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ある裁判記録 その7 ― 原告 準備書面3 ―

 この裁判は、原告が被告を訴えた民事裁判である。 
 訴状は原告により平成24年5月24日某地裁に提出され受理された。
 以下は原告準備書面3(平成24年11月13月提出)の要約である。

※〔 〕は要約者による注。
※ 準備書面とは、民事訴訟において原告・被告双方が、自らの主張と証拠となる事実を示すための書類である。実質的に裁判の進行状況を示すものである。
※ 書証(証拠となる書類・写真・録音テープ等)は要約の対象外とした。

■■■■

原告 準備書面3(平成24年11月13日提出)

 被告準備書面2に対して反論する。


第1 原告の降格処分の根拠について

1. 原告の降格処分の相当性を根拠付ける理由として、原告が被告事務局職員、試合役員会、aらからの信頼を失ったことを挙げている点について

 原告準備書面1で主張した通り、降格理由を示した書面は「ご報告」であり、「部下に対する接し方に行き過ぎが認められ、有給休暇を認めて然るべきところを判断を誤り欠勤扱いにし、不十分な説明に基づく雇用契約上の不利益変更を行ったことは、不相当と認めざるを得ないところ」等と記載されるのみである。
 被告が主張する被告事務局職員・試合役員26名が解任を求めることについては処分時には全く原告に示されておらず、後付けの理由である。被告は、答弁書でも、被告理事会は26名が解任を求めていることを根拠に不適任であると判断したと主張するが、議事録には、「調査結果に基づく事後の対応」としか記載されておらず、このことからも後付けの理由であることは明らかである。
 そもそも通告書〔試合役員及び事務局職員有志による調査報告書、以下同〕の調査の結果、通告書の主張には著しい論理の飛躍あるいは何を根拠にして主張するのか疑問が残るとされ、結果その大部分が事実と認められないという結論に至ったのに、通告書を提出した人物らからの信頼を失ったことを理由に原告を降格処分にするのは、全くの自己矛盾というほかない。

2. 賃金減額の根拠について

(1) 減額の根拠が、賃金規定第3条を挙げるのみで、懲戒処分にもとづく減額なのか、人事権による役職の降格なのか明確にされていない。

(2) 基本給の限度額は賃金規定に記載されておらず規則も存在しない。処分時の原告と原告以外の従業員基本給の差を役職手当と解し、約3割の基本給減額を行うことは人事権濫用であり、労働協約上到底許されるものではない。

(3) 被告は事務局長以外の基本給の限度額は●万円とするが、原告は事務局長就任前の時点で月●万円の給与を支給されており、このような被告の賃金に関する極めていい加減な事実認識からも、減給処分が合理的根拠に拠らず場当たり的になされたことがわかる。

(4) 被告は平成23年7月1日、C、Gと面談した際に、基本給●万とすることに原告が同意したと主張するが(被告準備書面1)事実に反する。原告は同日、Cから一方的に伝えられたにすぎない。同月中旬ごろ、C、Dが基本給●万とした「雇い入れ通知書兼雇用契約書を手渡し署名・捺印を求めたが、原告は、
 ①勤務地が本部事務局となっている点
 ②賃金減額の理由
 ③基本給●万の根拠
の説明を求めたところ、C・Dから明確な説明がなかったために、これを拒否し、署名できない旨伝えた。

(5) 被告準備書面2で、被告は、原告の給与を決定したのは代表理事の裁量によると主張したが、答弁書では、決定したのは原告自身であると主張している(答弁書7頁、10頁)。処分(平成23年6月28日)から一年以上経過しても明確な回答ができず、回答自体も変遷している被告の態度は、降格処分時の被告の降格事由を裏付ける根拠が薄弱であったことを示すものである。


