HARD BLOW !

JBC裁判傍聴に行って来た。

12月12日、そして昨日26日といよいよ佳境に入った亀田対JBC裁判の傍聴に行って来ました。

「いよいよ」と書いて煽るつもりはありませんが、日本プロボクシング唯一のスポーツコミッションの命運がこの裁判には賭けられているわけですから、師走のこの時期、仕事を投げ打ってでも我々にはこの裁判を見届ける必要がありました。
2012年の安河内剛氏の懲戒解雇事件から始まったJBCの迷走と暴走、そしてその後の混乱を、我々はずっと余すことなく伝えて来ました。
その理由は、これを発端にしてボクシング界は大混乱に陥ると予想し、大きな危機感を持ったからです。

入廷の直前に大手メディアの方を見つけて、この裁判の争点は何処にあると考えておられるか聞こうと声を掛けさせて頂くと「ハードブロウさん、読ませて貰いましたよ。良くやってますね」とお褒めの言葉を頂戴しました。
恐縮しながらも、当時一般的には誰も振り返らない一連の問題を取り上げて来ましたので、今こうしてプロメディアの方が問題と原因について「注視して下さることが、僕らにとって何よりも有難い事なのです」とお答えしました。

過去記事は右のカテゴリからJBC関連をお探し頂ければ見ることが出来ます。
時系列から追うとピックアップには多少苦労されると思いますが、興味のある方は是非お読み頂きたいと思います。
旧徳さんらの記事や考察、そして主張が、ほぼ証明されていると思います。

さて、この日は原告被告関係者、メディアだけでなく、一般の傍聴も多数あり注目度の高さを感じました。
やはりこの裁判の持つ意味が浸透しつつあったのでしょうか。
これまで不当解雇を申し立てた職員らによる地位確認裁判で、和解含む実質4連敗がすでに確定して解決金、賠償金などの他、高額な弁護士費用がコミッションの一般財源から支払われましたが、ここまでの総額は約9千万と言われています。
この日はライセンス更新却下を不服とする元亀田ジム会長、マネージャーによる地位確認裁判の最終証人尋問で、最終書面提出は4月上旬、判決は6月と予想されます。
更にこの後にはライセンス更新が認められなかった末に道を閉ざされた亀田兄弟らによる日本プロボクシング史上最高額となる賠償請求事件の結果が控えています。
如何にJBC側が組織防衛と言い張っても、結果として1億円以上の金が無駄に流出する事になります。
その他にJBC職員による例の監禁、恫喝、暴行と騒がれた亀田兄弟らを訴えた裁判がありましたが、これは職員の訴えは虚偽であるとしてこの職員に対し賠償金が命じられたのは既報の通り。
このJBC職員敗訴の裁判は「個人としたものでJBCとは一切関係ない」とするJBCですが、この職員の大きな問題行動が本裁判だけでなく一連のJBC問題の原因の一つとして大きく関わった事を示す証言がJBC側からもたらされました。
裁判は厳しいですね。
炙り出される事実はすべて一連の繋がりあり、そこに関与した人物が暴かれて行きます。
それら詳細は本裁判判決後に書くとして、この裁判の争点整理がほぼ終わったこの時期のこの証言が、この裁判だけでなく大混乱の原因解明の今後の重要なキーワードになります。
そして因果関係と責任の所在はずべて明らかになるのは間違いないでしょう。
他にもこの職員に絡み監禁恫喝と騒ぎ名誉棄損が確定したフリーライターなどの関与はありますが、これはもはや枝葉に過ぎず、報道等により周知された事で少なくともボクシング界では、同じような被害は出ないと思われます。


さて、この日はじめに証言台に立ったのは、亀田大毅氏でした。
この裁判の発端となるIBF王座問題の当事者にして、この後に続く問題の最大の被害者といえます。
2013年12月3日のこの試合、彼は正当に準備し正当に戦い、王者として選手として、その義務を立派に果たした、ただそれだけの事です。
網膜剥離が直接の原因で引退した訳ですが、その道程において彼が受けた苦しみは想像に難くありません。

