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ある裁判記録 その4 ―被告 準備書面1 ―

この裁判は、原告が被告を訴えた民事裁判である。 
訴状は原告により平成24年5月24日某地裁に提出され受理された。
以下は被告準備書面1(平成24年8月28日提出)の要約である。

※〔 〕は要約者による注。
※ 準備書面とは、民事訴訟において原告・被告双方が、自らの主張と証拠となる事実を示すための書類である。実質的に裁判の進行状況を示す書類である。
※ 書証(証拠となる書類・写真・録音テープ等)は要約の対象外とした。

■■■■

被告 準備書面1(平成24年8月28日)

第1 被告組織概要、関係者等に関する説明

1.組織概要〔省略〕
2.関係者
(1)ライセンス保持者〔省略〕
(2)試合役員会〔省略〕
(3)興行関係者〔省略〕

第2 降格処分の経緯
1.発端…写真と告発文
2.B専務理事の事態収拾努力
 ・HがS宅を訪問、Sは退職
 ・a、役員会の意見聴取…原告解雇の意見。
 ・Bは原告の貢献・横領の未確認から慎重な対応を主張。「減給5% 1ヶ月」で収拾図る。試合役員と職員は解雇を求める。
 ・5月10日、試合役員と職員が調査報告書(通告書)と連判状提出。前者は以下の疑惑を挙げた。
  ア 不正経理
  イ 情実による職員不正採用
  ウ 特定職員との過度に親密な接し方
  エ 職場における懈怠
  オ パワハラ

4.被告が調査委員会を設置
5.混乱状態
 ア.5月19日、Eが「公正な調査を求める申し入れ」。L・Iの休職を求める。
 イ.5月24日、F・Rが原告の問題行動に関する書面提出。
 ウ.5月31日、F、T、V、Hによる公益通報記者会見。役員会がB専務理事の管理責任を問う意見書を理事とコミッショナーに提出すると発言。
 エ.6月2日、Eが「原告問題に関する意見について」との書面提出。
 オ.Vが書面提出。
 カ.関西役員会が東京役員会の全面支持を表明、真相究明を求める連判状を提出。
 キ.被告の示達…原告を事務局長代行補佐、Bを事務局長代行に。
 ク.bジムが試合会場への原告の立入拒否を通告。
 ケ.試合役員会が「公開質問状」提出
 ←被告調査委員会の回答
  ・「領収書の精査」、「支払先の顧客人数等の照会」「クレジットカードの使用履歴の照会」「宿泊人数及び宿泊者名を明らかにした宿泊証明書の発行」
 コ.被告はDも代行と示達
 サ.cジムが試合会場への原告の立入拒否を通告。
 シ.aにおいて、被告から独立した別団体を設立すること等が決議され、Eが試合役員会に対し内容を送信。
 ス.原告の処分に関する新聞報道で、職員のほとんどが仕事を続けられないとの姿勢を示す。(5月27日)

6.原告に対する降格処分
(1) 調査委員会の報告書
 以下の4点は認められなかった。
 ①不正経理による横領・背任
 ②情実により権限を濫用しSを採用
 ③Iに対して度を越して親密に接し事務局長としての体面を汚した。
 ④執務上の職務懈怠ないし職場を離脱・放棄
 ただし、次の2点については不相当な行為として認められた。
 ⑤部下に対する接し方に行き過ぎが認められる。
 ⑥職員に対して有給休暇を認めて然るべきところを欠勤扱いした。不十分な説明に基づく雇用上の不利益変更を行った。

 原告の被告発展への貢献を認める。
 ・国際化への尽力
 ・ライセンス等に関する統括管理システム開発導入
 ・暴力団排除への積極的取組
 ・就業規則制定
 ・ルールブック改定
 同人の貢献も斟酌し今後の被告の国際化へ向け組織の発展に尽力せしめることが望ましいと思料するとしめくくる。

(2) 6月27日、Aに事前説明。
 ・原告のマネジメント能力欠如からの不適切な言動。
 ・解雇も考えられるが、これまでの貢献に鑑みるとともに、原告が今後反省、信頼関係を築き上げ、マネジメント能力を養い、再びその能力を発揮することを期待し解雇しない。
 ・ただし、マネジメント能力の欠如から事務局長を降格する。

(3)6月28日、緊急理事会
 ・原告は処分に従う旨を述べ深々と頭を下げた。
 ・新聞報道(6月29日)…原告が理事辞任と降格処分を真摯に受け止める旨をマスコミ各社に発言。

(4)C、Gと面談。次のことに従う旨を明言。
 ア.s〔都内某所〕勤務
 イ.勤務時間10:00-17:30
 ウ.給与月額●万円
 エ.職務は公益か一般かの検討

以上のように降格処分には正当な理由がある。


第3 懲戒解雇事由

1.パソコンデータ
 L使用のパソコンからのメールデータで明らかになった事実は、原告を懲戒解雇にする事由に十分なものである。
(もともとLを懲戒解雇(平成24年3月23日)にする事由を調査するため。)

2.JAC
 原告はM、W、K、L、I、Jと共謀し、平成23年9月30日~平成24年2月に、被告と競合、利益を損なうと知りながら、JAC(日本アスレチックコミッション)というボクシングタイトル認定団体(別コミッション)と会社(LLC,マネジメント会社)の設立を具体化しようとした。
 ア.gとの接触(メールによる)
 イ.定款案作成
 ウ.収支予算の試案
 就業規則55条15号「職務上の地位を利用し営利行為もしくは特定の第三者の利益に当たる行為をした時」に該当。

3.原告はL、I、Jと共謀し、ボクサーの個人情報をK、Mに開示した。Mはgランキング委員に提供した。
 …就業規則55条6号「業務上の重大な秘密を他に漏らしたとき」に該当。

4.独断の行為
 原告は平成23年11月29日から平成24年2月の間、K、L、I、Jと共謀し、gとメール・電話(スカイプ)で通信接触。無断で他団体と接触した。
 …就業規則55条4号「著しく自己の権限を越えて独断の行為があったとき」に該当。

5.被告の内部秩序の壊乱
 上記各行為は、被告の組織弱体化、内部秩序壊乱、ガバナンス崩壊、被告との競合を意図している。
 …就業規則55条11号「故意又は重大な過失により被告に損害を与えたとき」に「準ずる程度の行為」(同18号)に該当。労働契約上の誠実労働提供義務、および、企業秩序遵守義務に違反。


第4 原告準備書面(1)について

1.「第1 答弁書に対する反論」について
(1)第1項「調査報告書が提出されていない点について」
 一部事実を認め他は争う。
 降格処分は調査報告書だけでなく、当時の状況やそれまでの原告の被告における言動・能力などを総合的に勘案した結果である。

(2) 第2項 降格理由について
 否認乃至争う。
〔以下(1)と同内容〕

2.「求釈明」について
 否認乃至争う。
 調査委員会の調査報告書及び被告理事会議事録は被告における内部文書であり、調査結果は甲6(「ご報告」平成23年6月28日〔被告調査委員会による調査報告書〕)によって明らかであるから、目下、提出の必要があるとは認めない。

■■■■

以上

by いやまじで

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