HARD BLOW !

本邦初!WBFタイトルマッチリポート 山口賢一VS小林健太郎

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超満員の会場での国家独唱

さてさて、山口賢一選手VS小林健一郎選手によるWBFタイトルマッチのレポートでございます。

西島洋介山選手や西沢ヨシノリ選手が獲得するなど日本では比較的なじみの深いWBFタイトルでありますが、日本国内で日本人同士の決定戦が行われるのは、まさしく本邦初。エポックメイキングな興行の舞台となったの旭区民ホール。旭区と聞いても、他府県にお住まいの方にはピンと来ないかも知れませんな。大阪市の北東に位置する下町ムードあふれる行政区でございます。山口選手の地元ということで、過去にも何度か興行が行われています。区民センターの大ホールはキャパ1000人ほどの小屋でございますが、開場直後に中に入るとすでに結構な客入りとなっております。リングは舞台の前の空間に置かれており大変見やすいレイアウト。活気と凝縮感があって良い雰囲気であります。

この日の興行ではプロの試合の前に、子供から大人まで参加するスパーリング大会が行われております。スパーリング大会に参加した選手はそのまま会場に残ってメインまで試合を観戦する方も沢山いらっしゃいました。またプロの試合のジャッジもスパーリング大会に選手が参加したジムの会長たちが勤めています。

アマチュア選手にとっては自分たちの試合の延長上にプロの試合を見ることができます。自分の試合が終わった直後にプロの試合を見れば学ぶことも多いでしょう。興行を打つ側にとっても観客の確保にもなるし、キッズボクサーがスパーリング大会に出ればその親も観客になってくれます。また実際にボクシングをやっている人は技術に着目するので、ひいきの選手の試合が終わったら帰ると言うこともあまりなく最後まで熱心に見てくれます。

さまざまな集客の工夫、盛り上げる工夫が成されています。

選手にチケットを押し付けて、ポスター貼りも選手にやらせて営業も宣伝も選手任せというジムが沢山ありますが、それでプロモーターと言えるのでしょうか?そして集客のためにさまざまな工夫を認めるべきではないでしょうか?特に地方ではなおのことです。山口賢一選手の天神ジムの興行ではボクシングと同じリングでキックの試合が行われたりします。

そうすれば興行にバラエティが出るし、、またそれぞれのジャンルの固定ファンが異なるジャンルの競技の面白さを発見する手助けにもなります。ボクシング興行にも観客本位の工夫がもっとあってしかるべきだと思います。

アマチュアの試合が終わると次はプロの試合が始まります。アンダーカードは6回戦が三試合。

最初の試合は磯道鉄平選手VS小沢大将選手。磯道選手はもとWOZジム所属で2004年度スーパーライト級全日本新人王。かつてはテレビでも注目されたホープでした。



対する小沢大将選手はA級・B級トーナメント優勝実績のあるバリバリのA級ボクサー。天神ジムの興行に過去参戦しております。

現役復帰した磯道選手には民放バラエティ番組のクルーが密着しており、セコンドにはレポーターを勤める吉本の芸人の姿も見えます。が、私は小沢選手のコーナーに釘付け。だってセコンドがクレイジー・キムさんなんですよ!

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セコンドからの指示も独特だったキム会長

小沢選手は現在クレイジーキムさんのジム所属で選手活動をしています。キムさんの地元熊本は地震で大変な状態ですが、その苦難を押しての参戦でありました。

試合のほうは見ごたえがありましたが、小沢選手の強打が明白に上回った感じ。磯道選手はブランクの影響か小沢選手にくらべると、やや試合勘が戻っていないかな?と言う印象でした。結果は小沢選手の2-0判定勝ち。技術レベルの高い試合でした。

二試合目は天神ジムの石角悠起選手がタイ人選手に手堅くKO勝ち。

三試合目はメインに出る小林健太郎選手の実兄である獅子丸崇也選手VS大阪帝拳所属だった好川大智選手の試合。

序盤は獅子丸選手が自由自在なスタイルでリードしますが、後半やや息切れし好川選手が巻き返す展開。接戦となりましたが、獅子丸選手が前半のリードを生かして2-0判定勝ちとなりました。

ここまでの三試合普段JBCの興行で見るアンダーカードと比べてなんら遜色なく、いやどちらかと言うとかなりハイレベルでありました。まあ実績がある選手が出てるから当たり前なんですが。JBCのライセンスがないからプロじゃないというような偏屈な見方がいかに現実に即していないかを如実にあらわしたものだったと思います。

