HARD BLOW !

なんのための言論か?


百田尚樹『殉愛』の真実百田尚樹『殉愛』の真実
(2015/02/23)
角岡 伸彦、西岡 研介 他

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 ベストセラー作家がやらかしたということで、一部では話題沸騰となっている、やしきたかじんさんを巡る『殉愛』騒動。

 百田尚樹先生も首相と言う時の権力者と結びついたりといった全能感からか筆が滑るだけ滑ってしまったようで、杜撰な執筆姿勢が次々と明るみに出てもはや作家生命すら危ぶまれるという事態となっております。

 でこの問題に対するちゃんとしたジャーナリストによるアンサーとも言うべき「百田尚樹 『殉愛』の真実」を読んでみると、結局『殉愛』は未亡人が遺産や死後の著作権・肖像権をめぐる利権の独占をするための戦略的な本だったのだろうな、と言う結論であります。

 で私はこの本を読んで「亀田兄弟が私を監禁・暴行をした!」と言ってる人とその言い分を垂れ流してる自称ジャーナリストの目的・動機について色々と考えてしまったのでした。

 まあしかし人間卑怯なことをしたらあきませんな。

この問題を機にノンフィクションの魅力に気付く人もいるだろうなと感じる(旧徳山と長谷川が好きです)

服部海斗選手が死去


 本日服部海斗選手がご逝去されました。謹んでご冥福をお祈り致します。

  HARD BLOW!一同

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2013年11月、高山勝成選手とのスパーリング時の服部海斗選手。当時デビュー前の16歳でしたがチャンピオンと堂々渡りあっていました。


 大成ボクシングジム 丸元大成会長のブログより 『ご報告』

 報道記事大成ジム・服部海斗さんが死去(スポーツ報知)

山口賢一選手 フィリピンで判定勝ち

ヤマケン フィリピン

 HARD BLOW!ではお馴染みの自由すぎるボクサー山口賢一選手が昨晩行われたフィリピンでの六回戦でヘンドリク・バロンサイ選手に判定勝ちしました。1Rにバロンサイからダウン奪いスコアは三者ともフルマークの60-53で、実に4年弱ぶりの勝利。サリドとの世界戦→世界ランカー(当時)と連続TKO負けでしたが、今回は同世代の中堅選手相手に手堅く勝利となりました。昨年ジムにお邪魔した時は「調整試合みたいな試合がしたい」旨伺っておりましたが、この試合がそれにあたるということでしょう。

 この試合の一週間前には、減量のさなか大阪でプロモーターとして興行していた(天神ジム主催興行のレポート)ヤマケンさん。フィリピンでの試合当日も樋高リオ選手(1RTKO勝ち)のセコンドについたりと自分の試合以外にも大忙しだったようです。

ヤマケン フィリピン 3_R

着流しの樋高リオ選手とセコンドのヤマケンさん

 前回の試合も高山勝成選手の防衛戦の直後で、自分の試合だけに集中と言う状況ではなかなか試合が出来ないようですが、そうやって何事も走りながらやるのがヤマケンさん流なのやも知れません。

 昨年もリゴンドーチームと合体したり、予測のつかぬアクションを見せてくれましたが、今年も精力的に動き回ってボクシング界やファンに刺激を与えて頂きたいと思います。

 もう一回世界戦までたどり着いて欲しいなあと祈っている(旧徳山と長谷川が好きです)

K3 BOX&FIT GYM 訪問記 亀田興毅選手インタビュー PART3

 最初からあくまで『素のまま』でやってきたと言う亀田三兄弟は、内藤大助×亀田大毅戦での余りにも『素のまま』の一連の振る舞いで日本社会全体を敵に回すような厳しいバッシングを受けました。あの試合について個人的に気になっていたことを色々と伺いました。

HB-あの内藤×大毅戦の記者会見で『内藤はいじめられっ子、俺らはいじめっ子や』と言う発言は一線を越えてたと思うんですよね。それを聞いていじめられてた人はやっぱりどきっとするやろうし…。

