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ある裁判記録 その2 ―被告答弁書―

 この裁判は、原告が被告を訴えた民事裁判である。 
 訴状は原告により平成24年5月24日某地裁に提出され受理された。
 これに対する被告答弁書が平成24年7月6日に提出された。
 以下はその要約である。

※〔 〕は要約者による注。

■■■■

被告答弁書(平成24年7月6日提出)

第1 請求の趣旨に対して

1 請求はいずれも棄却
2 訴訟費用は原告が負担すること

上記2点を求める裁判を求める。

第2 当事者
 被告の訴え1の(2)は認める。しかし、原告訴状5〔要約者注…「6.本部事務局長であることを確認すべき利益」〕について:原告の業務改革が「大きく、被告引いてはボクシング界の発展に貢献してきたとの事実は否認。原告が自身の功績として挙げる事蹟については被告事務局長として当然の業務であり、ことさらに賞賛するには足りない。

2. 第2項 原告に対する処分等に関して

(1)「(1) 降格、減給について
 ・否認する。
 ・処分したのは平成23年6月28日

(2)「(2)業務命令・配転命令について
 ・否認する。
 ・立ち入りを控えるよう要請したが禁止したわけではない。
 ・Uへの配転命令は平成24〔23の誤りか〕年7月1日である。 

3. 第3項「降格・減給は違法・無効」について

(1) 「(1)降格の違法性」について
①処分内容の違法性
1)告発文〔=怪文書〕が発端(平成23年6月〔要約者注…「4月」の誤りか〕23日)
2)同5月10日に試合役員会、事務局員合同調査委員会の「調査報告書」及び「真相究明と原告の解任を求める連判状」と題する書面が提出された。
 試合役員26名中20名、本部事務局職員8名中5名、西事務局職員2名中1名の合計26名が署名
3) 通告書は告発文の真偽を確かめるため調査を行った結果を報告する体裁となっているが、「原告の責任追及の総意に基づくもの」である旨が記載されているところから、原告に関する下記の各事実に関する告発の通告であって、各事実が真実であれば、明らかに懲戒解雇事由に該当する内容を含むものである。
 ア 不正経理を通じて横領行為や背任行為に及んだ事実
 イ 情実により権限を濫用して訴外Sを不正に採用した事実
 ウ 本部事務局職員Iに対し、程度を超えて親密に接し、事務局長としての体面を汚した事実。 
 エ 執務上の職務を懈怠、ないし職場離脱や職場放棄したとの事実
 オ 事務局職員に対し、「パワーハラスメント」に及んだとする事実
4) 被告は5月16日に調査委員会を設置。5月20日から合計5回、事情聴取(原告を含む職員8名等)と資料収集を行い、6月28日に理事会に報告した。
5) 調査報告書においてア、エは認められず、「〔部下に対する接し方に関する〕行き過ぎ」、「有給休暇を認めて然るべきところを判断を誤り欠勤扱いにしたこと」、「不十分な説明に基づく雇用契約上の不利益変更を行ったこと」は認められた。
6)・試合役員会・職員26名が解任を求めている。
 ・部下への接し方に行き過ぎが認められる。
→ 懲戒解雇には至らないが管理・指導の能力に欠けるところがあることが事務局長として不適任と判断し降格したのであり、降格の実質的な理由があるのであるから人事権の濫用に当たらない。
②「イ 手続きの違法性」
 ・「5% 減給1ヶ月」と「停職1ヶ月」の処分は下していない。
 ・5月9日に1ヶ月の休職を命じたが調査委員会の調査を円滑に進めるためである。
※6月25日の給与(基本給)は減額されていない。

(2)「(2)減給処分の違法性」
①「ア」
 ・否認乃至争う
②「イ」
 ・特に基準となる給与テーブルは定められていない。
 ・原告自身が就業規則、賃金規定が制定された当時の事務局長であり、賃金規定3条に基づいて、事務局長●万円、職員●万円の月額基本給を決定したのは原告である。
 ・●万と●万の差額●万は事務局長の役職手当と解される。降格したのであるから、役職手当を受給する根拠がなくなり、月額基本給●万となった。

