HARD BLOW !

スパーリング打ち上げ!大沢宏晋ベガス渡航直前リポート

大沢選手とロマンサジムのご協力により、あしかけ約一ヶ月続いた当方のレポートも今回が最終回であります。いよいよ本番へ残すところ2週間弱となった10月25日、最終のスパーリングを見学させて頂きました。

ジムに伺うと試合で着用するチームジャージも完成しており、いよいよ臨戦ムード。
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試合を想定した長いスパーリングは先週で終わり、この日は防御などの確認として4R程度のスパーとのこと。

最終のロングスパーではインターバルを30秒から本番と同じ1分にしたところ、回復が格段に違い、最後までしっかり動けたとのこと。

「スタミナは何の問題もないです」(以下大沢選手の発言は全て赤文字

という力強いコメントが出ました。KO必至と言われる試合ですが、判定になるような展開でも12R戦う体は出来ているようです。

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ウエイトはリミットまで3キロ台ですが、食べながら落とせておりこちらも順調。シャドーなど見る限り体も絞れて、動きは3週前あたりの疲れのピーク時から見れば、軽快でありました。スパーでかけた負荷が効いて、試合では重石がとれて軽くなるというのが狙いだと言うことですが、中島トレーナーはオーバーワークにならないように慎重にスパーリングのラウンド数など調整してるようでありました。もともと10月当たりに試合を計画していたということで8月あたりからスパーも積んでいたところに、9月にトップランクからオファーが来たと言う経緯があり、結果的に100ラウンド以上のスパーをこなしたとのことです。

減量中ということもあり防御の確認など、仕上げの意味を込めた4ラウンドの短いスパーでしたが、打ち合い自体はいつものバチバチで、大変激しいパンチのやり取りがありました。大きいグローブでもジャブやインサイドからのパンチも当たっており、試合本番では果たしてジャブやカウンターがどこまでバルデスにヒットするか、大変楽しみであります。
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スパーを見てきて感じたのは、距離がつまった場面で不完全な体勢でも強い連打を出せるのが、大沢選手の強みだということ。下半身や体幹の強さを感じました。小さいスイングで、姿勢が悪くても強いパンチが打てるというのは本番で必ず武器になると思います。

大沢選手がポイントに上げていたジャブ、中島トレーナーが勝負の分かれ目と分析したショートカウンターは果たしてバルデスに通用するのか?興味が尽きません。
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バルデスはレコードどおりスピードもパンチ力も図抜けており、オリンピアンということで技術も申し分なし。フック系のパンチが目立ちますが、ジャブもパンチを散らすのも巧く、必要がないので引き出しを開けずに勝っているだけで、まだ出していない技術があるのでは?とすら思えます。トップランクが期待をかけるだけはある、素晴らしい選手です。ただフェザーとしては小柄。大沢選手はもともとライト級ですから、リーチと身長の差を生かして、得意のジャブを印象付けつつ、接近戦で多少やられても打ち負けずやり合えるか?が鍵になると思います。

日本人の海外挑戦では「何も出来ず負ける」というケースがままあります。「記念挑戦だ」なんて揶揄されるような試合でなくとも、例えば西岡利晃選手のノニト・ドネア戦などもそうした範疇に入る試合であったと思います。実際日本のファンの方でも、今回の試合は勝ち目のないミスマッチだと言うような評価をされている方もいます。ですが、自分は大沢選手はそういうタイプではなく、強敵相手であっても試合を作れる選手であると思っています。メンタルも図太いし、パンチ力やフィジカルの強さという武器もあるし、試合展開を作れる強引さも持っていると思います。世界中のファンが注目する舞台で勝敗を超えたエキサイテイングな試合をして、世界を驚かせて、キャリアを切り開いてほしいと切に願います。そして閉鎖的な日本のプロボクシングに革命を起こしてほしいと思います。

練習後大沢選手に少しだけお話を伺いました。

バルデスとは体格差がありますが、小さい選手にはやりにくさは感じないですか?

「特にないです。インファイトでも腕たたんで、アッパーとかやり方はいくらでもあります」

ジムワークのない日はウエイトなどをやっているみたいですが?

