HARD BLOW !

速報 西岡敗れる!!

アメリカ(カリフォルニア州カーソン、ホーム・デポ・センター)で、ノニト・ドネア(比)選手とWBO、WBCダイモンド、リングマガジンのベルトをかけて戦った西岡利晃選手は、6Rにドネア選手の左アッパーでダウン、9Rには攻め込んだところを右ストレートで再びダウン、この2度目のダウンはダメージが大きく、セコンドがストップ。西岡の海外3度目、そして最大のビッグマッチの勝利はならなかった。

試合後のインタビューで西岡自身が語ったように、前半はフレッシュなドネアに対して無理をせず、後半勝負を狙った。私は6Rまでは、いわばこの「待機戦法」を続けるだろうと思ったが、その最後の6Rにドネアの左のアッパーをカウンター気味に喰いダウン。大きなダメージはなかったが、これが試合の分岐点になった。

6回までデフェンス重視といっても決して下がり放し打たれっ放しではなかった。自身も前に出つつパンチを繰り出すタミンングを測り続けた。圧倒的に手数が少ないためにポイントを奪われるのは想定内であったろうし、おそらく中盤までにダウンを奪われるケースも想定してシミュレーションしていただろう。これで前に出なければいけないことははっきりした。

西岡はこの回、畳み掛けてくるドネアに対して自身もパンチを返しながらを何とか凌ぐと、7回以降前へ出る。

7R、西岡は手数を増やしながらも、ダウンのダメージもあり、冷静に攻勢へと切り替えていく。ドネアはスピードが衰えず、こちらも冷静に速射砲を連射。ペースを渡さない。

8R、前半にドネアが西岡に小さく速いパンチを決めるが、後半は西岡が攻勢に出て、中間距離から何度か左をヒット。両者のパンチの交換が激しくなる。

9R、西岡がますます攻勢を強め、必殺の左を繰り出し続ける。ドネアは下がりながらもカウンターでこれに応戦。中間距離から近距離での激しいパンチの交換に。ロープ際の攻防、ドネアを押し込んだ西岡に、ドネアのノーモーションの右が炸裂、西岡2度目のダウン。これはかなりダメージがあったようだ。西岡は意識はあるが、足もとはややおぼつかない。レフェリーは続行させるがセコンドがリング・インして試合をストップ。試合はドネアの9RKO勝利に終わった。

前半、西岡がドネアの良さを消す作戦を取ったため、静かな展開となったが、西岡のデフェンス・マスターぶりは見事だった。そしてダウンをとられ攻勢に出てからは西岡の左は何度もドネアをとらえた。しかし6Rのドネアの左アッパーは、西岡の左フック対策のダッキングに対してカウンターとなり、9Rの右ストレートは、西岡の「左アッパーを警戒してのスウェー」(ドネア)の瞬間をとらえたものだ。結論を言えば6Rの西岡のミスが勝敗の帰趨を決したと言っていい。西岡の完敗と言っていいだろう。ドネアは強かった。

西岡は敗れた。散った。しかし、彼は勝利のための自分の戦いを貫いた。ドネア相手に高い技術とボクシングするハートを見せてくれた。立派な戦いだったと思う。

◆  ◆  ◆  ◆

(以下2012/10/14/17:15追記)

※ 選手コメント(海外速報記事から)
 西 岡「スピードが大きく違った」
 ドネア「リゴンドーはもっとエキサイティングな試合を重ねる必要がある」
http://espn.go.com/boxing/story/_/id/8502028/nonito-donaire-dominates-tentative-toshiaki-nishioka-ninth-round-tko

Comment

B.B says... ""
西岡選手はノニトにボクサーとして最大のリスペクトを持って試合に臨みました。
中盤まで右ガードを固く掲げて「それ」に対処する、それこそ新人のように・・
それは試合前の控室で念入りに田中トレーナーと確認し合っていました。
彼の左フックに対処するあるいはそれを出させない為に右のガードは堅固に守られました。
しかし、それはノニトの左アッパーをまるで予測していない事のように正直思われました。

結果論である事は百も承知。

それをノニトに悟られた時点でこの試合は逆転もあり得ない事を示唆していました。
ノニトはそれをも解った上で望み通りの左アッパーで試合を決めて見せました。
西岡選手に後ろ髪を引かれる思い無く引導を渡す事までノニトは望み通りにそれをこなしました。

それは試合が始まった瞬間に西岡にとっても自ら望んだ道となった事と思います。
そしてボクシングを知る者皆が至福の時を共有した事と思います。
この瞬間は誰人も感傷も批判も加えられない瞬間であったと感じます。

ストップの瞬間まで一方的な試合としか見られない人がいたとしたら、それは西岡の偉業とそれまでの苦労を、そしてノニトの魂を知ろうともしない、ただの凡人の戯言と済まして良いと思います。

西岡利晃、お疲れ様!貴方は見事に散りましたよ!!
2012.10.15 00:39 | URL | #65fpICiI [edit]
等々力酸素魚雷 says... ""
バンコクのタクシーの運転手が「あの日本人は(世界戦を)4回もやって一回も勝てないじゃないか(笑)」って馬鹿にされて数年、西岡は化けました。
あの時だれがラスベガスのメインに立つと思ったでしょう。

西岡はノニトの左を警戒して右ガードは下げれなかったですね。
一方的な試合に見えましたが、ダウンを奪われた直後、フィニッシュで倒された場面で左を当てに行った西岡が唯一のチャンスに見えました。
ノニトは完全に狙ってましたが、それで倒された西岡には悔いは無かったのじゃないのかと思います。
西岡にとってなんら恥じる試合ではなかったです。
2012.10.15 01:32 | URL | #ncVW9ZjY [edit]
ウチ猫 says... ""
ノニトの左フックは、これはもうノニト本人も簡単に当てられるとは思ってなかったでしょう。
ならば次なる必殺ブローはまず左アッパー、で、これも難しければセオリー通りに右主体で…ここまでは当然西岡陣営も考えていたとは思うんです。
しかし、いざグローブを合わせてみて、スピードやタイミングや角度、それが想像していたよりも厄介で、それでも今までの経験と頭脳をフル稼働させて何とかアジャストしようと試みている間にポイントを失ってしまう、というのが私の予想でした。装備してる基本性能はやっぱりノニトが上ですからね。