第2 Eらが提出した書面(乙4、6、9~24号証)はいずれも全く内容虚偽のものである。

 被告は準備書面1で、各種書証をあげ降格処分の経緯について主張するが、原告準備書面2で主張のとおり、被告提出の上記書証は被告調査委員会で事実として認められないと判断された事実に関する証拠である。したがって本件降格処分とは何ら関係がないが、被告が上記書証の内容があたかも真実であるかのように主張しているため、念のためこれら各書証の内容がいずれも何ら根拠のない虚偽事実であることにつき、以下説明を加える。

1 Fらによる「被告に関する公益通報について」と題する書面(乙12号証)について

 同年5月31日、Fら職員は公益通報と称して各社マスコミに対し、原告について刑法上の「背任罪」に当たる行為があった旨の告発を行った。原告が大阪の飲食店で被告職員ら3名と会食、1万7180円を被告の経費で支払ったことを背任罪に該当するとした。
 しかし一般的な社会常識から、刑法上の背任罪に当たらず、被告調査委員会の調査によっても、「4名中3名が被告職員であって、~純粋に私的な飲食とは言えないうえ、~勘定科目の仕訳について原告は何ら指示していないのであるから、同人に不正行為は認められない」と結論付けられている。

2 Eらによる通告書について

 被告は通告書の事実が真実であれば、懲戒解雇事由に該当する内容を含むと主張するが、通告書の内容はEらが原告を被告から「追放」することを目的に、何ら裏付けのない虚偽の事実ばかりを列挙したものである。
 現に被告調査委員会の調査でも、不正行為はないとされた。主張には著しい論理の飛躍があり、何を根拠に主張するのか疑問が残るとされ、その内容の大部分について事実であると認められないと結論づけられている。

◆◆◆◆

※「調査報告書(乙46号証)〔被告調査委員会による調査報告書〕により不正行為はないとされた事項の一覧表」〔一部抜粋〕

・「原告に不正は認められない」
・「著しい論理の飛躍があると言わざるを得ない」
・「経費の不正使用は確認できなかった(平成21年1月1日~平成23年4月30日の間、経理のPCでデータを調べた結果)」
・「私的な交際を行ったとことを認定することはできない。」
・「論理の飛躍であって、何を根拠にして~主張するのか疑問の残るところである」
・「~問題は認められない」
・「~本件通告書の指摘には問題点を見出しがたい」
・「原告が私腹を肥やしとは認められない」

◆◆◆◆

3 2つの連判状について

(1) 連判状は、Eが何の根拠もなく原告が横領等の不正行為を行ったことを前提として、試合役員、被告職員から署名を集めたものである。

(2) 関西試合役員会による連判状も、Eが試合役員会会長の地位を利用して、(1)同様に集めたものである。このことは、被告関西事務局長のO(当時)が、r(関西試合役員会会長)が勝手なことをやるはずがない、と証言していることからして明らかである。

※ Eが原告を恫喝した5月12日の場面の反訳。

(3) 東京の連判状には「すべての疑いが晴らされない限り、原告を解任すること」と記載され、その後被告調査委員会により事実として認められないと結論付けられ、疑いは晴らされたのだから、連判状の署名は何ら意味をなさない。
 関西試合役員会の連判状も「諸問題に対する東京試合役員会の意見を全面的に支持する」とあるから、何ら意味のないものである。



第3 本件降格処分に関する被告の主張に対する反論

1 被告ホームページ上の理事一覧からの原告の名前の消去について

 被告は答弁書で、原告が平成6月28日付降格処分の際、自ら理事を辞任する旨表明したので、理事一覧から原告の名前を消去したが、被告が一般法人になり、原告も当座理事に留まることになったので、原告を再度理事一覧に登載した旨主張する。
 被告の主張は平成23年6~7月当時、原告が結局辞任届を提出せず理事に留まっていたことを明確に認識しながら、意図的にホーページ上の理事一覧から原告の名前を消去した事実を認めるものである。
 原告は同年6月27日、被告コミッショナーAから、理事をやめてもらうと一方的に通告を受けた状況下で、自ら理事辞任を表明しなければ解雇されるおそれがあると考え、やむなくマスコミの取材に表面上辞任の意向を表明した。しかし、Cから届けの提出を求められた際、元々辞任すべき理由がなかったため拒否。その後も被告は原告に理事解任の正当な理由がなかったことから、原告を解任できなかった。

