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JBC亀田裁判控訴審 証人尋問傍聴記 PART7

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 上記のPART1~6までで、メモと記憶を頼りに6月3日に東京高裁で行われた尋問の様子を再現しましたが、今回はまとめとして、前提となる事実と、双方の主張の対立点を整理したいと思います。

 まず前提として絶対に忘れてはいけないのは、亀田大毅×リボリオ・ソリス戦のトラブルの発端は『ソリスの体重超過』であり、亀田大毅と亀田ジムは被害者だということです。

 元来、日本のボクシングファンは体重超過・計量失敗には殊更に潔癖といいますか、ルイス・ネリなんかはストーキングに近い状態で注目されて、負ければ『ザマ見ろ』とばかりに嘲笑されています。ネリに怒ってるようなボクシングファンや記者が体重超過を批判する場合に、『体重超過したほうが勝って称賛されるのはおかしい。計量失格の時点で負けにするべき』ということをよく言います。

 実はそうした考え方は、なんのことはないIBFルールの『王者が体重超過した選手と対戦する場合は、たとえ負けても王座は移動しない』という考え方と同じ思想に基づいており、筋論としては亀田大毅が負けても王座を保持するのは極めて公平で合理的なのです。

 それがこと亀田が絡むと、途端に頭から湯気吹かして「追放しろ!」みたいな短絡なことを言う単細胞が騒ぎだして、冷静な議論が出来なくなってしまう。ルールを元に思考するというスポーツの前提が分かってない原始人が、記者にもファンにも一杯いるわけです。

 もう一つ忘れられがちな事実は、JBC職員は大毅×ソリス戦以前から亀田兄弟に難癖をつけて嫌がらせをしていたということです。

 今回証人として出廷したJBC関西事務局のS氏は、、「亀田兄弟に『監禁・恫喝・暴行』されて、恐怖で足がすくんで動けなくなりました。怖かったので厳しい処分をしてください!」という旨の虚偽の被害体験を書いた文書を起案した当事者です。今回の尋問でも、既に別の裁判で捏造が認定されて当事者が違法行為を認めたにも関わらず、未だに『監禁・恫喝・暴行』があったことを前提にするような証言をしています。

 大毅×ソリス戦について、JBCは亀田側が非協力的であるように主張していますが、やってもいない悪事を捏造して陥れようとする組織と信頼関係を結ぶことは不可能だと思います。

 先日ネット上で公開された亀田興毅氏のドキュメンタリー番組では、ボクシング興行に関与するに当たってJBCの関西事務局に挨拶に行った興毅氏にS氏が職員として応対しているシーンが映し出されました。繰り返しになりますが、S氏は亀田氏をデッチあげで処分させようとした人物です。果たして選手の命がかかった試合管理をするに足る公平性や見識があるのでしょうか?

 亀田側とJBC側はルールミーティングの重要な事実関係で、主張が真っ向から対立しています

・TBSが雇った通訳のH氏は、IBFタイトルの扱いについて通訳をしたのか?
・IBF立会人のリンゼイ・タッカーは大毅が敗れた場合についてどのように言及したのか?
・契約書への署名はIBFルールへの同意になるのか?


という三点が、とりわけ重要になると思われます。重要なのは証言の信用性ですが、JBC側の証人S氏は確定判決が出ていて、尚且つ当事者が違法行為認めている事件について、捏造を認めませんでした。それが、JBCが組織としてとっている法廷戦術だということです。

 高裁判決が出ても、JBCの過去の訴訟対応から見て最高裁にいくことは確実と思われますが、終わりの時を引き延ばしたところで損害が大きくなるだけです。責任がある当事者が身を引くとともに、裁判で浪費した費用を弁済して和解するのが唯一の組織を守る道だと思います。

 ボクシング業界の方やボクシング記者の方はJBCが経営破綻する前に回避する道をどうか探ってください。私は知りません。

 もはや虚しい(旧徳山と長谷川が好きです)




 

 

JBC亀田裁判控訴審 証人尋問傍聴記 PART6

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 今回は、亀田大毅×リボリオ・ソリス戦が行われた当時のJBC事務局長だった、森田健氏の証人尋問をお送りします。

 尋問の冒頭、ご高齢(85歳)ですっかり耳も悪いと話した森田氏に、JBC側の弁護士が「あなたは経験豊富なレフェリーで三万試合もの実績があるのですか?」と尋ねると

 「そうです」と自信満々で答えます。森田氏は最近マスコミにコメントを出すときも、この『三万試合』をよく使うのですが、森田氏がレフェリーを勤められたのは約40年間なので、もし仮にその40年間に三万試合を裁こうと思えば、平均すると年間750試合になります。マスコミやファンなどを相手に、面白おかしく経験談を伝える際に『三万試合』というような実績を誇られるのは一向に構わないとは思いますが、真実を述べる旨を宣誓した上で法廷で陳述する場合にもそういう経歴を使っているのは、筆者には大変驚きでした。