ここで何か(半ばバクチに近くてもいいから)ノニトに混乱、とまではいかなくとも困惑を与える手を打たないと、彼はドンドン加速してしまい手がつけられなくなる、と思ってたんですが…まあ、試合を振り返ってあれこれ話し合うのはファンの権利なので許していただくとして、西岡選手が勝つことだけを考えて最大限努力したことは間違いないと思います。それは試合中のことだけでなく、ここに至るすべての過程において、です。
このことには本当に敬意を表したいと思います。

ノニトも素晴らしかったですね。ダウン取ったあとの7回以降、ほどほどに流しながら判定まで行ったりしたら最悪だと思ってたんですが、しっかりとチャンスを見据えて、決めるべきタイミングで一発で仕留めるあたり、さすがP4Pランカーです。ますます今後に期待ですね。
2012.10.15 02:09 | URL | #nZcYMxmY [edit]
オルフェーヴル says... ""
いやまじでさんの前記事。スピードvsクイックネスは、自分が興味あるところでもありました。メイウェザーにはスピードがあり、パッキャオにはクイックネスがある。メンタルとインテリジェンスが身体を動かす瞬間には、それが反転した、現代ではあまり見かけない動物的判断が産まれることがあると思っています。日本的にいうなら心身一如。

誤解を恐れずに言えば、西岡は日本の伝統的な心を目標として、スタイルを構築してきた選手だと思います(ムンロー戦を見て)。その上で自分は西岡の二番底を期待していました。ドネアの前試合について「リングに上がろうかなと思っていたけど、後で記者会見もあるからいいかと思っていた…なんか、上がろう!」と行動を起こした様子を語っていましたが、これが西岡の勝負勘の現れであり、この試合が実現した理由の一つだと思います(この引用の仕方では、伝わらないでしょうけど)。

肉体的には全盛期のスピードはないものの、ミズスマシのように、無駄を省いた熟練した動きをができるのではないか。若い頃のリズムを取り戻した上で、現在の経験や技術を発揮できるのではないかと思っていました。いろいろ思うことはあったのですが、事前予想はしないと決めていました。ウチ猫さんのコメント、冷静で感心しました。

試合内容の行く末は、西岡の右ガードで決まったと思います(西岡の敗北が決まったという意味ではありません)。ドネアは対応し、西岡はリズムを発揮できませんでしたね。若い頃の肉体&現在の経験を以てすれば、もっと勝負になったと思います。フィジカル面では、ドネア陣営の負荷のかけ方を見て、自然に沿った理にかなったものだと思っていました。サイドにも速かったです。

ドネアの左フックはナチュラルなところありますが、警戒し過ぎだったかも。反面、ディフェンスの対応で「ドネアのパンチが強いとは思わなかった」ことは、試合見ていて感じました。今回の試合でドネアが'怪物'ではなく人間だということがはっきりしたと思います。テクニック云々置いといて、モンティエル戦のパンチ・ダルチニアン戦のパンチが、ドネアの底。と同時に、ボクシングの申し子と言っても良いのではないかと。一方、幅の広さということでは、メイウェザーがどれだけ優れた選手かということもわかった気がします。

夜も遅いしパッと思いついたことだけ、簡潔にと思ってるのに、考えつつツラツラ書いてしまいました。ボクシングファンや関係者の中には、西岡でも相手にならなかったのかという人いるかもしれませんが、大丈夫だと思います。端的に、現実をありがとうという気持ちです。
2012.10.15 03:35 | URL | #LQFiFnTI [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
昨日は旅先のスポーツバーで見知らぬ仲間と観戦しましたが、試合の成り行きが余りにも腑に落ちすぎてか皆一様に淡々と観戦し、ダウンシーンとKOシーンでは「あー」と言う声が出たものの総じて落胆するでもなく納得した様子で席を立ち帰宅していきました。ドネアは個々の戦局での判断だけでなく全体のゲームプランを精緻に分析していたと思います。それとパンチの貰い方がいいのですかね?とにかく打たれて出足が止まらない。そして不完全な体勢からでも多彩なパンチが打てる。この辺のフィジカルの強靭さは西岡にとっては異次元であったと思います。ああいう体勢や局面を選ばず手が出る選手の試合はそりゃ魅力的ですわな。思ったより近い距離の戦いに終始しましたがそれはお互いに勇気があったからでしょうけれど、西岡には悪く作用したと思います。
2012.10.15 19:25 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
>端的に、現実をありがとうという気持ちです。

昨晩は僕の地元で西岡残念会をウチ猫記者ほか読者の皆さんとやりました。
もちろん西岡選手の知るはずもないファンだけのささやかな酒席であります(笑
おそらく全国各地でこのような会が開かれたのではないでしょうか?

残念会と言いましたが、実際は心残りなど一つも無く、むしろ清々しいひと時でした。
西岡選手の本音の部分はわかりませんが、僕もあらためて西岡選手ありがとう!と言いたいです。

さて、朝方に酔いも覚めて1Rの駆け引きでも書きたいなと思ってここを開くと、すでに自分の書き込みがあってビックリ(笑
確かにパソコンの前に座った記憶はあるのですが、なんせ徹夜明けでしたのでそのまま眠りこけていたはずが・・以降まったく記憶にございません。

というわけで、これからまた反省会であります(笑
2012.10.15 20:09 | URL | #65fpICiI [edit]
B.B says... ""
>シジミを品種改良して大きくしたい

飲んだ後は体が欲しがるしじみ汁。
しかし、たしかになんとなくもどかしいんですな、これが(笑
あさり汁も旨いですけど、あの香りを楽しめないし・・(笑
2012.10.15 20:16 | URL | #65fpICiI [edit]
宝瓶宮 says... ""
シジミが大きくなったら・・・中に入った石も大きくなるんでしょうか。
「これは大丈夫だよ」と太鼓判で買ってきたものでもなぜかヒットしてしまう。
実は私、味噌汁のシジミを食べて「ガリッ」と石にあたる確率98%で、
シジミの味は大好きなのに~石を噛んだとたん食欲が失せてしまうんですよね。
それで・・・仕方なくお汁を飲んですませる派なんです(グヤジ~)