2 被告本部事務所及びボクシング会場への立ち入り禁止について

 被告は「要請」したことはあるが禁止したわけではなく、立ち入ったとしても業務命令違反の対象とはならない旨主張する。
 これは詭弁である。「使用者」から「労働者」に対して指示がなされたのだから、業務命令以外の何ものでもない。被告の主張は、業務命令が一般常識に照らして余りに不合理で正当性を欠くものであることを、自ら認めるものである。

3 手続きの違法性

 被告は答弁書で「5%の減給1か月」「停職1か月」の処分の事実を否認している。
 しかし、被告提出の乙17号証3頁11行目「原告を5%減給とする~というよりも、決まったことだからやってくれという言い方」との記載から処分は明らかである。また平成23年5月16日付、B専務理事からa宛のコミッショナー示達の「停職1ヶ月」の記載からも明らかである。これに加えて三度の処分が重ねてなされたことは手続き的にきわめて重大な過誤があり、違法かつ無効である。

4 U新宿事務所への原告の配置転換の命令の無効について

(1) U新宿事務所での原告の勤務実態について
 ア 被告は原告に公益法人化の準備を担当させたのであり、配置は正当と主張する。しかし、配置転換は必要が全く無く、原告を退職に追いこむためのいやがらせ、報復目的であることは明らかである。
 イ 〔実態は訴状に述べたとおり。〕
 ウ この広さの事務所に朝から夕方まで誰とも会話を交わさない生活を強いて問題なしと主張すること自体、被告の人権意識の鈍麻と言わざるを得ない。
 エ 被告は、原告が3人に面識がないことは配置転換に伴い生じた事態であり、新宿事務所は用意しただけで、勤務を強いたという表現は不正確と主張する。
 しかし被告は原告の勤務地を変更し勤務を命じており、環境の変化は分かりきっている。
 Uの職員にとっても全く異業種の人間と隣り合わせで仕事をするのは戸惑いが生じ、原告に奇異の視線を向けることは当然生じうる。被告はそれを認識した上で、原告を職場にいたたまれなくさせ、退職に追い込むという不当な目的をもって、あえて新宿事務所勤務を命じたのである。

(2) U新宿事務所では原告に勤務させる業務の必要性は全く無い
 ア 被告は答弁書で、被告は原告に公益認定申請の業務を命じ、一般法人化に方針決定(平成24年2月28日)後も将来の公益財団法人化を目指すことから準備を担当させたと主張する。
 イ しかし訴状にあるとおり、
 ・実際にはY弁護士に依頼していた。
 ・原告が行ったのは定款案作成及びY弁護士との打ち合わせのみ(定款は事務局長の時にすでに検討を初めており、2、3日で完成する程度。Y弁護士との打ち合わせは平成23年6月29日から平成24年6月15日の一年間に2回)である。
 原告は上記の仕事外何もすることがなく、ただ座っていることを強いられた。
 ウ 原告は一般法人化への理事会の決定(平成24年2月28日)も知らされなかった。被告は業務を与えながら実際には原告を担当者と考えていなかったのである。
 エ 公益申請に関する業務を担当させていれば、本部事務局の担当職員らとも十分打ち合わせが必要で、本部事務局で仕事をする必要があり、Uで仕事をする業務上の必要性は全くない。
 オ Uは、Cが代表取締役であった会社と聞く。このことから被告が原告を隔離・孤立させるため、被告の意をきいてもらえる会社に原告を押し込んだことは容易に想像される。
 
(3) 小括

・業務上の必要性のないこと
・配置転換は人事権の濫用であり、それゆえ違法かつ無効である。
・原告を自主退職に追いこむためのいやがらせであり、報復目的によるきわめて悪質性の高い違法な命令である。