JBC側の尋問に朴訥に答える彼の後ろ姿からは、まだボクサーの色香が漂っていましたが、裁判官による尋問に答えた時、一瞬にして法廷は悲しみの色に染まりました。

「この問題が無ければ・・」
「日本でもっと試合がしたかった・・。悔しいです・・。」

選手経験者ならば、身近に選手と接している人ならこの意味が一瞬にして理解出来るはずです。
そしてこの日の裁判官にもそれは伝わったと感じました。
僅かな嗚咽を飲み込んだ彼を見て、改めて選手の活動を妨げてはならないし、二度と選手に理不尽な仕打ちをしてはならない。
そして、このような場所に立たせてもならないと思いました。

その後、辞任がほぼ確定とされる現統括本部長の浦谷氏、JBCのトップに君臨する秋山専務理事の証人尋問と続きますが、裁判の争点が何処にあるのかまだ把握出来ていない様子で、繰り返される尋問の中で、自分本位の主張の綻びが色濃く浮かび上がっただけと感じました。
おそらく手に負えないような指示を出すクライアントに弁護士も相当に苦渋したはず。

何故かと言えば、判り易く言うと、頑固一徹なある意味純真なワンマン社長がおだてと取り入るだけが取り柄の不良社員のウソに乗せられ、暴走を許した挙句にそのツケを払わされることに。裁判で屋台骨まで食いつぶす打撃を被ったと。
それでもまだ可愛い社員のウソを鵜呑みにして、と言うか、自分の眼力の衰えが信じられず、無用な裁判と敗訴をくりかえし初めて「なんで?なんで?」と。
そして、親切な仲裁人から「こいつら不良社員ですよ。そのウソをまだ信じてるの?」と言われハッとした時にはもう遅かったと。
会社に帰ったあと社長さんの怒りは何処にぶつけられるのでしょう。
どうであれこの社長とそのバックに忠誠を誓った?弁護士さんは覚悟を決めざるを得なかったのではないか?
少なくとも被告代理人の中でも特に人の好さそうな弁護士さんは、安河内氏の事件の前から一部始終を見て知っていた訳ですし、不良社員のウソも見破っていたはずで、本件を引き受けるのにも相当の苦渋があったはずと想像する訳です。
もちろんその人の人間性とやった事の責任は別の問題です。

しっかし、業界の人がいつまでこの人らにコミッションを任せる事を許すのだろうと、不思議でなりません。
スポーツコミッションとしてのJBCの権威は守られるべきと考えますが、それはその機能に対してであり、個人に対するものではありません。
今さらこんな簡単な理屈が理解できないとは到底思えないですが、はき違えている人がまだ居るということでしょうか?

地裁を出て、一人の傍聴者が「これでほんとうに終わりましたね。秋山さんはまだ気付いて無いようですが」と溜息をついていました。

記事について、ご質問等あればご投稿お願いします。
出来る限りお答えしたいと思います。

※記事タイトル変更しました。

やっつけ仕事みたいですが、実は一生懸命に書いてる・・ B.B




今年も色々ありました。

皆さま、年末は如何お過ごしですか?

当方、相変わらず仕事に追われる日々でありまして、昨晩は最終便で帰国。
明日26日は亀田裁判のJBC側証人尋問と、息つく暇もありませんが、書き入れ時も先が見えた事で今年の総括でもしておこうかと、記事枠だけ作っておきたいと思います。
我々がずっと追って来た日本ボクシングコミッション事件、亀田裁判、安河内剛氏JBC本部事務局復帰などなど、実に結果としても色々あった訳ですが、ボクシングファンとしては年末の世界戦に向けて多少浮かれてもみたい。

一見として活況に見える日本ボクシングですが、来年こそは正常を取り戻しますように。

追記もしなくてはな・・と考えている B・B


<12月30日の世界戦>

東京(有明コロシアム)  フジテレビ18時

WBO世界S・フライ級タイトルマッチ
王者 井上尚弥(大橋)vs挑戦者 河野公平(ワタナベ)

