HARD BLOW !

もう一つのJBC裁判 谷川俊規氏の場合5

 「試合に勝ってもJBCのライセンスを持っていないので王者として認めない」(サンケイスポーツより

 歴史的勝利に終わったロドリゲス×高山戦の一週間ほど前に、高山勝利の場合の対応を尋ねられたJBCの秋山専務理事によるありがたいお言葉です。まあまさか勝つとは思っていなかったのでしょうがそれにしても横柄な物言いではありますまいか。苦難の末に敵地でタイトルを勝ちとった世界王者を「JBCにあらずばボクサーにあらず」といわんばかりの、高飛車な態度で一刀両断する姿勢もさることながら、試合前は「復帰を申請すれば、資格審査委員会で検討する」(前出秋山氏のコメント)という話だったのが高山が勝利すると、一転森田健事務局長が「今後、ボクサーライセンスの申請をすれば、資格審査委員会を開いてJBC として世界王者として認めることになる」とカメレオンよろしく『柔軟な』対応を見せるあたり、たのもしきJBCの確かなガバナンスを感じる事が出来ます。フットワークが軽くていいのはリングの中だけ!統括団体のトップに相応しい、帝拳じゃなかった定見を持って事に当たって頂きたいものです。高山陣営を巡るJBCサイドの処遇がなぜかくも迷走するのか?JBCになびいてこない彼らを面白く思っていないのは事実でしょう。それにプラスしてJBCが谷川氏の解雇理由に高山のIBF挑戦を関連させているのが原因では無いかと私は見ています。

 それを踏まえて本題の続きです。南アフリカの現地コミッションの内紛が長引いた事で、ジョイ×高山の再戦命令自体が無効化する可能性が現実味を帯びてきました。IBFの指名試合の期限は9ヶ月。いつ終わるかもしれない南アフリカサイドの内紛の沈静化を待っていたら、対戦命令の効力がなくなってしまいます。必死で辿りついた指名試合が消化不良で終わった上に、再戦命令が死んでしまえば高山陣営の苦労は全て水泡に帰します。そうしないためにも、窮余の策としてあらゆる選択肢を検討する必要が生じてきました。南アフリカでの開催が出来ないケースに備えて、高山の海外拠点であるフィリピンでの開催も模索しましたが、さすがに中立地での開催はビジネスとして成り立ちません。そうなるとあとは高山のホーム日本です。ですが未承認のIBFタイトルマッチがJBCの管轄下でできるはずもありません。であるならJBCの管轄外でボクシング興行をする道はないか?その手法を検討する過程で合議の末「キックボクシングの興行と合体する形で出来るのではないか」と言うアイデアが出されます。これは勿論、本命の南アフリカ開催が出来ない場合に備えた次善の緊急策であり、事実として再戦は紆余曲折を経て南アフリカで無事挙行されました。しかしこの実現の可能性が極めて低い『もしもの場合に備えたアイデア』が「新コミッションの画策」と見なされ谷川氏の解雇理由となったのです。
 
 ですが、そもそもJBCにはIBFの興行をすることは不可能であり、またJBCを離脱した高山陣営がIBFの興行を計画する事自体は何の問題もない行為です。JBCの業務時間外とはいえ職員と言う立場での谷川氏の振る舞いは軽率だったと言えるかもしれませんが、さりとて解雇に値するような悪質なことでしょうか?IBFを承認していないのはJBCの自己判断であり、日本国内でIBFがビジネスをしたところでそれはJBCの運営判断が招来したものです。というかそもそもこの興行案はなんら具体化しなかったのです。逆立ちしてもJBCが関与できなかったビジネスについて職員を解雇するのは、世界タイトルを持っている選手を「チャンピオンと認めない」と言い切るのと同じ倒錯ではないのか?と私は思います。(この項続く)

 ツニャカオの頑張りが泣けた(旧徳山と長谷川が好きです)

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