HARD BLOW !

もう一つのJBC裁判 谷川俊規氏の場合12

 3日開いただけでも随分ご無沙汰した気になる当連載ですが、おかげさまで谷川さんの名前で検索をかけて辿りつかれる方もチラホラと出て参りました。まあ大した読者数じゃありませんが、コツコツと書いてきた甲斐が少しはあったのでしょうか?

 「ボクシングの統括機関を懲戒解雇された問題人物である」という悪意ある報道によって、谷川氏は一旦は表明した立候補を取り消し出馬を断念しました。地方組織が無いに等しい新興政党の落下傘候補であった谷川氏にとって、このネガティブキャンペーンは致命的なものであったのでしょう。ボクシング界から叩き出すだけでなく次のキャリアへの道まで閉ざすという、この蛇のような執念深さは一体どんな動機から生じているのでしょうか?想像すると薄ら寒くなります。まさか公益法人がゴシップ記者を番犬代わりに飼っていて、敵対者をマスコミやネットの匿名掲示板やブログのコメント欄を使って中傷しているなんてことは、よもやないとは思うのですが…。公益法人であり厳格な組織であるべきJBC様におかれましては、このような疑惑が生じる余地はくれぐれも惹起しないようにして頂きたいものです。特に件のゴシップライターと親密な交際が噂される、王子様のようないでたちでお馴染みの試合役員氏は大丈夫だろうかと心配になります。このような脱法行為は色んな意味で氏にはタブーだと思うのですが…。

 読者の皆様におかれましては「本当に、そんなにひどいことがあるのかい?」とお思いでしょうが、谷川氏の受難はこれにとどまりません。出馬取りやめの後に、更なる報道被害が彼を襲います。今までは夕刊フジやサイゾーのWEB版というある意味イエローと言っちゃ失礼ですが、ぶっちゃけ報道機関としてはイマイチのグレードの媒体でのネタ記事に過ぎなかった氏にまつわる中傷が、今度はついにボクシングの専門誌にまで登場してしまいます。それはボクシングマガジン(以下BM)の今年三月号に掲載された「大沢宏晋に東洋太平洋王座剥奪、ライセンス一年間停止処分」という仰々しいタイトルのわりに中身は薄いという記事。近年のBM誌の低空飛行を体現するかのように目次と実際の掲載ページが違うのはご愛嬌としても、係争中の事案である谷川氏の解雇を「懲戒解雇」と元気一杯断定した上に、検証内容も「控え室に問題職員がいたから大沢も怪しいんじゃねえ?」というOLが給湯室でやってる噂話のようなレベル。記事中一番の脱力ポイントは『本誌は控え室での異変を記事にする事を検討したが、当時は「JBCの対応を待って書く」と判断した。今振り返ると猛省するしかないが』というBM誌のなんだか分からない言い訳部分。「問題だと思ったならそんとき記事にしろよ!」と言うツッコミ対策とはいえ余りに白々しい後付けぶり。ページ左下のカコミには非公認タイトルについての講釈も書いてありますが、後楽園のリング上で非公認タイトルのベルトを何本もかけてたクレイジーキム選手や承認前にWBOのタイトルマッチをやった西岡利晃選手については言及はなし。同じカコミ内で過去の未承認タイトルマッチを「JBCはノンタイトル海外遠征として対戦を容認しており」と注釈つけてるのに、記事本文では大沢が遠征届にノンタイトル10回戦と書いといて実際にはタイトルマッチやったのは「悪質な隠蔽工作」とあって、同じページに矛盾する見解が並立する異空間に…。読者は困惑せざるを得ません。事実関係の検証も、過去の事例との比較もおよそプロの仕事とは思えない粗雑なものですが、私が何より問題だと思うのは、一年という時間を奪われた大沢選手の無念にたいする想像力の欠如です。

 記事の最後は大沢選手のしおらしいコメントでしめられていますが、世界ランクを順調に上げて挑戦の機会を待っていたであろう彼の無念を想像すれば、それが対外的な社交辞令的コメントであることは容易に分かるはずです。そのようの表向きのコメントの背後にあるボクサーの本音を引き出すことこそ取材記者の仕事ではないでしょうか?JBCの立場を代弁して、明らかに整合性を欠く不当な処分を肯定する提灯記事を書いた上に、ボクサーの思いを踏みにじったBM誌にはもはやジャーナリズムは不在であると思います。

 この記事が書かれた時点では谷川氏への取材は行われていませんでしたが、掲載誌の発売後に後追い記事を書くつもりなのか谷川氏の元にボクシングマガジンの取材を名乗る電話がかかってきます。果たして谷川氏から伺ったこの時のBM誌のライターの取材手法もまた呆れかえるようなレベルのシロモノでした。(この項続く)

 ボクシングマガジン大丈夫?(旧徳山と長谷川が好きです)

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