HARD BLOW !

2014・4.4 IBF世界バンタム級指名挑戦者決定戦 ランディ・カバジェロ×大場浩平 

写真 (1)
少しさびしい入りだった神戸中央体育館

当日の朝になって世界タイトル戦になるかも、という驚愕のニュースが流れたこの試合。すったもんだの末(?)予定通り挑戦者決定戦となったようですが、プロモーターの引き回しに起因するトラブルは今年も色々ありそうであります。

もともと仕事が早く終われば出向こうと思っていた興行ではありましたが、昼休みの休憩中に「世界戦になるかも」という報を目にした私は、ますます「見ておかねばなるまい」という野次馬根性が高まりました。

春らしい陽気から、一転花冷えになったこの日の関西地方。薄着で家をでてしまった私は、会場に向かう道すがら寒さに耐えかねて尼崎のショッピングモールで安もんのパーカーを購入。その場で袋をバリバリ破って着ていると中学生の集団に笑われて、みっともないたらありゃしないですが、とにかく急ぎ足で神戸中央体育館を目指す。

一番安い3000円の当日券を買って会場に入ると、セミセミの女子の東洋戦あたり。しかし女子の東洋戦って要りますかね…。まあいいんですけど。試合自体は実力差が大きく緊張感はありませんでした。

セミは東洋ランカーの久保隼選手がタイ人相手に順当に勝って、ごくあっさりとメインに到達。この客入りはアンダーカードの弱さも一因だと思えてなりません。カバジェロ選手はもちろんオフィシャルの招請費用や認定料等かなりの経費がかかっている興行だと思いますが…。まあ私が心配するようなことでもないのですけど。テレビ中継はお珍しやフジ系の関西テレビ。ローカル・深夜とはいえ関西の興行で地上波がついているのは珍しいですね。

軽快なラテンミュージックで入場したカバジェロ選手は全米アマを制しながらも年齢制限で北京五輪出場はならなかったという若き実力者。クロウト筋の評判も高いものがあります。アメリカ国籍でありながらラテンルーツを意識して星条旗とニカラグア国旗を携えて颯爽とリングイン。

一方の大場はチャゲアスで入場。チャゲアスなんか嫌いなつもりだったけど、真剣な顔つきで入ってきた大場の様子見てたら凄くいい曲に感じて、なんだか泣けてくる。自分は彼の試合を生で見るのは2008年名古屋での三谷将之との日本タイトルマッチ以来。注目のホープ同士だった両者の対決は、スピードと自在な攻撃を存分にアピールして勝利した大場、伸びる右ストレートで見せ場を作り敵地で存在感を見せた三谷(当時無茶苦茶ハードなマッチメイクだった)、双方が輝いたクリーンな好試合でありました。小さなジムから現れた「名古屋のメイウェザー」と呼ばれた才気あふれる青年は、東京や大阪のファンも巻き込んで大いに注目を集めましたが、なぜか世界につながる肝心の試合では負けてしまう。そのことがあってか、二度戦って歯が立たなかったマルコム・ツニャカオのいる真正ジムに移籍し、再び日本チャンピオンの座につくものの、気がつけば三十路前。自慢のスピードにはやや陰りはみえますが、39戦の濃厚なキャリアはカバジェロにはないものでありましょう。ホームの利とキャリアを生かしてホープの鼻をへし折ることが出来るか?

1Rのゴングが鳴ると大場は半身に構えてショルダーブロックと目でパンチを避けるメイウエザースタイル。やっぱりこだわりがあるんだなあと様子を見るも出だしは悪くない。一方のカバジェロは大場のスピードを測りつつ敵地ということも意識してか積極的に手を出す。でそのパンチがとにかくバカみたいに速い速い!単純にハンドスピードが凄いのである。踏み込みにおいても、日本人選手の中で最速クラスと言える大場をしのぐキレのある動きを披露。カバジェロのスピードあふれる攻撃に戸惑い気味の大場。ラウンド終盤リング中央で低い姿勢で向き合った体勢でカバジェロのコンパクトな右カウンターがヒット。大場が後ろに倒れる形でダウン。カウントエイトで試合が再開したところで1R終了。やはり前評判通りカバジェロはすばらしいテクニックの持ち主ですが、私にはそれ以上にクイックネスが印象的。大場がスローに見えるくらい速いのである。さてこの圧倒的なスピードを前に大場に策はあるか?