 亀田大毅×リボリオ・ソリス戦のルールミーティングの際に配布されたペーパーに、「亀田が負けた場合は空位になる」と言う旨のメモを取ったという森田氏は、その際に通訳のH氏やIBFのリンゼイ・タッカーの発言を聞いたと断言しするのですが、ご高齢の為か、同席して色々と説明してくれたという関西事務局のS氏の名前がなかなか出てこなかったり記憶にバラつきがある様子。

 さらに「海外含めて100回以上ルールミーティングを経験した」という森田氏は、
「(通訳なしで)英語は分かる」と驚きの発言。森田氏が英語が分かるなら、なぜにS氏は尋問であんなにも通訳が介在したことに拘ったのでしょうか?困ったら森田氏に聞いたら済む話であります。

 自身のサインがある契約書については、紙一枚でルールブックは綴じられておらず、「(IBFルールにサインをしたわけではなく)この試合をやっても良いという意味でサインをした」とのことで、元亀田ジムの嶋氏から試合後に電話があった際に、英語ができるスタッフの必要性について進言されたことも否定しました。

 続いて亀田側の反対尋問に移ると、改めて『負けた場合は空位になる』と判断した根拠について

 「現場で英語も分かったし、S氏が説明してくれたし、自分も後から確認した」

 と答えるのですが、「ルールミーティングで発言したのか?」と問われると

 「よその国に来たような感じで黙っていた」

 と耳を疑うような返答。リンゼイ・タッカーについても

「男の人はIBFだよね」

 とWBAの女性立会人とどっちがどっちかあやふやだったり、となんとも記憶が頼りない。

 「ドローの場合、タイトルはどうなるか話し合ったか?」と問われると

「何年も前だから覚えてないですよ。何が聞きたいんですか?ボクシングを知らない人が聞くんだから仕方ないですけど」

と苛立つ一幕も。

 両陣営と関係者が回覧した上で署名したという契約書の所在については

「IBFが原本を持っていて、JBCがコピーを保管している」

 とのこと。そうなると、JBCの弁護士が嶋氏に文書の所在をしつこく聞いていたのは、一体何だったのでしょうか?

 最後にもう一度JBCの弁護士が出て来て、森田氏が試合後にメディアに向けて「IBFがやることにJBCがどうこう言えない」と言う主旨の発言をした意図について尋ねると

「東京に帰ろうと急いでいたので、(タイトルの問題は)IBFがやろうとしてるから私には関係ない」 
 
と言う意味で言った、と耳を疑うような返答が...。

 安河内剛氏の裁判では 

「私にも自分の仕事があるからボクシングの仕事ばかりしていられない」

 という『名言』を残した森田氏ですが、高給をとっている事務局長と言う地位の職責を未だに理解していない様子でした。こんなトップの生活を支える為に命がけで戦ってきたボクサー達が本当に気の毒です。

 筆者には、森田氏の尋問は一体なんの意義があったのかさっぱり分かりませんでした。

 次回、主張の違いや問題点などを整理して、一連の尋問の記事は終わろうと思います。

 書いた記事が半分消えててゲンナリした(旧徳山と長谷川が好きです)
 

JBC亀田裁判控訴審 証人尋問傍聴記 PART5

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 引き続きJBC関西事務局のS氏の尋問の様子をお伝えします。

 前回書いた通り、S氏は通訳のH氏や元亀田ジムの嶋氏の証言を真っ向から否定しました。亀田側はS氏の証言の信用性を突き崩す必要があります。

 亀田側弁護士は『H氏がルールミーティングで通訳をした』という証言に疑問を呈し

 「H氏に通訳を頼んだということだが、来なかったらどうするつもりだったのか?」

 と尋ねると、S氏は

 「来るということ予め聞いて知っていた」

 と答えました。急病や交通機関の遅れなどの可能性は充分にあったはずですが、もしH氏が遅れたり、来なかったりしたらどう対応するつもりだったのでしょうか?

 続けて「H氏に通訳を断られたらどうするつもりだったのか?」

 と問われたS氏は

 「断られたことが無かったので大丈夫だと思った」

 とこれまた驚くような返答。なんのことはない、『JBCには語学力があるスタッフがいないけど、いつも来るテレビ局の通訳が頼んだらタダでやってくれるっしょ』と言ってるのと変わらないわけです。しかもこの話を通訳のH氏は否定してるし...。

 更に「騒動後に改めてIBFに見解を問いただしたのか?」

という問いに対して、S氏は

 「IBFは謝罪したと聞いている」 

と返答。それを踏まえて「リンゼイ・タッカーは『亀田は悪くない』と言っているが」と問われると

 「その報道は知らない」

と答え、IBFの謝罪の意味を理解していない様子でした。

 更に、前回記事で触れた高松での『監禁・恫喝・暴行』を捏造した報告書の起案をS氏がしたという事実について質問が及ぶと、JBC側は「(高松の件は)本件とは全く関係がない」と異議を申し立てますが、亀田側が「S証人の信用性に重大な関係がある」旨を申し立てると、裁判長はすぐに「続けてください」と応じました。土台、関係がないわけがないわけですが、これ以降の部分こそが個人的に一番重要なやりとりでした。