IBF世界L・フライ級タイトルマッチ
王者 八重樫東(大橋)vs挑戦者 サマートレック・ゴーキャットジム(タイ)

注目試合 ミドル級10回戦 村田諒太(帝拳)vsブルーノ・サンドバル(メキシコ)


<12月31日各地の世界戦>

岐阜(岐阜メモリアルセンター) CBCテレビ15時

WBO世界L・フライ級王座決定戦
1位 モイセス・フェンテス(メキシコ)vs2位 田中恒成(畑中)


京都(島津アリーナ) TBS

WBA世界フライ級タイトルマッチ
王者 井岡一翔(井岡)vs挑戦者 スタンプ・キャットニワット(タイ)

IBF世界S・バンタム級タイトルマッチ
王者 ジョナタン・グスマン(ドミニカ共和国)vs挑戦者 小國以載(角海老宝石)

注目試合 大森将平(ウォズ)vsロッキー・フェンテス(比)


東京(大田区総合体育館)テレビ東京21時30分

WBA世界S・フェザー級タイトルマッチ
王者 ジェスレル・コラレス(パナマ)vs挑戦者 内山高志(ワタナベ)

WBA世界L・フライ級タイトルマッチ
王者 田口良一(ワタナベ)vs挑戦者 カルロス・カニサレス(ベネズエラ)


※太字は個人的に注目している試合。

大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART3

今回で最終回です
第一回はこちらから→大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART1
第二回はこちらから→大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART2

HARD BLOW!(以下HB) 「試合終わったあとすぐ再起するという宣言があったじゃないですか。あれは迷いは無かったですか?」

大沢選手 「試合前は会長にも言ってたんですけど勝っても負けても辞めようかなという気持ちもあったんです。試合前はベガスに来たことで、正直満足してたんかな?でも終わってみたら『俺何を調子に乗って、終わったとか言うてるねん』と思って。そういうところもちょっと自分自身あかんかったんかな?と。」

HB 「試合前は引退するつもりで、負けた後に意欲が出るって珍しいですよね(笑)」

大沢選手 「あのベガスの興奮を見たら『もう一回この場所にもどってこやなあかんな』と思いますよ。すごいですよ二万人って。ゲートから入場してきたらすり鉢みたいになってるスタンドの上からみんな手を伸ばして来て、上見たらでっかい電光掲示板にバルデスVS大沢って書いてあって。実際海の向こう行ってみて、高山勝成君ね、同郷(生野区)の先輩で大尊敬してますけど、右も左もわからん国行って自分から仕掛けてきたというの本当に偉大やなと。」

HB 「日本国内の世界戦では、お金出してチャンピオン呼んで、挑戦する選手はファイトマネー無しとか下手したら持ち出しとかいうケースもあると聞きますけど、オファーがあって呼ばれてファイトマネー貰って試合するというのが本来ですよね。」

大沢選手 「勝つ奴はどこでやっても勝つんやから、やっぱり出ていかなダメですよ。」

HB 「アメリカで長期滞在して練習したいというお話はありましたけど、今後のプランはどう考えてますか?」

大沢選手 「アメリカに爪あとは残せてきたと思うんで、あとはそれをどう広げていけるかなんで。」

HB 「注目度の高い試合なら、負けたら負けたでオファーが来るといいますよね。」

大沢選手 「中島さんからも『来年は海外のプロモーターから来る話も多なると思うから、舞台変わるかも分からんけど楽しんで行こうや』という風に言われてるんで。」

HB 「海外で練習して、海外で試合してという方針で行きたいと。」

大沢選手 「(バルデスの)レベルが違いすぎて、正直今までやってたことはなんやったんやろうと思いましたね。」

HB 「それだけ差を感じてもやりたい」

大沢選手 「俺まだいけるよな、やれるよな、じゃあ行くべきやんなって」

HB 「まだ強くなれるという確信があるんですね。」

大沢選手 「体も何にも悪いところないし、衰えも感じないし」

HB 「肉体改造も始めてるんですよね?」

大沢選手 「いまパーソナルで心拍数ガチガチに上げるというのを始めて。今まで仕事との両立というのを意識して来ましたけど、今後はボクシング一本に集中してやろうかなと。」

