HARD BLOW !

村田のプロ入りに思う。

友人に頼んでおいたDVDが今日届いた。

村田諒太選手(ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級金メダリスト)が、4月16日に行われたA級ライセンスのプロテストに合格したんだって?
この日のプロテストの模様をフジテレビが独占生中継していたが、見逃したのだ。

仕事を終え早速観ると、筆記試験の様子なども流されていたのが驚きだった。
三迫ジム所属で、トレーニング環境とマッチメークは帝拳が用意するというのもジム制度の改革か?とも思われたが、フジテレビと電通が介入しているとの事で村田選手の要望に応えたための措置だろうか。
なにしろ48年振りの、しかもミドル級金メダリストのプロ入りだ。
ボクシングファンとしても、二度とないかも知れない日本人初の快挙(金メダル獲得から世界王者誕生)に夢は膨らむ。多少の優遇措置はあって然るべきと思う。
A級プロテスト受験~即日合格発表、しかもリング上テレビカメラの前で合格証の授与式とはなんと斬新な企画だろう。

ん?ちょっと待てよ・・
プロテストってB級ライセンスまでだったはず・・

日刊スポーツによると、なるほど「極めて異例な」とあるが、コミッション発表も「特例」だそうだ。
頭の固そうなコミッション事務局長も粋な計らいをしたものだ。
関係修復に向かっていたはずのプロアマだが、今後おそらく再び軋轢を生む事であろうアマ連サイドへの配慮なのか、「アマの大功労者は特別待遇でお預かりします。絶対に世界王者にします。見て下さいこの受け入れ態勢を!」と精一杯アピールしているように見えたのは僕だけだろうか?
それとも興行サイドにねじ伏せられたのだろうか?
「ごーかくですっ!」と元気一杯発声した森田事務局長の珍しい?大声も半ばやけっぱちに見えたが・・

冗談はさておき、またもや特例だ。
過去にもアマスターの池山伊佐巳が異例の10回戦デビューしたが、プロライセンス取得時はB級だったはず。
鳴り物入りでのデビュー戦。相手は激闘男の中西清明。
昭和20年代、興行という側面が色濃く残る時代の話しだ(この辺りを知っている古参マニアの方いますか?)。
直近ではご存知の通り、井上尚弥選手がB級取得で8回戦(A級)デビューしている。
そう、こうした前例はあるがA級プロテストはルールには無い。
しかし、誰が誰の為に、何故こうも先を急ぐのだろうか?

違和感が捨て切れない。
興行主導で日本のプロボクシングに本当に未来があるのだろうか?

村田選手の実力を疑うのではない。
プロライセンスはプロボクサーの根幹に関わる問題なのだ。
特例は前例となり、やがて慣例となる。
ライセンス発行はJBCの最大の威厳でもあったはずだ。
昨日今日旗揚げした格闘技団体でもあるまいし、日本プロボクシングコミッションの誇りは一体何処に行ってしまったのか?


昨年の8月下旬、帰国して間もなくの村田選手は都内某所で語った。
今後の進路について触れた時、プロ入りの可能性は無いと答えていた。

「スポーツマネジメント等の勉強をして、そういう方面で貢献していきたいのが第一希望です。」
「プロ入りはゼロです。悩みますけど、第一希望でない、ということは成功しないと思いますので。」


アマチュアボクシングの頂点とプロの世界タイトルについても自らの価値観を語っていた。
男だなぁと思った。

それだけにプロ表明の一報は意外だったし、正直あの時の言葉は何だったのか?とも思う。
まるで女と別れるときに「あの時は本気だった」と言い訳しているようにも見える。
契約金がン億とも聞くと、金メダルを天秤にかけたのか?と邪推してしまう。
ぶっちゃけ村田は男を下げたと思う。

しかし、だ。
公開プロテストの模様を見れば、ファンとしてはやはり痺れてしまう。
コンビネーションもこれまでの中重量級の日本人には無いものだ。
回転力もパワーも申し分ない。
プロとしても世界で充分にやっていける可能性があると思う。
本人が言う通り、伸びしろもまだまだあるだろうし、華もある。
有言実行でプロの世界タイトル、王者の頂点に登り詰めて欲しい。

そして僕のようなくされファンの鼻を明かして欲しいと思います。


B.B

※4月21日早朝、加筆しました。

Comment

ななし。 says... ""
例外、がクセモノですよね。
いい例外と悪い例外とか、あるのかな(笑)?いずれにせよ、例外の多発が何に結ぶ付くのか、
WBAのタイトルを揶揄したり非難したりする方々にはよくわかると思うのですが、結局は、ああいう形になってしまいがちなのです。まあ、五輪で金メダル、自体が、日本選手として考えるとそうは実現が難しいから、そう簡単に例外は、と思いますが。