亀田-そうなんでしょうねえ。

HB-でも今話聞いて、『素のまま』だったんやと。それはつまり『テレビでこんなこと言っていいんかな?』と言うフィルターを通っていないゆえの発言だったんやなと。

亀田-そうなんですよ。あとからいじめられっ子のこと考えてみろって言われたらそうなんですけど、その時はもうそのことしか考えてないからね。

HB-でもそのあと内藤さんも、少年期のいじめらてた時代の本がベストセラーになったりして波及効果はあったと思いますが...。

亀田-そこは俺ら全く関係ないから(笑)

 ある面で配慮が無く杜撰だと言える話ではありますが、しかし同時にあのような舌戦があったおかげで試合がヒートし、内藤大助選手の大ブレイクに繋がったのもまた事実。また当時TBS が内藤が勝つ可能性を殆ど検討していなかったような感じなのも個人的には『杜撰だよなあ』と感じたケースでした。

HB-あの試合の反則騒動で、アンチの印象も徹底的に変わったと思うんですよ。で最終的に興毅選手がスーツ着て謝罪会見をしましたが、どういう経緯でああなったんですか?

亀田-誰が出るってなったら俺が出るのが一番巧く収まるんじゃないかなあと。オヤジはまっすぐでハートもあるいい人間なんやけど、ああいう場には向いてないから。それ(反則)については謝っても、関係ないこと言われたら『謝るとこには謝るけど、今それは関係ないやろ』って素直に言ってしまう人間やから。マスコミってああいうところでは絶対へんなこと聞いてくるから。そしたらそういうやりとりだけ取り上げられて『あ、お父さん反省してないんですか?』『いや反省してるやんか。今あやまったやんかって』って放送されて、見た人は『あっこのオッサンまたや』ってワーってなるから。やっぱり正直やからね。要領が悪いから。でもあの場はそういう場所じゃないから、だから俺が出て行ったということです。

HB-あの時は家族としては葛藤があったでしょうね。

亀田-まあそれは実際にやったことやから。反則やからね。仕方無いから。

 ここでもやはりキーワードとして『素のまま』が出てきました。彼らのことを邪悪な計算高い人間であるかのように批判する人もいますが、むしろ『素のまま』に振舞ったおかげで買わなくても良い反感を買っている場面のほうが多い気がします。計算高いというよりはむしろ、不器用ではないのかと言う印象を持ちました。

 話の流れで、「負けても王者問題」と言われている、自分も観戦した大阪の大毅×ソリス戦について伺いました。

HB-あの時のサスペンドは仕方ないと思いますよ。でも今回はウエイトを守った大毅選手が試合をできなくなるって理不尽ですよね。

亀田-ほんまにね。もう一年以上試合してないから。25歳やった大毅が26歳になってしまったから。言うてもまだまだ若いけど、でもこの一年は痛いですよ。まあ俺の一年もそうですけど。

HB-試合で取り返すチャンスが無いっていうのがねえ。

亀田-あれはリボリオ(ソリス)が体重超過しただけであって大毅は何もしてないからね。でも今世界的に流行ってますわ、ファイトマネーいらんベルトもいらんけど勝ちたいって言うのが。ロマチェンコもやられたしね。もうその時点で一階級二階級違うんやから。

嶋-あの時悲しかったのはJBC が、ソリスの当日の体重に規制とかをかけなかったことなんですよね。昔、坂田×パーラとか当日53.5キロでやりましょうとかあったじゃないですか。でも今回無かったんですよ。だからさすがに怖いなと思って。