「ウエイトじゃなくて加圧トレーニングですね。筋肉つけるとかはどうでもいいんですよ。加圧で筋持久力つけて、心拍数が上がってても動ける体を作るのが狙いです。」

こんなに楽しみな世界戦は久しぶりです。全くどうなるか分からない。

「練習は一切妥協なくやってきたんで、なんの不安もないです。バルデスが勝ったら相手が俺より強かったというだけのことで。勝った方が強いと言うことです。」

この日もダイエットコースの見学に来た方に親切に対応したり、出稽古に来た大学生をいじって談笑したりと、過剰に入れ込んだりピリピリしたりすることもなく普段通りだった大沢選手。リラックスして自然態のまま試合にいけそうでありました。

理不尽なライセンスの停止を経て、精神的にも肉体的にも更に逞しく強くなった大沢選手。彼の身に降りかかった全てのことが、報われるように願ってやみません。あとはもう暴れてもらうだけです。彼ならきっと臆することなく大きな仕事をやってくれると思います。期待して試合の日を迎えたいと思います。

最後になりましたが、ロマンサジムの皆様のご協力に、今一度感謝致します。大変お世話になりました。ありがとうございました。

ロマンサジムの雰囲気に新しい息吹を感じた(旧徳山と長谷川が好きです)


浦谷統括本部長のお言葉に脱力…

協栄ジムへの移籍がアナウンスされていた亀田和毅選手のライセンス申請書類が、10月20日に提出されたとのことです。

 時事通信の記事へのリンク
   ↓
亀田和がライセンス申請=国内復帰へ-ボクシング

まあライセンスの交付については特段驚きはないのですが、問題は記事中のJBCサイドのコメントであります。

JBCが完全敗訴した裁判で不法行為の首謀者と名指しされながら、安河内剛事務局長の職場復帰後も居座り続ける浦谷統括本部長のお言葉を読んで、私目を疑ったのでありました。以下に引用いたします。

 JBCの浦谷信彰統括本部長は「手続き上、何の問題もない」と述べ、1週間から10日ほどでライセンスを発行する見通しを示した。(引用以上)

浦谷様、あなたがトップをつとめるJBCはWBOに「亀田はJBCと裁判してるとんでもないヤローだからビジネスするなよ」ってな内容のメールを送ってたらしいじゃないですか。
2016年2月に亀田兄弟の代理人である北村弁護士が出したプレスリリースにはその事実が銘記されていますよ。
プレスリリース2

 JBCは,平成26年7月12日にラスベガスで行われた亀田和毅のWBO世界バンタム級王座防衛戦の前,WBOに対し,メールで,JBC職員の和毅らに対する訴訟提起の事実を殊更に指摘し,和毅が世界王座防衛戦を行う選手としてふさわしくないかのような印象を与えた上で,防衛戦の実施を事実上妨害しようとしています。(引用以上)

WBOにまでメールして国内どころか海外の試合を妨害してたのに、裁判で負けたら「手続き上、何の問題もない」って、あなたそれでもJBCのトップですか?一貫性も見識も何もないじゃないですか。まずJBCが過去にやった妨害工作について謝罪しなさいよ。

敏腕捏造ライター片岡亮氏と組んで「亀田和毅に監禁・恫喝・暴行された」と事実無根のでっち上げ情報を流した上に、記者会見までやって、裁判で名誉毀損の認定を受けたJBC職員は、浦谷さんの大学の後輩ですよね?

子飼いの部下が「監禁された!恫喝された!暴行された!」と大嘘ついて亀田和毅を中傷した事件についてなんの総括もしないまま、何事もなかったかのようにライセンスを戻すというのは、JBC云々でなく人間として卑怯ではないですか?