井上選手が五輪に出るのも、例外でOK、みたいな路線に結びついていくのかな、とも
思わないではないです。是非はともかく、例外が出来た時点で、それは例外ではなく、例に
なる、という事実をこの世界の人々は忘れがちですよね。
2013.04.21 11:23 | URL | #/OUezYRM [edit]
いやまじで says... ""
村田のプロ入りについては本人がどう言ってるのか知らないので何とも言えませんが、彼自身が口にしている「スポーツマネジメント」という進路を考える限り、プロキャリアはプラスになることあってもマイナスになることはないと思います。その意味で彼もチャレンジしたのではないかと私は肯定的にとらえています。一敗地に塗れれば金メダリストの名誉は地に落ちるわけで、その意味ではリスクを冒している点もむしろ好感が持てる。

JBCについてB.B.さんが指摘した点は世界タイトル認定団体のタイトル濫造を髣髴させますが、私自身の感情について言えば、五輪金メダリストを全員総出でお出迎えの図は差し詰め田舎芝居でプロとしてのプライドというものを彼らはどこに置いてきたのだろうと首を傾げざるを得ないところはあります。盛り上げるのは構わないのです。しかしプロテストの合格というステージでのコミッション自らのこの騒ぎは、何かを約束されているわけでもないこの世界の住人になる村田に対しても他の全てのボクサーに対しても軽薄な礼を失した態度にしか私には見えない。村田が失敗しても彼らに責任は生じないのでしょうからまあ気楽なものです。

村田は変な乗せられ方はしないと思いますが、彼でさえも気をつけないといけないと言いたくなるものがあります。
2013.04.22 13:10 | URL | #Twj7/TDM [edit]
B .B says... ""
村田選手は「頭がいいなぁ」という印象持ってましたし将来のビジョンをおそらく持っているでしょうから、その点では他人事ながら安心しますよね。
フジと電通で綱引きがあったようですが、セカンドキャリアを約束されているという点でも他の選手の一つの目標になるかも知れません。
しかし、今はそれどころではないでしょうね。
このクラスでプロの王者になるという目標にプレッシャーも尋常ではないでしょう。
本当に夢をかなえて頂きたいと思います。

しかし、今回のプロテスト特例JBCの対応はどうにも違和感が残る。
たとえどんなに逸材としてもプロの根幹に関わるルールを破る必要が何処にあったのかが解りません。
毅然として、「過去に前例が無いわけでもないし、申請があれば10回戦デビューも審議しましょう。しかし最低でもプロテストはここから始めて貰います」とすれば余分な心配をしなくても良いのに。
株式会社プロボクシング興業にまっしぐらで事業計画案の一つのデモプレイ?
まだ厳としての公益法人ですよね?大丈夫ですよね?
2013.04.22 19:19 | URL | #65fpICiI [edit]
B .B says... ""
セカンドキャリアで思い出しましたが、選手の意識もだいぶ変わって来ましたね。
佐藤洋太選手が世界王者なのに何故いまだにガソリンスタンドでアルバイトしてるんですか?との質問に「僕らはいつか社会に戻って行くんです。その時に世の中とズレがないようにしたいんです」と答えてましたが、しっかりしてるなぁと頼もしく感じましたし、世界王者として社会的な中でのプライドをどこに置くかを感じました。
現役時代に既に起業したボクサーの中で堀内稔さんにお話しを伺った事がありますが、引退後は直ちに本業に専念され事業の拡大をされました。
「ボクサー時代の人脈とその中で勉強した事は大きいし、今に繋がっています」と話されました。
人生そのものを懸けての戦いを終えて、燃え尽き症候群に陥らずに第二の人生を戦う方々は現役時代から自分の社会での立ち位置をも考えていたという事でしょう。

村田選手くらいになれば一流企業が手を挙げても不思議ではないが、多くののボクサーは自分で引退後の将来を一から切り開いて行かなければならない。
それは当然のことです。僕ら老いぼれだってそうして来たんだ。
だけどそれが出来ないケースを幾つも見ると、僅かな中身の激励賞一つにも思いを込めてしまいます。
本当はね、ボクシングだけで食える発明はないものかなと思います。

友人のトレーナーが教え子に「プロなんだからチケットの売り方くらい勉強しないと。将来絶対におまえの役に立つから」と言って戸惑う選手と一緒にあいさつ回りをしている姿を何度も見ました。
トレーナーも先生ですからね、麗しいなと。
ボクシングとボクサーを本当に理解している人はやっぱり行動も違います。
僕がボクシングを愛してるなんて、おこがましくて言えないですね。
2013.04.22 19:53 | URL | #65fpICiI [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
 大学の職員をしながらリオを目指すと言う選択肢もあったとは思いますが、オリンピックをもう一度勝ち抜くのは恐ろしく困難な道程であると思います。その割にはどこかで負ければ「なんだよ、負けたかのかよ」で終わりですからね。余りにもリターンが少ない。一方に億単位のお金が用意されていれば行かなければウソだろ、とは思います。そういう点では正直な人で信用できるなと。そういうエゴの無い選手はつまらないですし。