そうそうボク愛さんお薦めの「青鹿毛」到着しました!もう半分飲んじゃいましたが(笑)
大麦の香りですか~鼻に抜ける独特の香りは初体験・・・たしかにあとを引きますね(笑)
一升瓶なのでまだまだ楽しめると思います。ビールの後にオンザロックで~秋にぴったり。
2012.10.15 20:58 | URL | #/5lgbLzc [edit]
いやまじで says... "皆さんのコメントに刺激されつつ……"
相変わらず西岡寄りですが思うところを。

私はドネアの能力については西岡より少なくとも1段上にあると考えていました。実際には2段上でしたが。(西岡が低いというよりドネアがひとり上を行っているのです。)ドネアのボクシングではフィジカルが重要な位置を占めます。そのトレーニングを見ると彼のスピードの質が分かります。

脚の動きが速いというより軽い。何か重さを持たないものの動きに感じられます。これほど軽く速い動きで、しかも強いパンチを打てるのにはバランスを養うトレーニングが一役買っているでしょう。反射神経・運動神経・バランス感覚・関節の柔軟性・筋肉の動きの弾性・体全体の運動の連動性および可変性。これらのトレーニングは、具体的なボクシングのイメージを可能にするため、明確な目的意識の下に行われていると思います。

ミット打ちでもフック系をトップスピードで打つと、軌道を変えながら急加速するため、途中からパンチが見えなくなります。彼自身「私のパンチは出どころが分からない。わかっても見えない」と言っている通りです。反応の速さも図抜け、おそらく非常に高いレベルの動態視力を持ち合わせているでしょう。

ドネアの能力が如何なく発揮された試合の一つにシドレンコ戦があります。前世界王者でディフェンスの良いシドレンコをドネアは初回から滅多打ちにしました。シドレンコにとってドネアがあれほど速く強いとは予想外だったでしょう。普通に察知して反応するのでは全く間に合わず、反応時間を意図的に早めなければなりませんでした。それでも自身のパンチへの返しを被弾すること再三。それほどドネアは速く、強い。

西岡としては、こういうドネアの能力は予め織り込み済みで、結果彼が導いたのは「判定はない」。ドネアにまとも相対したらペースを握られ中盤までに戦闘不能になる。これではKOを免れるのが関の山で、勝利の可能性は完全に0になる。しかし同時に「KOするしかない」。これは「KOしか勝機がない」であり「KOであれば勝てる」でもあります。

被弾回避にプライオリティが(前半)置かれたのは、KOを免れるためでなく、KOを狙うためです。それは自身の能力がドネアに大きく劣るという現実を受け入れた上でのことです。弱者の戦いを選択することで、彼は自身のボクシング技術がドネアの能力を超えることを示し、そのことによって「ボクシングを極め」ようとしました。

彼はプラン通りに戦いました。反応を早めて被弾=ダメージ蓄積を防ぎ、そうする中でドネアを測り、自身のパンチを当てるタイミングを模索し、同時にドネアの消耗を期待しました。(もちろんそれはうまくいきませんでしたが。)攻撃に結びつかないデフェンスはボクシングの判定では評価されませんが、試合全体を見た時、彼のディフェンスは攻撃に結びついていたと思います。場内からブーイングがありましたが、両者に緊張感がなければ、あんなものでは済まなかったでしょう。二人は自分たちの戦いに集中していました。

西岡にとって想定外だったのは、9Rにドネアの右で2度目のダウンを奪われることだけだったのではないでしょうか。

それにしても最後まで西岡はKOを求めました。ドネアを倒しにいきました。そのことゆえに私は西岡の戦いを高く評価します。

アラムはこの試合を「superb壮麗な」と評しました。プロモーターの自賛ですが、私は外してはいないと思います。「久方の光のどけき春の日にしづ心なく花の散るらむ」(紀友則)。散ることは花の命の終わりを意味しますが、そこにあるのは命の儚さではなく十分に咲いたことの充溢感と散る姿の華やかさ、つまり「壮麗」なものです。

真実の瞬間を見た。そして真実は時として苦い。しかし、それを見せてくれた二人のボクサーにありがとうとお疲れ様を言いたいです。真実の瞬間を見ること、私にとっては「これこそボクシング」なのです。

※ ドネアvsシドレンコ 1・2R
http://www.youtube.com/watch?v=rLpPWdotgRE

P.S.
 オルフェーヴルさん、コメントありがとうございます。これからも宜しくお願い致します。
2012.10.16 00:49 | URL | #Twj7/TDM [edit]
says... "いやまじでさんに感謝します。"
真実の瞬間を見る事とは、ファンにとってまさに!!であります。
代弁して頂きました。
2012.10.16 19:47 | URL | #65fpICiI [edit]
ななし。 says... ""
なるほど、と納得させられました。唯一、私が?をつけると
すれば、西岡はドネアより戦力が劣っていると自覚していたか、
どうか。弱者の選択だったか、どうか、の点です。マルケス戦しかりで、
5回まではポイントを許しても、相手のスタミナも含めた
戦力を考え、6回からはポイントも挽回するつもり
だったのではないか、と私は思います。だから、6回の
ダウンもやはり余分だったし、想定外ではないかな、と。
あれで、ポイント勝ちは実質、なくなりましたから。
そこからは、「KOしかない」でいいのですが。

まあ、真実は戦っている、その場の西岡選手の胸の
中にしかありませんが。会見で、本当のことをいうとは
限りませんし、あと付けで考えたことに自分がはまる
(そうだと思い込む)ことも選手には、あると思います。
いいように考えたいのが人間ですから。

なんか、とりとめもなく長くなってしまいました。
すみません。
2012.10.17 11:42 | URL | #/OUezYRM [edit]
いやまじで says... ""
>6回からはポイントも挽回するつもり /だったのではないか

