HARD BLOW !

コウジ有澤in西麻布・・part2

さてさて前回、西麻布「まぐろや」のご紹介をさせて頂きましたが、昨晩はウチ猫記者ほかHARD BLOW!読者の方々と再び「まぐろや」におじゃまして、「青鹿毛」呷りながらコウジ有澤さんとのボクシング談義に花を咲かせて参りました。
早速コウジ有澤さんの現役時代の興味深いお話しを紹介したい、とその前にやっぱりお店の話しから。
スイマセン、旨いんですよホントにここ(笑
「梅さん!いつものお漬け物を・・」「へい!いつもの!」とお出しいただいたのがとっておきの、かぼちゃに大根、山芋、茗荷、トマトの盛り合わせ。
もうすべての一つ々に心配りがされていて、これだけでお酒がすすむこと、すすむこと(笑

看板のまぐろのいいところや黒鯛、それに自慢の穴子の白焼きは某タレントさんがこれだけを目当てに来店されるとか。ちょっと普通のお店では頂けない贅沢な逸品が今日も惜しげもなく・・でした。
気になる4名様のお会計は〆て大ペソ2枚にまたビックリ!西麻布あたりにご用の際は是非お立ち寄りくださいませ。(要予約らしい)


DSC_0091_convert_20120907234025.jpg

思えばコウジさんとの出会いは僕がサラリーマン時代でしたが、もう何年になりますかね。

「僕が古城さんの持つ日本タイトルに挑戦する前でしたから24歳の時ですね」

そうだ古城賢一郎さんは不思議なボクサーで負けは込んでいたものの老獪でねぇ。当時アマチュアから鳴り物入りでプロデビューして来た赤城武幸さんや東悟さんに黒星を付けている。僕は正直まだ早いかなと思ってました。あの独特なカバーリングはホントに厄介で・・それが僅か2Rで右当てて倒しちゃった(笑

「あの時は勢いもありましたけど、控室からリングに向かう途中はもう逃げ出したいほど恐くて、半分泣いてました。リングの中央で向かい合ってレフェリーの注意を聞いている時も古城さんはもの凄い目で睨むんですよ。あの風貌ですから、もう見ないように下向いてました(笑」

その後も何度かお会いしましたが、川崎タツキさんを紹介してくれたのもこの頃でしたね

「あの時はタツキが25歳でボクシングを始めようかという時期でまだ背中に刺青が入ってましたから良く覚えてます(笑」

そうでした。当時有澤ジムのトレーナーだった古川さんに街中でバッタリ会った事が、川崎タツキさんの大きな転機だったんですよね。その後コウジさんやカズさんらのアドバイスでボクシングに賭けてみようと。

「はい、あの時はB.Bさん、あの輪島功一さんだって25歳デビューでしたから、やる気さえあれば全然間に合いますよと言って下さったんです」

そうでしたか。けど、その後タツキさん後ろを振り返って僕に背中を見せた・・チョット言葉を失ったのは覚えてます(笑

「はい(笑)その後本人の努力も勿論ですが、周りの沢山の人が応援してくれて手術が出来て良かったです。それでも刺青消しても跡はどうしても残って、コミッションに何度も掛け合って、ようやくOK貰ってデビュー出来たんです。引退後も講演とか引っ張りだこで、今は足立区でジムをやってますけど有頂天になる事も無く頑張ってます。ほんとに根っからいい奴ですよ」

そういえば、僕の職場でテレビのロケがあった時もたまたまジムの皆さんで遊びに来られてました。それでディレクターに日本チャンピオンですよ、あの人って伝えたんですよ。たしかテレビ東京のクイズ番組でしたけど、あれは可笑しかった。

「はい、あの時は三日天下で有名な明智光秀の言った言葉、敵は○○にあり?という問題でしたが、ボクサーですし、わざとボケてという空気でしたから敵は我にあり!って答えたんです」