5 「特命事項」担当について

・被告は答弁書で、被告が原告を全業務から排除したとの事実を否認し、定款等規定類の整備を「特命事項」として担当させたと主張する。
 しかし、被告は原告に3月13日付示達をメールで送付したのみで、特命事項の具体的内容を説明すべきところ一切説明していない。被告は原告に対して「特に業務については指示する必要はなかった」と主張するが、被告が何の業務も与えなかったことは、被告が原告の全業務からの排除の意図を有していたことを自認するものである。

6 メーリングリストからの除外について

 被告は答弁書で、
 ①メーリングリストは職員が業務円滑化のために自発的に作成したもので、
 ②D事務局長がアドレス掲載について命令する筋合いのものでなく、
 ③原告はL、Iとメールのやりとりをしているのであるから、
 原告が業務の情報を与えられず関与できない状態が続いたということはないと主張する。
 しかしこの主張は、原告のみがリストから除外され、逆にL、Iのメールがなければ通常業務に関する情報が何も与えられず関与できない状況にあったことを認めるものである。
 L、Iは同僚として適宜必要な情報を伝えたに過ぎず、被告が原告を極めて異常な職場環境に置いたことを正当化する事情にはならない。

7 ミーティングからの除外について

 被告は答弁書で、被告が原告にミーティング参加を命じないのは、担当業務の性質上必要なかったからで、除外したわけではないと主張する。
 しかし、このような主張は、被告が原告にミーティング参加を命じていなかったこと、および、被告が原告に一年間何ら意味ある業務を与えていなかったことを自認するものである。
 公益申請業務を担当させていたとしたら、打ち合わせが必要で、ミーティング参加も必要なはずである。1年間に一度もミーティング参加を不要とする被告の主張は、被告が原告を公益申請業務担当者として考えていなかったことを示すものである。



第4 被告が原告に対する降格処分等を強行した背景事情について

 被告は乙4~6号証、乙9~24号証を提出し「被告が原告を降格処分とした経緯等」について主張するが、準備書面2で主張したとおり、上記書証は、被告調査委員会の調査で事実とは認められないと結論付けられた事実に関するもので、降格処分には何ら関係がないと判断された事実に関する証拠である。ゆえに、詳細な認否は不要だが、念のため、上記書面が作成された経緯を含む本件紛争の背景事情について、以下説明を加える。

1 はじめに

 本件降格処分及び配転命令(平成23年6月)、懲戒解雇(平成24年6月)に至る一連の出来事

 tボクシング(部)の先輩後輩として親しい関係にある現被告本部事務局長「次長」Eと、現事務局「主任」Fが共謀して、周到な計画の上、原告を被告から追放を図った、いわばクーデターである。
 当初、元職員のT、Vも加担したが、平成24年3月13日にEが「次長」、Fが「主任」昇進後は、両名が被告の実権を握ったことに嫌気が差し、6月15日に自主退職している。
 E、Fは原告を降格、ついには懲戒解雇させ、原告の完全追放に成功する。
 原告と親しい関係にあると見なした職員、L、I、元関西職員Jの3名も次々と解雇された(平成24年4~6月)。6月15日にT、Vが自主退職。全職員14名のうち6名が退職に追い込まれるという極めて異常な事態となる。

2 E、F、及びDらの関係

(1) Eについて
 ア t卒。レフェリー。平成24年3月職員採用までに、東京試合役員会の会長を務める。53歳。
 イ tボクシング部時代、Dがコーチ、Fは後輩に当たる。 
 ウ 平成24年3月13日、本部事務局の「次長」に就任。

(2) D
 ア 昭和34年ボクサー、昭和39年レフェリー、77歳。
 イ 平成18年、被告理事に就任。
 ウ Eのコーチ、仲人であり、公私に渡り親しい。
 エ 平成23年6月20日、事務局長代行に就任、同年6月28日事務局長に就任した。