HB-それはJBC が危険性を分かってないんですよ。

亀田-こっちは(JBC に)何回も言ったんやけどね。

嶋-それでWBA に働きかけてやっと57.1 でってことになって。


HB-それ以上リバウンドしちゃダメだよというウエイトですね。

嶋-で、それをJBC に伝えて。でも当日ソリスがやってきて量ったらオーバーですよ。60 キロ近い。でもJBCは何も言わないんですよ。

HB-IBF は当日計量ありますよね。

亀田-でもソリスは計量でオーバーしてるからもうIBF はもう関係ないんですよ。

HB-ああそうか。

亀田-でもJBC は当日の体重をいつも必ず控え室で量るんですよ。大毅はIBF の当日計量の上限(10 ポンド以内)あるからリバウンドもできへん。結局当日に会場入りした時点で3.3 キロも違うんですよ。二階級違うんですよ。でもJBCは何もしてくれない。

 JBC はタイトルはいらないと開き直ったソリスの振る舞いになんのストップもかけずに放置したのだといいます。これは安全管理上重大な問題です。何かと言うと亀田はホームで招請した選手相手に理不尽なプレッシャーをかけているかのように言われて来ましたが、今回のバックステージの様子は真逆のようです。大毅選手はそのような状態でよく試合を受けたと思います。

亀田-これから(確信的にウエイトオーバーしてくる)そういう選手がきっと増えてくるから。でも興行があったら試合中止とかなかなか出来へんから、だからそういう場合に備えてちゃんと対策せなアカンと。ほんまは体重守らなあかんねんけどこういう場合のことも考えて、JBC と言う組織はルールをちゃんと把握してね。今だって、中の人ルール知らないですもん。

とそこから話は高松のグローブ問題へ

HB-さきほどビデオ見せてもらったんですけど、(監禁も暴行も)全く何も無くて。

亀田-そうなんですよ。監禁や暴行やって書かれて、俺何をしたんかなと思って。あの映像の中で暴行してるとしたら凄いノーモーションですよね。そんな凄いパンチあるなら打ちたいですよ(笑)。

HB-あれ見たら一目瞭然じゃないですか。

亀田-やのに未だにああいうこと言うてるっていうのがね。

HB-高松のあの場でJBC から受けた説明には納得できましたか?

亀田-一切出来なかったですね。だって逃げてばっかりですもん。JBC は昔からね同じグローブ使うって言うてるんですよ。それが今回はそういう契約してるから当事者同士話し合って下さいって言い出したから、『じゃ今後は違うグローブ使ってもいいんですか? 』『そうじゃないと今回のケースは特例になりますよ。いいんですか?』って聞いたら、『むー』ってなってもうて部屋から出て行こうとする、『いやいやちょっとまって、違うでしょ』と。『じゃ何のために昨日調印式してサインしたんですか?あれはなんやったんですか?』と聞いたら『いやあれは形だけやから』『セレモニーやから』と言うたんですよ。え~ほな何のためにやるの~って。もうやらんでええやんそれやったらって(笑)!

HB-そりゃそうなりますよね(笑)

亀田-で対応してた人(亀田兄弟に監禁恫喝されたと主張してるJBC 職員)以外の二人は何にも言わんと黙ってて。で、対応してた人は『もう話にならない!』って言うて出て行って。いやこっちが話ならんわっていう感じなんですけど。『出て行ったアカンやん、話終わってないのに』っていうても、どっか行ってしもて。

 その後残された他の職員が「我々は下っ端だから判断することが出来ない」と言って更に脱力を誘ったのは、前半に書いたとおりです。ここで問題になるのは一体誰が、監禁だ恫喝だと言い出したかということです。亀田サイドの抗議に対応したJBC 職員が意図的に話を大袈裟に伝えたのか?アンチ亀田記事が生命線のゴシップライターが意図的にトバシ記事にしたのか?あるいは両者が結託してやっているのか?『亀田がJBC 職員を監禁・恫喝・暴行した』という話は、『亀田の試合がつまらない』『判定がおかしい』『態度が気に入らない』『過去に反則をした』というのとは明らかに次元が違う話です。
 他人を犯罪者呼ばわりしてるようなもんで、映像を見る限る事実でもないですし重大な名誉毀損であると思えます。選手として気に入らないからと言って嘘で中傷してもいいはずもありません。そしてそのようなヨタ記事にコミッションの職員が確信的に関与しているというのは明らかに問題です。昨年来のライセンスの復帰やジム移籍を巡る亀田サイドとの交渉の場で、JBCは何度もこの裁判について言及したのだといいます。それはつまり言外に「この裁判を引っ込めたらライセンスも考えてやるよ」といってるのと同じだと思います。ライセンス停止の原因となった事案とは何の関係もないこの事件についての裁判を、ライセンスを巡る取引材料にするのは卑怯ではないでしょうか?