 報告書で『監禁・恫喝・暴行があった』と主張している高松でのやり取りを、JBC側がビデオで確認していることを

「知っている」とS氏はと答えましたが、「JBCはなぜ亀田兄弟を処分しなかったのか?」と問われると、

 「調査が不十分だから処分が無かったと思った」

 と返答し、未だに『監禁・恫喝・暴行』があったという姿勢を堅持しているのに驚きました。更に

  「(S氏と同調して)亀田による『監禁・恫喝・暴行』を主張していたJBC職員Tさんが名誉棄損で亀田兄弟に敗訴した時点で、自分が間違っていたと思わなかったのか?」


 と聞かれたS氏は

  「『ああTさんは負けたんだな』くらいにしか思わなかった」

 と他人事のような返答。問題のソリス戦以前に、亀田兄弟に言いがかりをつけて処分しようとしていたことと、それが法的に捏造と認定さた後も未だに一切反省していないことを法廷で堂々と述べるS氏の姿を見て、「JBCは裁判に勝つ気があるのか?」と心底驚きました。

 通訳のH氏がルールミーティングで通訳をしたことを否定していることについては、改めて「H氏が間違っている」と断言。

 「TBSにルールミーティングの映像を提供してもらうように依頼したことはあるのか?」

 と言う質問には

 「依頼はした。TBSのスタッフの顔は分かるけど名前が分からない」

 とこれまた脱力する返答。そんなもん当時の記録を調べるなり、TBSの当該部署に電話して聞けば即座に解決する話です。ビデオ映像の提出を拒否されれば、それはそれでJBCにとって有利な証拠になるはずです。なぜやらないのか理解に苦しみます。更に

 「JBCはルールミーティングで議事録を残す習慣はあったのか?」

 「ない」

 「当事者間で書面を残さないのか?」

 「残さない」

 「それが当たり前なのか」

 「自分が知る限り、それが慣例だった」

というやりとりが展開されて、JBCの試合管理が大いに心配になりました。ホント大丈夫?

 反対尋問の後、最後に裁判官から「H氏にいつ通訳を頼んでいるのか?」と問われると

 「計量やルールミーティングでその都度頼んでいる」

 とこれまた試合の運営が心配になる回答がありました。

 筆者がS氏の尋問全体を通じて感じたのは、職責に対するなんとも腰が引けた姿勢で、通訳の依頼もあやふやだし、計量ミスと言うトラブルに積極的に関与する姿勢が乏しく、「これじゃ揉め事になるよな」と思いました。

 そもそもS氏はこの試合以前に、高松でのトラブルについてJBC本部に虚偽情報を記載した報告書を提出して亀田兄弟を処分させようとしたことが分かっており、公平な試合管理が出来るのかは大いに疑問です。また、法廷でその姿勢を一切隠そうとしなかった所も驚きでした。

 筆者としては、この尋問で裁判の趨勢は決まったのではないか、と感じました。

 次回は、最後の証人である当時のJBC事務局長、森田健氏の尋問の様子をお伝えします。

 片岡亮に犯罪者呼ばわりされてから一年経った(旧徳山と長谷川が好きです)



 

 

 

JBC亀田裁判控訴審 証人尋問傍聴記 PART4

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 今回は三人目の証人、JBC関西事務局職員S氏の尋問の様子をお伝えいたします。

 やり取りの様子に向かう前に、もう一度前提となる事実をおさらいしておこうと思います。

 この裁判は、2013年12月に行われた亀田大毅×リボリオ・ソリス戦後のIBFタイトル巡るゴタゴタを理由に、JBCが亀田三兄弟が所属していた亀田ジムの吉井慎次会長と嶋聡マネージャーのライセンスを停止したことに端を発しています。

 亀田サイドはJBCの処分には正当性が無いとして、ライセンスを停止によって生じたという6億6千万円の損害を賠償せよと、JBCと理事達に求めています。一審の地裁では、亀田サイドの主張を認めてJBC側に4550万円を支払うように命じる判決が出され、その後双方控訴して現在高裁で第二審が審理されています。

 ここまで読んで、「あれ、亀田兄弟はもうジムを開いてボクシング界に復帰してるんじゃないのかい?」という疑問を持たれる方もいらっしゃると思います。JBCから追い出せれたはずの亀田興毅氏は、既に大阪市内にジムを構えており、三男の亀田和毅選手は所属選手として現役復帰しています。JBCは既に亀田兄弟の業界復帰を認めており、プロボクシング興行で協業する関係でありながら、法廷では「亀田兄弟をボクシング界から排除したのは正当だ」と未だに主張してるわけです。もはや排除は正当だという論理は、現実を見れば破綻しています。

 安河内剛氏を不当解雇した裁判においても、JBCは完全に敗訴しましたが、判決で安河内氏を違法な手段で排斥したと名指しされた職員達は、未だにJBCに居座って安河内氏と同じ事務所で机を並べて日常的に一緒に仕事をしています。こうした事実も、世間一般の常識からみればかなり異常なことです。