2Rに入ると、大場はスピード勝負は不利と見たのか、距離を潰して打ち合いに持ち込む作戦に方針転換。密着してのボディー打ちに活路を求める。実際レバーブローは力感たっぷりで有効に見える。一方のカバジェロは大場の密着作戦に対して、あえて距離はとらずに打ち合いに応じる気迫を見せる。回転のいい右ストレートとボディアッパーで迎撃し、ボディはあえて打たせて頭はしっかりカバー。3R以降は多彩なアングルでアッパーを集めて大場の頭を何度も跳ね上げ、大場のダメージは明らか。カバジェロはパンチもかなり強い。大場はなかなか頭を打たせて貰えない。

大場はベテランらしく感情のブレを見せない愚直なファイトでカバジェロに食い下がり決死の反撃も、手数もパンチの強さも明らかにカバジェロでポイントは一方的に流れていく。だがカバジェロも前進をやめない大場を不気味に感じたが6Rには思わずプッシングで大場を倒してしまう。感情のぶれに付け入るスキはあるか?と思われましたがそれ以降もカバジェロの的確さは相変わらず。エグい角度のアッパーを何発も打ち込んで大場を痛めつける。大場も中盤に入ってやっと頭にパンチが当たり出すが、それ以上にパンチを返すカバジェロの前に何度も棒立ちになる危険な状態。大場のダメージは明らかだが、手も出しているので少し止めにくい戦いぶりで事故が起きないか心配になって来る。そして迎えた8R、ダメージが明らかな大場は被弾する一方でレフェリーも何度も表情を覗き込みストップのタイミングを伺う。被弾したままコーナーに下がった大場はもみ合いの中で崩れるようにダウン。二階の貧乏席から見えなかったですがアッパーだったようです。このダウンからなんとか立ち上がったものの、セコンドからすぐにタオルが投入されてカバジェロのTKO勝ち。8R1分54秒でありました。このタオル投入は良いタイミングであったと思います。私にはかなり危険な試合に見えました。

下馬評どおりの強さを見せたカバジェロはなるほどかなりの強豪で、スターの素養充分と感じました。スピードとパンチ力を備えた華のある選手だと思います。次世代のスター候補が見れて大変満足いたしました。

大場浩平は気迫は見せましたが実力差は明らかでありました。カバジェロの強さが彼の予想をはるかに超えていたのではないか?と感じました。

試合中の写真はありません。夢中で見てたもんですいません!

コタツをいつしまうか思案中の(旧徳山と長谷川が好きです)
写真 (3)

ファンの要望に応えて気軽に撮影に応じるハンサムなカバジェロ君 スター特有の華がございました

Comment

ななし。 says... ""
私はこの写真のあるところをみてJBCの揺るぎなさを感じました。どこと指摘しませんが、私などJBCがいい組織と思ったのは、そういう点にあったのです。枝葉がしっつかりしていても根幹がくさっていれば大変なことにはなるのですが。
試合はみていませんので読ませていただいて想像するしかありません。ただ、大場選手に関しては、真正ジムに移籍してからの試合を見る限りかつてのカンの良さが目減りしている、と感じさせてくれる試合が多かったので、相手が動きが速くて正確なパンチの打てるボクサーなら、どういう試合なのか想像はできます。世界は広いです。タイトルが乱立しても強い選手はどんどん出てくる。そして、世界の強い選手の華のある時期の試合を、目の前で見られることはファン冥利に尽きると思います。
2014.04.06 10:22 | URL | #/OUezYRM [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
昨晩遅くテレビ中継がありましたが、セコンドで大場は「見えない」と連発してました。カバジェロのパンチの出所が見えなかったみたいですね。
2014.04.06 14:32 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
>華のある時期の試合を、