 亀田ジムはたまたま選手と経営者が一体であり、海外にも試合が出来る拠点があったことからJBC と裁判を戦いきる体力・環境がありましたが、もし中小のジムで同じようなことがあれば泣き寝入りです。いや実際に高山勝成選手や大沢宏晋選手は、御用ライターが書いた悪意の記事でネガティブキャンペーンをされて、実害にあっているのです。まあ妄想ゴシップライターは論外としても、スポーツ新聞や他のネットメデイアも取材に来ないことにおいては五十歩百歩。冒頭ご紹介したデイリースポーツにしても、興毅選手のブログを切り貼りして一丁上がりと言う姿勢は大変に疑問でありました。

HB-yahoo のTHE PAGE に載ってる本郷陽一記者の亀田記事も亀田サイドには全然取材してないんですよね?

嶋-だからこの間『一回取材に来てください』って言ったんですけどね。こちらとしても取材して記事にして頂きたいので。

HB-でもおかしな記事が出たら反論した方がいいと思うんですよね。『裁判してるからそのうちどっちが正しいかわかるやろ』と構えてたら、どんどん嘘の情報流されて、ネット見てるやつは信じますからね。黙ってると認めてると見なされるんですよ。

亀田-それはそうですよね。

HB-安河内剛さんもそうなんですよ。いずれ真実が分かるからって構えてたら、ネットでうそばっかりの悪評を広められて外堀を埋められて。

と、ついついトラブルにまつわる話ばかり聞いて来ましたが、最後に少し個人的なことなどを伺いました。

HB-小さい時はボクシングは好きだったんですか?

亀田-好きって言うか。でもずっと見てましたね、ボクシングは。

HB-好きな選手はだれやったんですか?

亀田-色々いますけどレナードが一番好きやったかなあ。デラホーヤ、トリニダード、ロイ・ジョーンズ、パッキャオ。(日本の選手では)大場政夫さん、辰吉さん鬼塚さん見ましたね。この三人は闘争心、根性が凄いですわ。アルセも好きやけどそれに匹敵するような根性があると思います。世界トップクラスになったらほとんど同じ実力。あとは何が勝負を分けるか言うたら根性ですわ。

HB-僕が亀田兄弟を見てて比較してしまうのは、子役とかスポーツ選手とか若くして成功した人達なんです。お金や名声が手に入ると、揉め事になったりして不幸になる人が多い中で、亀田一家の家族一体ぶりはかなり特殊な例だと思うのですが。

亀田-でも家族仲良く、兄弟仲良くって全然普通のことでしょ。普通に自然にやってるだけです。

 というわけで家族愛も『素のまま』ということでインタビュー終了。

 その後少しですが大毅選手と和毅選手のジムワークを見学させて頂きました。

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 ジムのものとしてはかなり大きなリング

 それぞれに外国人トレーナーがついて、30 秒から40 秒と言う短いインターバルでバッグを打っているのですが、なにか動きがゆっくりだなあと思って見ていると嶋マネージャーが現れ「スローに見えるでしょ」と一言。どきっとして「ええまあ」と答えると「あれは40 オンスのグローブでやってるんですよ」と謎解きしてくれました。重いグローブつけて、短い時間で切りながらインターバルにはトレーナーが頚動脈に手をあてて脈拍も計測しつつやる彼らのバッグ打ちは、正直今まで見たことが無いような練習スタイルでありました。