HB 「年齢もありますしね。やっぱり悔いが無いようにと…」

大沢選手 「来年一回は日本で復帰戦しようと思ってるので、注目される中でどれだけ出来るかですね。」

HB 「海外に出て行く選手というと山口賢一選手のサリド戦から始まって、高山選手に大沢選手みんな関西で、意志が強いというか我が強いというか。(笑)」

大沢選手 「今上げた人たちも僕も我はメッチャ強いと思います。自分が『これや!』って思ったことを信じてやってるから迷いもないし。自分を疑ってしまったら、誰が自分を信じてくれるねん、と。」

HB 「そういう性格は試合にも出るじゃないですか。」

大沢選手 「だから僕も『バルデス来いや!とことん殴りあったるぞ!』と思ってやって、僕の方が先に倒されましたけど(笑)」

HB 「バルデスともう一回やりたいですか?」

大沢選手 「それはやりたいですけど、あっちが登っていくと思うんで…。試合の後一緒に写真とったんですけど、バルデスが僕の胸に手を当ててるでしょ。これはメキシカンにとっては最上級の敬意の意味らしくて。『今までの相手でお前が一番強かった。お前に敬意を表するって』って言って来て、そこでうるっと来てしたね、悔しいなって。」

HB 「ええ奴ですね」

大沢選手 「めっちゃええ奴です。『またアメリカで待ってるから這い上がって来い。試合しよう』って言われて、自分はあと長くて2~3年、短くて1年やな、婚約もして守るもんも出来たからめっちゃ頑張らんとなと思って。」

HB 「階級はフェザーのままですか?」

大沢選手 「そうですね。ただチャンスがあればスーパーバンタムでも。」

HB 「今回の試合は小さいジムの選手にとっては、工夫次第であそこまで行けるんやという希望になったと思うんですけど。」

大沢選手 「ただ僕らの場合は周りにいる人が凄かったという強みがあって、その力も大きかったですね。僕はロマンサ選んでホンマ良かったと思います。」

HB 「コンベンションも行ったり海外とコネクション作る努力をして、言葉も覚えて、やっていけばチャンスは開けてくるということだと思うんですけど。」

大沢選手 「結局やるか?やらんか?なんですよ。」

やるか、やらんか。この上なくシンプルな結論ですが、これ以上の答えはないでしょう。我々は来年も自分から仕掛ける意欲のあるボクサーたちに注目していきたいと思います!

大沢選手のおかげでこちらも勉強になった(旧徳山と長谷川が好きです)

大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART2

前回の続きです。PART1は以下のリンクから。
               ↓
大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART1
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 この記事の写真は全て大沢宏晋選手から提供した頂いたものです。ありがとうございます!
大沢選手がリングで相対したオスカル・バルデスは、今まで戦った誰とも違う異次元の強さを持ったボクサーでした。

HARD BLOW!(以下HB) 「コンデイションも万全で落ち着いてたし、テレビで見た限りでは一ラウンドは巧く戦っていいスタートが切れたように見えました。バルデスの強さもイメージどおり。ジャブも巧くてフッカーで色んな軌道のパンチが打てると。戦前の作戦では中島さんはそこにショートカウンターを合わせると。大沢さんご本人はジャブがポイントやろうと。それがなぜ巧く行かなかったと思いますか?