なるほどその通りですね。
戦前に西岡も「判定でもKOでも、必ず勝ちます」とコメントしていますから、
「KOしかない」は矛盾しますね。
前言撤回です(苦笑

でもこういうコメントは本当にありがたいです。
ご指摘ありがとうございます。
2012.10.17 13:33 | URL | #Twj7/TDM [edit]
B.B says... "1Rの攻防"
選手の心理を想像するのもファンの楽しみの一つでありますね。

比国向け衛星中継の映像が届きまして、ヒントがあるかと思い紹介したいと思います。

まず、試合直前の西岡選手の評価は比国でも非常に高かったようです。
比国のスポーツアナリストはこの試合をこう評価しました。
「歴戦の中で培われた強い心、ゴンザレスを打倒した強打、マルケスを打ち破ったスピードと経験を持つスピードキング・ニシオカとのこの試合はドナイレにとって122ポンドでの最強を決めるものとなるでしょう」
ノニト自身も「スピードと強い拳を持っているニシオカはデンジャラス」と警戒感を吐露しています。

僕はこの試合1Rの攻防がとても興味深く思われました。特に攻撃に繋げるものではなく、右ガードを高く上げてノニトの左フックを、左ガードは顎の前で右ストレートと右アッパーに対処する構えで前に前に出る西岡選手のプランにどのような意味があるのかを見ていました。
右リードで距離を測り左のタイミングを確かめながら中盤の攻防へつなげて来たこれまでのスタイルとは明らかに違っていたからです。
ノニトもこの日のあからさまな西岡のスタイルに戸惑いを見せたようにも見えました。
これは面白い!強引に距離を詰め左一発を狙うものなのか、それとも左ガードに甘さを見せるノニトに対し右フックを合わせるつもりなのか?両者様々な試行錯誤を早くもこの1Rに見せたように感じました。
3Rには手数の多いノニトの背中に早くも汗が光ります。
西岡の狙いがノニトのスタミナが落ちる中盤以降にある事は既に解りましたので、ガードの上を散々打たせ体の消耗を待つ作戦に期待も膨らみました。
しかし、2R、3Rと回を重ねる内にこの日のノニトの怖いパンチはアッパーだと僕は感じました。
西岡が右ガードを固めて重心を低くする為に、ノニトが左に体の角度を変えると、左アッパーが死角になっているはずと思えたのです。

この試合WOWOWの中継では記憶にありませんでしたが、比国版では1R終了後のインターバルの西岡とセコンドのとても興味深い音声が拾われています。

西岡「左はまだ出さない。右ストレート伸ばしたら左アッパー合わせて来た」
田中「ちょっと慎重に行こう」
西岡「右出したいんやけど右も合わせて来る」
田中「それを慎重に見極めるんだ」
西岡「うがい!うがい!」
ノニトの反応の速さにやや浮足立っているのか、早くもセコンドに余裕の無さが漂っています。

西岡選手はその後、果敢に右リードからの攻撃を見せ活路を開こうとします。
しかし、ノニトは全てを予測し丁寧に迎え討ちました。

ノニトは全てにおいて西岡を上回った事は結果から見て納得できるものでしたが、1Rの攻防ですでに西岡の攻撃パターンを封じ、そして何が決め手になるか、やはり感じていた事と思われます。
予感は6Rに的中してしまいました。左アッパーの死角は右ストレートでけん制し左ボディを叩いて強引にノニトが作り出したものです。これで西岡のゲームプランは完全に崩れ、ノニトはその後のどのような反撃にも対処が出来ると確信した事でしょう。

努力の天才、西岡選手は本物の天才に負けました。
「これが最後」という最高の舞台で、これほど見事に散る事が出来た西岡選手はボクサーとして幸福だと思います。
2012.10.17 19:02 | URL | #65fpICiI [edit]
オルフェーヴル says... ""
いやまじでさん、よろしくです。

自分はドネアの左フックとアッパーは同じようにナチュラルだと思って見てました。マゼブラ戦かな。拙攻続きましたが、倒したパンチは異彩放っていたと思います。普通はジャブ・フック・アッパーと分けて考えた上で、同じ初動から軌道を変化させるとしますが、そういう意味ではなく。同じ感覚で打っている印象です。

今回で変わったと思ったのは「4・5発打つ練習をしている」というものです。これまでは3までの強打が多かったと思うんですよね。打ち合いでも技術戦でも対応できるようにしているとのことでしたが、技術戦=スピード重視で5連打ということだったのではないかと。ドネアは左拳を怪我していたそうで、西岡の右ガードに加え、技術戦となったのは、ドネアに運が味方したと思います。6ラウンドだったか、何秒か打ち合いになりましたが「あれ、意外といけるな」と…振り返ってみればですが。

KO勝負ですがプラン見たら、自分もそんな感じしました。ただ、最終ラウンドは、下準備(もしくは布石)しないまま、とにかく勝負ということになってしまいましたね。ドネアの効いたふり云々ではなく、行くしかなかった。ああいう状況では癖(得意パターン)が出やすくなるし、そこを狙われた印象です。長丁場のプランは練ってきたと思いますが、短時間で挽回する為のプランは足りなかったのかも。

「弱者の選択」ですが、西岡は2ラウンドのアッパーで?右目がゆがんで見えたそうで、その影響あったと思います。序盤は、距離とブロックでドネアの連打を見極めたシーンありましたが、いつの間にか、愚直にジリジリと前進という印象に変わってました。特に西岡の場合、左を打つときに両目で照準を合わせる感じ(パッキャオの若い時もそう)あると思います。中盤、真っ直ぐ打てば当たるところを、巻き込むように打っていて「あれ?」と思ったのですが、今になって振り返れば、戦術ではなくて、見えにくかったのではないかと。西岡が左を打ってバッティン
グになったシーンでは、ドネア研究してるなと思いました。
2012.10.20 01:45 | URL | #LQFiFnTI [edit]
オルフェーヴル says... ""
↑と書いたのですが左アッパー。B.Bさんのコメント本格的で面白いです。「なんも言えねえ」。