一回ゲソを脱いだジムに一生拘束されるという不合理極まりない現在の選手契約ルールになじめない選手はこれからも出て来ます。それは時代の必然であり、また要請でもあります。そうしたケースは今まではすべて「選手のわがまま」と言われて来ましたが、興行もライセンスも独占する雇用主のクラブオーナーが、極端に有利となるよう設計された現在の契約スタイルは、極めて前時代的で、人権侵害とすら言えるものです。日本のボクシングが近代的で合理的な組織になれば、業界ももっと活性化すると思うのですが…。

さていよいよお目当てのメインであります。

先に入場した小林選手はスナイパーのような風貌で気迫充分。昭和の男前のようなヘアスタイルもナイスであります。
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一方の山口選手は地元の大声援を受けて客席から登場。この時点で会場は超満員です。

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山口選手がこの試合を実現するに当たって、実はボクシング業界からの横槍もありました。試合の発表自体がギリギリで宣伝期間も充分とはいえないものでした。ですが蓋を開けてみればこの熱気であります。

「君が代」の独唱とコールが終わっていよいよ試合開始。

ゴングが鳴ると両選手とも序盤からハイスパートの打ち合いに突入。サウスポーの小林選手は常に先手を取るスタイルで積極的に手数を出せば、山口選手は接近してボディフックを打つ展開ですが、小林選手が的確さで一歩リード。分けても良く伸びるストレートと鋭いアッパーが印象的で、何度も山口選手の頭を後ろに弾く。先手を取られた山口選手は小林選手の正確なパンチをかいくぐって、プレッシャーをかけつつワイルドなフックを上下に放ち応戦。だが小林選手のペースは落ちず手数も旺盛で、一発一発のパンチも正確でなおかつ重く硬く見える。

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印象的だった小林選手のストレート

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山口選手はボディ打ちで応戦
アクションが詰まった試合は一向にテンションが落ちず、両者スピードに乗って手を出し続ける展開が中盤も続く。パンチの的確性は小林選手だが、山口選手はパンチが当たるとすぐにラッシュで攻め立てて再三印象的なシーンを作る。小林選手はやや打ちつかれたか、手数は落ちてくるが、要所での回転力とパンチ力は相変わらず。低い姿勢で密着してくる山口選手をアッパーと打ち下ろしのストレートで迎撃するが、山口選手は対角線のコンビやボディアッパーで応戦。小林選手のサイドにステップアウトしての攻撃も有効。ひとつのラウンドで何度もペースが入れ替わるめまぐるしい展開が続く。

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序盤からノンストップで続いた白熱の打撃戦は9Rに小林選手の目の傷が深くなって、突如ドクターストップ。会場では分かりませんでしたがビデオ映像で深さを確認出来ました。傷はバッテイングが原因だったので負傷判定となり、9Rまでのポイントで勝敗が決まるというアナウンスがなされます。

集計に時間がかかりましたが、スコアの読み上げがはじまり、77-75小林、78-75山口とスプリットデシジョン。最後の一人のスコアは…77-76で小林!小林選手が新チャンピオン。その瞬間小林選手はリングにつっぷして感涙。この試合にかけた気持ちが見えてグッと来ました。

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一方の山口選手は展開をつかみかけていただけに残念。8、9ラウンドは有利にすすめており、小林選手にも疲れが見えていたので「あのまま続いていれば」と思わずにはいられませんでした。

しかしなんだかんだ言って、判定結果は公平であったと思います。言うたらあれですが、山口選手の興行でジャッジやレフェリーも山口選手の伝手で集めて来た人ばかり。負傷判定で勝つようなことがあれば、小林選手サイドから見れば禍根が残ることは確実でありました。

この結果はレフェリングもジャッジも妥協のない競技として運営されていたことの証であると思います。

勝った小林選手おめでとうございます。タイトな素晴らしいボクシングでした。

負けた山口選手。興行とスパーリング大会の準備に、ジム会員や高校生の指導、WBFとのやりとり、取材やチケット販売の対応をしながら、試合に向けた練習をする姿はまさに超人的でありました。取材時に「大変ですね」と声をかけたら、「まあ仕事ですから」と言っていた姿が忘れられません。本当にお疲れ様でした。

