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K3 BOX&FIT GYM 訪問記 亀田興毅選手インタビュー PART3

 最初からあくまで『素のまま』でやってきたと言う亀田三兄弟は、内藤大助×亀田大毅戦での余りにも『素のまま』の一連の振る舞いで日本社会全体を敵に回すような厳しいバッシングを受けました。あの試合について個人的に気になっていたことを色々と伺いました。

HB-あの内藤×大毅戦の記者会見で『内藤はいじめられっ子、俺らはいじめっ子や』と言う発言は一線を越えてたと思うんですよね。それを聞いていじめられてた人はやっぱりどきっとするやろうし…。

亀田-そうなんでしょうねえ。

HB-でも今話聞いて、『素のまま』だったんやと。それはつまり『テレビでこんなこと言っていいんかな?』と言うフィルターを通っていないゆえの発言だったんやなと。

亀田-そうなんですよ。あとからいじめられっ子のこと考えてみろって言われたらそうなんですけど、その時はもうそのことしか考えてないからね。

HB-でもそのあと内藤さんも、少年期のいじめらてた時代の本がベストセラーになったりして波及効果はあったと思いますが...。

亀田-そこは俺ら全く関係ないから(笑)

 ある面で配慮が無く杜撰だと言える話ではありますが、しかし同時にあのような舌戦があったおかげで試合がヒートし、内藤大助選手の大ブレイクに繋がったのもまた事実。また当時TBS が内藤が勝つ可能性を殆ど検討していなかったような感じなのも個人的には『杜撰だよなあ』と感じたケースでした。

HB-あの試合の反則騒動で、アンチの印象も徹底的に変わったと思うんですよ。で最終的に興毅選手がスーツ着て謝罪会見をしましたが、どういう経緯でああなったんですか?

亀田-誰が出るってなったら俺が出るのが一番巧く収まるんじゃないかなあと。オヤジはまっすぐでハートもあるいい人間なんやけど、ああいう場には向いてないから。それ(反則)については謝っても、関係ないこと言われたら『謝るとこには謝るけど、今それは関係ないやろ』って素直に言ってしまう人間やから。マスコミってああいうところでは絶対へんなこと聞いてくるから。そしたらそういうやりとりだけ取り上げられて『あ、お父さん反省してないんですか?』『いや反省してるやんか。今あやまったやんかって』って放送されて、見た人は『あっこのオッサンまたや』ってワーってなるから。やっぱり正直やからね。要領が悪いから。でもあの場はそういう場所じゃないから、だから俺が出て行ったということです。

HB-あの時は家族としては葛藤があったでしょうね。

亀田-まあそれは実際にやったことやから。反則やからね。仕方無いから。

 ここでもやはりキーワードとして『素のまま』が出てきました。彼らのことを邪悪な計算高い人間であるかのように批判する人もいますが、むしろ『素のまま』に振舞ったおかげで買わなくても良い反感を買っている場面のほうが多い気がします。計算高いというよりはむしろ、不器用ではないのかと言う印象を持ちました。

 話の流れで、「負けても王者問題」と言われている、自分も観戦した大阪の大毅×ソリス戦について伺いました。

HB-あの時のサスペンドは仕方ないと思いますよ。でも今回はウエイトを守った大毅選手が試合をできなくなるって理不尽ですよね。

亀田-ほんまにね。もう一年以上試合してないから。25歳やった大毅が26歳になってしまったから。言うてもまだまだ若いけど、でもこの一年は痛いですよ。まあ俺の一年もそうですけど。

HB-試合で取り返すチャンスが無いっていうのがねえ。

亀田-あれはリボリオ(ソリス)が体重超過しただけであって大毅は何もしてないからね。でも今世界的に流行ってますわ、ファイトマネーいらんベルトもいらんけど勝ちたいって言うのが。ロマチェンコもやられたしね。もうその時点で一階級二階級違うんやから。

嶋-あの時悲しかったのはJBC が、ソリスの当日の体重に規制とかをかけなかったことなんですよね。昔、坂田×パーラとか当日53.5キロでやりましょうとかあったじゃないですか。でも今回無かったんですよ。だからさすがに怖いなと思って。

HB-それはJBC が危険性を分かってないんですよ。

亀田-こっちは(JBC に)何回も言ったんやけどね。

嶋-それでWBA に働きかけてやっと57.1 でってことになって。


HB-それ以上リバウンドしちゃダメだよというウエイトですね。

嶋-で、それをJBC に伝えて。でも当日ソリスがやってきて量ったらオーバーですよ。60 キロ近い。でもJBCは何も言わないんですよ。

HB-IBF は当日計量ありますよね。

亀田-でもソリスは計量でオーバーしてるからもうIBF はもう関係ないんですよ。

HB-ああそうか。

亀田-でもJBC は当日の体重をいつも必ず控え室で量るんですよ。大毅はIBF の当日計量の上限(10 ポンド以内)あるからリバウンドもできへん。結局当日に会場入りした時点で3.3 キロも違うんですよ。二階級違うんですよ。でもJBCは何もしてくれない。