大沢選手 「ジャブは一発目がバーンと当たったら二発目打つ前に距離を微妙に変えるんですよ。」
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ジャブから連打を当てるのは至難だった

HB 「それはステップが巧いということですか?」

大沢選手 「位置取りがうまいです。バルデスはオリンピック出てますけど、プロ向きのタイプやったんやと思いました。やっぱり一線級のオリンピアン(17歳で北京五輪・21歳でロンドン五輪出場、2009年世界選手権銅メダル)は凄い。ロマチェンコとやったら多分僕グチャグチャにされてたと思います。」

HB 「日本では体験したことのないテクニックでしたか?」

大沢選手 「それはもうアジア人にはおらんテクニックやと思います。あいつメキシカンでも最近よくいるタイプじゃなくて、アマのスタイルとメキシカンのスタイルを巧く合わせた、ニューメキシカンスタイルという感じやないですかね。」

HB 「ステップワークとかはアマのいいところを取り入れつつ、メキシカンの攻撃的なスタイルも残しつつという感じですね。」

大沢選手 「パンチ力はそんなに感じなかったんですよ。ただ当て勘はむちゃくちゃいい。ピンポイントでどこ狙ってどこ当てるかという精度が無茶苦茶高い。」

HB 「左フックの印象が強かったんですけど。」

大沢選手 「一発一発じゃなくて、やっぱり削って来ますね。後は詰めですね。最後の嗅覚はすごいなと思いました。一線級の選手です。」

HB 「ストップのタイミングにも納得してますか?」

大沢選手 「止められたときには『えーっ?』と思って、映像でもそういう顔写ってると思います。でも後で映像で見たら『これは止められるわ』と思いました。」

HB 「客観的に見たら納得ですか」

大沢選手 「余裕でアウトです。」

敗れたとはいえ、本場のリングで素晴らしい選手と戦えたことは何物にも変えがたい経験だったようです。完敗となった試合後、大沢選手にさらなる驚きの体験が訪れます。

大沢選手 「見た人からは『相手が悪かった』とか言われるんですけど、アイツと渡り合えたことが嬉しいというか。」

HB 「退場の時にメイウェザーに声かけられたという話ですけど」

大沢選手 「びっくりしましたよ」

HB 「見に来てる事は知ってたんですか?」

大沢選手 「知らなかったんですよ。退場の時に『終わってもうたな』と思って歩いてたら中島さんが 『大沢!大沢!』って呼ぶから見たらメイウェザーがシュっと立ってて。メイウェザーが手招きするからそばに行ったら、腕もたれて肩さすられて『You are very t
ough!』って『お前はタフで勇敢や。よう逃げずに戦ったな』みたいに言われて。そしたら周りの観客の人もめちゃ賞賛してくれて。もうそこで『目の前におるのメイウエザーやんな...』って何がなにやら分からなくなって。」

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 『ザ・マネー』メイウェザーと大沢選手 耳うちで通訳しているのが中島マネージャー

HB 「やっぱり正面からバチっと行って戦術的に逃げるようなこともなかったというのにメイウェザーが何か感じたんですかね?」

大沢選手 「そういうところが目に留まったのかも分からないですね。アジア人嫌いやって聞いてたからそこも意外で。」

HB 「そう言ったらそうですね。憧れの選手でスタイルを真似たりしてたんですよね?」

大沢選手 「昔はしてたんですけど、あれはあの人にしか出来ないスタイルですよね。あっちは黒人こっちはアジア人で、やりたいことと自分に合ってることは違うよなと思って。自分の売りはやっぱりハートのタフさフィジカルのタフさで、メキシカンのスタイル、
マルケス、ジョニゴンとかあの辺がめっちゃ好きやから意識して練習するようになって。」

HB 「勝敗についてはやるだけのことはやった、納得してるという感じですか。」

大沢選手 「それはもう、バルデスは強かったと素直に認めるべきやと思います。ただ僕が弱かっただけです。」

HB 「足りないと感じた部分はどこですか?」

大沢選手 「オフェンスですね。もっと連打で打てるような。スタミナは問題ないんですけど、アグレッシブに展開を作っていける癖をつけたいなと。だから今後は一ヶ月とかの期間でアメリカに拠点置いて。アメリカの人間がどういうトレーニングしてるのかを実際に肌で感じてオフェンスを強化したいなと思ってます。今しか出来ないですから。」