この試合はノンストップの打撃戦で、頭から尻尾までアクションが詰まっており、展開のめまぐるしさも含めて滅多に見られない面白い試合であったと思います。以下に試合の動画へのリンクを貼っておきます。是非ご覧ください。
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で最後にひとつ気になることがあったのですが、それは場内のアナウンスで「9Rまでの判定」ということになっていたのに、スコアが80点満点だった問題。役員席に行ってみると、同様の疑問をもったと思しき、記者なのかマニアなのか分からぬご同輩がジャッジペーパーを囲んで侃侃諤諤やっているところ。でジャッジペーパーを見てみると、スコアが確かに8Rまでしかない。

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そこにいたWBFの会長によると、WBFのルールではストップになったラウンドは判定に含めないと言うことで、80点満点で間違いないとのこと。アナウンスの間違いと言う結論でありました。同様の疑問が知人からも寄せられたのでここに記しております。

ちなみにWBFの会長は「ストップが早すぎる」と言う見解でした。

会場を出ると地元の皆さんが「残念だったね」とか何とか言いながら自転車や徒歩で三々五々帰っていく光景が。その日常感が旭区の地元の皆さんに愛された、地域密着ボクサーの試合後にふさわしい姿だなと、なんだか腑に落ちたのでした。

大阪の片隅で何気なく行われた、この先進的なイベントを、私は忘れることはないでしょう。祭りは一瞬で終わりますが、だからこそ記憶・記録していくことが大切だと思います。

このイベントにかかわった皆様、大変お疲れ様でした。

内山高志の陥落に驚きつつなんか納得した(旧徳山と長谷川が好きです)

山口賢一×小林健太郎 フル動画

 昨晩の試合、予告されたネット中継は無かったようですが、早くも試合の動画が天神ジムよりアップされました。高画質でエプロンから撮られているので臨場感もバッチリです。




 JBC公認だなんだということと、試合のクオリティにはなんの関係も無いということが分かっていただけると思います。

 時代は動いています。

 

WBFタイトルマッチ速報

9R小林選手のバッティングよる目の傷でストップし、負傷判定2-1で小林健太郎選手が勝利、新チャンピオンとなりました。

素晴らしい打撃戦でした。

『先駆者 山口賢一』 WBFタイトルマッチの意義

WBFポスター


 先日行われた、水泳の日本選手権は大きな話題となりました。オリンピックの選考会も兼ねるこの大会は、国民的な注目の中で行われ、分けても自らの去就をかけて出場した北島康介選手の動向は、一挙手一投足に至るまでメデイアに取り上げられる事態となりました。

 北島選手は決勝で2位に入賞するも、派遣標準記録は突破出来ずオリンピック選考は落選し、レース後現役引退を表明しました。

 この、「北島をオリンピックに派遣せず」という水泳連盟の裁定に対して、結構な数の抗議電話が来たのだそうであります。水連にしたところで、コカコーラという大スポンサーがついていてメデイアの注目度も高い北島をオリンピックに派遣することは多大なメリットがあったことでありましょう。ですがそれをしなかった。そのことの背景には、実はかつての水泳界のスター、千葉すず選手の影響があるというのであります。

 文芸春秋のスポーツ雑誌ナンバーのWebに掲載された生島淳さんの筆による、以下の記事をご覧ください。
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 北島康介の落選と、千葉すずの遺産。 基準を明快に運用した水連に拍手を。

 千葉すずのシドニーオリンピック落選に絡むスイスのスポーツ仲裁裁判所を舞台にした法廷闘争の結果、水泳連盟の選考基準は明文化・明確化され、クリアになったというのであります。

 実はCSAの仲裁を受けるには莫大な訴訟費用がかかります。そうした障害を乗り越えてでも白黒をつけた千葉選手の強い意志の力は、その高い競技力の源でもなかったのか?と今となっては思います。

 私も当時の選考を巡る千葉と水連の闘争は覚えております。シドニーの前の、アトランタオリンピックで日本の水泳選手団がメダルを逃した後、謝罪めいたこと言わなかったことで批判が集中し、半ば戦犯扱いされた千葉選手。シドニーでの落選は、その時の水連との確執が背景にあることは明らかでありました。

 当時JOC会長を経て水連のトップだった古橋廣之進は、選考の不公正を指弾する千葉の行動を利己主義だと批判し、「水泳は団体競技だ」と開き直る『老害』ぶりを発揮いたしました。もちろん競泳はリレーやシンクロ以外は個人競技です。