 JBC はタイトルはいらないと開き直ったソリスの振る舞いになんのストップもかけずに放置したのだといいます。これは安全管理上重大な問題です。何かと言うと亀田はホームで招請した選手相手に理不尽なプレッシャーをかけているかのように言われて来ましたが、今回のバックステージの様子は真逆のようです。大毅選手はそのような状態でよく試合を受けたと思います。

亀田-これから(確信的にウエイトオーバーしてくる)そういう選手がきっと増えてくるから。でも興行があったら試合中止とかなかなか出来へんから、だからそういう場合に備えてちゃんと対策せなアカンと。ほんまは体重守らなあかんねんけどこういう場合のことも考えて、JBC と言う組織はルールをちゃんと把握してね。今だって、中の人ルール知らないですもん。

とそこから話は高松のグローブ問題へ

HB-さきほどビデオ見せてもらったんですけど、(監禁も暴行も)全く何も無くて。

亀田-そうなんですよ。監禁や暴行やって書かれて、俺何をしたんかなと思って。あの映像の中で暴行してるとしたら凄いノーモーションですよね。そんな凄いパンチあるなら打ちたいですよ(笑)。

HB-あれ見たら一目瞭然じゃないですか。

亀田-やのに未だにああいうこと言うてるっていうのがね。

HB-高松のあの場でJBC から受けた説明には納得できましたか?

亀田-一切出来なかったですね。だって逃げてばっかりですもん。JBC は昔からね同じグローブ使うって言うてるんですよ。それが今回はそういう契約してるから当事者同士話し合って下さいって言い出したから、『じゃ今後は違うグローブ使ってもいいんですか? 』『そうじゃないと今回のケースは特例になりますよ。いいんですか?』って聞いたら、『むー』ってなってもうて部屋から出て行こうとする、『いやいやちょっとまって、違うでしょ』と。『じゃ何のために昨日調印式してサインしたんですか?あれはなんやったんですか?』と聞いたら『いやあれは形だけやから』『セレモニーやから』と言うたんですよ。え~ほな何のためにやるの~って。もうやらんでええやんそれやったらって(笑)!

HB-そりゃそうなりますよね(笑)

亀田-で対応してた人(亀田兄弟に監禁恫喝されたと主張してるJBC 職員)以外の二人は何にも言わんと黙ってて。で、対応してた人は『もう話にならない!』って言うて出て行って。いやこっちが話ならんわっていう感じなんですけど。『出て行ったアカンやん、話終わってないのに』っていうても、どっか行ってしもて。

 その後残された他の職員が「我々は下っ端だから判断することが出来ない」と言って更に脱力を誘ったのは、前半に書いたとおりです。ここで問題になるのは一体誰が、監禁だ恫喝だと言い出したかということです。亀田サイドの抗議に対応したJBC 職員が意図的に話を大袈裟に伝えたのか?アンチ亀田記事が生命線のゴシップライターが意図的にトバシ記事にしたのか?あるいは両者が結託してやっているのか?『亀田がJBC 職員を監禁・恫喝・暴行した』という話は、『亀田の試合がつまらない』『判定がおかしい』『態度が気に入らない』『過去に反則をした』というのとは明らかに次元が違う話です。
 他人を犯罪者呼ばわりしてるようなもんで、映像を見る限る事実でもないですし重大な名誉毀損であると思えます。選手として気に入らないからと言って嘘で中傷してもいいはずもありません。そしてそのようなヨタ記事にコミッションの職員が確信的に関与しているというのは明らかに問題です。昨年来のライセンスの復帰やジム移籍を巡る亀田サイドとの交渉の場で、JBCは何度もこの裁判について言及したのだといいます。それはつまり言外に「この裁判を引っ込めたらライセンスも考えてやるよ」といってるのと同じだと思います。ライセンス停止の原因となった事案とは何の関係もないこの事件についての裁判を、ライセンスを巡る取引材料にするのは卑怯ではないでしょうか?

 亀田ジムはたまたま選手と経営者が一体であり、海外にも試合が出来る拠点があったことからJBC と裁判を戦いきる体力・環境がありましたが、もし中小のジムで同じようなことがあれば泣き寝入りです。いや実際に高山勝成選手や大沢宏晋選手は、御用ライターが書いた悪意の記事でネガティブキャンペーンをされて、実害にあっているのです。まあ妄想ゴシップライターは論外としても、スポーツ新聞や他のネットメデイアも取材に来ないことにおいては五十歩百歩。冒頭ご紹介したデイリースポーツにしても、興毅選手のブログを切り貼りして一丁上がりと言う姿勢は大変に疑問でありました。

HB-yahoo のTHE PAGE に載ってる本郷陽一記者の亀田記事も亀田サイドには全然取材してないんですよね?

