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イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートpart3

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 神のイタズラのような偶然の助けもあって、念願の世界戦にたどり着いた山口選手。
 
 それまで長谷川、名城、粟生、山中、下田等々国内の様々なワールドクラスの選手とスパーリングしても『これはどうにもならんな』と思ったことは一度も無かったという山口選手をして、『殺される』と思わせたサリド。そのサリドと実際グローブを合わせた時、彼は何を思ったのでしょうか?

Ⅶ.甲子園のライトスタンドの中での試合

山口「自分の親にも『まあ、6Rまでは最低持てよ』って言われとったからね、6R終わったときにヨッシャーってなって。オヤジが言うてたんよりまだいけるわと」

HB「半分は行けと。それは逆に発奮して良かったですね」

山口「まあ色んな要素ありますわ。元おったジムにとっても出たやつが世界タイトルやれば顔が立つじゃないですか。それまでは『お前アホやな。そのまま辞めんとおったら日本タイトル、東洋タイトル出来たのにって』言われてましたよ。でもあのままおったらあそこで世界戦は絶対出来てなかったと思います」

HB「実際サリドと戦ってみたらyoutubeで見てたのとどれくらい開きがありました?」

山口「いろんな記者とかにも『どうでした?』って聞かれたんですけど、『いや思ったより弱かったですよ』って言うて。それ言うたら絶対爆笑されるんですけど。こっちは『殺される』と思ってましたからね」

HB「メキシコの雰囲気は異様と言う話でしたが、フィリピンやオーストラリアとも違うわけですか?」

山口「それはもう全然違います。控え室におる時から地面が震えるくらいの声援なんですよ。言うたら甲子園のライトスタンドの真ん中で試合してるようなもんです」

地鳴りのような声援が響くアウェイの地でリングに上がった山口選手は1Rからカエル跳びを出すなど奮闘、3Rに嵐のような連打を受けてダウンを取られつつも、そこから持ち直して11Rまで粘りましたが、そこでまたも連打を浴びてストップ負けとなりました。サリドとすればファンマとのリマッチの前に調整もかねて地元で顔見世試合でもこなしておこうという試合であり、対戦相手の山口は下の階級のKO勝ちも少ない選手で、しかも準備期間は10日足らず。まさか11Rまでやることになるとは思っていなかったでしょう。

山口「どうやったらパンチ当たるかなあと思って考えたんが、カエル跳びやったんですよ。それで練習して」

HB「練習したんですか?」

山口「練習してたら段々当たるようになってくるんですよ」

この試合の契約書には勝者が次戦でファンマ・ロペスと戦うという条項も盛り込まれていた

山口「勝った時のファンマとの試合のファイトマネーが契約書に書いてあって見たら、200万ドルですよ。『凄いなー二億やで。宝くじみたいなもんやな』とか言ってたんですけど、負けた後に『やっぱり二億は無理やったな。でもエエ夢見たわ』って言うて」

HB「でも二億に指の先くらいはかかったということですね」

山口「そう。目の前まで行ったんですよ」



カエル跳びは9分35秒付近です!

Ⅷ.恐怖の入院体験とカルデロンのもてなし

山口「僕は海外の方がなんか力が全部出せるんですよね」

HB「水があってるということですかね」

山口「まあ向き不向きはあるでしょうね。でも海外でおるとやっぱり色々ありますわ」

とここからは面白いでは済まされない針の振り切れた海外体験エピソードへ

山口「オーストラリアのパースでの試合でまぶたが結構大きく切れて、試合の後病院に行ったんですよ。そしたら『その日は手術できる医者がおらんから、明日来るから今晩一晩入院してくれ』って言われて。付き添いの人は祝勝会に行くって言うて帰ってもうて一人にされて」

HB「勝った当人がいない状態で祝勝会(笑)」

山口「まあそれは怪我したから仕方が無いんで、出てくる書類に色々サインして。そん時に向こうが英語でなんか説明してたんですけど、分からんから「オッケーオッケー」言うて。それでここで寝てくださいて言うベッドに連れて行かれて『もうはよ寝よ』て言う感じで横になったんですよ。でもなんかなかなか寝付かれへんで起きてたら、真夜中にいきなり横のベッドにおったオバハンが『ギャー!』って叫びだして」

HB「急変ですか?」

山口「こっちは怖いから慌てて呼び出しのボタンあるじゃないですか、あれ押して。そしたら看護師が何人も飛んできたから、こっちは身振り手振りで『この人が叫んでる!』って説明するんやけど、なぜか看護師は全員でこっちを押さえこんでくるんですよ!『違う!違う!俺やない!』って言うても言葉通じへんし」