(3)F
 ア t卒。リングアナ、平成10年被告職員に採用される。50歳。
 イ tボクシング部に在籍。
 ウ 平成24年3月13日、コミッショナー示達により被告本部事務局「主任」に就任。

(4)V
 ア 大学卒業後、平成19年、被告職員に採用される。30歳。 
 イ 平成24年6月15日、自主退職。

(5)T
 ア 大学卒業後、平成19年被告職員に採用される。52歳。
 イ 平成24年6月15日、自主退職。

3 被告が原告に降格処分を強行した事情背景
 
(1)怪文書の送付

 平成23年4月18日に怪文書が全国のボクシングジムと被告事務局に送られた。

(2)「5%減給1か月」

 4月26日にFら職員が処分が「軽い」と反発。被告が撤回。

(3)Eらが通告書、連判状を提出

 ア Eが会長を務めるJBC東京試合役員会及び本部事務局職員合同調査委員会と称する者らが、5月10日に通告書を被告に提出、原告の不正行為を報告した。また連判状を提出して、被告に原告の解任を求めた。
 イ 通告書の内容は大部分が虚偽である。
 例:①Iの有給休暇と原告の関西出張の重複がひんぱんにあったとするが、実際には1日のみであった。
 ②Z関連会社のuから原告の口座に毎月20万円の入金があったとするが、uの帳簿を調べると当該事実は認められなかった。
 他にも裏付けのない事実ばかりを列挙した。
 ウ 連判状は、Eが虚偽事実を前提に署名を集めたものである。また試合役員26名中20名とあるが、実際には試合役員は45名である。
 さらに連判状には、「上記の調査により、全て疑いが晴らされない限り、原告事務局長を解任すること」と記載されるが、調査委員会の報告書で全ての疑いは晴らされたのだから、連判状の署名は何ら意味のないものである。

(4) 原告に対する「停職1か月」の処分

 被告はBを中心に内部調査を行った(6回)。経費の不正流用は認められなかった(平成23年5月16日付、Bからのa宛文書による)。それにもかかわらず被告は5月10日、原告に対し「自覚を欠いた行動により周囲の方々に誤解を与え、今回のような重大な事態を招いたこと」に重い責任があるとして「停職1か月」(5月10日~)の処分を下した(平成23年5月16日付、Bからのa宛文書による)。
 被告は準備書面1の7頁で、原告に「休職」を命じたと主張するが、上の文書中のコミッショナー示達には「停職」と記載されている。懲戒処分としての「停職」であることは明らかである。

(5) Eの原告に対する退職の強要
 5月12日にBがEに、5月16日示達の内容及び通告書の内容を、調査委員会を設置し調査することを説明するために招集した会議で、関西事務局長及び西部事務局長他も同席する中、Eは原告に対して下記のような乱暴な物言いで、原告があたかも背任や横領を行ったかのように発言し、原告を恫喝して、直ちに退職することを強要した。

◆◆◆◆
(録音テープ反訳)

「はっきりしてくれ、これ以上、(テーブルを叩きながら)男の出処進退を、お前、ここまで、どうすんだよ、お前。二度と言わないぞ。今なら、お前まだ立ち直れ得るよ。これが出たらわかんないよ。俺(オラ)ぁ、ほんとB専務理事には、悪い、今日、ほんとうに協力しようと思ってたけど、お前が決めろ。」
────────────────
「そうじゃねえよ、自分自身で決めろつってんだよぉ。」
────────────────
「だから、自分で決めろ。そうしなかったら、コミッションは終わるぞ。頼むよ。」
────────────────
「これを誰も受け付けなかったらどうするよ。明日から試合できなかったらどうすんだよ。これはあくまでも、(テーブルを叩きながら)君の背任や横領を、これから示唆しようとしてるもんだぞ。つまらないことで、これ以上もまた、傷を深くすんのか。」
────────────────
「そこまで生き延びたいか。」