亀田イジメに熱狂してJBCを支持してた、視野狭窄のアホなマニアともども、ちゃんとやったことを総括した上で先に進んでほしいもんです。無理だろうけど。

シベリア抑留に興味が出てきた(旧徳山と長谷川が好きです)






ベガスへ向けていよいよ追い込み 大沢宏晋選手ロングスパーレポート

いよいよ試合を見越した調整に入ってきたチーム大沢でありますが、昨夜はロングスパーが行われましたので、またもロマンサジムにお邪魔してきました。

そのスパーの模様をお伝えする前に、大沢選手のインタビュー記事のご紹介を。HARDESTというWEBマガジンに掲載されています。
          
                記事へのリンク
                    ↓
ボクサー“大沢宏晋”その強靭な生き様とファイトマネーの行方
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私今までHARDESTさんの存在を知らなかったのですが、覗かせていただくと、ラッパーやXスポーツの選手の記事が多数掲載されているという、名前に恥じぬ大変ハードなサイトでございました。インタビュー自体は、大沢選手の内面に着目した、非常にパーソナルな内容。いわゆるボクシング専門誌やスポーツ新聞のお決まり・無味乾燥なインタビューとは違う、書き手の体温が伝わる文章で、尚且つスポーツ選手もミュージシャンや俳優と同じくカルチャーの担い手なんだということも分かる良記事でございます。大沢選手の地元、生野で撮影されたポートレイトも味わい深いです。是非ご一読を。

さて、ここから本題です。

今週から試合を想定したロングスパーへと移行するということで、またしてもジムにお邪魔して見学させて頂きました。

本日はスパー前に中島利光トレーナーに少しお話を伺うことが出来ました。中島氏は、この日もずっとセコンドに立ちキッズボクサーから新人王トーナメントに挑む選手、大沢選手まで満遍なく指導するというマルチタスクぶりで、当方は「よく頭が混乱しないな」と感嘆。聖徳太子のようでありました。

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 セコンドからスパーを見守る中島トレーナー

(中島トレーナーの発言は赤字です)
 
「先日の記者会見で『日本人は海外選手を見上げすぎている』というような趣旨のことをお話されていたと思いますが」

「自分も最初ベガスでセコンドついた時は『すごいな~』って思ったんですけど、二回目からなれたらそうでもないなと。テレビの映像って速く見えるんですけど、実際現場で見てみたら日本人が見劣りしてるとは思えないんです。」

「WBOやIBFが認可されて海外の世界戦やタイトルマッチに出る選手が増えてきましたが、なかなか勝てない。原因はどこにあると思われますか?」

「やっぱり入れ込みすぎとか構えすぎと違うでしょうかね?力んで普段どおりの精神状態で出来ていない面があるんじゃないですか?だから大沢にも『(相手を)スターやとか思うなよ』って言ってるんです。」

「海外の強豪選手は日本に来ても落ち着いてますよね。」

「海外は『世界戦で負けたら引退』とかいう考え方もないからその違いもあるでしょうね。」

ということでした。ロマンサジムのリラックスした自然態の雰囲気も全て試合で勝つためということなのでありましょう。

夜も深まって続々と3人のパートナーが集合したところで、スパースタート。この日は試合本番を想定した3人×3Rの9Rという長丁場。ロングスパーでも、今までと同じくプレッシャーをかけまくるバチバチのスタイルであります。現在ロマンサジムは試合を控えた選手が6人と言う状態で、その選手達の調整も兼ねたスパーとなっております。

先週はキレキレの日もあったということですか、その後の調子は一進一退とのこと。この日も押し込まれる場面が再々あり、良いボディーを食らって動きが鈍るシーンも。ただその中でも、中島トレーナーは苦しい局面でいかに連打を出すか?ということを9R間にわたって、何度も何度もセコンドからハッパをかけて指示し、大沢選手も必死で食らいつくという展開。ブロックからの返しのパンチと、当たった後の追撃が特に強調されていました。ロマンサジムのリングは小さく、逃げ場がないので、常にアクションが求められるタフなスパーとなります。

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先週から常にスパーで最後のパートナーを勤めているのは、ジムメイトで昨年度西日本新人王の金井隆明選手。背格好が近いということで仮想バルデス役でもあるそうですが、大沢選手にとっては同い年で仲がよく、協力して対策を立案したりする参謀役でもあるとのこと。金井選手も試合が近く、スパーは白熱いたしました。

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ラスト近くは中島トレーナーがラッシュを指示して、連打を出し切って終了となりました。

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スパーが終わると、さっきまでバチバチに殴り合ってた金井選手がすぐに頭をアイシングして、その後はボディ打ち。信頼関係が現れる一コマでした。

