HARD BLOW !

まだ終わらない・・ボクサーの心

4月26日 神戸市立体育館

56.2kg契約10回戦
長谷川穂積vsウィラポン・ソーンチャンドラシット(タイ)

年内の世界タイトル再挑戦を計画している長谷川選手だが、フェザー級でジョニー・ゴンザレスに痛烈な敗北を喫して以来連勝で世界前哨戦と銘打たれたリングに臨んだ。
減量苦から二階級上げてフェザー級世界王者となったがこのクラスではかつての輝きは見せられなかったと思う。
結局バンタム級からの転向は短期間でフェザー級に対応する体が作れなかったか。
あるいは持ち味であるスピード瞬発力に衰えが見えたという声もある。
歴戦のダメージはあるだろう。32歳という年齢も老けこむ歳ではないがこれは個人差がある。
今回は目指すスーパーバンタム級より約1kg重い契約の試合だったが、それでも減量にはかなり苦戦したようで計量前日は眠れなかったらしい。
練習でもモチベーションが上がらなかったか好調の二文字は見当たらない。
それでも長谷川選手がリングに執着するのは何故だろう。

「自分が一番強い事をもう一度証明したい。自分の為だけに戦う」という長谷川選手。
しかし、自分をそしてファンを納得させるかつての輝きの片りんでも今夜こそ見せられるだろうか。

初回、長身の広いスタンスからオーソドックスの大振りな右の一発を狙うウィラポン。
下からすくい上げるようなフックだが、ジョニー・ゴンザレスに打ち倒されたあの右と同じような軌道だ。
格下のアンダードッグだが元王者のウィークポイントを研究して来たのだろうか。これを一発二発と喰らう。
不調時の真っ直ぐ下がる癖と相変わらず戻りの遅い左ガードは直っていなかった。
長谷川選手特有の探り針である右から左のカウンターを狙うが、リズムに乗れない。
3ラウンド、それでも最後は打たれ脆いタイ人を強引に連打で仕留めた。

結果だけで言えば圧勝だったが、試合後のコメントは歯切れが悪かった。

「相手が相手なんでまぁ・・。試合勘を忘れないようにしたかった」
「体も重かったし足も動かなかった」
「何故か相手の右が見えづらかった」

良い材料は正直全く見えなかったが、テレビのインタビューでは最後にこう語った。

「リゴンドーとやって見たい。1パーセントも勝てる見込みは無いと思いますけど、自分の力を引き出してくれると思うので」

テレビに何度も映し出される長谷川選手の過去の快進撃は、彼の引退後には胸の透くシーンとして心も熱くなっただろう。
しかし、今夜だけは哀しくて悲しくて仕方が無い。
ボクサーの心は終わらないのだ。
そう思う事自体が長谷川選手に失礼なのかも知れない。

試合前「もう一度証明したい。自分の為だけに戦う」と言った長谷川選手だが、本当に理解して奇跡の復活を信じているのは長谷川穂積自身だけなのかも知れない。
そして、ファンを会場を熱狂させたあの興奮とかつての輝きをもう一度見たいと一番に願うのは、彼自身なのだろう。

それは長谷川選手だけでは無い。
そうしたボクサーは何人も見て来た。

僕らはただ心の中で見守るしかない。
そう思ったファンも多かったのではないだろうか。

B.B

Comment

いやまじで says... ""
モンティエルとジョニゴンとの戦いで長谷川は世界トップの戦いの世界に入ったと思うのです。
作戦通りに戦っても相手がその上を行った場合、こちらがそれをさらにどう上回るのか。
そういう凌ぎ合いをモンティエルもジョニゴンも潜ってきた。
長谷川にもそういう戦いをしてほしいというのが1ファンとしての希望です。
WBCのタイトルを獲ったテラサスもいい選手だと思いますね。
マルケスとのサイバイバルマッチを制したミハレスをポイントアウトしました。
http://www.youtube.com/watch?v=UuuBd0eaY6M
スピードはないですが技術は相当高いと思います。
最終回のダウンを見る通りパーフェクトではないですが、かなり強い。
長谷川にはこれより1ランク下の選手と戦って、その上でより高いレベルの凌ぎ合いをしてほしいですね。
その先に変貌する長谷川選手の姿を見たい気がします。
2013.04.27 15:20 | URL | #Twj7/TDM [edit]
ホシイモ says... ""
 ______
γ    γ飴ヽ
|    (○゜Д゜○)
ヽ____ヽ_ノ
     |  |
     し`J
ベテラントレーナーしゃんブログでの長谷川評価は今回の状態では王者になれても防衛が厳しいとの事でつ~
長谷川しゃんはセコンドの頭をふるという指示に全く反応できていまてんですた
セコンドのいう事聞いてないのでし(´・ω・`)
右ストレート貰いすぎで
ダッキングするのにカラダを折るのをしてますたが
そこに左アッパーを狙らわれると…西岡しゃんの最後の試合みたいな終わり方しまつ
面倒くさがりなのでつかね
長谷川しゃん
2013.04.28 06:59 | URL | #bGf9qjkw [edit]
B .B says... ""
長谷川選手が凄いなと思うのは自らが持つイマジネーションを進化させながら忠実に具現化して来た事だと思うんですね。
彼はデビュー戦に勝った後、新人王戦にエントリーしてますが2年連続で予選敗退。
ここまで5戦して3勝2敗と戦績だけ見れば凡庸に思える選手でした。
(この時既に彼の資質を見抜き「天才現る」と言ったボクシングファンがいた事に驚きましたが、しかも負けた試合を観てですよ!)
僕はと言えば14戦目でジェス・マーカに競り勝ったのが意外でしたし正直、事実上の次期挑戦者決定戦となった鳥海純(ワタナベ)戦までは世界トップを争う選手には見えなかった。
眼前にある課題を一つ一つクリアして来た言わば叩き上げのプロ選手と言えます。
けしてずば抜けたセンスがあったともやはり思えなかった。
その後はご存知の通り名王者ウィラポンを攻略して名を上げ、誰もが判る、そして目を見張る進化を遂げた訳ですがそれも一歩一歩階段を上がった結果と思います。
だからこそ「リアル」にも説得力があった。
何の為か解らないが、あまりに先を急ぐ選手にはこうした長谷川選手のような進化は期待できないというのが僕の持論でもありますし、若い選手らがお手本にして欲しいとも思います。(勿論、具志堅さんのような例外もありますが・・)

いやまじでさんが言われた「これより1ランク下の選手と戦って、その上でより高いレベルの凌ぎ合いをしてほしいですね 」とはこうした長谷川選手の足跡を知っているからこそでしょう。
彼の持つイマジネーションと加えてかつてのモチベーションを思い出す為には原点に帰るべきと言われたように感じました。
ただ衰えた部分を見ると、やはり現状の戦力をもう一度厳しく見なければならないですね。
ここからの奇跡の復活を僕も望みます。
2013.04.29 09:31 | URL | #65fpICiI [edit]

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