素人なりに、両者のキャリアを見てきて足し算とか引き算とかすると、やっぱ試合の鍵を握るのはジャブだろう。つまり不利かもしれない(けどなんとかしてくれるだろう)、と思っていましたが、ジャブ出せませんでしたね。右フックはいつ出すのかどうやって打開するのかと思っていましたが、うろ覚えでは、一度もなかったような?「右出したいんやけど右も合わせて来る」 という気持ちは見てて伝わってきました。

戦前は、会場の雰囲気(とにかく打ち合えという観客がいるだろうと想像していた)から、プラン遂行できるかなと思っていたのは杞憂でしたが、それ以前に、想定が甘かったかも。そこを上回られたら、肌を合わせてのプラン調整(もしくは大胆な発想)といっても、なかなか難しそうです。

B.Bさんのコメントを読むと「努力の天才、西岡選手は本物の天才に負けました。」ということが、よくわかる気します。本当に強い選手が、もっと強い選手に負けたんだなと。しかしボクシングって、奥深いですね。結構怖いもの知らずで書いてるので、その点はお許し願いたいですけど。こんなにも面白いものかと思いました。まだまだヒヨコだ。
2012.10.20 01:48 | URL | #UWuVtoWA [edit]
B.B says... ""
オルフェーヴルさん、どうもです。
いや、こうしてそれぞれ持ち寄った視点や選手への想いなどを語って頂ける事は、僕らとしても又ボクシングファンとして幸せな事であり楽しみであります。
実際この試合の中継はブログの仲間や読者さんらと観たわけですが、それぞれの視点がとても面白い。時には「それは違う!」「いや、やはりこうだ!」「あーそっちだったかぁ!」なんてワイワイやるわけなんですが、これがまた、まさにボクシング観戦で「怖いもの知らず」が実はすこぶる楽しいわけです。もはやこれは観戦への諦観でありますな(笑
どうぞ、これからもご一緒に(ネットを介してですが)ボクシング観戦してくださいませ。

ところで西岡のジャブについては(彼はストレートと表現してましたが)僕もカギを握るものと考えてました。序盤はたしかに何度かノニトの顔面を捕えたシーンもあったと思いますが続きませんでしたねぇ。当たらずとも、もう少しジャブからの踏ん張りは見たかった。僕らの中でも試合前の準備、プランニングから既に敗因があったという分析がありました。
たしかに入場時もいくぶん表情は硬かった。

それをボクシングなんてまるで解ろうともしないウチのかみさんは一言。

「パキャオもそうだけど、みんなノニトの名前が恐いだけでしょ」

これはファンとしては実に悔しい言葉なんですけども
「ムム、当たらずとも遠からずか・・?」(笑

2012.10.20 16:47 | URL | #65fpICiI [edit]
オルフェーヴル says... ""
>西岡とセコンドのとても興味深い音声
>パキャオもそうだけど、みんなノニトの名前が恐いだけでしょ

ちょっと思ったのですが、こういう風には考えられませんか?ビッグマッチを気遣い、意識的に落ち着いて話をしようとする田中トレーナーと、いつも通りのテンポ(うがいしながら話す)で考えている主役の西岡がいただけ。

わかりやすく例えると、夫婦喧嘩は他人にわからないし、大阪人の会話は傍目に喧嘩だということ。ファンは、'西岡陣営’の会話の流れとして見るから「余裕の無さ」と捉えやすく。試合終わって、ドネア強しというこちら側の感情の投影が、バイアスとなってる可能性あるかもしれないなと思いました。

結構細かいことですが、(実際の現場がどうだったかは脇に置いて)、こういうことは日常的に良くあるにも関わらず、人間意識しないとスルーしてしまう類の話なので、一応書いておこうかなと思いました。

ドネアには、過去に組織的なドーピングをしていたコーチ?がついているそうですし、礼儀作法を重視する侍というよりは、クレバーにギリギリのところまで狙う宮本武蔵のイメージが近いかもしれませんね。
2012.10.24 00:11 | URL | #CLk.BRHg [edit]
B.B says... ""
>こちら側の感情の投影が、バイアスとなってる可能性あるかもしれないなと思いました。

実はこの比国版の映像はブログにアップしたかったのですが、そのスキルが僕に無くて断念した所でした。
これを見て頂いた方がどう感じるか、そのご意見を聞きたかったのです。
コメント欄では自分の感じたままを書きましたが、仰る通り試合前の予想などからバイアスがかかっている事は否定しません。
その上でファンの議論になれば面白いなと思いました。

>パキャオもそうだけど、みんなノニトの名前が恐いだけでしょ

女房の無責任な発言ですけど、これはねぇ痛いところです・・(笑
これは日本人に対する完全なバイアスです(苦笑
試合が終わって心残りなど無いと書きましたが、あるとすれば・・
たらればですけど、もし西岡選手がもっと若くて先を見てて、あるいは何にも考えないで「いったるわ!」となったら、もしかしたらとも思える部分でありまして、それだけの武器を西岡選手は持っていると考えてました。
しかし結果がすべてのリングですからね。
強い西岡に正当に勝ったノニトが更に強いという当たり前の評価。
偏った見方も延々と続く「ボクシングの強者」の系譜を綴る場面では、意味をなさないですね。
2012.10.24 10:43 | URL | #65fpICiI [edit]
オルフェーヴル says... ""
>これを見て頂いた方がどう感じるか、そのご意見を聞きたかったのです。

自分も「ビデオ見てなくて実際のところはわからないんだけど」と思いつつコメントしました。田中トレーナーの指示は「それを慎重に見極めるんだ」 と一見、具体的ではありませんが、序盤ディフェンスは機能していたと思います。

ただ(それと同時に)踏み込んだ感想を言うと「西岡が一点の曇りもなく試合に臨み戦ったというのは嘘偽りない言葉だろうし、帝拳代表の浜田さんが練習をずっと見てきてこれで負けたら仕方ないというのは正しいと思うし実際そうなんだろうけど。セコンドや各種コーチには、西岡に恥をかかせたのは自分たち(の責任)だということをずっと忘れないでいて欲しい」と思っています。