 更にもう一つ、このあと尋問の様子をお伝えするS氏については、特筆するべきある要件があります。

 亀田大毅×リボリオ・ソリス戦から3ヶ月前の2013年9月、香川県高松市で行われた亀田大毅×ロド リゴ・ゲレロ戦の前日に、試合で使用するグローブを巡って亀田サイドとJBCの間で意見の相違が生じるというトラブルがありました。その際現場で亀田サイドから批判されたJBC職員のTが、「亀田兄弟に監禁されて恫喝されて暴行された」と狂言騒ぎを起こし、友人のフリーライター片岡亮と結託してデマ記事や記者会見で虚偽の事実を拡散するという酷い事件を起こしました。この現場にはS氏も同席しており、事件後「亀田興毅に恫喝されて恐怖で動けなかった」「亀田和毅がJBC職員Tにのどわをした」などの虚偽事実を、JBC本部に報告書と言う形で伝えています。
 
 なぜ、『狂言』『虚偽』と断定できるかといいますと、高松の事件は一部始終がビデオカメラで撮影されていたからです。散々デマをまき散らして亀田兄弟を中傷したTと片岡亮は、名誉棄損で訴えらえて敗訴しており、その主張もビデオの映像を元に裁判で虚偽と認定されています。ということは、S氏が自らの被害体験として報告書で申し述べている亀田兄弟による『監禁・恫喝・暴行』も当然虚偽となります。詳しくは亀田サイドが制作した以下の対照表をご覧ください。筆者は実際にビデオ映像で一部始終を見ていますが、ビデオ映像は以下の表の描写と相違ありません。裁判所もそういう見解です。

原告主張とビデオ映像の対比_01_R

 そうしたS氏の人物像も分かった上で、以下の尋問の様子をご覧ください。

 まずS氏はJBC側弁護士の質問に答える形で、ルールミーティング中の事実関係を証言していきますが、

・IBFルールは理解していた
・H氏に通訳を頼んで、リンゼイ・タッカー(IBFスーパーバイザー)から「負ければ空位になる」という回答を得た
・大毅の外国人トレーナーは英語でタッカーに質問していない。タッカーが回答もしていない。
・IBFルールのペーパーは配られていない


と、通訳のH氏や元亀田ジムの嶋氏の証言を否定し、明確な対立姿勢を見せます。

 更にS氏は、ルールミーティング後に亀田兄弟の父親、亀田史郎氏から
「グローブハンデを付けるわけにいかないか?」
と相談されて
「それは出来ない」
と断った、という驚くべき証言します。

 ご存知の通り亀田史郎氏は、現在ライセンスを停止されてプロボクシング界を追放されている状態です。ライセンスが無い人間が試合に関与するなんてそもそもおかしいのですが、なんでもS氏によると、この事実は控訴審前に思い出して陳述に加わった要素だそうです。

 さらに

・記者発表の為に、『試合は開催する』『大毅が負ければタイトルは空位』『グローブハンデはなし』と言った決定事項を森田健氏に説明した
・H氏とは顔見知りだったのでルールミーティングでの通訳を頼んだ
・過去10回くらいは同様の通訳を頼んでいる
・バンデージを巻く時間や試合開始時間を通訳してもらった

とH氏の語学力に依存する形でルールミーティングを進行したという旨の証言をしました。これらもまた悉く、H氏や嶋氏の証言と対立しています。

 双方の事実認識は、勘違いや記憶違いでは済まされないくらい食い違っており、どちらかが嘘をついているのは明らかです。

 次回は亀田側弁護士からの反対尋問の様子をお伝えします。

 冷やし中華を作って食べた(旧徳山と長谷川が好きです)
 

JBC亀田裁判控訴審 証人尋問傍聴記 PART3

 引き続き、証人尋問の様子をレポートいたします。

 PART1はこちらから→JBC亀田裁判控訴審 証人尋問傍聴記 PART1
 
PART2はこちらから→JBC亀田裁判控訴審 証人尋問傍聴記 PART2

 二人目の証人は、元亀田ジムマネージャーの嶋聡氏。当ブログはかつて亀田ジムにお邪魔して記事にしたことがあり、嶋氏とは面識がございます。
 
 今は無き三権茶屋の亀田ジムを訪問した際の記事
  ↓
K3 BOX&FIT GYM 訪問記 亀田興毅選手インタビュー PART1
K3 BOX&FIT GYM 訪問記 亀田興毅選手インタビュー PART2
K3 BOX&FIT GYM 訪問記 亀田興毅選手インタビュー PART3

 数年ぶりに再会した嶋氏は体型が少しガッチリしていて、法廷内に呼び込まれるまで氏が傍聴席で待機していたことに気付きませんでした。まずは亀田側の弁護士が、通訳のH氏の時と同じようにルールミーティングでの時系列を質問していきます。

 尋問の冒頭、過去の裁判で作成された陳述書をを訂正する形で、「JBCには過去には英語力のあるスタッフがいたが、大毅×ソリス戦のルールミーティングではいなかった」という旨を申し述べ、英語力があった人物として、当時は解雇されていた安河内氏と退職していた石塚氏の名前を挙げました。また嶋氏自身も、マネージャーとして亀田兄弟の練習や試合で海外に帯同しているので、日常会話に不自由しない程度の英語力はあるとのこと。

