HARD BLOW !

高山選手が狙うWBOのベルトは?

ここのところ飛び回っていて、ため込んだ映像を見る時間も無かった。
ピノイプライドも23回目を数えたが、今回は12月1日マニラのアラネタコロセウムで行われたWBOライトフライ級とミニマム級タイトルマッチ。

先日、日本での凱旋試合に快勝した高山選手の対抗王者がダブルメインイベントの一つに登場した。
WBC,WBA(暫定)、IBFと続き高山選手が狙う4本目のベルトがこのWBOだ。
一応のこと付しておくが、メルリトは12月8日現在Boxrec 世界第9位、挑戦者第10位。おそらく、挑戦者はこの試合が評価されて浮上したか。そのレーティングはこれまでの実績から数値化したものを基準に格付けされているようで、必ずしも実力とは一致しない。
あたり前だが戦ってみなければ、どちらが強いか明らかな判断は出来ないのがボクシング。
ただ、これまでどんな強豪と戦ったか、そして試合の結果、さらに内容まで吟味すればおおよその序列というものが見えてくる。
ちなみに高山選手は現在、世界が認めるこのクラス第1位。上には誰もいない。
4団体を制覇してこのクラス最強を示し、更に帝王の待つ舞台へ。
そうした期待を胸に秘めながら、王者として挑戦を受ける身でもある。
データを取るつもりでレコーダーのプレイボタンを押した。

WBO ミニマム級タイトルマッチ
Merlito Sabillo vs Carlos buitrago
王者 メルリト・サビリォ(比国)対 挑戦者カルロス・ビィトラゴ(ニカラグア)

世界初挑戦とは思えない落ち着きを見せる21歳ニカラグアの挑戦者ブィトラゴ。
初回、右構えから腰を落としてのキレのある右ストレート、切り返しの左フックをブン!と飛ばす。
一瞬戸惑った王者だったが主導権を取らせまいとして、左構えから真っ直ぐに伸びる左ストレート、そして右フックを強引に振って出る。
最軽量級ながら両者の武器が早くも交差する緊張感溢れるスタートだ。
パワーの挑戦者は下がりながら要所でカウンターを取る。出入りのフットワークと手数で王者。
序盤はほぼ互角。
中盤からはこれが21歳になったばかりのボクサーか?と思わせるほどのクールさで王者を脅かす。常に前に出るのは比国人だが、ダメージングブロウをともなったクリーンヒットではニカラグア人。中盤までやや挑戦者かと思われたが、ここは王者のホームタウン。ジャッジはどちらに優劣をつけるか興味深い。
9ラウンド、挑戦者の強打が火を噴いた。
開始ゴング直後、これまでやや劣勢と感じたのか王者が勢い良く攻勢に出て挑戦者をロープに詰めに行く。しかし、瞬間狙いすました挑戦者の右フックがカウンターで飛んで来た。
避ける間も無い。
王者は大きく腰を落とし体が後方に傾く。ロープが無ければ仰向けのダウンとなっただろう。明らかに効いている。強引にでも出れば決定的な場面だ。
しかし、もういつでも倒せると考えたのか、挑戦者は強引には詰めに行かない。
助けられた形になった王者だが良く踏ん張って立ち直りをみせた。
結果的にこのラウンドがこの試合の分岐点になったように思う。
ダメージを引きずるメルリトだがこれがキャリアなのだろう、自ら圧力を掛けるでもなくカウンター狙いの挑戦者に10、11ラウンドと手数で対抗。
ここは何としても取ると腹を決めた王者は被弾も覚悟の必死の攻勢をかけ、執念で最終回もポイントを奪った。
さすが百戦錬磨のALA陣営。ホームであっても冷静にポイントを計算している。
この試合一番の手数と気迫で挑戦者を(その戦略でなく)初めて圧力で後退させた。

自分の採点は中盤までの貯金で113-115 カルロス・ブィトラゴ。
オフィシャルは115-113 113-115 114-114 三者三様の引き分けで王者の防衛となった。
ちなみに日本から派遣の島川氏はドロー採点だった。
パワーでは明らかに比国人を上回ったニカラグア人。一見老獪な上手さも見せたが、しかしやはり挑戦者は自ら前に出て行かなければダメだという見本のような試合だった。
挑戦者は惜しい試合を落としたが、王者を攻略するポテンシャルは充分にあるところは見せた。
強打も冷静さも魅力のブィトラゴ。だが、それでも日本の高山選手を捕まえる事はまだ出来ないだろう。


WBO ライトフライ級タイトルマッチ
Donnie Nietes vs Sammy Gutierrez
王者 ドニー・ニエテス(比国)対サミー・グチェレス(メキシコ)

比国の強豪ニエテスが迎えた挑戦者はBoxrec 42位まで後退したメキシコ人。
この挑戦者は直前の試合でもTKOで敗れているが何故世界タイトルに挑戦出来たのかが不可解だ。
試合はといえば案の定スピードと強打で圧倒的に勝るニエテスが、初回にいきなり2度のダウンを奪い3ラウンド残り数秒のところで痛烈な右を決めTKO勝ち。
メキシコ人はニエテスのジャブや右の強打にもまったく反応出来ず、玉砕覚悟の前進を続けるのみで明らかなミスマッチ。
楽勝だったニエテスは試合後のインタビューでモチベーションを聞かれ「上を目指して精進するだけです」とお決まりの文句。
こんなマッチメークではレーティングを下げるばかりだ。
実際に、先月韓国でも下位挑戦者にチャンスを与えるという理由で日本人が不可解な世界戦を挙行したが、彼は現在も王者でありながら17位まで格付けを落とした。
世界タイトルを持ちながら実質世界ランク圏外という珍しい記録でも狙っているのか?
冗談はさておき、こうした世界戦としては価値の無い試合があちこちで続いている。

ここは序列を作っておくべきだと思うがまたの機会にして、ここではライトフライ級の上位を並べて置く。
WBO王者ニエテス、Boxrecでのレーティングは世界第8位.。
IBF王者の同国人のジョン・リエル・カシメロは第5位。
WBA王者、日本の井岡一翔は第4位。
第3位にはカシメロに負けているペドロ・ゲバラが何故かここにいてboxrecのレーティングも怪しさは漂う。
第2位はWBC者エイドリアン・ヘルナンデス
世界1位はもちろん帝王ローマン・ゴンザレス。
誰もが認める真の王者だ。

他団体、複数タイトル乱立でもこうして並べるだけでも、王者以下のおおまかな序列は出来てくる。
何度も言うがボクシングは強者の系譜。
その頂点に立つ者だけが真の王者だ。

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