HARD BLOW !

世界ランカーと再起戦 大沢宏晋再びリングへ!

IMGP2835_R.jpg


 ラスベガスでの敗戦から半年。大沢宏晋選手の再起戦が迫ってきました。

 昨年11月、トップランクが次世代のスターとして猛烈にプッシュするオスカル・バルデスに挑んで、敵地で壮烈に散った大沢選手。2万人の観客を飲み込んだラスベガスのアリーナでの体験は、果たして彼のキャリアにどのような影響を及ぼしたのでしょうか?

 JBCの腐敗職員達の手前勝手な内部抗争に利用されて不当なサスペンドを受け、世界ランカーとしての一年間を棒に振ったのが5年前。ライセンスの停止中は一度は引退も考えたという大沢選手でしたが、東北の津波被災地でのボランテイア体験などを経て再起。その後、KOのみの7連勝で世界ランキングを昇り詰め、全世界に中継されるビッグマッチに辿り着いたその道程はまさに奇跡的なものでした。詳しくは過去記事をご覧下さい。

 2013年2月
 どう考えてもおかしい大沢宏晋選手のサスペンドについて
 2014年8月
 前提が崩れた大沢選手のサスペンド
 2016年10月
 生野発ベガス行き!大沢宏晋ジムワークレポート&インタビューinロマンサ雅ジム 
 大沢宏晋選手記者会見にお邪魔してきました
 いよいよベガスへのカウントダウン 大沢宏晋選手最新情報
 ベガスへ向けていよいよ追い込み 大沢宏晋選手ロングスパーレポート
 スパーリング打ち上げ!大沢宏晋ベガス渡航直前リポート
 2016年12月
 大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART1
 大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART2
 大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART3

 大沢選手が復帰戦の相手に選んだのはWBAフェザー級15位のフリオ・コルテス選手。なんとびっくりエクアドル人であります。エクアドルと言えばガラパゴス諸島やバナナにサッカーくらいしかイメージはありませんが、プロボクシングもあるんですね、ということも大沢選手を通じて知ることが出来ました。

 戦績は13戦13勝11KO(BOX RECへのリンクBoxRec Julio Cortez)。レコードはかなり立派ですが、エクアドル国内でしか試合をしておらず正直謎の選手であります。


エクアドルは多民族国家ですが、コルテス選手はアフリカ系。動画を見る限りは、スピードはさほどではありませんが、かなり攻め方が強引でパンチが重そうですね。小柄ですが、体が強く馬力がある選手、と言うイメージです。エクアドルのボクシング中継は、まるで競馬中継のように終始アナウンサーが早口でまくし立ててて凄いですね。

 コルテス選手のニックーネーム『Pelea』は『喧嘩』みたいな意味だそうです。どっかで聴いた言葉だと思ったら「狂気に生き」のキーワードでしたね。
kyouki.jpg

 大沢選手とは今年に入って、久田選手や久保選手の試合の会場などでちょいちょいお会いしていたのですが、改めてロマンサジムにお邪魔して練習の模様など見学させて頂きました。

IMG_6335_R.jpg


 ジムに着くと大沢選手はアップ中。今回の調整では大阪商業大学の学生選手とスパーする機会が多く、短いラウンドで何人ものアマ選手の相手をするのは本当にキツイというお話から。(大沢選手の発言は赤文字)

「やっぱり3Rでバンバン手数出してっていう言うスタイルだと、アマの選手は凄く強いですね。テンポの中でどんどんペースとってくるんですけど、こっちは強いパンチをいかに当てるかと言うスタイルなので。」

とのこと。今週からは、先日圧勝で日本チャンピオンになった関西一のホープ坂晃典選手が、スパーリングパートナーとして出稽古にくるとのことで、そこからは試合に向けた最終調整となるようです。まずは試合に向けた展望を伺いました。