HB「錯乱してると思われたんですか?」

山口「後で聞いたらそこは精神科の病棟で、さっきの長かった説明はどうも『今日の夜は精神科のベッドしか空いてないけどそこでええか?』って聞いてたみたいで」

結局恐怖の中で一夜を過ごした山口選手は翌朝やっと縫合手術を受けられたのですが…

山口「麻酔が全身麻酔やったんですよ」

HB「まぶた縫うだけで全身麻酔ですか?」

山口「そんなんもこっちは知らんから、マスクつけたら意識がなくなって、起きたらもういきなり手術が終わってるんですよ」

HB「それも怖いですね」

山口「でもオーストラリアの医者ってすごい大雑把で、鏡見たら凄い適当に縫ってて眉毛がズレて段違いになってるんですよ!」

HB「(爆笑)」

山口「ホンマはもう二、三日入院していけって言われたんやけど『イヤや』って言うてすぐ帰って日本の医者で縫い直しましたけどね」

HB「そういう話は沢山ありそうですね」

山口「そうそう、プエルトリコ行った時にねカルデロン(ミニマム・ライトフライ二階級王者)の家でメシ食ってたんですよ。そん時にあっちが色々話しかけてくるんやけど、でも向こうはスペイン語でしょ。なかなか話してることが分からへんのですわ。そしたら片言の英語で話してきて、どうも『トゥモローは何がエエ?』みたいなことを聞いてるみたいなんですわ。『明日のメシは何がいい?』って言うことやろと思って、魚が食いたかったから『フィッシュやフィッシュや』って言うたんですけど『フィッシュ』が通じへんのですよ。で、こう(体をクネクネさせて)魚が泳ぐマネとかしたら、カルデロンが『オー』言うて、こう釣竿持ってリールを巻く仕草をして」

HB「やっと通じた」

山口「でその場は分かった分かった言うことになってその晩は寝て、次の日の朝の6時くらいにいきなり部屋のドアが開いて見知らぬオッサンが入ってきたんですよ」

HB「いきなりですか?」

山口「で『一緒に来い』って言われるまま車に乗せられて。『なんやこれ、このままさらわれるちゃうか?』って不安になってたら、海辺に連れて行かれて、そのままそのプエルトリコ人の初対面のオッサンと二人で釣りですよ」

 どうもカルデロンは前夜の会話で『ヤマグチは釣りに行きたがっている』と勘違いしたらしく、知人に釣りに連れて行くように頼んでくれたらしい

HB「カルデロンは?」

山口「おらんのですよ!しゃあないから見ず知らずのプエルトリコのオッサンと二人で釣りすることになって」

HB「釣れました?(笑)」

山口「それが全然釣れんのですよ。こんなちっさいフグみたいなんが一匹釣れただけで」

HB「ボウズみたいなもんですね」

山口「そのオッサンに『ここは場所が悪いから昼から場所を変えよう』って言われたけど、さすがに断って午前中で帰ってきました(笑)」

うーん第三回でも終わらない。というわけで次回最終回です!

山口選手の連載が好評で嬉しい(旧徳山と長谷川が好きです)

Comment

B.B says... ""
こんな選手がまだ日本におったんか!とビックリしました(笑

何なんでしょうか、このテンションとパッションは!
NINJYABOXERをバッチリとアピールしてメキシコの観衆も大喜びだった事でしょう。
しかも激闘王サリドはファン・マニュエル・ロペスを倒して、この時おそらく全盛期。
その相手に真剣勝負を挑んで出せるものは全て出し尽くして、そしてプロ根性を見せつけてくれた。

それにしても、容赦無いこの攻撃力の前によく11ラウンドまで持ちましたねぇ・・
色んな意味でタフだよなぁ。
https://www.youtube.com/watch?v=DhywfqAbcOI (3R)

記事お疲れ様です。
次回も楽しみにしてます。
2014.04.27 19:35 | URL | #bH1htKmU [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
いやほんとこういう人をね教科書に載せないとダメですよ

グローバル時代のお手本ですわ
2014.04.27 23:27 | URL | #- [edit]
いやまじで says... ""
カルデロンの家でどんなものを食べたのか興味あります。

>そうそう、プエルトリコ行った時にねカルデロン(ミニマム・ライトフライ二階級王者)の家でメシ食ってたんですよ。

2014.04.28 05:50 | URL | #Twj7/TDM [edit]

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