ボケても真っ直ぐなコウジさんらしい(笑

「はい、そしたら横に居たタツキが、敵はモハメド・アリ!って答えるんですよ。全部持ってかれました(大笑」

さてコウジさんの現役時代の話しをしましょう。ここで避けて通れないのはやはり畑山隆則さんとの究極の日本タイトルマッチです。

あれは畑山さんからのラブコールでした。崔との世界戦を惜しい引き分けで挑戦失敗した直後でしたが、仕切り直しに僕を指名して来たんです。僕も18連勝で勢いがありましたし、Jrライト級(当時)では国内トップの自覚はありました。でも畑山さんは世界王者と五分以上の試合をしたばかりで無敗の勢いだけでなく、駆け引きなどでも大きく成長してたと思います。僕にはまだまだ学ばなければならない事がありましたが、オファーがあれば断る理由がありません。負けたけど強い人とやって良かったです」

あの試合初回から右のボディーを狙って行きましたが作戦でしたか?

「畑山さんは足も体にもスピードがありましたから、動きを止めたいという事はありました。それと左のガードを下げさせて強い右を顔面に当てるという・・。ですが試合前から物凄い盛り上がり方で会場も世界戦で使うくらい広かったですしね、もう初回からガチガチでした」




「究極の日本タイトルマッチ」


それでも作戦通り中盤近くから得意の右が当たり始めましたね。

「畑山さんはいいのが当たって効いてるはずなのに、やっぱり気持ちが強いんです。勝てばお互いに世界ですからあの試合僕はその気持で負けたんだと思います」

仰る通り、試合後の控室で畑山さんは「コウジさんは世界王者の崔(チェ・ヨンス)より間違いなく強かったです。右もボディも強くて効いてました。だけど、この試合は僕の方が少しだけ世界に行きたいという気持ちが強かったのかも知れない」とプレスの前で言ったそうですね。

「それはリップサービスにしても嬉しいですね」

その後、再び福岡帝拳のホープ、パンサー柳田さんと同級王座を争い王座に復帰、平仲信敏さんとの激闘に続くわけですが・・

「平仲さんは拳が固くて僕が戦った中で一番パンチが強かったです。一見振り回すファイターに見えますがインファイトの細かいテクニックが凄いです。焦って出ようとすると突っ込んでくる僕の頭の位置を予測して、顎を引きながらおでこで待っているんです。序盤に眉間をカットしましたが見事にそのトラップにやられました」

それは傍から見てても判りませんね、実際に戦ってみないと解らないですね。しかしあの第二戦も火の出るような打ち合いでしたが制したのはコウジさんでした。

「やはり、畑山戦の経験が大きかったと思います。この試合も勝てば世界と言われてましたし、経験豊富な平仲さんに勝つ事が出来て更に自信が深まりました」




「コウジvs平仲Ⅱ」


僕は何度も言うけどコウジさんは華のあるリングの天才と思うんです。プロボクサーとしてまず外れの試合が無い。常にホールを満員にして、それを背に全力で相手を叩きのめそうと前に出る。自分が当てようとするパンチを決めたら、カウンターが飛んで来ようが躊躇しない。その瞬間はコウジさんの目が見開かれているからそれが手に取るように解るんです。それに一発当てたら間髪入れず必ず行きますよね、「見る」と言うもどかしさが無い。だから観客も熱狂する訳です。やっぱりそれは当たった時の拳の感触ですか?

「いや、いいパンチは感触がほとんどないですね。勘ですかね(笑」

その後ついに世界への道は開かれませんでしたが、そろそろアノ話しをして頂いてもいいですか?

「はい、オファーは確かにあったんです。ホエル・カサマヨルですね」

当時その話しを聞いた時僕はビックリしてしまって(笑

「それを聞いた時はいつものように(笑)恐さも勿論ありましたが、嬉しかったですよ、世界だぞ!と。僕の眠っている本当の闘志を呼び覚ましてくれるはずと思ってました」

これまでのあの闘志溢れる試合を経ても?