 我侭勝手の秩序破壊者だと言われた千葉選手の行動が、15年経ってみれば実は水泳競技のレベルアップや選考の透明化・平等化という功績となって現れたのであります。

 とかく日本のスポーツ界は村社会であり、既得権者に逆らったり、明らかに不合理なものでも業界慣習を批判したり、前例を踏襲しなかったりする人は『問題児』として指弾されます。

 今じゃ偉人みたいな扱いになってる野茂英雄だって実際にメジャーで活躍するまでは、育ててもらった日本の野球界を裏切った我侭な恩知らずで、フォームも変則だから活躍できるはずはない、等々とムチャクチャに批判されました。ですが、結果的に彼が開けた、アリの一穴が日本の野球界に風穴を開け、業界の構造すら変えてしまうようなダイナミックな変化を引き起こし、競技のレベルアップにもつながりました。

 プロボクシング界は未だ不透明で閉鎖的な商習慣や選手契約が横行し、タイトルへの挑戦もテレビ局と結びついた一部の特権的なプロモーターが独占している状態です。

 そんな閉鎖的な日本のジム制度を飛び出して、オーストラリア、フィリピン、メキシコと道なき道を進んできた世界を舞台に戦って来た山口賢一選手のひとつの到達点が明日のWBFタイトルマッチです。

 「マイナータイトルじゃないか」と冷笑する事は簡単です。ですが一選手が自力でここまで到達したケースすら、日本のボクシング界には未だなかった。山口賢一は自分の意志でJBCとJPBAの外に出て、自分のやり方で自分の力で自分が戦う舞台を作った国内で初めての選手なのです。

 千人規模の会場で行われる小さな興行で、マスメデイアもボクシング雑誌も、評論家も誰も取り上げないかも知れませんが、きっとこの興行は日本プロボクシング界の未来に向かって蒔かれた種になると自分は思っています。

 「プリンス論」読んだ直後にプリンスが亡くなって驚いた(旧徳山と長谷川が好きです)

山口賢一VS小林健太郎のWBFタイトルマッチをネットで生中継

さてさていよいよ二日後に迫った、本邦初のWBFタイトルマッチ。

個人的には会場で目撃して欲しいイベントではございますが、ネットでのライブストリーミングも行われます。

山口賢一選手が会長を務める大阪天神ジムのFACEBOOKページにて試合動画が同時中継されることになりました。
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大阪天神ジムのFBページへのリンク
本日の最終調整の様子も生配信されておりましたが、ほんとエライ時代になったもんであります。

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遠方の方、私用のある方は是非ネット動画で観戦して頂きたいと思います。

本日は計量前の最終調整。ウエイトは一度リミットまで落として、今週は食べながら微調整という感じのようです。
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激励に来た同級生をリングに上げてシャドー!
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自称『アラブの石油王』
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 お見逃し無く!

 JPBAの渡辺新体制に注目している(旧徳山と長谷川が好きです)

荒川仁人が円熟の技巧で日本王者帰り咲き!日本ライト級タイトルマッチat島津アリーナ

 私にとっては今年初の生観戦となりました、徳永幸大VS荒川仁人の日本ライト級タイトルマッチの観戦レポートでございます。

 会場は、昨年末大森将平選手がマーロン・タパレス相手に壮絶に散ったあの島津アリーナ再び、であります。でやっぱりこの会場、私のように大阪から行く人間は勿論、京都の方にとっても微妙な位置。ぶっちゃけ不便なんですよね。6時半頃会場に入ると、試合はすでにセミセミの8回戦。ですがその時点で集客がなんとも寂しいといいますか、なんか広いからガランとして感じるんですよね…。
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 徳永×荒川と言えば今年のチャンピオンカーニバルでも屈指の好カードでありまして、大阪で開催なら見たいな~と言うファンもいたと思います。というかこの試合の翌日は関西でなんと4興行が平行開催。昨年末もそうでしたが、こうなんちゅうかもうちょっと見る人に配慮した日程は組めないもんなんでしょうかね?少ない市場を食い合ってるような気がしてなりません。まあこれでもなりたってるというのが、ある面ボクシング興行の根強さの証明でもあるのでしょうが…。