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ジムではみんなからタカと呼ばれる金井選手。

金井選手にもお話を伺いました(金井選手の発言は赤字

「大沢選手の練習ではいつもスパー相手なんですか?」

「ずっとそうです」

「今までと比較して今回の調子はどうですか」

「いいと思いますよ」

「かわりなく?」

「というかやっぱり気持ちはいつもより乗ってると思います。」

「大沢選手が金井さんのことを参謀役と言ってたことがありましたけど」

「年が同じなんで親しいんですよ。だから一緒に作戦や対策を考えたりしてます」

「同い年なのに昨年新人王なんですか?デビューが遅かった?」

「デビューは27です。ずっと働きながらアマで試合はしてたんですけど、大学とかに入ってたわけじゃないんで公式戦は7試合くらいですね」

「27でプロ入りって覚悟が要ったんじゃないですか?」

「いや自分は整備士で手に職を持ってやっているし、職場の方も信頼して応援もしてくれてるので全然不安はなかったです。」

「ロマンサジムは本当に自然態というか、リラックスしたジムですよね」

「(壁に貼られた海外ビッグマッチのポスターを指差して)中島さんがああいう世界を知ってる人やから、信頼出来て僕らも落ち着いていられるんです。」

ヘルパーボクサーと整備士ボクサーが協力して世界を目指す、というのもいかにも自立した大人の話であります。金井選手ありがとうございました。

大沢選手はジムメイトにスパーの感想など確認しながら、途中で貰った効いたボディの対策を話し合ったりと、徐々に試合に向けたモードに入ってきた印象。アメリカ行きは試合の5日前ということで、日本にいるのはあと二週間弱。ここからがチームの腕の見せ所であります。

このまま自然態で走りきってベガスで大仕事をして欲しいと思います。まだまだレポートは続きます。

HARDESTみたいな記事がなぜ専門誌に書けないのか?と思う(旧徳山と長谷川が好きです)



 

いよいよベガスへのカウントダウン 大沢宏晋選手最新情報

 試合まで3週間チョイとなり、ますます調整のピッチも上がる大沢宏晋選手。

 10月12日には関西のAMラジオ番組に出演しました。
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インターネットでラジオが聞けるサービスradiko(ラジコ)では、丁度その12日に直近一週間の過去の放送が聴ける機能が追加されました。現在番組の音声を聴くことができます。
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  桑原征平 粋も甘いも 10月12日(水)

 ホストの桑原征平さんは関西ではおなじみのベテランアナウンサーで、局アナ時代に過激な体当たりロケなどに果敢に挑んで、アナウンスと笑いを合体させたイノベイターでございます。そんな桑原さんが実はボクシングマニアだったということが、私には衝撃でありました(笑)。熱く深くボクシングを語っておられます。大沢選手の肉声を聞きたい方は是非。関西圏以外の方は有料のエリアフリーサービスへの登録が必要かも知れません。

 昨日はまたしてもジムワークを見学し、調整具合をチェックさせて頂きました。

 ジムに着くと大沢選手は中島トレーナーとともに、アメリカのアスレチックコミッションに提出する書類の記入をしている真っ最中。就労ビザの申請予約はインターネット経由で相当に複雑だったそうですが、この日総領事館でビザの申請も無事済ませたそうです。当たり前ですけど選手本人がするんですねえ。色々大変であります。

 事前に「大分動きが良くなってきました」とは伺っておりましたが、確かにスパーリングを見る限り先々週、先週よりも動きは軽く手もよく出ていました。来週は8~10Rのロングスパーで最終追い込みとなるそうです。
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その後は恒例のドラムミット

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練習後大沢選手に少しお話を伺いました。(大沢選手の発言は赤文字

先々週、先週に比べたらかなり動きは軽くなって来ましたね。

「今週から良くなって来ました。ウエイトもあと4.5キロで順調です。スパーリングはパートナーの攻撃を正面から受けきることで、負荷をかけて心拍数もあげて苦しさの中でいかに連打を出せるか?が目的です。普通にジャブついてフットワーク使ってくる相手とやるスパーでなく、ガンガン来る相手とやるスパーの方が負荷が高いでしょ。ここで負荷をかけて苦しんでおいたら、試合では重さが取れて体が軽い状態でベストな動きが出来ます。」

体格差のある相手を最初に持ってきたのはどういう意図ですか?