 そこから嶋氏は弁護人の質問に答えて、ルールミーティング中の事実関係として

・大毅×ソリス戦でリングアナウンサーを勤めたコントレラス氏も同席していた。

・IBF立会人のリンゼイ・タッカーが印刷されたBFルールを配布し、英語で「このルールに則って試合をする」と明言した。

・配布されたIBFルールを書いたペーパーに、双方の選手がバンデージを巻く時間をメモしたので、ペーパーが配られたことは間違いない。

・タッカーが「何か質問があるか?」と尋ねると、大毅の外国人トレーナーが「大毅が負けた場合どうなるのか?」と英語で質問し、タッカーは「大毅がタイトルを保持する(Daiki retains IBF title.)」と明言した。

・TBSの通訳H氏は(IBFタイトルの扱いついて)質問していない。

・当時の事務局長森田健氏や関西事務局のS氏は質問や議事進行をしていない。

ということを証言しました。

 リングアナウンサーのコントレラス氏の参加に言及しているのは、氏が採点発表後にリング上で『IBFのタイトルは移動しない』旨を、タッカー氏より早く英語でアナウンスしていたからであろうと思われます。

 コントレラス氏の英語アナウンスに言及した記事→負けて防衛!大毅救済ルールで前代未聞の大逆転/BOX

 更に嶋氏は、ルールミーティング以外の試合当日の出来事として

・試合二時間前にJBCのS氏から「グローブハンデをどうしますか?」と聞かれて「必要ない」と答えた。

・試合後に森田氏に電話で「JBCに英語ができる人がいないのは問題ではないか?」と伝えると「そうですね、ジョーさん(筆者注:ジョー小泉氏のことか?)にでもお願いしようかな」と言われた。「JBCがIBFルールを把握していないのも問題じゃないですか?」と聞くと「IBFに従う。IBFの決定が全て」と返答された。

・関西事務局のS氏にも同じこと電話で伝えた。「東京の本部に伝えます」「IBFタイトルの扱いについては東京の本部がIBFに確認します」と言われた。



という内容を淀みなく証言しました。悉くJBC側の主張と対立しています。

 森田氏の「IBFの決定に従う」という発言はマスコミに向けたコメントと同じ内容です。また英語についての森田氏とのやり取りも、2015年に亀田ジムを訪問した際に嶋氏から同様の内容を聞いていたので、記憶にブレは感じませんでした。

 S氏は、2013年9月高松で、亀田大毅×ロドリゴ・ゲレロ戦の使用グローブを巡って亀田ジムとJBCが対立した事件の際にも、撮影されたビデオ映像の中で「我々は下っ端で決定する権限がないから、東京の本部が判断する」と言う旨の発言を行っており、こういう発言をよくする人なのかな?と感じました。

 この事件の際、JBC職員のTがフリーライター片岡亮と結託して『亀田兄弟に監禁・恫喝・暴行された』という狂言を拡散するという違法行為をして、名誉棄損で亀田に敗訴したのはご存知の通りです。実はS氏もこの事件に関与しているのですが、それは次回の記事で詳しく触れます。

 嶋氏が改めて
 「JBCに英語が出来る人が居ないのと、事前にIBFルールを把握していないことがトラブルの原因である」ということを強調して弁護側の尋問は終わりました。

 続いてJBC側の弁護士が反対尋問に立ち、「ルールミーテイングの席をどうやって決めたのか?」「ルールミーティングでのタッカーの発言がH氏に聞こえていたと思うか?」と言うようなことを聞いていくのですが、正直焦点が分からず何が聞きたいのか判然としませんでした。

 反対尋問で重要だと思われたのは

「タッカーが囲み取材で『大毅が負けたらIBFタイトルは空位になる』と言った時に、疑問を感じなかったのか?」


という質問。確かに、タッカーがマスコミに対してルールミーティングの決定と違う説明をしたのを、否定せず放置するのは不自然に感じられます。ここは亀田サイドにとっては、大きな矛盾点だと個人的に感じました。

 更にJBCの弁護人は「ルールミーティングの決定を森田氏に確認しなかったのか?」と尋ねますが、嶋氏は「ルールミーテイングを聞いているはずだから必要ないと思った」答えます。

 どうも尋問全体を通じて、亀田ジムとJBCはお互いに、ビジネスパートナーだという意識が希薄だったと感じられます。こうした相互不信の背景には、高松でのいわゆる『監禁・恫喝・暴行』の狂言事件で、JBCが亀田側に言いがかりをつけたことの影響があったことは想像に難くありません。

 更にJBCの弁護士はコントレラスリングアナの招請費用の出所を尋ね、嶋氏が「亀田側が負担している」と答えると大袈裟に驚いてみせるのですが、海外からリングアナを呼べばプロモーターが費用を負担するのは業界の常識であり、興行事情をよく知るJBCが知らないはずがありません。

 おそらく、リング上でいち早く「IBFのタイトルは移動しない」と発表したコントレラス氏について『亀田から雇われてるから中立じゃないですよ』的な印象を与えたいのだと思いますが、7年前にタッカーがミスを認めているのに今更なんの意味があるのでしょうか?