HB 「今回行ったことでアメリカのボクシングに興味がわいたんですね。」

大沢選手 「思い描いてた通りやな、やっぱり本場は面白いなと。」

HB 「アメリカですごした時間は選手冥利尽きるという感じでしたか?」

大沢選手 「やっぱりロマンサにおったから、中島さんが海外で顔が広いから出来たというのは確実にありますね。」

HB 「やっぱり向こうで歓待されたりとかありましたか?」

大沢選手 「いや、中島さんと田中会長の凄さアメリカ行って改めて分かりましたよ(笑)。パッキャオとかブラッドリー、ロデル・マヨール、マイダナとか普通に来るんですよ。」

HB 「そういうところも華やかですよね。松原の小さいジムがそういうリングに繋がってるんですね。」

大沢選手 「違う国やけど同じ地球の上やんという、そういうところもアメリカは新鮮で楽しかったですね。」

負けはしましたが、負けた相手を称え次のステップを語る大沢選手の姿にはやるだけのことはやったという清清しさを感じました。

というわけでPART3に続きます。

亀田との裁判でJBCが展開してる主張内容を聞いて眩暈がした(旧徳山と長谷川が好きです)

大沢宏晋選手帰国後初インタビュー ラスベガスで掴んだ自信と課題 PART1

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この記事で使われている写真は全て大沢宏晋選手より提供していただいたものです。大変ありがとうございます。


 大変長らくお待たせしました。ラスベガスでのバルデス戦の敗戦からおよそ一ヶ月、大沢宏晋選手にお話を聞くことが出来ました。あいさつ回りなども落ち着いて、練習も再開しているという大沢選手。帰国後は福島県に炊き出しに行ったり、プライベートでも婚約を発表されたりと忙しくすごして来られたようです。ラスベガスの大舞台を経験して感じたこと、試合のこと、これからのことなど率直に語って頂きました。

 まずは時系列に沿って、試合前の話から。

HARD BLOW!(以下HB) 「まず試合前の話から伺います。記者会見があって、フェイスオフがあって、計量があって、グローブチェックがあってという流れがありますが、日本との違いはありましたか?」

大沢選手 「基本的にはあまり変わりないですけど、何かと盛大にやりますよね。」

HB 「ショーアップというか…。」

大沢選手 「そうですね。実際にそういう本場の舞台にたった時は『自分が追い求めてた場所にやっときたんやな』と思いました。ただスーパースターが試合する場所も、裏側から見たら『意外と普通やな』とも感じましたね。」

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                   記者会見の様子

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           減量は順調でコンデイションも良かったという計量時

HB 「日本国内の試合と流れ自体は一緒ですか?」

大沢選手 「それは変わりないです。全然コンディションも問題なかったですし」

HB 「あっちで体動かしたりは出来たんですか?」

大沢選手 「それはもう全然。ホテルのスポーツジムあったし。カード一枚持って行けば、営業時間中は使い放題でなんの問題もなく。」

HB 「じゃ減量もうまいこと行って、コンディションは万全だったと。」

大沢選手 「そうですね。最後の日なんか、食べながら動いてるのに700アンダーとかになってしまって。」

HB 「ちょっと落としすぎたくらい(笑)」

大沢選手 「口の渇きもないのに計ってみたら落ちすぎてて『えーっ?』てなって。夜は結構でかい炭酸一本飲んでも全くしんどくもならず。向こうではコロンビアのトゥト・サバラっていう、一位のミゲル・マリアガのマネージャーがおって。」