「いきなり負荷をかけたほうが、より試合に近くなるので。」

大沢選手もジムの雰囲気もベガスと言うことに構えることなく自然態といいますか、力みがなくいつも通りという感じですね。

「結局普段どおりが一番力が出ると思うんですよ。大事なのはいかに自然に平常心でリングに上がれるかで、観客席をイメージしたり色々と心の準備はしてます。」

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グローブが破れてますね

「一年でこれです。新しいのは来週まで来ないらしくて。まあ悪いグローブでやるのも練習です。これで練習してれば良いグローブでやったら楽に感じるでしょ?」

試合のグローブはレイジェスですか

「レイジェスです。薄いから(連打は)三つ食ったらもう終わりでしょうね。」

うーむしびれて来ました。来週またロングスパーにお邪魔したいと思います。大沢選手ありがとうございました。

DAZNに入会してみた(旧徳山と長谷川が好きです)


安河内剛事務局長が週明け17日に職場復帰へ

見出しの通りです。五年五ヶ月ぶりの出勤とのこと。

本来なら勝訴した時点でとうのとっくに職権も含めて回復されているべきだった地位が不完全なまま、違法な手段で安河内氏を追い出した人間は居座ったままの組織に戻るそうです。いろんな意味で文明社会の出来事とは思えないですね。

違法行為をした人間が大手を振って仕事をしてるスポーツの統括団体って凄いですね。

安河内氏からは「どんな妨害にも屈しません!」というメッセージを頂いております。

文責 旧徳山と長谷川が好きです

大沢宏晋選手記者会見にお邪魔してきました

去る10月4日、陣営のご好意で大沢宏晋選手VSオスカル・バルデス選手のWBOフェザー級タイトルマッチ決定の記者会見にお邪魔させて頂き、併せて会見後の練習も見学させて頂きました。

会見には大勢のマスコミがつめかけました。
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写真撮影に応じるチーム大沢の面々 左から中島利光トレーナー 大沢宏晋選手 田中雅春ロマンサ雅ジム会長

質疑応答についてはマスコミ報道をご参照ください。やはり本場ラスベガスのビッグマッチ興行の一環と言うことで、記事量も多く関心の高さが伺えますね。

世界初挑戦の大沢宏晋、舞台ラスベガスに気合十分(ボクシングニュース)
大沢宏晋11月世界初挑戦「ギャンブルせなあかん」(日刊スポーツ)
【BOX】ラスベガスで初世界戦の大沢、KO狙う「大舞台やからギャンブルせなあかん」(スポーツ報知)
大沢、ベガスで初世界戦 ライセンス停止&タイトル剥奪乗り越えた(スポニチ)
大沢、11月に世界初挑戦 米国でWBOフェザー級/BOX(サンスポ)

試合そのものへの質問以外にも、大沢選手が勤務している福祉施設(デイサービス)についてや、ライセンスの停止についての質問、単身メキシコに渡ってベリスタイン門下でトレーナーのノウハウを学びマルケス兄弟のセコンドも勤めた中島トレーナーの経歴や試合への展望などについても多くの質問がなされました。

何紙かで見出しとなっている「ギャンブル」発言についてですが、中島トレーナーによると

「大沢がどんだけ腹据わって、相手のファーストパンチに対してショートのカウンターを勇気を持って、どんだけ当てれるか?それの一点にかかってると思います。勿論大沢の武器であるジャブも大切なんですけど、そのジャブで序盤はしのごう、とか思ったらろくなこと起きへんです。どんだけ、相手の回ってくるパンチ、ジャブも鋭いんですけど、絶対曲げるパンチ打ってくるので、そのパンチに対してどんだけ勇気を持って、強烈なショートのワンツー当てれるか、それにかかってると思います。」

とのことで、ギャンブルと言っても、「一か八か」「玉砕覚悟」という打ち合いでなく、あくまで戦略としてどれだけリスクが取れるか?が重要だという見解。まさに、という感じであります。

質疑応答が終わると大沢選手は通常の練習に。この日もスパーは6R。疲れがたまってきているということで、打ち込まれるシーンもありましたが、前回よりも動きはやや軽く見えました。

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以前伺った「あくまで実戦形式で調整していく」という言葉に偽りはなく、ジムワークはひたすらスパーリング中心のようです。