 その他にも
 「海外のニュースサイトの記者の招請費用を負担したのではないか?」(嶋氏は費用負担を否定)
 「そのニュースサイトに亀田ジムとして広告を出したか?」
 ということも尋ねていましたが、いったい何を狙った質問なのか良く分かりませんでした。『記者を雇って海外で都合のいい記事を書かせているだろう』と言いたかったのでしょうかね?

 その後も、交代した弁護士が前の弁護士が既に聞いたことを再質問して「それはもう聞いたのでは?」と裁判官に制止されたりと今一つ狙いがはっきりしないJBCは、一連の質問の最後として、ルールミーティングの後に両陣営とJBC、WBA、IBFが回覧、確認した上で署名した契約書について、かなり細かく質問していきます。

 傍聴席から想像するに、どうやら亀田側は「JBCの職員はIBFのルールを見た上では試合の契約書に署名した」と主張しているのに対して、JBC側は「IBFのルールは付いていない紙一枚の契約書に署名しただけだ」と主張している様子。

 JBCの弁護士は嶋氏に対して「契約書の原本はどこにあるのか?」と尋ねますが、嶋氏は「JBCにあるんじゃないですか?」としか答えらえません。どうもJBCは亀田側が証拠として提出しているこの契約書の書式や体裁について、疑問を呈している様子。

 「JBCはサインしたけれど、IBFのルールには同意していない」と言う方向で責任を回避しようとしているのでしょうかね?

 すると、この契約書のコピーを巡るやり取りを受けて、亀田側の弁護士である北村晴夫氏が挙手をして再び質問に立ち

「この契約書はファックスで送信されたもののようで、さらに送信記録を見るとJBCから亀田ジムに当てて送信されたものに見えますが」

と指摘すると、法廷には何とも言えぬ空気が......。傍聴席にいる私も、えっ?自分たちが送った書類について亀田側にあれやこれやと尋ねてたの?何それ?と一気に脱力したのでした。尚、この契約書については、この後の森田健氏の尋問でもう一度話題に上ります。

 嶋氏の尋問でも亀田サイドとJBCサイドの主張は真っ向から対立。どちらか一方が嘘をついていると状況に変化はありませんでした。JBCの実務能力やトラブル対応に問題があるとはいえ、亀田サイドが囲み取材でのタッカーの発言やTBSを始めとするマスコミの誤発表を否定しなかったのも不自然であり、そもそも亀田三兄弟自身が公式ブログを通じて「負けたら空位になる」という誤情報を拡散していたわけで、亀田サイドに全く落ち度がないとも言えないと思います。

『今のところ、大毅が勝った場合のみ統一チャンピオンで、リボリオが勝った場合は王座は空位』という文章がある亀田興毅氏のブログ波乱の計量!

 次回はJBC関西事務局のS氏の尋問の様子をお伝えします。先述した通り、S氏はJBC職員が亀田兄弟をデマで中傷して敗訴した事件にも関与しており、浅からぬ因縁があります。JBC職員と片岡亮が亀田に敗訴したことが、JBCと亀田の裁判にも大きな影響を与えていることが、S氏の尋問で明らかになります。

 速くワクチンが打ちたい(旧徳山と長谷川が好きです)
 


 







 
 




 


 


 

JBC亀田裁判控訴審 証人尋問傍聴記 PART2

 PART1はこちらから→JBC亀田裁判控訴審 証人尋問傍聴記 PART1 
 
 今回より本題の傍聴記です。

 この日尋問の為に出頭した証人は、TBSが亀田大毅×リボリオ・ソリス戦(以下、大毅×ソリス)の際、試合前日から試合会場にいたスペイン語と英語の通訳であるH氏、元亀田ジムマネージャーの嶋聡氏、JBC職員で関西事務局勤務のS氏、そして元事務局長の森田健氏の4名。

 筆者は当初証人の数も把握しておらず、「午前中に終わるでしょ」と言う感じで軽く考えていたので、裁判所に掲示されていた時間が午後四時までになっているので大変驚いたのでした。

 4人の証人の尋問全体を通して、一貫して問題になっていたのは、大毅×ソリスの試合前日に行われたルールミーテイングの事実関係でした。

 考えてみれば、この訴訟におけるJBCと亀田兄弟のトラブルの発端は、ソリスの体重超過発覚後に行われたルールミーテイングにおける「言った、言わない」の双方の主張の対立であり、『もう一度原点に返って、そこを調べてみよう』という裁判所の姿勢は極めてまっとうに感じられます。

 最初に法廷に呼ばれたのは、英語・スペイン語通訳のH氏。まずは原告亀田側の質問を受ける形で、ルールミーテイングに同室した経緯や当時の事実関係を、記憶に基づいて証言しました。

 H氏がボクシングの通訳をするようになったのは、2004年のロレンゾ・パーラ×坂田健史からで、依頼主は亀田側でもJBC側でもなくTV中継をするTBSとのこと。利害関係的にはJBC側でも亀田側でもない立場になります。