>パキャオもそうだけど、みんなノニトの名前が恐いだけでしょ
パッキャオやドネアに関しては、人間にも限界があるということを忘れている人いるんじゃないかと思うことあります。言い換えれば、強すぎてどれぐらい強いかわからないということでしょうけど。ドネアvs西岡は、10000vs9500を、1000vs500(2倍)ぐらいで捉えてしまう人いそうです。ドネアをはじめて倒すのは、できれば日本人であって欲しいなと思っています。

話変わりますが。宮本武蔵の五輪書は、レスリングで金メダルとった米満選手も愛読書だそうです。読み方に工夫は要りますが、結構示唆に富んでてヒントも多く、ボクシングにも使えるんじゃないかと思います。http://www.geocities.jp/themusasi2g/gorin/g00c.html
2012.10.27 02:04 | URL | #TgiU0LEg [edit]
シジミを品種改良して大きくしたい(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
オートバイレーサーの片山敬済も五輪書に傾倒し二輪書っていうのをやってましたな。五輪書は武蔵が実戦をやめた最晩年の仕事で箔付けとして書いてるから評価できないと言う立場の剣道家が多いと言う話を聞いたことがあります。待ち伏せ奇襲や子供を真っ先に殺して相手を引かせたり、わざと遅刻したりと「何でもあり」で勝ってきた彼が振り返る理論としては「余りに精神主義すぎへん?」というツッコミであります。活字なるとドグマになってそこからまた新たなパワーが派生する。それは聖書やコーランや法華経なんかと同じだと思います。言霊とも言えるかも
2012.10.27 23:29 | URL | #- [edit]
オルフェーヴル says... ""
自分はこれまで、吉川英治と井上雄彦の武蔵像しか知らなくて、五輪書を読んだのは最近です。ドネアは、三船武蔵からインスピレーションを得たとか。まだザックリと一度目を通しただけですが、思ったより面白かったです。そこには秘密の暴露ならぬ、真実の暴露があり、個人的には信用するに足るものだと判断しました。

興味を引いたところは何箇所かあって、1つにスピードの概念。タイミングが合わないから、速い遅いが産まれるのだというところ。'奥義'なんてものはない、というところも気に入りました(原文と解説が混ざってますが)。自分は剣豪ではないし、そのままというわけではありませんが、書いていることに、わかるところがありました。方程式に代入したり、式を変形しながら当てはめる感じです。

実戦の最中は深く考えることもなく、やっていたとあって、その後自分の至らぬところにも気づき、そうする内にまとまったものを、ありのままに書くことにしたそうです。ボクサーが「引退してから見えてくるものがある」と話すのと同じではないかと。また「あれは何だったんだろう」という気持ちもあったのではないかと想像します。一説に、暴力主義の書(を時代の変わり目に書いたもの)とありましたが、生々しさはないですよね。五輪書では、これを自分で「発見」するように精進されたしとあって、それが肝ではないかと思います(読み方に工夫がいる)。

精神主義は沢庵和尚の影響でしょうか?自分は、万事にも通ずるような純化(抽象化)という風に見ました。そうはいっても、これは物語(武蔵の人生)に裏打ちされたものであり、実戦を離れてからの研鑽(これも武蔵でしょう)や、時代背景の影響があると思います。動物的本能だけ書けば、もっと大衆的に受けた(恐ろしさという意味でも)でしょうけど、知性の働きがあったからこそ、現代人にも受け入れられる書になっているのだと思います(スポーツにはルールがある)。
2012.10.29 23:40 | URL | #TgiU0LEg [edit]
オルフェーヴル says... ""
話を戻して西岡。先の話では他に、セコンドの音声がマイクで拾われている状況で、どのように話すのがベストなんだろう?とか。もし、そこまで気にしないといけない状況なら(つまり諜報活動)、集音を禁止した方がいいのではないか?ということも考えたりしました。

また「結果がすべて」というところで、「言い訳になるから」という言葉を良く聞きますが、ファンに対してはともかく(日本のファンに美学のようなものがあるのは理解できる)、敗因に繋がったものは、ありのままに伝えなければ、技術の進歩(や心構え)が世界から遅れるのではないか?と思っています。敗因=負けた理由、間違った理由=感情的な言い訳であって、敗因=言い訳とするのは違うということです。

試合後のリングで西岡が「ドネアのパンチが強いとは思わなかった」と言ったのは、(もしそれが観客の期待する答えと違ったとしても)、嘘偽りない言葉だと思うし、そういう姿勢であるからこそ、敗因が探れるのだと思います。なにもかも含めて、財産なので、西岡陣営は一つ残らず、骨までしゃぶるつもりで、しっかりと検証して欲しいです。セコンドに関しても、本当にやることは全てやったのか?というところまで、踏み込んで欲しい(個人的に思っているのは、セコンドがボクサーと同じ目線ではいけないということ)。

にしても、西岡vsドネアって、贅沢なひと時なんだなあと思っています。改めて、この試合を実現させ関わった全ての人に感謝。
2012.10.29 23:42 | URL | #WMHXR4AY [edit]
いやまじで says... ""
>集音を禁止した方がいいのではないか?

内山は三浦との防衛戦で試合中に脱臼していたそうですが、「テレビで生中継しているので、コーナーにもどってもセコンドにけがをしたことを明かせませんでした。音声がをマイクが拾えば相手陣営にけがのことを知られてしまいます。…」(2012年2月4日朝日新聞土曜版)ということがあったそうです。現状では多少なりとも集音を意識せざるをえないようですね。実際にはセコンド情報は実況で流されることが多いので、集音自体を禁止することにそれほど意味があるとは思えないですが、諜報活動が過ぎるのは興醒めで、考えなければならない面はあるでしょう。ただボクシングの試合をテレビメディアのコンテンツとしてでなく、ボクシングという競技の資料として考えた場合、ああいう映像なり音声は価値があると思うので残してほしいと思いますね。(変なトコを打てと指示してバレた例もありますが、ああいう資料も年月が経っていろんな意味を持つようになると思います。)

