HARD BLOW !

F・メイウェザー・JRの時

●フロイド・メイウェザー・ジュニア vs ロバート・ゲレーロ(WBC世界ウェルター級戦)
…メイウェザーが3-0で勝利

空間を支配するためには時間を支配しなければならない。時間を支配するためには、相手の思考を先取しなければならない。

メイウェザーvsゲレーロ戦への関心は、ゲレーロについて言えば、彼が粟生や三浦と対戦したGディアスと戦っていることや、サウスポーで左の振り抜きが良く、長短上下にヒットポイントが多彩で、ディフェンスに優れ、ディアスⅡで見せたように戦略家でもあることから、メイウェザー相手にどのような戦略で戦うのかといったものであった。派手さはないが相手をよく研究し、理詰めの攻撃で穴をつくことができるのではないか。そんな期待があった。

メイウェザーについて言えば、ゲレーロ相手ならモズリー戦で見せたようなトラブルに陥りとどめを刺されることもありうるのではないか、言い換えれば、ブロンズメダリストの清水が言うように、メイウェザーが負けることがあるのか? つまり、負けるところを見てみたい、そんな関心・期待があったことも確かである。


1R、序盤に軽いパンチで探りを入れるメイウェザーに対し、ゲレーロはメイの打ち終わりに左のアッパーを合わせる。メイウェザーのスウェイやダッキングのポジションを先読みしたもので、クリーヒットは少ないものの、明らかにメイウェザーの動きを制約していた。メイはパンチを出した後のクリンチで相手の右をきつくホールドするが、ゲレーロが自由な左でクリンチの体勢のまま上下にパンチを当ててくる。

メイウェザーは長い距離からの右をリードブローに使い、強いパンチではないがクリーンヒットを奪う。ラウンドとしてはクリーンヒットの多いメイウェザーだが、ゲレーロがメイウェザーにスピード負けせずにパンチを交換するシーンが見られ、拮抗したスリリングな展開となった。

2R、立ち上がりコーナーにゲレーロを迎え撃つ形になったメイウェザーに、ゲレーロが踏み込んで左ストレートを放つ。ボディと見せかけて顔面を狙ったか、十分な予測が立たないかのようにメイウェザーが真直ぐ後退。被弾はしなかったが、細かいフェイントも入れながらのゲレーロの左の厄介さが感じられる。この後、おそらくメイウェザーはゲレーロの左に関しては、顔面へのパンチに意識を集中したようだ。ボディは距離と体の角度で防いでいたように思う。

メイウェザーはクリンチでゲレロの右だけでなく左もホールドし始める。自身のパンチの引きを早くし、相手のパンチを喰わない距離にスウェイとダックの位置を調整をする。

結果的にこの2つのラウンドでメイウェザーはリスク対策を完了させたのではないか。

3R、メイウェザーは距離をとってゲレーロを前に出させ、ゲレーロのパンチの打ち出しや合間に右をスナッピーに刺しこむ。単発だし強いパンチではないが、メイウェザーをつかまえられない状況と相俟って、ゲレーロを心身共に消耗させたことは間違いない。

この後メイウェザーは無理をしない戦いで大差の判定勝利を収めるが、試合は退屈なものではなかった。とりわけロープ際からの脱出術は、メイウェザーの能力の高さとともに、或る種の美すら感じさせた。ボクシングの技の美と言えようか。
↓1,2,3,8R


それを支えるのは、優れた動体視力、予測力、判断力、身体能力、ボクシング技術であり、それらはメイウェザー個人の才能や努力はもちろんのこと、ボクシング・ファミリーの中で代々培われ醸成され総合されたものでもあるのだろう。

オルティス戦では「錆びついていた」し、この試合でも「キレがなかった」。衰えは確実に訪れている。この後5試合を行うそうだが、勝敗への興味とは別に、彼が見るに価する選手であり続けることを私は希望する。晩年のF.メイウェザー.jrとして鈍い輝きを放ち続けることを希望する。

cf.
1…メイウェザー父


2…ガードが高いアマ時代のメイウェザー


byいやまじで

Comment

B .B says... "やはりドリームマッチ・・"
懐かしいシニアの映像紹介して頂きました。
スタイルもなんとなく似てますね。

>彼が見るに価する選手であり続けること

なるほど、しかしメイウェザーJrも36歳なんですねぇ。
値するかどうかは、また語り継がれるかどうか?に繋がると思いますね。
とするとやはりね、「恐れ知らず」のあの男とやらなければ・・

11月に再起戦の決まったパッキャオですが彼としては「その為に」カムバックしたとしか、もはや思えない。
全てを手にしたはずのマニーですけど、ひとつだけ欠けているとしたら。
出来次第では年内にもメイウェザー戦のアドバルーンが再び上げられると思うんですが、予想はともかく折角同じ時代に出現した不世出の選手ですから歴史を刻んで欲しいです。

興行価値の賞味期限とか、互いに全盛期だった3年前だったらとかありますけど、メイウェザーにとっても雌雄は決しておかねばならないのではないかと。
互いのフィナーレを飾る相手としては今でもふさわしいと思うんですが。

ファンにとっては夢というより過ぎ去った時間を見る事になるかも知れませんが、それでも。
2013.05.20 19:51 | URL | #bH1htKmU [edit]
いやまじで says... ""
メイウェザーvsパッキャオは、実現されなかった夢の対決として既に歴史になりつつあるというのが私の心証ですが…

