HARD BLOW !

JBCだけがプロボクシングにあらず 5.3観戦記



 当HARD BLOW!ではすっかりお馴染みの、日本ボクシング界の快男子?革命児?異端児?山口賢一選手兼会長(以下ヤマケンさん)による、最新の国内興行のレポートです。

 2009年にJBCライセンスを返納した後、ビリー・ディブやオルランド・サリドと言ったスター選手と海外で戦い、選手でありながらジムを経営し、プロモーターとして興行を行い、自分以外の選手のマネジメントを行いながら、昨年は日本未公認のWBFの世界タイトルマッチを国内で開催までしてしまったヤマケンさん。

 JBCのシステム外にいるからこそ可能な自由奔放な活動をくりひろげ、最近は中国や韓国、フィリピンなど近隣アジア各国のボクシング関係者との連携で様々な選手を海外の興行に送り込んでいます。

当ブログのヤマケンさんに関する、インタビュー・試合レポートなどの過去記事は以下のリンクからご覧下さい。
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 JBC離脱の経緯からオーストラリアのビリー・ディブ戦→フィリピンのマージョン・ヤップ戦→メキシコのオルランド・サリド戦、自主興行、ジム経営、自由すぎる事件の数々などなどヤマケンさんの人物像が分かるインタビューはこちらから。

イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートPart1
イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートPart2 
イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートpart3
イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートpart4
イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートpart5 完結編

 本邦初、WBFタイトルマッチについての記事はこちらから。
日本ボクシング界の風雲児 山口賢一選手が来週大阪でWBFタイトルマッチ!
『先駆者 山口賢一』 WBFタイトルマッチの意義
本邦初!WBFタイトルマッチリポート 山口賢一VS小林健太郎

 WBFタイトルマッチ後のルールを巡るゴタゴタやボクシング界の反応、試合の様子が流れた『探偵ナイトスクープ』などについてはこちらを。
WBFタイトルマッチの余波色々 西日本協会は緊急理事会を召集し引き締め&組織防衛!

 今回の興行はヤマケンさんは出場せず、天神ジム所属のヤマケンさんの一番弟子ともいうべき石角悠起選手と、ヤマケンさんの興行ではお馴染みのWINGジム所属の中村優也選手のダブルメインとなる全6試合。

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 会場は大阪市北区の大淀区民センターという、住宅街の中にある物凄く普通の公共施設でございます。
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 会場入り口では、格闘技用品でおなじみのボディメーカーさんが物販ブースを展開しておりました。
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 ボディメーカーさんはHP上で、試合のレポートや選手のインタビューなども積極的に掲載しており、特色がありますね。この日の興行のレポートも掲載されています。→BODYMAKER×アスリート(32)中村優也

 会場内に入るとプロ興行の前に行われる、アマチュアのスパーリング大会の真っ最中。いつも思いますが、プロ興行の前にリングを使ってスパーリング大会をやると言うのは大変合理的で良いことだと思います。IMGP2361_R.jpg
 スパーリング大会の表彰式が終わると、いよいよプロの試合がスタート。IMGP2387_R.jpg
 レフェリーによるバンデージのチェック

 とここでトラブル発生。なんとメインに出場するはずだった平野拳生選手が、体調不良でギブアップと言うじゃないですか。JBCでは無敗だった平野選手の試合に注目していただけに、これにはガッカリ。中村選手の試合はエキシビジョンに差し替えになるということで、いきなり暗雲が漂います。

 第一試合は天神ジムの安井克年選手と、岐阜のチーム侍所属の岩田啓輔選手による4回戦。ミドル級契約と言うことで迫力のある試合となりましたが、リングが小さいので、いきおい打撃戦となり、さらにスリルがアップします。JBCの興行に行っても4回戦のレベルと言うのは本当に玉石混交で、「良くテストに通ったな」ちゅうような選手もいれば、強い選手同士のレベルの高い試合もありますが、この試合は技術もしっかりしており、序盤優勢だった安井選手を岩田選手が徐々に追い詰めて3ラウンドでKOした展開も含め大変面白かったです。
 自陣コーナー近くで打ち込まれた安井選手の動きが止まると、セコンドについていたヤマケンさんがレフェリーに「ダウンや」と伝えて試合が終わった場面も印象的。自分の選手のセコンドにつきながらも、プロモーターも兼ねているがゆえの安全への意識が垣間見えた一幕でした。

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 白いトランクスが勝った岩田選手。

 第二試合は中村優也選手と同じWINGジム所属の本山亮徳選手と、2000年代のボクシング界のスター選手、クレイジー・キムさんが会長を務めるNo.1チャンピオンスクール所属の近藤将行選手による4回戦。こちらもスーパーウエルター契約と言うことで、迫力ある重量級の試合が続きます。
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セコンドをつとめるキム会長
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 本山選手(白いトランクス)が2Rと4Rにダウンを奪ってTKOで圧勝。これも面白い試合でした。

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第三試合 平沢宏樹選手対イズマエル・エステバン選手の試合は三者三様のドロー。

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第四試合 猪窪利光選手対勝田邦裕選手は猪窪選手の2RTKO勝ち。

 アンダーカード二試合をはさんで、対戦相手のキャンセルを食らった中村選手は代理の選手相手の3Rのエキシビジョンマッチとなりました。試合はエキシビジョンとはいえ激しい打ち合いになり、レフェリーが何度もクールダウンを促す場面も。

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 終了後、ドタキャンとなった平野選手のマネージャーを務める男性が、リング上で観客に対して経緯説明と謝罪を行いました。

 メインはセミから繰り上げになった石角悠起選手対WINGジム所属のチェ・ヨンドウ選手のライト級7回戦。7回戦と言うのは判定でドローを減らすための工夫であります。

 試合はスピード溢れるフットワークを使うチェ選手に対して、石角選手がプレッシャーをかけて強打を狙う展開。チェ選手は小さいリングながらスピードを生かして動き回り、トリッキーな動きも織り交ぜて的を絞らせません。

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 豪快な打撃戦の多かったアンダーカードから一転、テクニカルで緊張感のある面白い試合となりました。
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 前半の探りあいを経て、後半は距離がつまりパンチが交錯する見応えのある展開。終盤はチェ選手のスピードに順応した石角選手が有効打を重ねて、3-0でなんとか僅差の判定勝ち。とはいえチェ選手のスピードと変則のスタイルも印象的で、両者の駆け引きが楽しめた好試合でありました。

 メインが中止ということでどうなることかと思いましたが、代理の試合が見事に興行を締めてくれました。

 日本でボクシングと言えば99%JBCの興行でありますが、それ以外にもプロボクシングl興行があって、プロボクサーがいるということをボクシングファンの皆様に知っていただきたいな、と思います。実際試合のレベルも、なんら遜色のないものだと感じました。

 ヤマケンさんとクレイジーキム会長はこの興行の翌日西安で行われる小澤大将選手の試合のため、中国へと旅立って行きました。日本のボクサーも彼らのように、マンネリの国内ボクシング界を脱して世界を目指してどんどん海外に出て行って欲しいなあ、と感じます。

 今後もヤマケンさん、には引き続き注目していきます。

 最近キックや総合の興行にも注目している(旧徳山と長谷川が好きです)