本当にそうですねぇ。
大場選手にもそれがあったと思います。
自分は昨日座間キャンプの興行を観に行ったのですが、「かつては」という但し書きが付きますが、ある選手の快勝にも、しみじみとそれを感じて帰って来ました。
ボクサーのピークは短い。
その一瞬を見逃すまいと会場に足を運ぶファンがまだまだたくさんいます。
ファンの為にも選手の為にもボクシングを守る人たちが舵取りを間違えぬよう心から願います。
2014.04.06 15:30 | URL | #bH1htKmU [edit]
やわらか says... ""
私は名古屋在住ですので一際大場選手には期待してました。彼の試合真正に行くまでは新人王以来ずっと追いかけてきましたから。YouTubeで今回の試合みましたがカバジェロがとにかく速いし強い…ちょっとビックリしてしまいました。こんなに差があるのかって…。

大場選手まだまだあきらめるのは早いとは思ってるんですけどね
2014.04.08 00:29 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
大場選手頑張ったですけどねぇ。
カバジェロの過去の試合をチェックして、スピードと足のある相手に振り回す印象があったのでチャンスありと思ってましたが、あんなにコンパクトに強いコンビネーション。
L字ガードの隙もしっかり研究されていたのではないでしょうかねぇ。

大場選手のボディ攻撃はいつか功を奏すると思えましたが、1ラウンドのダウンで計算が狂ったのかな、ペースを握れなかった。
ワンサイドにも見えましたが、ボディブロウは効き始めてたはず。チャンスは作ったと思いますね。
2014.04.09 17:53 | URL | #bH1htKmU [edit]
ポジショントーク says... ""
井上選手のあの感動的な異次元の戴冠劇には皆さん何も語りたいことはないのでしょうか。
ぜひこちらの皆さんのご感想などを期待していたのですが。

…やはりあのバンテージの件もあったし自粛されているんでしょうか?
2014.04.09 18:12 | URL | #sSHoJftA [edit]
says... "管理人のみ閲覧できます"
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2014.04.09 20:52 | | # [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
井上選手の試合は見ましたよ。井岡の戴冠とはまた違うインパクトがありましたね。勢いといいますかキラーインスティンクトが凄かった。過去の日本人選手とは誰とも似ていないと感じました。先手を取って相手のいいところを消す戦略や一気に押し切るメンタルの強さも見事でした。

あのヨンゴーかけてるお父さんもメンタル強そうだもんなあ
2014.04.09 21:14 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
井上選手の試合は圧巻だったらしいですね。
自分は仕事で中継すら見る事が出来ませんでした。
八重樫選手の見事な試合は録画出来たのですが、何故か井上選手の試合が録れてない!
ボクシングファンの仲間達も関東では録れなかったという人が結構いますね。


2014.04.09 21:25 | URL | #bH1htKmU [edit]
B.B says... ""
ウチ猫さんは元気ですか?という問い合わせ?を頂きました。

毎年この時期にウチ猫さんは消息不明になります。
今年こそは工場の機械の下敷きになってるんではあるまいかと心配しております。
あるいは暖かくなってきて、飼い猫が布団に入って来ないのを悲観して・・。


ウチ猫さん、「猫ひろし」この一行広告を見たら連絡おくれ。
2014.04.11 03:22 | URL | #bH1htKmU [edit]
B.B says... ""
スイマセン!完全に仲間うちのネタです。
ちなみに、いやまじでさんは大型ノンフィクション執筆中。
旧徳さんは取材に奔走中。
もうひとりは婚活中。
でもって僕は飲んだくれ中ですわ。
足引っ張らんとこ(苦笑
2014.04.11 03:39 | URL | #bH1htKmU [edit]
井上ファン says... ""
井上の試合のことは書かないんだな。まぁ、あんなマヌケな記事で井上の名誉を毀損しちゃったんだから無理ないか(笑)
2014.04.13 10:20 | URL | #- [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
>井上ファンさま

皆出来る範囲で書きたいことを書いておりますので。今後ともご愛読をよろしくお願いします
2014.04.14 23:15 | URL | #- [edit]

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