このカードはもはや最強同士が雌雄を決するという興味よりは、二人の老雄が遅ればせながらにグラブを交える試合に思えます。いずれにしても実現のためにはパッキャオにとってハードルが高いですね。

それなりに戦うメイウェザーに対して、過去の自分を取り戻そうとしたパッキャオ、衰えとの付き合い方が対照的で面白い。

そして衰えというのはどちらにとってもメンタル面に由来しているように思えます。誰と戦うかによって状況は変わってくるでしょう。

メイウェザーとパッキャオが互いにどのように間合いを盗み合うのか、勝敗よりもそれに興味がありますね。見てみたいです。非常に。
2013.05.22 06:27 | URL | #Twj7/TDM [edit]
B .B says... ""
>夢の対決として既に歴史になりつつある

実際そうなんでしょうね。
そして、それが永遠に続くボクシングファンの夢想にもなると。

「それなりに戦うメイウェザー」「過去の自分を取り戻そうとしたパッキャオ」とはまさに。
2013.05.22 12:41 | URL | #bH1htKmU [edit]
ホシイモ says... ""
記事に関係ないでつけど


ブログで小國前東洋チャンピオン関東圏の角海老ジム移籍になりますた

(○´・ω・`○)つ
関東では大きいジムなのですか?
こういう場合オプションどうなのでつかね汗

前所属ジム会長大人すぎる

2013.05.23 19:59 | URL | #bGf9qjkw [edit]
B .B says... ""
ホシイモさん、お久しぶりです。

小國選手の情報ありがとうございます。
角海老ジムは練習環境が整った良いジムですよ。
これまで世界チャンピオンが3人も出ていますね。
ホシイモさんもご存知かと思いますが、イーグル京和さん、小堀佑介さん、
それにちょっと古いですけど渡辺二郎さんと全日本新人王を戦った初代?葛飾の星、牛丼パンチの小林光二さんもフライ級で世界を獲りましたね。
粟生選手と惜しくも引き分けた榎洋之さんも角海老ジムの出身ですね。

いや、しかし移籍情報にはビックリしました!
http://ameblo.jp/oguniyukinori/
引退も考えたとの事でしたが、仰るように会長さんも良く手放しましたね。

移籍料などについては公けにはならないと思いますし、交渉の結果次第で発生しない事もあるようです。
ただ常識的には日本王座を陥落したとはいえ日本ランキングの上位ですし、王座カムバックも勿論期待できるので、7桁×?を下る事はないと思いますが、それもあくまでも推測です。

それよりずっと高嶋会長とやって来ましたからね、ほんと驚いてます。
度々会長とホールに来てたのを見掛けまして声も掛けさせて頂きましたが、神戸から世界を目指して欲しかったなぁ。
2013.05.23 20:51 | URL | #bH1htKmU [edit]
いやまじで says... ""
ホシイモさん、コメントありがとうございます。
そして情報ありがとうございます。

小國選手、敗戦と引退宣言と、今回の移籍と、
その流れを見る限り、彼なりにいろいろと思うところがあったのではないかと推察します。
再起へ向けて、何かが必要だったのではないかと。

日本ではボクサーの移籍は容易とは言い難い。
それをしてまで現役生活を続けるにはそれなりの覚悟も要したのではないでしょうか。

私は旧徳さんの観戦記がきっかけで彼の試合を見るようになりましたが、
関東で彼を見られるのはそれはそれで楽しみでもあります。

今回の移籍がプラスになって彼がより強くなっていくのを期待し見守っていきたいと思います。
2013.05.26 17:33 | URL | #QWDkGr0I [edit]
いやまじで says... ""
私も記事に関係ない情報を載せておきますと、亀田和毅選手がWBOバンタムに挑戦するようですね。場所はフィリピンです。まだ確定ではないようですが、

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/fight/headlines/article/20130526-00000027-kyodo_sp

ちなみにWBOバンタムはタイのシンギューを破ったばかりのアンブンダ(ナミビア)。アフリカ選手は基本に忠実で勝ちにこだわるアマ臭さも感じさせるポイントアウトボクシングをする選手が多いと思いますが、この選手はそうでもないようです。試合の一部ですが、シンギューに打ち勝っているシーンが結構あります。

http://www.youtube.com/watch?v=spPlwVCWhkA

シンギューはWBCユースをジェーモアに奪われ(SD)、和毅選手がジェーモアから奪う(SD…私の採点では和毅選手の負けでしたが)という絡みがありますが、現在の3者の実力を見る意味でも興味深い試合になると思います。

もちろん和毅選手にも勝機はあるでしょうが、
勝つにしろ負けるにしろ和毅選手にとってキャリアにプラスになる試合になるといいと思います。
2013.05.26 18:59 | URL | #Twj7/TDM [edit]
B .B says... ""
もうこの辺りはコメントするのも疲れてきますが、まぁ予想通りというか、期待を裏切りませんね(笑

もうタイトルの価値とか語るのも意味の無いものになりました。
世界挑戦の内規だって実質意味の無い事が証明され・・

リアルボクシングとの二極化が益々顕著になりましたが、もう守り人はいませんね。
2013.05.26 22:41 | URL | #bH1htKmU [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
小國くんの移籍はビックリしましたね。引退までほのめかして移籍というのはかなりのもんですな。
折角移籍するのだから強くなって欲しいです
関東のファンの方は是非小國くんの試合を見ていただきたいです。
2013.05.27 00:06 | URL | #- [edit]

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