HB 「勝った方がやるという契約になってた選手のマネージャーですね」

大沢選手 「その人です。その人が今回はサポートしてくれて、色々やってくれて。」

ところがメディカルチェックでちょっとしたトラブルがあったそうです。

大沢選手 「(コミッションに提出する)CTスキャナーの写真が日本で撮ったやつがダメだと言われて。」

HB 「そうなんですか?」

大沢選手 「英語の表記がないからアカン、撮り直しやって言われて。」

HB 「あーなるほど、日本語じゃ本当に本人の写真か確認できんがなと。」

大沢選手 「そうですそうです。それで病院連れて行かれて。」

HB 「面倒ですけど、それくらい厳密にやってるということですよね。」

大沢 「それはもうめっちゃしっかりしてます、ネバダのコミッションは。うちの中島(利光)マネージャーが一二を争うほど厳しいと言うてたんで。」

HB 「試合順がなかなか確定しなかったじゃないですか。テレビ中継があるんかないんかとか。決まったのは直前ですか?」

大沢選手 「試合の前日ですよ。日本のスポンサーにも『まだちょっと分かりません』とか連絡して、試合直前やのになんでこんなことで気が散らなアカンねんと思ったんですけど(笑)。結局ドネアの後やってなって。トップランクはバルデスを売り出したかったんですよね。」

 続いては実際に体験したラスベガスのトップランク興行のスケールはどうだったのか?グローブを交えたオスカル・バルデスは一体どんな選手だったのか?試合当日の話を伺いました。

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              控え室の様子
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   スタンド上部から見下ろしたトーマス&マックセンター

HB 「トップランクの興行というのは体験してみてどうでした?」

大沢選手 「それはもう全てにおいて違いすぎますね。パッキャオ、ドネアというカードの本物のトップランクの興行に立てたということが、他の日本の選手色々いますけど、多分一生かかっても出来んようなことが出来たんとちゃうかな?と思いましたね。」

HB 「まあ間違いなく日本初ですよね。」

大沢選手 「これで自分のボクシング人生の扉って大分開けたやろうなと、まあそれが早いか遅いかと言われたら分からないですけど、このタイミングで開ける時が来たんかなと。本当は勝ってというのが理想ですけど、バルデスは頭三つ四つ抜けてるチャンピオンやったなと」

HB 「僕もあの強さはビックリしましたね。」

大沢選手 「映像見る限りは振り回し系かな?と思ったんですけど、実際対戦してみたら、アイツ角度変えるのめちゃめちゃ巧いですよ。感覚が掴めないというか。普通やったら癖とか見て読んでいくんですけど、バルデスはちょっと読めなかったですね。」

HB 「あれ上体が立ってて堅く見えるけど、軸回転のためには理に適ってるんですよね」

大沢選手 「それプラスね当てるところで曲げてくるんですよ。映像見てもらったら分かりますけど、ガードしてる内側に入ってくるんですよ。なんやねんコイツと思って。」

HB 「反応も速いわけですね。相手のリアクション見てパンチの軌道も変えて…」

大沢選手 「そうです、そうです。順応性がメチャクチャ凄いんですよ。こっちがやったことに二歩三歩先を読んできてるんですよ。ただね僕あれだけパンチもらったのにダメージ全く無かったんですよ。僕首が太いから、壊れるような打たれ方はしなかったですね。」

HB 「グラドビッチとかルエダは一方的にやられてましたからね」

大沢選手 「最後あれ左フックでグラついてやられたように見えたでしょ?」

HB 「違うんですか?」

大沢選手 「あれね、フックの前のパンチなんですよ。みんなレバーってまっすぐ打つでしょ?あいつ裏殴ってきたんですよ。あれで腹が効いたところに顎にもらって、そこで一気に詰められて。」

HB 「4Rでダウンとられた後に、5R入ってワンツーで立て直そうとしたじゃないですか?」

大沢選手 「はいはい」

HB 「そしたらバルデスがスイッチしてきたじゃないですか。あれ見て『ああこいつ頭いいな。引き出し多いな』と思ったんですけど。」

大沢選手 「アイツ賢いですね。瞬間瞬間で冷静な判断できるんで。あれがトップ選手ですよね。ただ後で聞いたんですけど、中島マネージャーが『あいつ鼻の腫れ方が変やったからやってるかもな。でも骨折の腫れ方じゃないな』って言うてたんですけども、あとで海外の記事読んだら、あんまり聞かないんですけど鼻の骨を脱臼してたらしくて。」

 ダウンの原因となったレバーブローは大沢選手にとって、未知の技術だったようです。また、バルデスは技術だけでなく、クレバーさも兼ね備えていました。次回引き続き、大沢選手が試合で体験して感じたこと、試合後の反響、今後の想定されるプランなどをお伝えします。

 試合後も話を聞けて理解が深まったと感じる(旧徳山と長谷川が好きです)


WBOミニマム級暫定王座決定戦に福原辰弥選手も名乗り!