◆◆◆◆

(6)「公正な調査を求める申し入れ」と題する書面の提出

 5月17日、B専務理事が、個人的な調査では原告の不正行為は見つからなかったと発言。これがマスコミで報道されると、Eは19日、被告に対し「公正な調査を求める申し入れ」と称する書面を提出し、被告の許可を得ずに単独でマスコミ向けの記者会見を開き、Bの発言を「きわめて不適当」であるとして批判した。

(7) Fらによる「公益通報」と称する不当な告発

 5月31日、職員Fらは、公益通報と称して、各社マスコミに、原告の刑法上の「背任罪」に当たる行為があった旨の告発を行った。
 しかし、この告発で指摘した経費支出の問題は、上述の通り、一般的な社会常識から見て、到底刑法上の背任罪に当たらないのは勿論、調査委員会の調査によっても「不正行為は認められない」と結論付けられている。

(8) 「被告試合役員会が原告事務局長の解任を求める公益通報職員を指示〔「支持」の誤りか〕する意見を表明」と題する書面を公表。

 同日Eは、被告調査委員会事務局が不正経理問題について「金額が少ない」、「この程度は事務局長の裁量の範囲内」等と発言したことを知るや、上記書面を公表し、Fらの告発を支持する旨を表明し、改めて原告の解任を強く求めた。

(9) Eによる「原告事務局長問題に関する意見について」と題する書面の提出

 同年6月2日、Eはさらに上の書面を提出。Fの告発を支持し、原告事務局長解任を求めた。
 なお、上記書面は個人名義ではなく、東京試合役員会長の肩書き付きである。本件クーデターの首謀者である同人はともかく、一般的社会常識をもつ試合役員が、1万7180円の経費支出を殊更に問題にし、刑法上の背任に当たり事務局長解任の事由に当たるとする上記公益通報の告発を、本心から支持していたとは到底考え難い。むしろ原告を解任すべく異常なまでの執念を持っていたEが、試合役員会長の地位を利用して、他の試合役員を煽動して同調させたものと見るのが自然である。

(10) 原告の暫定的な職務変更

 6月10日、被告は原告対し、6月28日理事会で予定されていた調査委員会の調査報告を待たず、本部事務局長から「専務理事付事務局長代行補佐」へ降格させる暫定的な職務変更を命じた。
 
(11) Dによる原告の解任要求 

6月24日、DはZ本社において、被告代表専務理事A、G弁護士及びB専務理事に対して、「私は原告の▲▲ネタを持っている。彼を辞めさせなければぶちまける」と言って、原告の解任を強く要求した。

(12) Dの本部事務局長代行への就任。
  6月20日。

(13)「中間答申及び示達に対する公開質問状」の提出
6月13日、Eは被告に、上記書面を提出。質問の形を借り、執拗に原告が不正行為を行
っている旨の主張を繰り返した。

(14)Dを中心とする新団体設立の公表

 6月23日、Dは、E及びFと共謀の上、マスコミ向けの記者会見を開き、被告に代わりプロボクシングの試合管理を行う新団体を設立する意向を表明。他方、被告と歩み寄るには事務局長補佐として留まっている原告の「追放」が絶対条件になると述べた(平成23年6月24日付朝日新聞記事による)。またDは、24日に記者会見で、原告について6月28日理事会で「追放処分」が下されれば新団体を設立しないことを示唆(同年6月25日付朝日新聞記事による)。Eも同席し、レフェリー、リングアナの大半も新団体に移ると明言(同年6月24日付朝日新聞記事による)。

(15) aによる新団体設立を支持する旨の方針決定

 同日、aは、「暫定的な試合管理団体について」と題する書面を公表し、被告内部の混乱の短期収束の見通しが立たないことから、Dを中心とする新団体の設立を支持する旨を決議した(朝日新聞記事等による)。