この日はドラムミットを使ったミット打ちも。体重を乗せつつ一発一発確認するように打ち込まれるパンチは、力感充分で重さがビンビンと伝わって来て圧巻でありました。
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EL DISCOという遊び心溢れるネーミングのドラムミット 
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調整は順調のようです!引き続き渡米までの間リポートを続けたいと思います。

ベテランボクシング記者の質問スタイルにグッと来た(旧徳山と長谷川が好きです)

生野発ベガス行き!大沢宏晋ジムワークレポート&インタビューinロマンサ雅ジム 

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JBCによる不当なライセンス停止から3年半。大沢宏晋選手が、いよいよWBOフェザー級タイトルマッチに挑みます。しかもその舞台は、ラスベガスで行われるマニー・パッキャオ復帰戦、ノニト・ドネア防衛戦との同一興行で、対戦相手は20戦18KO無敗という破格のレコードをもつトップランク一押しのホープ、オスカル・バルデス選手であります。

大手ジムに所属しているわけではない日本のプロボクサーが、この舞台に立つということの凄さは、ボクシングファンならすぐに分かって頂けると思います。

当HARD BLOW!としては、当初大沢選手のことを、JBCのガバナンスの問題としてライセンス停止とからめて取り上げてきました。思い返せば、ライセンスが停止された時点では、彼のキャリア・競技生活がどうなるかは、当方にも全く未知数でありました。

その内容については以下の過去記事をご参照ください。
        ↓
どう考えてもおかしい大沢宏晋選手のサスペンドについて
もう一つのJBC裁判 谷川俊規氏の場合12
前提が崩れた大沢選手のサスペンド

世界戦一歩手前の状態で、JBCの一部職員の画策した、下らない違法行為の巻き添えになって、試合ができなくなるという、余りにも理不尽な目に遭った大沢選手。ボクシング界に嫌気がさして、引退していてもおかしくない、そんな精神状態だったはずです。

それがサスペンドが明けると即復帰し、その後はKOばかりで7連勝と言う快進撃。彼は失った時間を取り戻すように、世界ランクを駆け上がり、一連の不遇を埋め合わせて余りあるような、とてつもないチャンスを今まさに自分の力で掴もうとしています。

人生を総決算するような試合に挑む大沢選手にお願いして、練習を見学させて頂くとともにお話を伺って参りました。

大沢選手が所属するのは、大阪に住んでる人以外にはピンと来ないことが確実な松原市というところにある、ロマンサ雅ジム。入り口でスタッフの方に来意を告げて中に入ると、このジム特有のフランクでリラックスした空気感がすぐに伝わって参りました。私は「オイッス」「チワッス」的な体育会的なノリがちょっと苦手な文科系丸出しのタイプなので、こういうジムは大層居心地が良くて安心。壁面に飾られた海外試合のポスターなどを眺めていると、仕事を終えた大沢選手も現れ、まずはご挨拶。大沢選手はトレーナーとの打ち合わせの後、着替えてすぐにストレッチ。合間に少しお話を伺うと、試合の正式なオファーが来たのは9月15日とのこと。打診があってすぐに正式契約を交わしたということですが

「4月のフィリピンの試合(WBOアジアパシフィックタイトルマッチ)が終わった後は、いつ世界戦があってもいいように調整してきていたので、試合を受けるのは何の問題もなかったです。試合後すぐジムワークも再開してました。」(大沢選手の発言は以下全て赤文字

とのこと。

「オファーが無かったら、三位のポーランド人と挑戦者決定戦しようかという計画もあったんです。ただ向こうが色々ゴネ出してて。『アメリカに来い』て言うてきたから『ええよ、いくよ』って言うたら、音沙汰が無くなったりで。でも結果的にこのオファーが来て良かったです。(サスペンドの原因になった)WBOからこういう話が来たのも何かの縁やと思います。」

バルデスの最近の試合ぶりと、展望について伺うと

「試合のポイントは、自分のジャブがどれだけ当たるか、だと思います。当たると思うんですけどね。バシバシ打ったろうと思ってます」

とのこと。私も大沢選手の、モーションの小さい強いジャブが、はたしてバルデスを捕らえるのか?は試合の分岐点であると思います。あれがどんどん当たるようであれば試合がぐんと有利になると思います。逆に言えば、当たらなければ試合は厳しいものにならざるを得ない。