嶋-だからこの間『一回取材に来てください』って言ったんですけどね。こちらとしても取材して記事にして頂きたいので。

HB-でもおかしな記事が出たら反論した方がいいと思うんですよね。『裁判してるからそのうちどっちが正しいかわかるやろ』と構えてたら、どんどん嘘の情報流されて、ネット見てるやつは信じますからね。黙ってると認めてると見なされるんですよ。

亀田-それはそうですよね。

HB-安河内剛さんもそうなんですよ。いずれ真実が分かるからって構えてたら、ネットでうそばっかりの悪評を広められて外堀を埋められて。

と、ついついトラブルにまつわる話ばかり聞いて来ましたが、最後に少し個人的なことなどを伺いました。

HB-小さい時はボクシングは好きだったんですか?

亀田-好きって言うか。でもずっと見てましたね、ボクシングは。

HB-好きな選手はだれやったんですか?

亀田-色々いますけどレナードが一番好きやったかなあ。デラホーヤ、トリニダード、ロイ・ジョーンズ、パッキャオ。(日本の選手では)大場政夫さん、辰吉さん鬼塚さん見ましたね。この三人は闘争心、根性が凄いですわ。アルセも好きやけどそれに匹敵するような根性があると思います。世界トップクラスになったらほとんど同じ実力。あとは何が勝負を分けるか言うたら根性ですわ。

HB-僕が亀田兄弟を見てて比較してしまうのは、子役とかスポーツ選手とか若くして成功した人達なんです。お金や名声が手に入ると、揉め事になったりして不幸になる人が多い中で、亀田一家の家族一体ぶりはかなり特殊な例だと思うのですが。

亀田-でも家族仲良く、兄弟仲良くって全然普通のことでしょ。普通に自然にやってるだけです。

 というわけで家族愛も『素のまま』ということでインタビュー終了。

 その後少しですが大毅選手と和毅選手のジムワークを見学させて頂きました。

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 ジムのものとしてはかなり大きなリング

 それぞれに外国人トレーナーがついて、30 秒から40 秒と言う短いインターバルでバッグを打っているのですが、なにか動きがゆっくりだなあと思って見ていると嶋マネージャーが現れ「スローに見えるでしょ」と一言。どきっとして「ええまあ」と答えると「あれは40 オンスのグローブでやってるんですよ」と謎解きしてくれました。重いグローブつけて、短い時間で切りながらインターバルにはトレーナーが頚動脈に手をあてて脈拍も計測しつつやる彼らのバッグ打ちは、正直今まで見たことが無いような練習スタイルでありました。

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和毅選手と大毅選手のバッグ打ち

 それにしてもそれぞれの選手にトレーナーがつきっきりで、練習に手間隙とお金をかけているなあと感心。
 現在の練習メニューはアメリカ在住のキューバ人トレーナーが作っており、メールで練習メニューが届くのだとか。そういったところも日本のジムではかなり特殊なスタイルの練習だなあと感じました。

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ジムの片隅で『世界のジャブ』を発見し、つい撮影してしまった筆者

 今回亀田ジムを訪問して感じたことは、彼らはとにかく経験主義者だということ。耳学問などは頼りにせず、正直に思ったまま行動して、自分が経験して実感したことを頼りに生きるタイプなんだなということでした。
 まあ他のボクサーも正直そういうタイプは多いですが。一方で昨年来のトラブルを見返してみると、大竹トレーナーを会長に据えようとしたり、ジムを移籍しようとしたりかなり今までとは違う柔軟さを見せていたのも事実。そのような変化に対する評価がちょっと余りに無さ過ぎるんじゃないかと感じました。

 今まで彼らはずっとアンチファンから『日本人と試合をしろ』『密室のジムではなく、練習生もいる開かれたジムをもて』『大きなことばかり言ってないで海外でビッグマッチでもしてみろ』と言われてきました。これら全てが実現するという変化が訪れているのに、アンチファンの見る目はますます厳しく偏狭になるばかり。かなり理不尽だと思わずにいられません。

 彼らが批判されている高松の『監禁・恫喝』には何の実体もないし、その後の大毅選手のタイトルを巡るトラブルも体重超過したソリスと、誤発表をしたIBF がまず悪いのであり、JBC にも一抹の責任があります。このような事実を冷静に見て、亀田兄弟を巡る言論状況が一刻も早く正常化されることを望みます。

 亀田興毅選手と嶋聡マネージャーには今回はお忙しい中、取材対応をしていただきました。大変ありがとうございました。

 ボクシングはマニアの占有物ではないと感じる(旧徳山と長谷川が好きです)