ドネアvs西岡戦が「財産」であり徹底「検証」をというのは全く同感で、できればそれを公開してほしいですね。(特に「検証」については「客観的」に。)前半の戦い方に異論の出るケースが多いようですが、スピード・パワーに勝るドネアに対して、「ボクシングを極める」ことをテーマに戦ってきた西岡としては、あの戦い方は必然だと思うし、その上で、(敗因とともに)勝つには何が必要だったのかということも論じてほしいと思います。西岡サイドはこれまでの自分の武器に磨きをかけることに徹したようですが、ドネアは武器を増やしてきた。ジョーさんがエキマの中でチラリと言っていたのですが、「西岡の左とドネアの左、…あるいは、それ以外の要素で決まるのか…」。武器を増やすとか引き出しを増やすとかいうことについての発想が日本のボクシングではどうなのか。そういうことを考えることは、まさに今後の日本のボクシング全体に関わることのように思います。
2012.10.30 10:52 | URL | #Twj7/TDM [edit]
オルフェーヴル says... ""
集音禁止は、選択肢として頭に浮かんだという感じです。見てる方としてはセコンド情報嬉しいですが、やってる方は負担あるだろうなと。内山脱臼してたんですか、知らなかった。検証の兼ね合いで言えば、「脱臼したけど勝った」ではなく「脱臼したら人間誰しも不具合でるはずだけど、それにも関わらず勝てたのはどうしてか?」ということを詰める作業になりますね。誰か名ボクサーが「負けたことがない選手は弱い」と言ったそうですが、何かあってはじめて気づくのが普通なので、そういう意味では、勝った時より負けた時の方が課題見つかりやすいかも。

客観的ということ関しては、現状、科学的手法は難しいので、たくさんの主観が必要になると思います(リング外の識者と、リング内のボクサー)。ボクシングで客観的と言えるのはスタッツですが、解釈の幅が広くて、試合の流れと照らし合わせる必要ありますし、まだまだ未開拓だと思います。モーションキャプチャーとかつけて戦ったら、もっとショーアップできるかも。

いやまじでさんが仰るような形で、西岡陣営が今回の試合を完全に総括するには、時間かかるんじゃないでしょうか?おそらくかなりの労力かかるので、一般公開まではしなくて良いと思います。そこはやはり、まず第一に、一番頑張った西岡陣営の財産ではないかと。海外進出して頑張って行きたいというボクシングジムが他にも出てきたら、情報を共有していくというのがベストだと思います。野球のサイバーメトリクスや、バレーボールみたいな、分析ソフトがあればいいんですけど。ただ、一般ファンやマスメディアと、プロの視野視点の差が大きい競技なので、そういう意味では、地道に埋めていって欲しいと思っています。

>あの戦い方は必然だと思うし
西岡はこれまでのドネアの戦い(データ的なもの)から、序盤の作戦を決めたみたいですが、そこで一山作っておくというのは、どちらかというと主観(勝負勘)の要素が大きいかもしれませんね。練習は、左ストレート以外もあったのではないかと想像しているのですが(根拠なし)、ドネアはそれを出す機会を与えてくれなかった印象です。どうしたら良かったか自分にはわからないので、ネット徘徊して、なるほどなあとか思ってます(笑)。
2012.11.02 00:02 | URL | #TgiU0LEg [edit]
いやまじで says... ""
>どうしたら良かったか

私は西岡がドネアを対策を立てる際に最も重視したのはモンティエル戦ではないかと考えています。あの左一閃で勝負が終わることだけはまず避けなければならない。だからあの右ガードが何よりも重要だった。モンティエルはパンチは相当強いですから、ドネアも最大限警戒したと思うし、殺られる前に殺るみたいない戦い方でしたから、あれを見ると西岡としてはやはり左を警戒せざるをえない。その上でどうドネアに左を当てるか。

少なくとも序盤にドネアの左を警戒し過ぎではないかという批評は私には意味のないものに思えます。警戒を緩めればKOラウンドが早まっただけだと。ドネアが左拳を傷めていた件については問題外です。(基本私にとって西岡は最善の道を選んで敗れたので、彼がどうしていたら勝てたのかという観点では考えていないのです。)

どうしたら良かったか、ということについて、事前に作戦を立てる段階と、試合が始まってからの段階と、ちがいがあると思います。試合前について言えば、西岡はこれまでの武器をどう使うかに腐心して新しい武器を開発をしなかった(ように見える)。このこと自体は西岡の作り上げてきたボクシングのバランスが崩れる心配をしたかもしれない、右ガードをあれだけ上げるというところですでにバランスは崩れているわけですから。そういう意味で、従来のもので勝負する策は理解できる。ただし、今後のことを考えた場合、たとえば西岡がもう5歳若かったら、アキレス腱が切れていなかったら、あるいは別の選手だったらどうすることができたか、そういった観点から考えることは後進のために必要ではないかと思います。

また、ドネアがどういう戦いをしてくるかについて、ドネアが新しい武器を用意して闘ってくることは想定していたのか。また、その場合どう対処しようと考えていたのか、そのあたりも検証すべきと思います。これは試合開始後のことも含めてになりますが、想定していなかった状況に対してどのように対応すべきだったのか。1R後のインターバルのセコンドとのやりとりに関してBBさんと話題にされていましたが、具体的な方策が出ていなかったことは確かかなと思います。もう少し考えておくべきことはなかったか。そのあたり日本のボクシング(この物いいは危険ですが)は弱いのではないか。

よく勝負にイフは無用だといいますが、これは弊害のある言葉だと私は思っています。たしかに終わった勝負について言ってもしようがない仮定をして語ってもしかたがない。しかしいろいろなケースを想定してシミュレーションすることは将来のために役に立つ。それ以外にもイフは有益な面も少なくないと思います。

女子柔道のヤワラちゃんは、3度目の金を狙う時期だったか「これまでは試合前に対戦相手との試合展開を100通りイメージした上で試合に臨んだ。しかし今は研究されているので200通りの展開をイメージして試合に臨んでいる」とコメントしたことがあります。ここまで行く選手は稀有でしょうが、戦略家であることも実力の一部であることを考えると、ファンとしてはそこも楽しみたいというのが本音なのです。
2012.11.03 01:22 | URL | #Twj7/TDM [edit]
オルフェーヴル says... ""
モンティエル戦のパンチは、ドネアもキャリアベストだと言ってましたね。テクニカルなロングフックで、そう簡単に出せるものではないと思います。モンティエルが中途半端に捨てパンチ打ったのも倒せた理由の一つ。もしあのロングフックがなかったとしても、有効に機能しなかったと思います。攻撃の糸口が掴めないまま、安易に攻めにいったのが敗因でしょう。