(16) Eによる試合役員宛の新団体設立に関する書面の作成及び送信

 aの「暫定的な試合管理団体について」の書面公表を受け、Eはこれを利用し、原告を被告から排除する動きを強めるため、試合役員各位宛に下記内容の書面を送信した。

 ①D中心に被告職員を雇用、被告試合役員を受け入れる新組織団体を設立する。
 ②新組織は6月28日被告理事会開催を待たずに設立する予定。
 ③上記①②をaから被告コミッショナーA宛に申し入れること。
 ④ただし、今後、被告コミッショナーAより原告及びBの排除を条件に、被告体制堅持の要請があれば、現行の被告の体制維持について検討すること。
 ⑤新組織の設立に備え、試合役員は被告ライセンスを返上する準備をするようaは要請していること。

 E作成の上記書面には、aの書面にはない「原告及びB専務理事の排除」に関する事項が記載されていることから、Eがaの動きに乗じて試合役員会長の立場を利用し、原告を被告から排除する方針へと各試合役員を煽動していことがわかる。
 なお、上記書面は試合役員のEから各試合役員に宛てたものだが、照会先は試合役員ではない「F」とされていることから、今回のクーデターの首謀者がEとFであることは明らかである。

4 小括

(1) Eは、平成23年5月以降、原告の解任を求めるために執拗に5度に渡り、原告の不正行為という虚偽の事実を記載した書面を提出し、また被告が原告を解任しない場合は、新組織団体を設立し、試合役員全員が移ることを明言。これを盾に、被告に強硬に、原告を被告から「追放」することを迫った。
  被告は、Eによる試合役員の大量離脱を伴う新組織設立を盾にした申し入れに屈する形で、原告に対する降格処分等を強行した。
  なお、被告は処分後も、さらに原告の被告内での影響力を削ぐために、同年7月14日、被告が原告と親しいと見なした関西のJ(平成23年5月入所)に突如解雇処分を言い渡した。Jが理由がないとして無効を主張するや、被告は解雇の不当を認め、解雇を撤回した。

(2) 被告が原告に降格処分等を行ったのは、過度に組織防衛を優先し、新団体設立を盾とした理不尽な要求を受け入れたためであり、そもそも原告を降格させるべき正当な理由は存在しなかった。したがって降格処分は実質的な処分理由を欠くものであるから、当然に無効である。
  そして配転命令及び業務命令は無効である。
  降格処分に伴い発せられ、かつ、原告の名誉権及び人格権を侵害し、職場内外で孤立させ、労働意欲を失わせ、やがては自主的に退職に追い込む、不当な動機・目的のためになされたものであるから、使用者に許された裁量権の範囲を逸脱し無効である。
  さらに、原告に対する解雇処分も、上記のとおり、平成23年6月当時から原告を被告から「追放」する固い意志を有していたE、F及びDが、原告を懲戒解雇するために、「JAC」なる団体の設立準備などという虚偽の事実を作り上げて、強行したものであるから、当然に無効である。

◆◆◆◆

※ 添付資料「〔被告調査委員会作成の〕調査報告書により不正行為はないとされた事項の一覧表」

(例)関西事務局の女性職員について
(ⅰ)
(通告書〔試合役員及び職員有志作成の調査報告書。以下同。〕)
…原告の足取りが不明。××の自宅に宿泊した可能性が否定できない。
→(ご報告〔被告調査委員会作成の調査報告書。以下同。〕)
…その日のうちに帰宅。日帰り運賃請求。証拠に基づかない憶測。

(ⅱ)
(通告書)…某職員の採用は不適切。
→(ご報告)…O〔関西事務局長〕主導の採用であり、原告に不正は認められない。

(ⅲ)
(通告書)…4月5日~8日のSの勤務実態は新規採用職員として常軌を逸している。
→(ご報告)…Oの許可を得ている。

(ⅳ)
(通告書)…4月14日にSにいかなる業務があったのか事情聴取する必要がある。
→(ご報告)…自動車運転免許更新をしている。

■■■■

以上

by いやまじで

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