 セミファイナルは大森将平の再起戦。前戦を戦う前までは、ベテラン王者の益田健太郎を一蹴して日本タイトルを獲得し、WBOランキングを1位まで上げて、もはや世界戦も目の前と言われていた大森。ところが昨年末、本人も陣営もイケイケ状態で迎えたフィリピンの強豪マーロン・タパレスとの一戦を、一方的な展開で4度転がされて序盤KO負けと言うまさかの完敗で落としてしまい…。対戦前の大森の勢いが凄かった分だけに、ぶつかって吹き飛ばされたショックも大きかったと言えるでしょう。ボクシングにおける一敗の重さ・怖さを凝縮したような敗戦でありました。

 あのショッキングな敗戦からの再起戦ということでおっそろしく慎重に入った大森は、丁寧にといいますか用心の上にも用心を重ねて戦って、4Rにインドネシア人をレバーブロー一発で戦意喪失に追い込んで無事KO勝ち。とはいえ試合振りは硬いといいますか、ぎこちないと言って良いレヴェルで、やっぱりあの負け方はいろんな意味で尾を引いてるんだろうなあ~と感じました。

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そこから照明が落ちることもなく、メリハリも特に無い状態でメインの選手入場へ。なんかこうもうちょっと演出らしきものがあってもいいんじゃないでしょうか?俺細かいですか?なんか全体にさびしい感じがしたんですよね…。

荒川選手は淡々と入場。一方の徳永選手はミドレンジャー状態。
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 私荒川選手の試合を観戦するのは二度目でして、斉藤司選手が加藤善孝選手と日本タイトルマッチを戦った時のメインの荒川選手×近藤明広選手の試合を生観戦しております。試合前は「タイトルマッチがセミってどうなの?」と思っていたのですが、いざ試合を見たら荒川選手の大人のボクシングにすっかり魅了されたのでありました。今思い出しても渋い、いい試合でしたね。試合が終わった瞬間、破顔一笑近藤選手に抱きついた荒川選手の姿に、彼の人間性が現れていたように思います。近藤選手も淡々としてて渋かったな~。

 一方の徳永選手は長身と長い手を生かしたスタイリッシュなパンチャーで、メキメキと上昇中。打たれもろいタイプながらも、安定感が増してきています。

 荒川選手はここ数年は負けが込んでおり、年齢も含めて徳永選手有利の声も多かったのですが、いざ蓋を開けてみると荒川選手の巧さのみが際立つ展開となりました。

 序盤一ラウンドは両者カウンターが得意と言うことで比較的静かな立ち上がりながら、ラウンド後半、一瞬の隙を突いて荒川の飛び込むようないきなりの左が顔面にヒットして、徳永がダウン。1Rから弱点の打たれ弱さが露呈してしまいます。一方荒川は思い切りのよさが目立つ。これで徳永はゲームプランが狂ったか?ダウンのダメージは特に感じさせず、ジャブも右もヒットしていながら、荒川の巧みな距離のコントロールにはめられて思うように連打が打てない。荒川は常に能動的に展開を作る積極性を見せ、ラウンド毎に距離やパンチの種類を変えて徳永を揺さぶって徳永のきれいなボクシングを潰し、強打を食ってもポーカーフェースを通して反撃することでペースを渡さない。

迎えた5R、荒川は今度はワンツーできれいに徳永の顔面を捉えて、徳永は吹っ飛ぶようにダウン。これはダメージがありました。

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 中間採点は当然3-0。徳永は展開を変えるビッグパンチが必要ですが、荒川はポイント差も織り込んでるかのようなニクい戦いぶりでペースを掌握。
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徳永はアッパーやボディ(全体にちょっと低かったように思います)を再三ヒットして荒川を苦しめますが、荒川は終盤そのアッパーに合わせた左カウンターを放つなど一枚上手。
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要所要所で徳永のビッグパンチは当たるのですが、荒川は手も足も止まらず、攻撃的に戦いぬいてそのまま試合終了。後半3ラウンドは白熱の打撃戦で、なおかつ技術的にも見所が多く素晴らしい展開でありました。

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 採点は3-0荒川ながら、ジャッジ二者が2ポイント差ちゅうのは、う~んという感じでありました。宮崎ジャッジの4ポイント差が一番しっくり来ましたね。自分の採点も96-92で荒川でした。

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 ベテランらしい巧さの中にも、チャレンジャーらしく気風のいい攻撃精神を見せてくれた荒川の試合振りは見事でありました。一方の徳永は、1Rのダウンがいかにも勿体無いという印象で、自分の距離でジャブや右も普通に当たっていたのに必要以上に接近戦に応じたりと、やや燃費の悪い戦いぶりだったなと感じました。もっともそれも荒川選手の巧さが引き寄せた展開であります。

 35歳の新チャンピオンですがまだまだ出来るんじゃないでしょうかね?徳永選手との再戦もまた見たいですね。

 というわけでメインは素晴らしい試合でございました。

 島津アリーナの近くに住んでたことのある(旧徳山と長谷川が好きです)

日本ボクシング界の風雲児 山口賢一選手が来週大阪でWBFタイトルマッチ!