ただ、相対した時の左フックはナチュラルなところが恐いもののそこまで強くはない。最善策はロジックで相殺すること。そこをどう組むかに注目していました。大切になってくるのがジャブですが、ドネアは速くて正確なジャブも持っているので、大変だろうなと。右ガードに気をつけるのは当然ですが、あそこまで固定するとは思ってませんでした。端的に言えば、B.B.さんの感想に近いです。

ドネアが左拳を痛めていた件ですが、ヒントは6ラウンドにあったのではないでしょうか。勝負勘ということの言わんとすることです。どちらかというと、肌を合わせてわかる情報でしょうけど、その時西岡はややエキサイトしていたので、発想の転換(打ち合い)をするならセコンドだと思います。

これまでドネアは3までの強打が多かったと書きましたが、正確に言うと、自分にはドネアが4以上の強連打をしたのを見た記憶ありません。しかし今回は初回からスピード重視で5コンビ。ドネアにとってあの6ラウンドは、3強打で打ち合うのはリスキーで、5コンビを継続選択したということだと思います。

データや経験から、長期戦略をたてたのだと思いますが、スピード重視で来られたところに、想定外のところがあったのではないでしょうか。「スピードが大きく違った」「パンチが強いとは思わなかった」という西岡のコメントとも矛盾しません。人間誰しも癖や傾向がありますが、試行回数が少ないデータに信憑性がないのは数学的な常識。肌を合わせて、大胆に発想を変える可能性があることは頭に入れておくべきでしょう。

西岡陣営のプランが1つだったとは思いませんが(常識的に何パターンかあるはず)、最終ラウンドの攻め方は、なんというか初めて会った選手と戦う感じで、短期的戦略を深く練っていたのかどうか?疑問を感じました。どうしたら良かったかということに結論は出せませんが、ネット彷徨った中では、さうぽんさんという方の考えを読んで「なるほどなあ」と思っています。
2012.11.04 01:16 | URL | #xLAKu0Mw [edit]
オルフェーヴル says... ""
上のコメントは、端的に言うと「ドネアが左拳を傷めていた件については問題外」ではないということを書きました。↓は、天才が遺したものに挑んだ、俊才の苦闘を紹介したものです。

「球に2分立ち寄った宇宙人がヘビとフンコロガシに出会い、この2種類から地球の生物の全体像を想像するようなもの」http://gen68.blog12.fc2.com/blog-entry-441.html

手がかりが1つしかなかったら、どうしようもないけど、2つあったからなんとかなった、3つもヒントがあったら幸せだ…ということだと思います。ヒントが出揃ったと思ったら、倒れてた(KOが答え)というのでは困るので、瞬間的な判断を、少ないヒントから答えを導き出さないといけないでしょうし、勝負事ってIQとかじゃなくて人間力だと思います。

こういうこと書くのは、個人的に抱えていることがあって、多岐に渡って考えるようになって、副産物もたくさんあったけど、根本的には全然足りない状況があるからですが。それはともかく、勝負の世界に生きている人には、あきらめて欲しくないという気持ちあります。何回か死にそうになった経験あるからかもしれませんが、思ってることそのまま言うと、(関係者にとっては)「ドネアが左拳を傷めていた件については問題内」の話だとなってしまいます。

ドキュメントでやってましたが、6ラウンド西岡は「行こう!」と思ったそうですね。ぶっちゃけた話、サラブレッドに例えると(知らない人ごめんなさい)、今回はルドルフが凱旋門賞かBCに挑んだようなものだと思います。近年では西岡が実績一番だは思ってますが。戦略戦術は、人数分(ボクサー・セコンド)アイデア欲しかったし左フック対策は十分ではなかった気がします。セコンドは試合をテレビの前で見てるわけではないし。

2度目のダウンして、自分がファンになった頃なら「ここからが勝負やのに」と思ったでしょうけど、本田会長がストップかけたのは正解ですね。どちらかというと自分の対極にいる、常識的な人だと思ってますが、何かと目の敵にされてる様子で。プロモーターとして優秀で殿堂入り、マネージャーとして他のどのジムよりもボクサーの権利を守っていて、世界戦の価格設定は比べたらわかるし、世界レベルというものもジャーナリストレベルじゃなく把握してるし、情もあればこそ西岡は4度チャンスをもらってそれに応えた。我がのジムを振り返らない関係者とは違うと思うんですが。

ダルビッシュが米国に行って完封にこだわらなくなったように、ボクシングがスマートなスポーツになっていくのもありだと思うな。その上で、想像を超える選手が日本から出てきて欲しい。井上尚弥はどうなんでしょうね?
2012.11.13 07:08 | URL | #TgiU0LEg [edit]
B.B says... ""
オルフェーヴルさん、様々な角度から見ていらっしゃるんですね。
ぶっちゃけ自分には無い物で本当に勉強になります。
ブログという形が出来て良かったなと思う瞬間です。

本田会長評は概ね僕も感じているところです。
歴史の中で育ちながら既存の業界人とは精神的に一線を画す部分がありますね。
語弊があるかも知れませんが仰る通り業界の中でも「常識の人」という印象です。
西岡戦について(試合内容ではない部分)の同業者からの批判は聞こえてきます。
面と向かって言えないのはそこに確固たる力(道理)があるからと思います。

井上選手は逸材である事に間違いないと思います。が、チョット騒がれ過ぎかなと。
「百年に一人」「怪物」とかは具志堅さんの時代からありますが、これはまぁ売り出しのキャッチ程度で受け止めて良いかな、と(笑
2012.11.13 17:43 | URL | #65fpICiI [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://boxing2012.blog.fc2.com/tb.php/112-090ce567