 大毅敗戦後にタイトルの扱いを巡って亀田とJBCの対立が先鋭化したあと、H氏はルールミーティング時のいきさつについて、JBC側と亀田側双方から電話で聞き取り調査を受けています。当該ルールミーティングからは、既に7年半以上が経過しており、また亀田側、JBC側双方が作成した聞き取り調査の内容に大きな事実関係の齟齬はないということから、亀田側が聞き取り調査をもとに作成したレポートを参照しながら証言をする旨が、H氏から説明されました。
 
 当時の記憶を聞かれ

「ソリスの計量失格で雰囲気は悪かった」

というH氏。ただ先述した通りH氏はTBSに雇われた立場であり

「TV放送に関係ないルールミーティングには通訳として参加していなかった」

と答えました。亀田側が聞き取り調査の内容を、後日報告書にまとめて事実関係の間違いなどを確認した際も、H氏はメールでの返信において「ルールミーティングでは通訳もしていないし、配布された書類も見ていない」ということを特に強調したのだといいます。

 H氏はボクシングの世界戦の仕事をするようになった当初はルールミーティングでも通訳をしていましたが、放送に関係ない仕事が増えてきたことから疑問に思い、TBSのプロデューサーに関与するべきか確認したところ、「(関係者が)言葉の問題で困っていたら、助け舟を出すくらいはいいが、放送に関わる部分に徹してくれ」との返答を得たことで、それ以降ルールミーティングを通訳をすることは無くなったのだといいます。

 そのため、当該試合のルールミーティングにおいても「会話の内容は断片的にしか聞こえないし、よく聞いていなかった」というH氏は、亀田側弁護人に

 「JBC側はH氏が『大毅が負けたら空位になる』と通訳したと言っているが』事実か?」

 と問われると
 
 「通訳はしていません」

 と明確に否定し

「(雇い主である)TBSに配慮して何か事実を隠したか?」

 と言う質問にも

 「していません」

 と答えました。 

 ルールミーテイング後に、IBF立会人のリンゼイ・タッカーが囲み取材で「大毅が負けた場合空位になる」と言う発言をした際の感想を問われると、IBFルールを確認して理解していたH氏は

「え?なんでこんなことを言うのだろう思った」

と答え、その場にいたマスコミもざわついていたと説明しました。その後JBC側の聞き取り調査のレポートでも、事実関係には大差がないことを説明して、亀田側の尋問は終了、JBC側の弁護士による反対尋問に。

 大毅×ソリス戦前後のTBSが中継した亀田兄弟や井岡選手や宮崎亮選手の世界戦で、一つ一つ試合名を挙げながら、H氏にルールミーテイングで通訳をしたか?と何度も聞くのですが、答えは全て「していません」というもの。

 「TBSの通訳であっても、JBCとの信頼関係で通訳をしたことがあるのでないか?」
 「一般論として同席したら通訳するのではないか?」


と色々な聞き方で尋ねるのですが、答えが変わるはずもなく、「これ同じことを何度も聞いてるだけだよね?」と言うモヤモヤが筆者の胸に去来してきます。
 
「放送に関与する部分もあるから、TBSはルールミーティングの通訳をするべきだと言うのではないですか?」

と聞かれるとH氏は

「通常は(ミーティングの結論を掲載した)文書が出るので大丈夫です」

と答えました。最終的に契約書を交わすわけですから、口頭の説明で完結することあり得ないし、もっともな話であります。
 
JBCの弁護士からは「統括団体のルールに詳しいですが何でですか?」みたいな質問も出たのですが

「放送上説明が必要な場合があるから、書類を見て覚えた。JBCルールもある程度知っている」

とこれまたもっともな回答。プロの通訳なら、ボクシングの通訳をするとなったら専門用語やルールを下調べをするのは当然でありましょう。

「タッカーがルールミーティングの中で(大毅が負けた場合の)IBFタイトルの扱いについて話したか?」

と言う質問に対しては

「覚えていない」

とのこと。

この質問も聞き方を変えて繰り返されましたが答えは同じでした。

 またH氏からは、証言の中で「通常はルールミーティングの結論が文書として出されるが、この試合では出なかったと思う」と言う重要な指摘もなされました。

 尋問を通して、H氏側は
「ルールミーティングでは通訳をしていないし、IBFのリンゼイ・タッカーが『大毅が負けた場合、タイトルは空位になる』と発言したのも聞いていない」
と騒動直後から一貫して主張していること分かります。

  一方JBC側は
 「H氏の通訳を介してリンゼイ・タッカーが『大毅が負けた場合、タイトルは空位になる』と言う発言を確認した」
と主張しており、真っ向から対立しています。

これはどちらかが嘘をついているということに他なりません。

 そもそも「会議の様子を撮影するなり録音するなりしていれば、こんなことにはなっていないのに」と思えてなりません。

 JBC側にルールミーティングで議論するに足る英語力のある人間がいなかったことも、改めて確認できました。

 次回は元亀田ジムマネージャーの嶋氏の尋問の様子をお伝えします。

 50肩が痛い(旧徳山と長谷川が好きです)

 

