HARD BLOW !

もう一つのJBC裁判 谷川俊規氏の場合15

 さて長々とお休みを頂きましたが、今まで以上に充実した(?)内容を目指して連載を再開したいと思います。

 前回の記事で中間総括として、現在のガバナンスなきJBC中枢と夕刊紙・専門誌に執筆する御用記者との華麗なる連携振りについて私なりの分析を書かせて頂きました。実はJBCと一部記者との関係はもはや単なる推測の域を超え、抜き差しならないものとなっていることが裁判資料からも明らかになっています。ボクシングマガジン誌(以下BM誌)に掲載された大沢問題記事の取材をされていた「日本で一番権威のあるノンフィクション賞の候補にもなったことがある方」はなんとJBC側の提出した書面において情報提供者として個人名が出ています。係争当事者に取材で知り得たことを情報提供している人が書いた「大沢問題」の記事が果たして商業誌に掲載するに相応しい報道と言えるのか?私にはジャーナリストとしての一線を越えた逸脱としか思えません。BM誌はいつからJBCの広報誌・機関紙になってしまったのでしょうか?競技の公正性を担保しながら試合運営を管理・監督するJBCがこのような一線を越えた手法を堂々と法廷で取って恬として恥じないと言うのことにも、開いた口が塞がりません。そもそもこのような異常な手法が係争の勝利に些かでも貢献するものなのでしょうか?日本の裁判所も随分と舐められたもんであります。一連の地位保全訴訟の判決後、JBCが相撲協会や柔道連盟のような激震に見舞われなければ良いのですが…。
 
 「日本で一番権威のあるノンフィクション賞の候補にもなったことがある方」はそもそも高山勝成陣営に密着取材していたわけですから、JBCを離脱して独自の道を歩んでいたその特殊な立ち居地に感情移入していたはずであります。それがなんでまたJBC側に立って訴訟に情報を提供するような立場に自らを置いているのか?高山のチャレンジを讃える事と、JBCの名代として出版媒体や法廷で敵対者の放逐を画策することにどうやって整合性を見出しておられるのでしょうか?私のような凡人にはもはや異次元の感覚です。

 しかし、と私は思うのです。もし彼がジャーナリストとしての節を曲げずに高山に寄り添い、チャレンジを追いかけていれば、日本のボクシングの歴史に残る高山の勝利を題材にした時代を超えるようなエポックなノンフィクション作品をモノに出来ていたのではないか?と。彼はジャーナリストとしての矜持を放棄した故に「一瞬の夏」や「狂気に生き」のような歴史的な一遍を記述する資格・チャンスを失ったのではないでしょうか?それはノンフィクションライターとしては余りに巨大な損失だと私には思えます。彼にとってはJBCの利益の守護者となって利害をともにする事にそこまでの価値があったと言う事なのでしょうか?どう考えても割に合う取引とは私には思えないのですが。(この項続く)

 「マネーボール」のマイケル・ルイスがサブプライムショックについて書いた「世紀の空売り」を読んで良いノンフィクションライターの条件について考えざるを得なかった(旧徳山と長谷川が好きです)

Comment

B .B says... ""
人間の性という事なんでしょうね。
感情に流され自らを見失う事はままあります。
しかし、原点を忘れるなら後は迷い道。
何に生きるか、命題ですね。
2013.05.27 00:19 | URL | #bH1htKmU [edit]
ウチ猫 says... ""
旧徳さんの例以外にも、寺山修司さんや佐瀬稔さん等、ボクシングに関する名文は枚挙にいとまがありませんが、一見するとただの殴り合い・およそ知性とは真逆の位置にあると思われるボクシングというスポーツに、かように多くの文筆家をして「語らずにはいられない」と思わせる何かがあるということは非常に興味深いですね。
私たち素人ファンの井戸端会議を通してみても感じることですが、各自が屁理屈並べて(笑)あーだこーだ語るのに最適な競技ではないかと思ってます。

その意味では高山選手の足跡は最高の材料でしょう。
最初の戴冠などは正直、偉業というほどではありませんが、その後戦った(いずれも負けではありますが)相手は、イーグル・新井田・ロマゴン・ジョイ…ですからね。