4 第4 「4 配転・業務命令の無効」について

(1)訴状8頁7~11行目について否認乃至争う。

(2)「業務上の必要性のないこと」について
①「ア 勤務場所について」
 ・U事務所を勤務場所として用意しただけであって、そこに勤務を強いたという表現は不正確。
 ・公益法人化の準備作業等業務を与えていた。
 ・Uの社員3名、執務環境として十分なスペースもある。
 ・Uは、従業員が不在で原告一人になる場合は「巡回中」等の札をかけ、ドアに鍵をかける(内側から開けられる)。来客があってもUの従業員がいないと判断できるようにするためである。来客や宅急便の対応を禁じたことは一切ない。そもそもこれらは原告が取り扱うものでない。これをもって被告・Uが原告を「存在しない人間」と見ていたとするのは著しい論理の飛躍、こじつけである。
②「(イ)業務内容」
1)「ⅰ)」について
・本部事務所への立ち入りを控えるように要請したことはあるが立ち入り禁止にしたことはない。
2)「ⅱ)」について
・公益申請の業務を与えていたし、一般法人移行の方針が決定した後も、その準備全般を担当させることにしていた。
3) 従前通りの業務を特命事項として担当させることとした。したがって、特に業務について指示する必要などなかった。部・課から排除したわけではない。

(3)「差別的取扱いによる著しい不利益」について
①「(ア)メーリングリスト等からの除外」
・本部事務局長Dはメーリングリストの用意を命じたことはなく、職員が自発的に作成したものである。被告はメーリンングリストを構築していない。したがって原告のアドレスを載せるように命じる筋合いのものではない。なお、原告はL・Iと就業時間中頻繁にメールのやりとりをしているので、ただ一人何も情報を与えられず、一切関与できない状態が続いていたということはない。
②「(イ)ミーティングからの除外」
 ・否認。担当業務からして参加の必要がない。ことさらに除外したのではない。
③「(ウ)本部事務局への立ち入り禁止」について
 ・否認。L・Iと頻繁に連絡を取り合っているので、全く孤立していない。
④「(エ)試合会場への立ち入り禁止」
 ・否認する。
⑤「(オ)全ての部・課からの除外」について
 ・否認する。

(4)「ウ 不当な動機・目的」
 ・否認する

(5) 「エ 小括」
 ・否認乃至争う。

5. 第6

(1)「(1)原告の被告におけるキャリア及び業績」について
①「ア」について
・評価(主観的評価)については否認。
②「イ」について
・原告が平成18年以降ライセンス統括管理システムを開発・導入した事実、平成19年以降警視庁などと協力してプロボクシング界からの暴力団排除運動に携わった事実は認め、その余は否認する。原告の貢献がなかったとまではいわないが、原告一人によって「飛躍的な」効率化・近代化が実現したとまでは言えない。原告が被告ひいてはボクシング界発展に「大きく」貢献してきたとまではいえない。

(2)「(2)本件降格処分による重大な不利益」について
①「ア」に対して
・原告の主観に関する記述につき不知。
②「イ」に対して
・e・dが役職を解いた。これらの役職就任は被告における肩書に依存したものであり、肩書を失ったのは本人の責である。
③「ウ 暴力団排除の業務」
・否認する。降格だけなら関与できたが懲戒解雇となったので関与できない。

(3)「(3)本部事務局長たる地位確認の利益」について
 ・原告は復帰してプロボクシングの国際化に貢献しうる、暴力団排除業務を行うとの理由で、事務局長復帰(地位確認)の利益があるとするが、懲戒解雇処分を受けているので復帰は不可能であり。ゆえに、地位確認の利益が存在しなくなった。

6.不法行為について
 ・否認乃至争う。原告のうつ病については不知。

7. 賃金請求について
 ・否認乃至争う。

8.統語
 ・すべて争う。


第3 「第3 関連事項」に対して

1.「事実経過」に関して
(1)(「平成23年4月18日 怪文書到着と一部職員からの疑惑の指摘」について)
・事実はおおむね認める。
(2)全て否認
(3)「3」B専務理事の内部調査の事実は認め、他は否認する。
(4)~(7)事実は認める。

2.「本訴提起に至る経緯」に関して
・申し入れの事実は認めるが、同環境によって原告の心身が限界にきている旨の言には根拠がない。
・被告関係者の原告に対する不信感払拭のため降格から1年は原告がU事務所で勤務する必要を告げている。業務からの排除が主旨ではない。

◆◆◆◆

・「訴え変更申立書」(平成24年6月20日提出)に対する答弁

第1 請求の趣旨に対する答弁
1.原告の請求を棄却
2.訴訟費用は原告の負担
 との裁判を求める。

第2 請求の原因に関して
 ・懲戒解雇は認め、他の原告の主張は否認乃至争う。
 ・被告が原告を懲戒解雇した事由はいずれも就業規則違反に該当する。詳細は追って述べる。

■■■■

以上

by いやまじで

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