JBC亀田裁判控訴審 証人尋問傍聴記 PART1

 久々の更新となります。

 亀田三兄弟と亀田プロモーションが、一般財団法人日本ボクシングコミッション(以下、JBC)を訴えた裁判の控訴審の証人尋問が6月3日に東京高裁でありましたので、その模様をお伝えします。

 昨年一月に出た一審の地裁判決でJBCは敗訴し、亀田サイドに対して合計4550万円を支払うように命じられています。

 敗訴を報じる記事→亀田3兄弟訴訟、JBCに4500万円賠償命令 東京地裁(日本経済新聞)
              悪役キャラの亀田ファミリー圧勝 JBCが裁判でボロ負けした理由(フライデー デジタル)
              ボクシング亀田兄弟訴訟、JBCに賠償命令 東京地裁(朝日新聞)

 JBCは、亀田裁判以前に不当解雇した職員相手の地位確認裁判に敗訴や敗訴的な和解をしたことで億単位とも言われる資産を失っており、『亀田との裁判で敗訴が確定すれば、賠償でJBCの経営は破綻するのではないか?』と懸念されています。


 上記の裁判絡みのトラブルに加えて、現在JBCは井岡一翔×田中恒成戦のドーピング検査で採取した井岡選手の尿サンプルから違法薬物の陽性反応が検知されたことが複数の週刊誌で報じられたことで、大揺れに揺れています。この問題を解決するために設置された倫理委員会で『JBC職員が、尿検体を不適正な環境で保管していた為に尿の腐敗が進み、結果的に偽陽性が出た可能性がある』という旨の結論が出され、さらにJBCのトップが選手に無断で尿検体を警察に持ち込むという呆れるような対応をしたことも発覚し、当事者の永田有平理事長は批判の集中砲火を浴びています。嫌疑を向けられた井岡選手サイドはJBCに対する不信感から態度を硬化させており、一方井岡に敗れた田中恒成選手のサイドも、JBCのまずい対応から問題が不透明な決着を迎えたことに怒り心頭となっています。

 過去記事で何回も書いてきましたが、JBCは財団法人とはいえ、実質的には株式会社東京ドーム(以下、ドーム)の外郭団体です。歴代のトップもドームや関連会社の出身者が勤めています。ついでに、敗訴続きの一連の裁判でJBCの代理人を勤めているのはドーム関係の弁護士です。亀田との裁判を担当されている石田茂弁護士はJBC理事、堤淳一弁護士はJBC評議委員にして昭和57年よりドームの監査役であり、同じくJBC評議委員である谷口好幸弁護士に至ってはドームの社員で、現在の役職は代表取締役専務でいらっしゃいます。JBCを裁判で負けさせると、ドーム内での人事評価は良くなるのでしょうかね?
 
 ドームのWEBを開いてみると、大変立派な『コンプライアンス行動規範』なるものが掲載されています(詳しくはこちらを参照→株式会社東京ドームコンプライアンス行動規範へのリンク)。そのうちの一項目を以下に引用します

私たちは、事業活動において、法令等を遵守するとともに、高い倫理観をもって自らを律します。(引用以上)
 
 ここ数年、JBCは裁判で何度も違法であるとの認定を受けていますが、JBCに在籍するドーム社員・関係者にはこの行動規範は適用されないのでしょうか?

 JBCのWEBで財務諸表を見てみれば、借入金が一億超もあり、このまま亀田に敗訴すれば経営破綻は時間の問題です。
                       
 詳しくはJBC令和2年度財務諸表をご参照ください。

 ドームから来たJBCの幹部連中や顧問弁護士にすれば、『裁判で負けたところでドームがケツを拭いてくれるわい』くらいの気分なのかもしれませんが、当のドームはコロナ禍を受けて急速に経営状態が悪化した影響もあって、今年一月から三井不動産の傘下企業になっており、これまで通用していたJBCとのなれ合い的な関係が今後も続くとは限りません。ドームの収益力アップを図るであろう三井不動産が、老朽化した後楽園ホールや、昭和のままのビジネスモデルが続くボクシング興行を今の形のままこれからも維持する確率は極めて低い、と私には思われます。井岡一翔や亀田兄弟といった知名度の高い選手との対立、裁判、財政等の問題で、ドームとJBCとの奇妙な癒着関係がマスメディアやネット上で注目を浴びれば、三井不動産が企業イメージを守る為にボクシング興行とJBCを切り捨てに回ることも充分に考えられます。

 そんななか高裁での控訴審では、新たに証人尋問が行われることになりました。これは新たな要素を加味して判決が変わる=賠償金額が変わるということです。JBCにすればこの証人尋問は、組織の存亡を賭けた非常に重大なもののはずです。安河内剛氏らの労働裁判から続く一連の訴訟をずっと調べ、記事化してきた当HARDBLOW!にとっても、この裁判はまさに『最後の戦い』です。

 果たしてJBCは絶体絶命の窮地からいかなる主張をしてくるのか?と注目して東京高裁に赴きましたが、その審理の様子はあらゆる意味で脱力を誘う内容でした。次回よりその様子をお伝えしていきたいと思います。

 久々に東京に行った(旧徳山と長谷川が好きです)