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 さてさて当HARD BLOW!ではすっかりおなじみの『自由すぎるボクサー』山口賢一選手(過去のインタビューはこちらから→イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポートPart1)が、来週末3月23日に大阪市でなんとWBFの世界タイトルマッチを行います。対戦相手は2011年度にスーパーフライ級で全日本新人王を獲得した小林健太郎選手です(BOXRECによる小林健太郎選手の戦績)。

 WBFからの承認のレター↓
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 WBFと言えばJBCでは未承認ながら、西島洋介山選手や西澤ヨシノリ選手も保持していたことがある、日本のファンには結構おなじみのタイトルであります。

 とはいえ国内で日本人同士の決定戦というのは歴史上初めて。この試合は日本ボクシングの歴史の中でも異例中の異例となる興行でありますが、それもこれも山口選手の創意工夫に富んだDIY精神によって実現したものです。プロとしてファイトすることだけでなく、ジム経営に所属選手のマネジメント、高校生の指導に高山勝成選手のサポートなどなど八面六臂の活躍ぶりで走り続ける山口選手のエネルギッシュな姿は、十年一日・旧態依然のボクシング界にあってきわめて異質なものです。

 ファンの中には「こんなマイナータイトルやってどうするんだよ」とシニカルに構えておられる向きもあるかとは思いますが、私は「閉鎖的な因習に満ちた業界にアリの一穴を開けるきわめてエポックな試合だ」と感じています。

 未承認タイトルマッチを国内で挙行するということで、ピリピリしておられる業界関係者もいるとかいないとか言う話ではありますが、JBCはもはや公益法人格も放棄しボクシング興行を独占する大義名分もありません。もとより公取はJBCによるボクシング興行の独占には法的な根拠が無いことをすでに認めています。

 というわけであれこれ想像するより話を聞いたほうが早いと言うことで、山口選手にお会いして参りました。以下はそのレポートです。

 天神ジムに伺うと山口選手は支援者やジムの会員の方と談笑中。減量中ながら会員のミットをもったりといった会長職もこなしつつ、高校生の指導の為に名古屋への往復もしているという多忙ぶりですが、そんな中でも試合に向けた調整は抜かりなく、減量も順調とのこと。

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 この日は出稽古ということで、天神ジムから移動して大阪市内の某ジムに出かけてのミット打ちやマススパーなどみっちり二時間追い込んだ練習が行われました。

 前回の試合から、早めにウエイトをリミットに持っていくと言う調整方法に変えたと言うことで減量はピークのようですが、疲れて体が重い中でも動きながらしっかりと汗も出て調整は順調と見えました。実際、練習後に体重計に乗るとリミットまで1キロちょっと。多忙な中でもコンデイショニングは順調なようであります。

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 とにかく異例尽くしのキャリアを歩んできた山口選手がまたも日本ボクシング界に一石を投じることになるであろうこの試合。きっとボクシングマニアの好奇心に答えてくれる何かがあると思います。テレビでも雑誌でも新聞でも見られない試合だからこそ、足をを運んで生で見る価値があると思います。

 試合まで10日を切りましたが、当HARD BLOW!としては微力ながら盛り上げて行きたいと思います。お楽しみに。

 色々書けないことがあってそれがまた面白いんですよと言いたい(旧徳山と長谷川が好きです)

大沢宏晋選手 セブで1RKO勝ち!

またもKO!しかも1R!相変わらずの充実振りで磐石の勝利だったようです。大沢選手陣営より試合動画が公開されましたのでリンクを貼っておきます。

海外での勝利と言うことも価値があると思います。

はやくもBOXING NEWS様に試合後の写真が掲載されております。

大沢宏晋がWBOアジア王座獲得、戸部洋平は南ア遠征

これで更にランキングも上昇するでしょう。これからが正念場ですね。ロマチェンコには返上との噂もありますが、はたしてどうなるか?今後の動向を注視したいと思います。

まずは大沢選手おめでとうございます。