そして国内引退となって退路を絶った末に、JBCがIBFを認可する二日前に敵地メキシコでの王座奪取!
勿論現役世界王者ですから、まだまだ今後も活躍していただきたいわけですが、もうすでに「お腹いっぱい」と言ってもいいくらいの濃密なキャリアであります。
旧徳さんご指摘の通り、ライターとして「これを書かずに何を書く」と思いますね。
そして某専門誌では、一応戴冠は評価しつつも、むしろ好き勝手やって秩序を乱した者のような書かれっぷりですから呆れます。

人の考えは十人十色、それぞれの意見を発するのはけっこうですが、その前にまず、守らなければならない線引きはしっかり守った仕事をしてからにして欲しいですね。
統括団体はきちっとしたルールに則って団体・試合の運営をする。
ジャーナリストを名乗る者は、あれこれ御託を並べるよりことよりも先にまずは、そういう考察のベースとなる「事実」には手を加えずにありのままを読者に提示する。
こういう当たり前のことが、出来ないor知らないor知ってても敢えてやらない、という方が多いようです。
2013.05.27 02:02 | URL | #C1S5FS7c [edit]
部外者ですが says... "これで取材ですか?"
ご指摘のライターの件ですが、もうひとりこのライターと関西で一緒に動いている自称フリーライターことボクシングマガジン委託記者がおります。仮にA氏としますが、このA氏も取材と称していますが、まるで誰かを支援しているとしか思えない事があります。

A氏の取材申請から一部抜粋しますが、
まずA氏は私にはBM誌の名前を名乗らずに
「私はフリーランスの取材者ですので、記事を執筆、あるいは情報を提供する媒体に
所属しているわけではありません。」
と主張します。BM誌の弁護士に確認をしたところ、取材活動は続いているそうです。BM誌と名乗るのに都合が悪く、フリーで取材した結果をBM誌に掲載しましたといえばいいんだと思ってるのでしょうか。


「なお、私(注:A氏)の質問内容に対するB(注:私)から質問にはお答えいたしかねます。」
これが取材をさせてくれ、と言ってきたA氏の私への取材申請中の文言です。

そして私が最も呆れたのは、取材申請中の文言にて
「B(注:私)が真実を語ることで、大沢選手の処分は軽くなると私は思っています。」
と記されていることです。
大沢選手はJBCが発表した処分理由ではなく、安河内氏との関係を疑われて処分されたのでしょうか。以前Hardbrowさんでも指摘があった、数か月前のBM誌に同様の記事がありましたが、この記事に関しては驚くことに取材は全くなかったです。彼らに都合の良い”真実”とやらを認めればJBCの処分が軽くなる、などと書いてくるA氏はそもそも何者なのでしょうか。

私はBM誌には取材者として中立性を確保できるのであれば取材はどうぞ、と言っておりますが、肝心の中立性の確保に関しては何ら返事はありません。これまでこのようなJBCの内紛は当事者で解決すればよいと思っておりましたが、あまりにも酷い様子なのでこちらに書かせていただきました。これが現実です。
2013.05.29 15:26 | URL | #VMPjbSsU [edit]
B .B says... ""
>「なお、私(注:A氏)の質問内容に対するB(注:私)から質問にはお答えいたしかねます。」
これが取材をさせてくれ、と言ってきたA氏の私への取材申請中の文言です。

これがたとえフリーとはいえ、プロと言われる記者の現実とは・・

かく言う自分もかつてはお話しを伺う時に偏見や前提に囚われて居た時期はありました。
ネット上で散々に中傷が加えられた某ジム会長とお会いした時です。
しかし、それが中立公正を期す為の明確な「取材」となった時に初めて見えて来る真実や人間像というものがありました。
「会って話せば話しも早い」というその後の僕らのモットーになる訳ですが、僕ら素人でさえ、こうして学んで来ました。

職業とする方々には色々あるのでしょうが、ウチ猫さんの「ありのままを読者に提示する」という事が出来ないのなら記者を名乗ってはなりませんね。

ある記者クラブの方が言ってました。
「僕ら記者はやってはならない事があります。それをやったら一発で懲戒解雇です。この世界でもう飯は食えません」

ここではあえて「それ」が「何か」は言いませんが、何れ明らかになる。
2013.05.29 18:01 | URL | #bH1htKmU [edit]

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