HARD BLOW !

斉藤司 敗れる!!

tsukasa0474.jpg


斉藤司選手(三谷大和ジム)のWBCユース世界ライト級タイトルマッチ(防衛戦)を観戦してきた。(於:後楽園ホール)

相手はジョー・マグシャン選手(8-2-0,比)。WBC暫定ユースJFe世界タイトル戦を経験しているものの目立った実績はなく、昨年8月には内藤律樹選手に2RTKOで敗れている。ただしこの試合、内藤選手が1発で決めてしまったが、それまではマグシャン選手が良い内容で戦っていた。それゆえ実力的に侮れないのではないかと私は思っていた。

序盤は静かな立ち上がり。オーソドックスでアップライトに構えるマグシャン選手、ガード高く上げ、ほとんどパンチを出さない。斉藤選手は体を左右に振りながら相手の手の内を探るように上下に軽いパンチ。相手の力を測りかねて慎重になっているように見える。

2R終盤マグシャンが繰り出した左右フックの鈍重さに相手を見切れたか、3R以降斉藤選手のパンチに力が入り始める。4,5Rと斉藤選手攻勢。しかし、私には斉藤選手がワンサイドで攻めているように見えなかった。どちらかというと攻めあぐんでいるように見えた。コンビネーションが少ない。きれいに当たるパンチが少なく決定的ダメージを与えられない。その上時折マグシャン選手のいいパンチを顔面にもらう(場内微妙な空気)。

それでもポイントはスピードとパワーに勝る斉藤選手。実際ダメージもスタミナ・ロスもマグシャン選手の方が大きい。

そうして迎えた7R。マグシャン選手いよいよエネルギーが残り少ない。しかし、斉藤選手もディフェンスがルーズでたびたび被弾。マグシャンが左ボディから右フックを側頭部に決めると斉藤選手が突如崩れ落ちる。ダウン!! 場内騒然とする中、カウント8で立ちあがる斉藤選手だが、表情が虚ろ。レフェリーはテンカウントを数えた。

DSCN1058.jpg

tsukasa0504.jpg


侮りがたい相手(実際粘り強かった)とは思ったが、総合力ではかなり勝っていると思えた斉藤選手が敗れた。

私は斉藤選手の試合を見たのは4試合目で、彼の勝ちパターンやベストパフォーマンスをよく知るわけではないが、今日の相手ならスピードとテクニックで圧倒してほしいというのが正直なところ。最近2戦かなりの格下相手だったことで、勝負勘が鈍っていなかったか。

それにしてもWBC副会長が観戦に訪れガウンも新調したこの試合。敗れて一番悔しいのは斉藤選手自身であろう。いやぁ、悔しいなどという言葉では言い尽くせないだろう。しかし、これがプロだ。

斉藤選手はまだ若い。私のようなオジサンに比べればなおのこと。技術的にもまだまだ発展途上に見える。私はこの試合を成長過程で起きた一つのつまずきと捉える。

敗戦を糧に一段と強くなって帰ってくることを期待しています。


joe0506.jpg

KO勝ちで新王者となったジョー・マグシャン選手。



付記
 帰路、VADYジム会長と小國選手・胡選手に遭遇。小國選手「引退はしません」とのこと。

by 激忙のウチ猫さんに代わり観戦のいやまじで

Comment

B .B says... ""
いやまじでさん、お疲れさまでした!
昨晩は斉藤選手の敗戦に打ちひしがれましたが、ファンとしては救われた思いでいます。
「勝った時こそ苦言を、負けた時こそ最大の激励を」は大人のファンだなと思います。

正直今回の敗戦は言い訳の出来ない、そして本当に痛い黒星となりました。
最近のマッチメークや内容からも敗因を拾い出す事も出来ますが、すべては勝負のあや。
プロとして「ここで決める!」と勝負に出た時の一発でした。

一方、試合前に勝ったマグシャン選手に会いましたが、前回の2RTKO負けという惨敗を引きずる訳でも無く、アンダードッグの匂いは微塵も無く、「喰ってやるぞ」との意気込みがひしひしと。
スタミナもスピードも技量も斉藤選手には劣りましたが、「勝負はここ」と胸を叩いたのが印象的でした。
最近来日する比国人選手の活躍が目を引きますが、ボクシングの原点である闘志、「ファイティングスピリット」を一番に口にします。
日本ではもはや死語となった「ハングリー精神」が彼らのボクシングを支えていると感じました。

斉藤選手もここからがプロとして本当の勝負と思います。
斉藤司が再び覚醒してリングに帰って来るのを待ちたいと思います。
2013.03.16 10:35 | URL | #65fpICiI [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
フィリピンの選手「喰ってやろう」と言う意識が本当に強いですね。戦績の良くない選手でも侮れないです。
2013.03.16 13:28 | URL | #- [edit]
ななし。 says... ""
小國選手の試合も含め2試合とも見てません。
ボクシング、見るのも怖いスポーツに私にとっては
なってきてます。
でも。
斉藤選手も、小國選手も、まだまだこれから
じゃないですか。終わったあと、考えることは
いろいろあるでしょうが、どんなアンラッキーな
負けであれ、理由はあります。
2選手とも今回の敗戦は、報じられているものを
読ませていただく限り、分かりやすいもの
だと思うので、自身がもっとも悔しく思って
いるはず。足りなかったものを足す、より
上を目指して欲しいです。期待してます。
2013.03.16 22:17 | URL | #/OUezYRM [edit]
いやまじで says... ""
皆さんコメントありがとうございます。
NHK特集でパッキャオが自らを闘鶏の軍鶏に喩えていましたね。
年間数十億を稼ぐ彼にしてそうですから、
フィリピンボクサーの戦う気持ち、勝利への執念、侮れじです。

今回の試合、
心・技・体・戦術(試合中の作戦)・戦略(長期的方針)
の5つの点で見ると、技の面で最も問題があったのではないかと思います。
といっても、「この技術がだめ」という形ではなく、
いろいろな技術を採り入れ積み込んでいる途上で、
まだそれらが十分こなれていない。
それらを使いこなすところ(スキル)に達していない。
やるかやられるかの戦いの中で無意識に出るものになっていない。
そんな印象を持ちました。

序盤によく体を振ってフェイントをかけていました。
それ自体悪いことではないのですが、
動きに無駄が多いように感じられました。
相手がそれほど反応しないことに戸惑ったようにも見えました。
これがもっと使えるものになっていれば、
相手の動きを見ながらもう少し緩急・メリハリがつけられ、
攻撃につながるものになっていたと思います。

そういう意味で技術がまとまらず戦う気持ちと噛み合っていないというのが、
「攻めあぐんでいる」という私自身の感触についての分析です。

と、思い込みで書いておりますが、
試合後ホールから出てきた斉藤選手を見かけ激励したのですが、
その時の表情は「なぜ負けたのかが分からない」感じでした。
まあ直後でしたから仕方ないのですが。
中村トレーナーは「とにかく結果なんです」と仰っていたので、
この敗戦についてじっくり分析されることと思います。
ただ今回の負けをどう消化するのかというのはなかなか難しい面があると思います。
おそらく最前の努力をしてきたと思いますからね。
しかしそれでも勝つとは限らない。
それだけにこの負けを乗り越えてほしいですね。
より最善を求めて。
2013.03.17 08:11 | URL | #Twj7/TDM [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://boxing2012.blog.fc2.com/tb.php/152-ea05b6ac