HARD BLOW !

観戦記 ピーターソンvsマティセ 20130623

マリナージvsブローナー戦を前に最近の中量級の試合を振り返ってみた。

●ラモン・ピーターソン(アメリカ)vsルーカス・マティセ(アルゼンチン)
<IBF・Sライト級王者とWBC・Sライト級暫定王者のノンタイトル戦12回戦 2013/05/18>

長身と長いリーチ、速い足で距離をとって戦うピーターソンに対し、接近して打ち合いたい強打のマティセ。

立ち上がり、足を使って距離をとり左ジャブで様子をうかがうピータ-ソンに対し、マティセはヘッドスリップでかわしながら距離を詰め、鋭い踏み込みで左右のストレートを打ち込む。

試合は2Rに早くも動く。ピーターソンが不用意な距離に出たところをマティセが右のクロスカウンター。これがピーターソンのテンプルにヒット。チャンスと見たマティセがピーターソンを追撃。左フックがピーターソンの側頭にかするように当たり、ピーターソンがダウン。ピーターソンは何とか立ち上がるが、ダメージは深く、3Rに二度のダウンを奪われたところでレフェリーがストップ。



マティセ強し!

何より驚くのは目の良さ。ピーターソンのジャブをかわすヘッド・スリップ。ガードは低いが、必要な瞬間に上げて相手のパンチをブロック&パーリー。無造作に戦っているように見えるが必要最小限の動きで相手のパンチを防ぎ、攻撃につなげている。

パンチは肩に力が入らずスムーズに打ちだすのでスピードがある。インパクトの瞬間に手首の捻りを利かせると同時にウェイトを伝えている。相手としてはモーションがない分軽いパンチに見え、その実威力があるので、実質カウンターになっていると考えられる。

2Rの右クロスカウンターに見られる、相手のスキを見逃さない集中力、冷静さ、勝負強さ。

ダニー・ガルシア、ブローナーらとの対決が楽しみである。



●デボン・アレキサンダー(アメリカ)vsリー・パーディ(イギリス)
<ウェルター級ノンタイトル12回戦 2013/05/18>

元々IBFウェルター級タイトル戦だったが、挑戦者パーディ〔20(13KO)-3-1〕がウェイトをつくれずノンタイトル戦に。アレキサンダー〔24(13KO)-1-0〕は勝っても防衛階数を伸ばないオイシクない試合。

サウスポーのアレキサンダーは右を自在に使ってパーディを攻める。フックを顔面と脇腹に、アッパーを顎にヒット。

パーディはガードを固め、短い距離で打ち込むストレート、フックに威力ある選手だが、アレキサンダーにガードの隙間から打ち込まれ、前進するもののほとんどパンチを出せない。

パーディが打たれ続けて7R終了後、鼻血が出た時点でセコンドが試合放棄をレフェリーに伝える。

アレキサンダーのワンサイドだが、あれだけ打ってダウンがとれないというのは当てるのは上手いが効かせられないということか。体の軸を中心に回転を利かせて打てばパンチにキレが出るとはジョーさんの言。

アレキサンダーはハァッ! ハァッ!(これに濁点をつけたい)と声を出しながらパンチを打つ。国によっては禁止だそうで日本は禁止らしいが、私はよいのじゃないかと思いました。



●リッキー・バーンズ(スコットランド)vsホセ・ゴンサレス(プエル・ト・リコ)
<WBO世界ライト級タイトル戦12回戦 2013/05/11>

バーンズ〔36(11)-2-0〕は178cmの長身。アップライト・スタイルから左ジャブを伸ばし右ストレートを打ち降ろすガッツあるファイター。Rマルチネスを破ってSフェザーも制覇している。

ゴンサレス〔27(17KO)-0-0〕は紹介映像を見る限りハンド・スピードがあり回転の速い連打で相手を打倒す選手。今回初の国外での試合。

立ち上がりバーンズは得意の長い右ジャブと左ストレートで攻める。ゴンサレスは冷静にディフェンスしながらバーンズの打ち終わりにパンチを合わせる。バーンズが前に出て、ゴンサレスが下がるという展開ながら、クリーン・ヒットはゴンサレスがわずかに勝り、序盤はゴンザレスペース。中盤6,7Rには強い右でバーンズにかなりのダメージを与える。

ところが8R、急にゴンサレスの動きが鈍る。打ち疲れなのか何なのか、腕を上げるのもつらそうな状態でバーンズの前進を許す。9Rもゴンサレスの勢いは戻らず、10Rのゴング後、自らギブアップの意思表示。9Rまでジャッジは三者ともに87-80をつけていたため、ジョーさんは「残り3R続けて9-10でも判定で勝っていた。諦めてはいけないんですね」と言ったが果たしてどうか。

バーンズは命拾いの勝利。ゴンザレスは優れたテクニシャンだが、フィジカル面で世界王者にふさわしくなかったのかもしれない。

バーンズは技術も体力もあるが、一生懸命なファイトぶりが好感が持てる。

※ Boxrecによればゴンサレスは手首の負傷を訴えてリタイアとのこと。



●セルヒオ・マルティネス(アルゼンチン)vsマーティン・マレー(イギリス)
<WBC世界ミドル級タイトル12回戦 2013/04/27>

マルティネス〔20(28KO)-2(1KO)-2〕は膝の手術からの復帰戦。マレー〔25(11KO)-0-1〕はWBA同級暫定王者。

序盤戦。マレーはアップライト、高く固いガードを保ち、なかなか手を出さない。マルティネスのカウンターを警戒するとともにスタミナ温存で後半勝負か。

カウンターを狙うマルティネスはノーガードでマレーを再三挑発。右リードと速い踏み込みから左ストレートを軽くヒット。

マレーがほとんど手を出さず、ポイントは攻勢のマルティスに。チェベスjr戦と同様の展開。

マレーは徐々に距離を詰め手数を増やし、8Rには右ストでマルティネスからダウンを奪うが、追撃なく、結局終盤自らもスタミナ切れ。

判定は3者とも115-112でマルティネス勝利。

マルティネスは復帰戦&地元凱旋などで多少消耗した面があるだろうが、私は年齢的な衰えを感じた。もうゴロフキンには勝てないかもしれない。

サッカー場で行われたこの試合。マルティネスがフットボールのメッシを差し置いてアルゼンチン国内最優秀スポーツ選手に選ばれたことなど、試合内容以外で盛り上がった一戦だった。

byいやまじで

(追記 マリナージvsブローナーはSD判定でブローナーが勝ちましたが、ブローナーの手数が少なかったのはマリナージのパンチをガードした腕がダメージで重くなっていたからではないかと思いました。ウエルターでは絶対的に強いとまでは言えないですね。)

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