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HARD BLOW !

世界ランカー返り咲き 再び世界を目指す大沢宏晋スパーリングレポート

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 当ブログではすっかりおなじみの、大沢宏晋選手の試合が近づいてきました。

→ 大沢宏晋選手についての過去記事

 4月7日堺市産業振興振興センターで行われる試合の相手は、インドネシアのアーマド・ラヒザブ選手(昨年中澤奨選手に3RTKO負け)で、階級はスーパーフェザーで行われます。試合間隔を空けないための調整試合的なマッチメイクと言えるでしょう。

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 昨年末世界ランカーをKOで下して再び世界ランク(現在WBA5位)に返り咲いた大沢選手は次戦で44戦目。ここ数年タイトルマッチで破れたベテランボクサーが試合枯れの末にキャリアを閉じていくケースが多いですが、大沢選手は何度も挫折を乗り越えて逞しく再起し、現在も若いボクサーと同じペースで積極的に試合をこなしています。

 去る3月28日に大沢選手のロングスパーリングを見学してきたので、その様子をお伝えします。

 この日のスパーはインターバル30秒でパートナーを変えながら3人×3Rの9R。

 最初の相手はライト級の石川耕平選手。

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 二人目はスーパーフライ級の岩崎圭祐選手

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 最後はスーパーライト級の高橋良季選手

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 インターバル30秒で切れ目なく9ラウンドでしたが、最終ラウンドまで足が良く動き鍵となるジャブも上下に良く出て、昨年末の試合時の好調をキープしている象でした。以前は見られた疲れで足が止まった時に強引に右で打開しようとするような場面もなく、ボクシングがもう一度若返った印象で、ジャブがテンポよく当たることで長いオーバーハンドストレートや密着時のアッパーもより効果的になったと思います。

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 練習後少しお話を伺いました(大沢選手のお話は赤文字
HARD BLOW!(以下HB) 「昨年末のプレシアド戦ですが、かなりパンチがあったという話ですが」
大沢「パンチは強かったですね。効いたときに距離とるのも巧くて捕まえにくい相手でしたが、そういう選手を倒しきれたのは良かったと思います」
HB「KOの場面、世界ランカーのプレシアドを誘い出して動かしておいてから狙って倒せたところが価値があったと思います」
大沢「相手を動かして、出口を塞いでいって倒すことが出来ました」
HB「構えるときに手の位置を下げたことの影響がかなり大きかったようですね」
大沢「手の位置が高いとジャブが出にくいだけじゃなく、背筋にも力が入ってて結果的に足も出なくなってたんですよ。それが解消されてスタミナの持ちも良くなりました」

 大沢選手は久保隼選手に判定負けした後、再起するに当たって過去の自分の試合のビデオ映像を何度も見返して手の位置を修正し、スランプを脱して世界ランキングに返り咲きました。プレシアド戦の直前には、相当に手ごたえを感じていたのか「『久保戦で大沢は終わった』と言った人達に、もう一度世界で戦える力があることを見せる」と宣言し、有言実行してくれました。現在WBA五位で再びの世界戦が視野に入って来ました。恐らく年齢的にも最後のチャンスとなるであろう試合は実現するのか?今年も彼のことを追いかけていこうと思っています。

 四月五月の興行集中の意味が分からない(旧徳山と長谷川が好きです)

読者投稿 「日刊、報知の井岡一翔選手 JBC 復帰報道から見えるプロボクサー契約の裏側」

 久々の更新であります。昨年も記事を掲載した某業界内部の方による井岡一翔選手の国内ジム復帰に関する分析記事です(同じ筆者による過去記事→読者投稿  『試合に負けて、勝負に勝つ。 斉藤司選手裁判、千葉地裁判決の真相』)。斉藤司選手が三谷大和ジムを訴えた裁判の判決と、公正取引委員会による聞き取り調査がボクシング界の選手契約にいかに影響を与えたのか?国内では最高の認知度を誇る現役のスター選手井岡一翔による大型移籍(正確には移籍ではないですが)によって露になった国内ボクシング界の地殻変動を分かりやすく伝える内容となっています。未だに昭和のまま頭のOSが更新されていない化石のようなクラブオーナーやファンも多々いるようでございますが、法的には既に決定的な楔が打ち込まれており、変化は待ったなしだということが良く分かります。以下の記事本文が選手、業界関係者、ファン、メディアの皆様の意識を変える一助となれば幸いです。

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 2019 年 3 月 23 日、日刊スポーツ及びスポーツ報知が井岡一翔選手の国内復帰を報じた。

記事へのリンク→井岡一翔が大貴ジムで日本復帰、世界戦4階級制覇へ【日刊スポーツ】』
 
 記事上で日刊スポーツは

 ”同日までに、日本ボクシングコミッション(JBC)に Reason 大貴ジム所属として選手ライセンス申請書を提出した。承認されれば、国内での試合が可能になる。 ”

と報じている。

 スポーツ報知は

 ”今春「Reason 大貴ジム」入り”

と紙面上に見出しを打ち、

”JBC 管轄下の「Reason 大貴ジム」入りし、再び国内ジム所属選手として日本のリングに上がることが 22 日、分かった。”

と報じている。紙面を丹念に拾えば、一つの事実に気づく。これは「移籍」ではない。提出されたのは「移籍届」ではなく、「選手ライセンス申請書」である。以前の所属先である井岡ジム(一翔選手の実父井岡一法氏が会長)側が了承しているか否かに係わらず、申請書は
井岡一翔選手側が JBC に対して提出したものである。当然、「移籍金」なるものが発生する余地はないであろう。
 井岡一翔選手は 2009 年 4 月 12 日に大阪でデビューしている。同選手と井岡ジムとのマネジメント契約は、JBC に引退届を提出したと本人が公表した 2017 年度末か、現在 JBC の三年契約自動更新の原則から類推すれば、9 年後の 2018 年 4 月には終了していると解釈するのが妥当である。

 ところで 2019 年 2 月 16 日の東京新聞によると、公正取引委員会は 2019 年 1 月 24 日に日本プロボクシング協会(JPBA)を、同年 2 月 6 日には財団法人日本ボクシングコミッション(JBC)を独禁法違反の恐れがないかを理由に聞き取り調査に入った。

記事へのリンク→ ジム移籍 トラブル絶えず ボクサー契約最長3年ルール 公取委、実態聞き取り調査(東京新聞)』


 記事上では公取委は JBC にルールに即した運用を求めている。契約終了した所属選手に対する旧所属ジムの介入は独禁法上の観点から見ても許されるものではない。一説には井岡一法会長は一翔選手の Reason 大貴ジムジム入りを了承しているとの噂もあるが、重要なのは両者が既に契約関係にないのであれば、”旧所属ジム会長の了承”そのものが全く不要でということである。
 井岡一翔選手の Reason 大貴ジム入りを阻むものは何もないであろう。同ジムは名前こそ聞き慣れないが、国内最多の興行を手掛ける Dangan のジムである。所属ジムとの契約関係はすでにないとした斉藤司選手の裁判から約 9 か月、プロボクサーとマネージャ―、ジムの契約関係は新たな局面を迎えようとしている。

(文責:U)