 ただフジテレビと電通と帝拳と三迫というパワーバランスが入り組んだステイクホルダー達の思惑の中でいかにエゴを通すかというのは易くない道であろうなと思います。まして中量級のテーブルは海千山千のプレイヤーがしのぎを削る世界です。それぞれのプロが力を発揮できるような座組みが必要であるし、全てを統括する監督が必要だと思います。でも日本人でそういうスケールの人いるかなあ・・・
2013.04.22 20:53 | URL | #- [edit]
代理店にいじめられた経験ありのB .B says... ""
既得権益がすべて悪いとは思いませんが、あまりにしがみつきが露骨なのを見るとねぇ・・

村田獲りに初めて公けに手を挙げたのは協栄だったですよね。
面白い金主を(失礼!)連れて来たなと思いましたが、実現可能かどうかは別にして異業種の人が現在のボクシング界をどう見ているかという点でそのビジョンには興味がありました。
選手の肖像権を一括管理して選手自身に還元すべきとか、テレビに頼ればボクシングの伝統や歴史が失われ、実は会場に足を運ぶ顧客が第一で企業のイメージ戦略に訴えて協賛を募りゲート収入を下げてでも観客動員を図るとか。経験上コアな客が口コミで広めてくれたマーケットは強いとか何とか。実現に向けての企画は任せろと嬉しい事ばかり言ってくれる。
要はこれまでの固定観念を排しての、もはや外圧に頼るしかないのかな。
アイデア盗んだだろ?の電通さんに是非実現して貰いたい。
2013.04.22 21:45 | URL | #65fpICiI [edit]
等々力酸素魚雷 says... ""
予想外の金メダル獲得の時は嬉しかったけど、プロ入りを表明してなんじゃそりゃ?と言う気持ちが正直なところです。
それでも結果を出せばいい世界ですから。
是非石田とやって欲しいですね。
2013.04.25 00:12 | URL | #- [edit]
B .B says... ""
村田選手も10回戦デビューでしょうから、石田選手とやればこれは盛り上がるでしょう。
どうせやるならコアなファンも巻き込んで大いに盛り上げて欲しいですね。

石田選手は結構やる気あるみたいですけど。
2013.05.05 21:09 | URL | #bH1htKmU [edit]
B .B says... "やっぱりおかしいや・・"
村田選手のデビュー戦が1週間前に発表されてましたが・・
8月25日、東京・有明コロシアムで東洋太平洋ミドル級&日本スーパーウエルター級王者、柴田明雄選手(ワタナベ)相手に6回戦というもの。

6回戦デビューだって?

一体何の為の「極めて異例なA級プロテスト」だったんでしょう?
ルールを捻じ曲げてまで認めたA級テストだったんですから、合格した以上は8回戦デビューにしなければ筋が通らないと思いませんか?
興行サイドの都合で一方的にルールを変更したと言われても反論できないでしょう。

拘りますけど、ライセンス発給はコミッションの公平公正と威厳を示すものですよ。
それを捨ててまで、何故?と。

相手はかつてのスパーリングパートナーの柴田選手ですけど、お披露目興行なんでしょうからそれはいいんですけど、少なくとも柴田選手にも敬意を表して8回戦にすべきだと思いますが。

どなたか合点のいく説明をして頂きたいです。

2013.07.11 05:55 | URL | #bH1htKmU [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
東洋&日本二冠王者と6回戦ノンタイトルというのは矛盾に満ちてますね。一国一コミッションをお題目のように唱えるJBCがタイトルの権威低下を招くようなマッチメイクをなんで認めるのでしょうか?
2013.07.12 00:01 | URL | #- [edit]
B .B says... ""
おそらくは興行サイドの「A級デビューで肩書きか名のある選手を相手に選びたい」と言う思惑でそのA級プロテスト申請にJBCが応じたという事なんでしょうが・・

ならば6回戦での試合申請があった時にJBCは「わざわざ批判覚悟で特例中の特例出したじゃないですか!」と跳ね付けるべきでしょう。
いや、こうした批判がある事も想定出来ないのでしょうか?

ルールを管理する現JBCにプライドがまだあるのなら、8回戦以上を促すべきですよ。
でなければ、あのお祭り騒ぎの公開プロテストはまったく筋が通らない。
ルール破りまでした意味もまったく無いではないですか。

ある著名な方が専門誌は「協会の親睦誌」と嘆かれていましたが、ボクシングを取り巻くメディアから批判が起こらないのも仕方ないと諦めますけど、今やコミッションも公正な判断が出来なくなっている。

嘆かわしいを通り越して怒りを覚えます。
2013.07.12 15:41 | URL | #bH1htKmU [edit]
B .B says... "そうだこの手があった・・"
JBCは7月1日の一般財団移行に伴う組織変更、定款の変更と共に名称も日本ボクシング興行連合会とかに変更するってのはどうでしょう?

そうした方が名は体を表すでよっぽど解り易い。
実質公益性が無くなりつつあるのに、コミッションなどと名乗るから様々批判も起こるんですから。
しかしこれなら、何でもやりたいように出来ます。

どうですか?名案ではないでしょうか?

ボクシングコミッションの名称を返上して下されば、生真面目なクソファンからの批判も起こらなくなるでしょう。
2013.07.12 16:02 | URL | #bH1htKmU [edit]

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