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11月23日付け熊本日日新聞掲載記事より引用

ボクシングの日本ミニマム級王者福原辰弥(本田フィットネスジム)が22日までに世界ボクシング機構(WBO)ミニマム級暫定王座戦への参戦を表明した。福原は現在WBOランキング2位。実現すれば、同一位のモイセス カジェロス(メキシコ)との対戦が濃厚となる。暫定王座戦は現王者の高山勝成(仲里)の負傷によるもの。10月にプエルトリコで開かれたWBO総会で決定した。本田フィットネスジムの本田憲哉会長によると、WBOルールでは暫定王座戦は上位ランカー同士で争うとしており、順当にいけば福原とカジWBOの正式決定を待ち、開催地を含めてカジェロス側と交渉に入る予定。ェロスが対戦することになるという。試合時期について、本田会長は来年初めとみており、「待ちに待ったチャンス。何とか熊本でタイトルマッチができるよう尽力したい」と話している。27歳の福原は2015年11月に日本王者になり、これまで三度の防衛に成功している。


なんかおかしいぞ?と感じていた案件で動きがありました。記事が掲載されたのが熊本の地方紙のみということで、殆ど話題になっていおりませんが…。

正規王者高山勝成選手が試合で受傷したことによって、暫定チャンピオンが設置される、と言うことはすでに総会でアナウンスされておりました。賢明な一部のファンにおかれましては「あれ?その総会で、ジョー小泉氏がすでに暫定タイトルマッチのカードを発表していたんじゃなかったのかい?」とご記憶の向きもあるかと思います。

信頼と信用のボクシングブログ、『ボクシングマスター』様で、件の総会の様子は紹介されております
         記事へのリンク    
             ↓
WBO総会 井上vs河野・田中vsフェンテス・山中vsカイェロス
 
以下記事より引用いたします

すかさず小泉氏は、山中竜也(真正)選手と1位モイセス・カジェロス(メキシコ)が日本での対戦に合意済みで、この一戦を暫定王座決定戦にすることを要請し、認められた。試合は来年2月までに行うことになっている。(引用以上)

この時点で山中選手はOPBFタイトルマッチを控えた身。確か国内での世界挑戦には、日本かOPBFタイトルを獲得しなければならない、という内規があったと思うのですが…。その後山中選手がOPBFタイトルを獲得するのですが、結果オーライ問題なしちゅうことになるんでしょうかね?

タイトルの権威がナンタラ、業界の秩序がウンタラと、うわごとのように言ってたボクシングマガジンあたりはこういうマッチメイクをちゃんと批判してるんでしょうかね~?

そもそも国内にはミニマムやライトフライの有力ランカーがひしめいておりまして、こういう手法で抜け駆け的に世界戦を決めてしまえば禍根をのこすんじゃないの?と思ってたら、案の定日本チャンピオンでランキングも山中選手より上の福原選手が対戦の意志を鮮明にし、暫定王座戦の争奪戦が起こりそうな気配であります。

対戦の意志があるならランキング上位の選手が優先されるのは当たり前なんじゃないの?と個人的には思いますが。

成り行きを見守りたいと思いますが、熊本の地方ジムから世界を目指す福原選手を個人的には応援したいな~。

というわけで久々の更新でした。

どうでもいいですが六島の五大タイトルマッチ見に行ったら、『亀田がJBC職員を恫喝して暴行するのを見た』と捏造ライター片岡亮氏に電話で言ったという関西事務局の職員がジャッジしてて驚いちゃいましたよ。幻覚見るようなやつに採点が出来るんですかね?心配であります。

大晦日はテレビで観戦しようかと思っている(旧徳山と長谷川が好きです)