HARD BLOW !

専門誌の目線についてのお話

 今月もボクシング専門二誌は、分かっちゃいましたが見事に対照的な記事内容でした。
 
 「まともな方の専門誌」ボクシングビート誌はボクシング界にとって喫緊の問題である『村田ルール』についての分析記事を掲載しました。アマプロ双方の言い分を丁寧にひろいつつ、AIBA・IOCとWBCとの代理戦争的な側面にまで言及した記事内容は専門誌らしい深く落ち着いた内容でありました。

 一方「つまらない方の専門誌」ボクシングマガジンには、先月号の「日本ボクシング界の秩序を守るために」に続くトンデモ記事が掲載されております。さすがに今月はカネ出すのがバカバカしいので手元に雑誌自体はないのですが、その記事はJBCの通達によって「網膜はく離は即引退」というルールが変更になったことについての分析記事であります。これは重要なルール変更であり伝えること事態はとても有意義なことだし、医療技術の進歩や運用面の実態など取材もしてあるのですが、なんとその結論が「JBCが決定したルール変更は問題ないけど、なんか事故があったらそれは選手の自己責任だ」という物凄いものなのです。例えばプロモーターや所属ジム、テレビ局といった周囲の人間の思惑によって試合を受けたボクサーも失明すれば自己責任になっちゃうのでしょうか?というかそんな野蛮な制度設計で現在の社会でエンタテイメントとして存在出来るのでしょうか?健保金の改悪とシンクロするかのようなこの健康軽視+無責任感覚を批判するのでなく「選手の問題」と言ってしまうとは…。

 実は二誌の報道姿勢は、その対照的な表紙に如実に現れています。ボクシングマガジンが先月は井上尚哉、今月は村田諒太の単独の写真であったのに対して、ボクシングビートの今月号は村田と柴田、井上と田口という対戦する4者の同じ大きさの写真を並べたものでした。テレビ局が推す『スター候補』を露骨にプッシュし対戦相手は『踏み台』扱いていると思しきマガジンに対して、ビートは注目選手を取り上げつつも試合そのものに焦点する極めてスポーツライクな目線であります。専門誌であればこそスター候補が現れたと世間と一緒にはしゃがずに、競技として扱うのが王道ではないでしょうか?表紙は雑誌の顔ですが、悪相なのはどっちかは一目瞭然だと私は思います。フジテレビや電通が運んでくるゼニのオコボレを虎視眈々と狙う顔付きが表紙に出てしまっていると言ったらうがち過ぎでしょうか?

 マガジンって誰が読んでるの?と感じる(旧徳山と長谷川が好きです)

Comment

B .B says... "BM誌記事の正しい読み方を考えてみた"
JBCが広報業務を撤廃するという話題が流れましたが・・

なるほどJBC広報誌になりたい、あるいは自認するボクマガとしてはほぼ完ぺきを期した内容になっていると思いました。

特筆すべきは、
「(JBCの)今回の(網膜剥離における引退規定の見直し)通達はいささか簡明過ぎる~もっと詳しく紹介する責任がわれわれ報道サイドにあるならば」でありまして、つまりは・・
「言葉の足りないJBCの補足は我々の使命であります!」とは何とお見事な決意の表明ではないでしょうか?

また、目の異常を隠してリングに上がる選手が後を絶たないという現実を踏まえてなのでしょう、現JBCの本音と本質を見事に表現しています。
「再発して失明しても、それを覚悟でリングに上がるなら、それはあくまでも選手の自己責任ですからね。それが理解出来るなら一定の手続きは必要ですが、どうぞどうぞ」というわけで、つまりは・・
「これまでのようなセーフティネットがあるからこそ、かえって危険に対する選手の意識が低くなるのだ。だったらそんなもの撤廃してしまえ」というこれまた見事なモラルハザードの指摘であり、アンチテーゼでもあります。
「選手の健康管理はJBCの仕事じゃない!」と言わんばかりの文言の羅列は、旧徳さんが指摘された通り、JBCの責任放棄と責任転嫁をまったく、そのものズバリの表現でサポートした提言ではあります。

併せてJBCの管理能力の低下というよりも、もはや崩壊を世に知らしめた記念すべき記事となりました。

凄いぞ、ボクマガ!吹っ飛ぶぞJBC!
2013.07.15 05:42 | URL | #bH1htKmU [edit]

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