 シャドーを軽くした後、素手で少しバッグ打ったりとスパーリングに備えて体を動かしていきます。

「ここまでロードワークは毎日15キロくらいやってきました。フィジカルの土台は充分作ってきたので、あと一ヶ月は実戦形式、スパーリング中心で仕上げていきます」

と、これがいつもの調整法だそうです。

「ウエイトは4月から増減が無いように、プラス5キロくらいで維持してて、調子がいいときは5キロ切ったり。何も問題ないです。」

とヴェテランらしくコンデイショニングも抜かりなし。過剰に入れ込むような感じも無く、自然態に見えて充実が伝わってきます。

スパーリングは3Rずつパートナーを変えて合計6R。大沢選手やや疲労があるのか、正直動きは少し重くみえて、思ったように手数が出ず、押し込まれる場面もしばしばでした。

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ただそんな中でも、ポイントにあげていたジャブや、アッパーや左ボディはやはり強烈。

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スパー後、二人目のパートナーの方から「こうやって疲れのピークを二度三度と重ねて追い込んでいくのが、(大沢選手の)スタイルなんです。打たれてるように見えたかも分かりませんけど、いつもこのやり方なんですよ」という説明がありました。リングが小さいので常にアクションが求められるキツいスパーでありましたが、中島トレーナー(マルケスのセコンドも務めた達人)の指示は言葉数は少ないものの、「手を出すべき場面」や「局面に併せたパンチの選択」などなど常に具体的かつ、疲れの中で叱咤して体を動かすような絶妙なタイミングで発せられており、大変印象的でした。選手との距離感も師弟関係というのでなく、大人同士・プロ同士という風に感じました。

スパーが終わった後、大沢選手がパートナーとヘッドギアを外してリングに上がって向かい合ったので、何が始まるのかと思いきや、ここから一方がコンビネーションを打って、もう一方はグローブやヒジでブロックすると言う一風変わった練習に。打っている側にとってはミット打ちのようなもので、受けている側は防御の練習になるというこのスタイルを、交代しながらみっちりと。

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その後はシャドーをやって上がりですが、この時点で夜の九時にもかかわらず、練習生が入れ替わり立ち代わり、誰かが帰っては誰かがやって来ると言う感じで、ジムの中は凄い活気であります。その様子をみて、私はこのジムの勢いを肌で感じたのでありました。

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練習後、大沢選手の車に同乗させていただき更に詳しくお話を伺いました。

スパーの後リングでやっていた、攻撃と防御を入れ替えてやる練習が合理的で良くできてるな~と思ったのですが。

「あれはメキシコでやってるスタイルです。あんまりやってるところないでしょ?打ってるほうにとってはミットうちで、受けてる方はブロックの練習になるんですよ」

ミット打ちは受ける人が下手だと、かえってバランスが狂うらしいですね。

「そうなんですよね。合わんやつとミットやってたら「おまえもうええわ」ってなりますよ。だからボクサ
ー同士でやったほうが反応もいいし、実戦的でちょうどいいんですよ。」


ご自身もポイントに上げてたジャブですが、大沢選手のジャブはモーションが小さいのに、当たると頭がパーンと跳ね上がるくらい強いですよね?あれはいつから強くなったんですか?

「パンチ力はもともとある方やったんです。当て勘もいいと言われてました。それが更に強くなったのは前のトレーナーだった野上(真司)さんに教わってからです。『せっかく当て勘がいいんやから、ジャブをもっと磨こう』と言われて、それからナックルの当て方とか工夫して、ノーモーションでと...。そうやってドラムバッグ叩きまくってたら、2010年くらいからパンチ力が目に見えてアップして来たんです」

ライセンスが戻ったあと大星ジムからロマンサ雅ジムに移籍したのはなぜですか?