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和毅選手と大毅選手のバッグ打ち

 それにしてもそれぞれの選手にトレーナーがつきっきりで、練習に手間隙とお金をかけているなあと感心。
 現在の練習メニューはアメリカ在住のキューバ人トレーナーが作っており、メールで練習メニューが届くのだとか。そういったところも日本のジムではかなり特殊なスタイルの練習だなあと感じました。

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ジムの片隅で『世界のジャブ』を発見し、つい撮影してしまった筆者

 今回亀田ジムを訪問して感じたことは、彼らはとにかく経験主義者だということ。耳学問などは頼りにせず、正直に思ったまま行動して、自分が経験して実感したことを頼りに生きるタイプなんだなということでした。
 まあ他のボクサーも正直そういうタイプは多いですが。一方で昨年来のトラブルを見返してみると、大竹トレーナーを会長に据えようとしたり、ジムを移籍しようとしたりかなり今までとは違う柔軟さを見せていたのも事実。そのような変化に対する評価がちょっと余りに無さ過ぎるんじゃないかと感じました。

 今まで彼らはずっとアンチファンから『日本人と試合をしろ』『密室のジムではなく、練習生もいる開かれたジムをもて』『大きなことばかり言ってないで海外でビッグマッチでもしてみろ』と言われてきました。これら全てが実現するという変化が訪れているのに、アンチファンの見る目はますます厳しく偏狭になるばかり。かなり理不尽だと思わずにいられません。

 彼らが批判されている高松の『監禁・恫喝』には何の実体もないし、その後の大毅選手のタイトルを巡るトラブルも体重超過したソリスと、誤発表をしたIBF がまず悪いのであり、JBC にも一抹の責任があります。このような事実を冷静に見て、亀田兄弟を巡る言論状況が一刻も早く正常化されることを望みます。

 亀田興毅選手と嶋聡マネージャーには今回はお忙しい中、取材対応をしていただきました。大変ありがとうございました。

 ボクシングはマニアの占有物ではないと感じる(旧徳山と長谷川が好きです)

K3 BOX&FIT GYM 訪問記 亀田興毅選手インタビュー PART2

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 亀田ジムにお邪魔して、嶋聡マネージャーにお話を聞いていたHARD BLOW!一行。そこに遅れて、亀田興毅選手兼亀田プロモーション代表も現れ、ご本人も交えてのインタビューとなりました。

 奇しくも我々の訪問は、興毅選手がブログの記事でアメリカでの試合のファイトマネーや自身の辞め時などについて触れた直後。デイリースポーツがそのブログについて記事にしたことでネットでも話題になりましたが、記事化に当たっては電話取材すらなく、ただブログの記事を切り貼りしただけだったとのこと。プロの記者もその辺のブロガーとドッコイの記事の作り方してるんだなあと、HARD BLOW!一行は大変驚いたのでした。
 我々みたいなどシロウトでも取材できるんだから、記者さんもちゃんと取材に来てコメントを取るべきだと思います。頑張って下さい。

 現れた興毅選手に挨拶をすると、目を覗き込んで「読んでますよ~」と言われて恐縮。いやほんと散々悪口(?)書いてきた人と対面すると言うのは、なんとも決まりが悪いもんであります。

 というわけでオープニングヒットを取られた形でインタビューはスタートしました。

HARD BLOW!(以下HB)-バッシングの契機になったランダエタとの試合から今年で十年ですね。

亀田興毅選手(以下亀田)-そうか~そうですねもう10 年なるんですね。

HB-親子ほど年が違うオジさんが総出で少年を批判してたというのも冷静に考えたら結構ひどい話なんですけど。

亀田-ははは。でも何の世界でも応援してた人間が変な試合したら文句の一つも出るし、それはしゃあないです。昔やったら喫茶店とかで『あれ昨日の試合おかしかったやんけ、コイツなあ』言うて。ただ今は、インターネットがあるから。残るし、横にバーっと広がっていくし。まあ仕方ないですよ。

HB-もう今は悪い情報とかは進んで見ないですか?