HB 「復帰戦がいきなり世界ランカーになりましたけど。」
大沢 「もうタイ人とやるのとか時間が勿体無いでしょ。」
HB「というか、知らなかったんですけどWBOって世界戦で負けたらランキング無くなるんですね。」
大沢「そうなんです。」
HB「厳しいですね。」
大沢「そういうところは、IBFとかより厳しいくらいで。まあ分かってたことなので。」
HB「ウエイトは順調ですか?」
大沢「今(試合25日前)4キロオーバーくらいでなんの問題もないです。ラスベガス終わった後は休んでたので10キロくらい増えたんですけど、ある程度スケジュール決めて2月くらいから走り出したら順調に落ちました。減量法は本当に最近、この間の試合くらいで、やっといいやり方がわかったという感じで。『38試合やって、やっとわかったんかい!』ちゅう話なんですけど(笑)。」
HB「具体的にはどういうことなんですか?」
大沢「食べるものと食べ方ですよね。例えば前は『寝る前に食べたら太る』と思い込んでたから、夜は少ししか食べなかったんですけど、夜食べても寝て朝走ったら落ちるんですよ。絶食してる方がストレスになるし力も入らないから、夜しっかり食べた方が調子もいいし動けるんですよ。」 
HB「一般的に年齢を重ねると代謝が落ちて、減量がきつくなると言われてますけど」
大沢「疲れが少しぬけにくくなったかな?とは思いますけど、肉体的な衰えは感じないですね。むしろ『もっと強くなれる』という感じですね。」
HB「それもバルデスとやったから実感できたことですよね?」
大沢「それにあれでやめたら『俺はラスベガス行くのが目的やったんか?』ってなるじゃないですか。あの試合の時は当日も2キロしかリバウンドしなかったんですよ。そういうところも、自分ではいつもどおりのつもりでも、なんかやっぱり本来じゃなかったのかな?と感じることがあって…。」
HB「それもこれも実際行って、やってみたからこそ分かることですよね。」

 大沢選手と会話していて、ラスベガスで体験した昂揚と、試合に負けた悔しさが何度も交錯する様子は大変印象的でありました。

 この日の練習はマススパーで、ロマンサジムのプロテスト直前の練習生の方3Rと出稽古に来た選手が2Rづつ3人。

IMGP2840_R.jpg
 練習生や見学者も注目する中、スパーがスタート。
IMGP2935_R.jpg


 スパーリングを通じて、フットワークとボディジャブが印象的でした。大沢選手のフットワークは目に見えて躍動感があるというのではないですが、無駄な動きが無くスムース。
IMGP2924_R.jpg
中島トレーナーは「足を使ってパンチを外す」「ボディジャブ」「当たったら連打」というシンプルな指示
IMGP2994_R_20170516104259949.jpg

 大沢選手は軽打しか打たないと言う条件でしたが、2人目と3人目は二度のダウンでともに2R持たずストップ。
 
IMGP3046_R.jpg

 最後の相手はなんとたまたま、大沢選手の地元の先輩。体重差15キロながらプレッシャーを受け止めて押し返して圧倒。
IMG_6404_R.jpg
IMGP3294_R.jpg
IMG_6483_R.jpg

 試合間隔も充分と言うことで、動きも軽快でスタミナも充分でした。

 スパー後に、ボディジャブが印象的だったことを伝えると、

 「バルデスとやったときは、向こうのフックの軌道が見えなくて打てなかったんですよ。」

 とバルデスの死角からくるフックとボディ打ちのリスクについて、身振り手振りを交えて説明をしてくれたのですが、未だにバルデスの強さが鮮烈な印象になって、残像が頭を離れていないということが伝わってきました。

 最後にコルテス選手を意識してエクアドル産のバナナを差し入れとして渡すと、ビニールの上からかじってくれました。お気遣いすいません!
IMG_6514_R.jpg

 はたして世界ランカーに返り咲けるか?試合まで注目していきたいと思います。

 坂選手とのスパーも見学に行こうかと考えている(旧徳山と長谷川が好きです)