「それは野上さんがマネージャーだったのでそういう縁で」

今回の試合が実現したのは単なるラッキーじゃなくて、世界戦をするための戦略を持って、ランキングを上げてきた結果だと思うのですが

「それは当然狙ってやってましたね。ただ世界ランクに復帰した時点では何にもしてなかったんですよ。復帰後三試合連続でKOしたらWBOの14位に入って。それからどうやったらランキングが上がるか、世界戦出来るか、常に考えてきました。」


一時は試合もできなかったのに、こんな大舞台がくるなんて何か運命的なもの感じますね。

「こんなドラマチックなことが現実にあるんやなと、まあ縁ですよね。僕は誕生日がボクシングの日(5月19日)なんですよ。そういうことも自分で感じるんですよ。小さい時に、金持ちの友達の家に集まってWOWOWでタイソンとかホリフィールドの試合見てね、『こいつらラスベガスで試合して、金稼いでかっこええな~』とか言うてたら、本当にラスベガスですからね。」という感じで話は、大沢選手の少年時代に遡ります。

生まれてからずっと生野なんですか?

「ずっとです」

なんでボクシング始めたんですか?

「もともと運動能力はあったんです。50メートル5秒台で走ったりとか。小学校とか中学校の時は、兄貴の影響で野球やってたんですけど、頼まれてラグビーの試合に出たら活躍して、強豪校からスカウトが来たりしたこともあったんです。ラグビーもちょっと考えたんですけど『ずっと野球やってきたから野球やるわ』って、高校でも野球部入ったんですけどケツ割ってしまったというか、面白く無さ過ぎて一年でやめてしまって...。」

挫折ですね。

「野球部辞めた頃に、親が離婚したりとかあって、それでちょっと生活が荒れて。野球やめた後は街で喧嘩ばっかりです。ちょっとその道で有名になるくらい。そういう時に友達がね『お前このまま行ったらヤクザか刑務所やで。おなじ人殴っても、ボクシングやったら金貰えるんやからボクシングやったらええやん』って言って来てね。そう言えば小学校の時ベガスのボクシング見てたなって。だから大星ジムに行って『ボクシングやって、お金稼ぎたいんですって言うたら』そこのトレーナーが『リングにお金落ちてるから、おれと一緒に拾おう』って言ってくれて。」

昭和みたいな口説き文句ですね~。

「それでボクシングやってみたら、運動得意やから割とすぐ上達して。最初アマチュアのスパーリング大会出たらすぐ勝てて。『あいつ経験者やろ』って言われて。結局3ヶ月くらいでプロテスト受かって、6ヶ月でデビュー出来たんです。」

それは早いですね

「やっぱり貧乏知ってるからハングリーなんですよね。」

ライセンスの停止事件についても伺いました

あれだけの事件があったら潰れていてもおかしくなかったと思うんですが。嫌気がさすと言うことはなかったんですか?

「あの時は引退するつもりでした。」

え、本当ですか?

「引退届けにサインしてましたから。もう後は出すだけで。」

そうやったんですか...。どうして思いとどまったんですか?

「試合できないときに友達に『東日本大震災の被災地に一緒に行こう』って誘われて、牡鹿半島っていう宮城の一番奥にある場所に行ったんです。それで被災地で色々見て、被災した人と話して。そのときに、津波で家族や友達や家やっていうのがもう一生帰ってこないという人達のこと考えたら、自分のなくしたもん、世界ランクなんかいくらでも取り戻せるものやんって思って。もう一回勝っていったらいいやんって。」

そういうことがあって今につながってるわけですね。

「その時に、牡鹿の人に日の丸の旗に寄せ書きしてもらったのを今も部屋に貼って毎日見てるんです。」

理不尽な目に遭ってボクシングが出来なくなった大沢選手は、牡鹿半島の人達との出会いから気持ちを立て直して、現役続行という決意を固めることが出来ました。

あるいは、ボクシングに対して残っている思いに火をつけてくれる材料を、知らず知らずのうちに求めていたのかも知れません。

どちらにせよ、様々な苦難を経た今が、キャリアの中で一番良い状態であることは確かであると思います。舞台も相手もこれ以上ない試合。世界を驚かせるようなファイトをして欲しいと思います。

試合までの期間、更にレポートを続けたいと思います。お楽しみに。

大沢選手とロマンサ雅ジムの皆様も、ご協力を頂き大変ありがとうございました。

中身が濃すぎて一回にまとめるのが大変だった(旧徳山と長谷川が好きです)