在、遂に両団体の王者がJBCランキングから消えました。

この現実をどのように捉えるかは個々の皆様の解釈の自由だと考えます。しかしながら、WBO・IBFの承認が穴王者の量産に繋がったといえるのかははっきりしたと思います。しかも現在の世界の趨勢は世界チャンピオンの上に統一王者やスーパースターが君臨をしています。マニー・パッキャオが試合をする際、どの世界タイトルがかかっているかを重要視する方は少ないかと思います。この状況の中でWBO・IBFに限れば世界タイトルの奪取すら苦労している事実は、増えているとともに価値の低下をひきおこしている世界チャンピオンのイメージとは真逆ではないでしょうか。OやFであれば必ず強いというわけではありませんが、現状の認識は現実と乖離しているのではないでしょうか。

文責:LS

Comment

B.B says... ""
こういう視点は僕にはまったくありませんでした。
というか、ここから見えてくるものは・・?
2014.09.05 07:12 | URL | #bH1htKmU [edit]
やわらか says... ""
つい先日、友人とのLINEのやり取りでFやO認可して一年経ったけどチャンピオンの乱造て全く無かったねと話してたとこでした。
今までのAやC、Aならベネズエラ、パナマCならメキシコと 世界戦とはいえだいたい今まで中南米やアジアの選手ばかりだったので認可後にスペインやらナミビアやら各国の選手との試合が観戦出来て私は楽しみが増えてます。

もっと早く認可されていればカニザレスやら、ハメドやらバレラやらと日本人が絡む試合が見れたかもしれないのになぁ…とたまに思います。
2014.09.05 09:26 | URL | #- [edit]
いやまじで says... ""
なるほど確かに面白い事実です。

単純に挑戦機会が増えただけでも世界王者の増加は予想できるわけですが、
実際にはOとFについては事実上一人のみとなっている。

穴狙い挑戦が増えるだろうという予想はかねてより出ており、
実際そうも見えますが、
結果としては世界王者の大幅な増加とはなっていない。
そしてAとCで異様に増えている。

私自身にはOとFの王者の実力がAやC王者のそれにそう劣るものではないことを示すデータであるように思われます。

そうしてかつては見ることのできなかった強豪と日本人の対戦が見られることは、
ボクシングファンとして単純に嬉しいことだと感じています。
私は元来OやFの承認賛成派でしたが、その理由もこの点にありましたから。

>増えているとともに価値の低下をひきおこしている世界チャンピオンのイメージ

この部分についてはあくまで日本国内でのこととして書かれていると思います。
(OとF加盟後に生じている事態として)

世界のボクシングの歴史というより大きな視野の中で見れば、
団体の増加、階級の増加で、「価値の低下」の「イメージ」が決定的であることは確かだと思います。(もっともそれはあくまでイメージであって、実際にプロボクサー人口やマーケット拡大をデータ的見れば、必ずしもそうは言えない部分もあるのかもしれません。)

OとFで戴冠した選手が統一戦を実現させているところも面白いですね。
AとCでも統一戦が、といいますか、スリリングなカードが増えてほしいと思います。
(本日の八重樫vsロマゴン戦のように)



2014.09.05 16:11 | URL | #Twj7/TDM [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
4団体認可となって、確かに来日する選手の国籍は多彩になりましたね。

ただスター選手は金出さないと来ないですね(笑)。これが冷徹な事実。

WOWOWの世界と日本のボクシングがなかなか地続きにならないわけです。
同じ帝拳がやってるビジネスなんですけどね。

カジノ解禁に併せてプロモーターの参入条件を緩和すれば、新しい金銭の流れが出来ると思うのですが…。
2014.09.05 19:40 | URL | #- [edit]
L.S says... ""
>私自身にはOとFの王者の実力がAやC王者のそれにそう劣るものではないことを示すデータであるように思われます。

これも日本のファンの一般的な印象ではないかと思うのですが、後発団体のO・Fの王者はA,Cの王者より劣っているのではないか、との前提条件があったのではないでしょうか。
 昨晩よりローマンゴンザレスがC王者に加わりましたし一概に何処が強いと言えることではないですが、実力、人気ともにトップクラスの井岡選手や長谷川選手、日本での実績は十分だった帝里選手、大場選手とFのベルトに届きませんでした。Oはナルバエス、リゴンドウ、ロマチェンコetc、穴が見えそうにないメンバーが並んでいます。私にはもう少し大きな差があるように感じます。
現在の日本は世界のベルトも厳しく、ベルトの更に向こう側にあるスーパースターの世界には到達していない一方で、世界チャンピオンが増えて価値を失っていってる奇妙に相反した状況が続いており、4団体の承認もまだまだ様々なチャンネルからの検証も必要だと思います。
2014.09.07 10:41 | URL | #- [edit]

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