「はい、自分の中にまだ眠っている何かを感じてました。結局、条件の問題など(色々)あって実現しませんでしたが・・」

当時はやっぱり頂点にカサマヨルやフレイタスでしたし、世界一の男とやりたいという気持ちは良く判ります。それからずっと後になりますが、出演されたキラ星の舞台でボクシングファンのプロデューサーが粋な演出をしましたね。世界一強い男とのタイトルマッチで激戦を制したコウジ有沢がセコンドに肩車されるシーン。
僕は思わず泣いてしまった。

「いや、僕も演技とは忘れて感極まって号泣してました(笑」

それでは最近のボクシングについて何か一言お願いします。

「そうですね、色々あるんですけどボクサーですからリングの事を。最近、試合に負けたり不甲斐ない試合で終わった選手に見られる事なんですが、四方に手を合わせてすまなそうにお辞儀する選手が多いですね。あれとっても違和感があるんですよ。気持ちは解るんですけど、負けても自分はプロだという事を忘れて欲しくないんです。練習を目一杯やって来たんだったら、グローブでロープを思いっきり叩くくらいの悔しさを出さないと。ちゃんとボクシングを知っている人はやり切らなかった言い訳にしか見ません。謝るのは控室でいいんです。辰吉さんくらいのレベルだったらまぁ解りますけどね。それでもプロとしてはどうなのかな?と」

なるほど・・やり切って来られたコウジさんだから言えるプロの後輩たちへの助言ですね。
そういえば12月にオヤジファイト?でユウジ・ゴメスさんとガチンコ勝負らしいですが・・

「そうなんですよ、むこうもその気らしいんでやりますよガチンコで!(笑」

話しはまだまだ尽きませんが(笑)記憶に深く残るボクサー、コウジ有沢さんの貴重なお話を紹介させて頂ける事はファンとしても感無量です。長い時間本当にありがとうございました!!

byB.B

Comment

いやまじで says... ""
夜中に目が覚める名勝負2編ありがとうございます。技術攻防と気迫のぶつかり合いが素晴らしいですね。コウジ選手は体が強いのか姿勢が崩れることがない。だから負けた試合でもノーダメージに見える。動きがきれいである。良い試合が多く華があると言われる所以でしょうね。修練の賜物です。インタビューや普段を見ると温和ですが試合では激闘になる。いろんな意味で本能のファイターですね。そういうところは人として替え難い。リング上と同様現在も誠実に仕事をされているのだと思います。後進の指導も含め、これからもがんばってください。

PS
「青鹿毛」(宮崎)は25°ですがストレートで飲んでもピリっというアルコール感なく香り上品舌触り喉越しまろやかにして滑らか、後味清々しい。たしかに飲み過ぎの危険大の良酒ですね。
2012.09.08 01:44 | URL | #- [edit]
B.B says... ""
僕はボクシングに熱中し始めたのが大場政夫さんや柴田国明さんらが活躍されてた頃なんですが、その後具志堅用高さんの闘志に魅了されて完全にハマりました(笑
あの頃はホールも熱くてね、日本タイトルでもずっと夢中になって観てました。
好きなボクサーは大勢いますけど、その中でもとりわけコウジさんの試合は熱くて、誰のファンですか?と聞かれれば「コウジ有澤です」と答えます。
勝っても負けてもなんてのはファンの言い分でしょうが、それでも世界戦のリングに立つコウジさんの雄姿は見たかったですね。
2012.09.08 09:58 | URL | #65fpICiI [edit]
ベランダに鳩が愛の巣を・・・(旧徳山と長谷川が好きです) says... ""
板前さん強そうですね
古城さんはアマエリート食いを生きがいにしてるような個性的な選手でしたね。インタビューで趣味のパチンコについて「俺の腕はいいけど台が悪いから勝てない」と言ってておかしかったなあ。コワモテの選手減りましたね。パンチパーマは岩佐君に受け継がれてますが。タツキさんが戦ったクレイジーキムさんは熊本で名前が長いジムをされてますが、なんか会費が凄く安いんですよね。http://www.ncs-boxing.com/。外観がパチンコ屋丸出しでいい感じなんだよなあ。コワそうだったけど実は凄く優しくていい人なんだろうなあと。
2012.09.08 12:08 | URL | #- [edit]

Post comment

管理者にだけ表示を許可する

Trackback

trackbackURL:http://boxing2012.blog.fc2.com/tb.php/106-fd3ea0c8