亀田-いや勝手に耳に入ってきますよ(笑)。でもそんなん全部イチイチ気にしてたら神経持ちませんよ。

HBー僕らの時代は江川卓がまあ~凄い嫌われようで、亀田三兄弟はあの時以来のバッシングされぶりだったと思いますけど。

亀田-その当時インターネットがあったらどうなってるか?と言うことですよね。

HBー善悪で言えば、例えばエドウイン・バレロとか、麻薬中毒で奥さんを殺してとか道義的にはもうメチャクチャなことしてるわけで。

亀田-日本と海外は違いますけどね。メイウエザーなんかも刑務所から出てきてすぐにペイパービューで何億も稼いで。日本でやったら試合自体出来へんでしょうね。今の俺らなんかね、なんかわからんけど『なんで試合出来へんの?』と言う状態じゃないですか。まあ日本と海外との差っていうか...。

HB-悪いことして容認されるのが良いとは思わないですけど、でもなんか硬すぎるというか。

亀田「それが、いいとこでもあり悪いとこでもあるんですけどね」

HB「監視がきつくなってると言うか、ちょっと変なことしたら総バッシングになってね」

亀田-だから言うたら枠に収まったスポーツ選手しか出てこないんですよ。枠を飛び出して違うことしようとしたら潰される。だから騒ぎにならんように振舞うから、スケールが小さいですよね。

HB-新聞記事になったブログに『ボクシングは生活の為にやってる』と書いてたじゃないですか。

亀田-はいはい。

HB-それ言うか言わないかだけでそう思ってる選手は一杯いると思うんですよ。でも日本では結構、選手が『もっと金が欲しい』『稼ぎたい』ということが悪いことやみたいに言われるじゃないですか。和気選手の試合が変な理由で止められたのも『しがらみがあるからしょうがないね』みたいになって、なんか選手が本音を言ったり希望を通したりするのを規制してるように感じるのですが。

亀田-規制って言うか、そういう風にしにくい空気はありますよね。

HB-例えば選手がプライベートなジムを持って、トレーナーもマネージャーも好きな人を自分で雇っていうのは海外では普通じゃないですか。でも日本だと、通学路にあるから、通勤途中にあるからって言うくらいの理由でジムに入ったら、おいそれと出られないようなシステムで。

亀田-がんじがらめですからね。

HB-それがおかしいって言う感覚があんまりないんですよね。自分がその時望む環境に変わっていくということがなかなか出来にくいですよね。

亀田-移籍する時も難儀ですよ~。大変ですよ。

 興毅選手の移籍後にグリーンツダジムは多額の移籍金を得たにもかかわらず経営難が露呈し、世界戦でのファイトマネーの未払いなどのトラブルに見舞われました。移籍先の協栄ジムも、佐藤洋太選手が世界王座獲得後もアルバイトをしていることが話題になったり、胡散臭いネットビジネスのバブル紳士(その後破産)がスポンサーに名乗りを上げたと思ったらすぐにいなくなったりと迷走気味。佐藤洋太選手はその後、選択防衛戦をタイ開催に持っていかれて陥落後引退してしまいました。自国開催にするほどの経済的余裕も無かったのでしょうか?虎の子の世界のベルトなのに...。
 
 世界王者になってもアルバイトをしている選手があたりまえになりつつある時代。ジムサイドとて、世界王者になるまでにかかった投資を、思ったように回収できない段階に入っていると言えると思います。
 旧来型の地上波テレビ中継を中心にしたスタイルとは、また違った形の収益モデルの模索が急務となっていますが、そ
の中の一つが海外市場への進出であります。その胎動は山口賢一選手や高山勝成選手、石田順裕選手などのケースから始まっていますが、亀田兄弟もキャリアの初期から積極的に海外を志向してきていました。

HB-今日本で試合が出来ないと言う状態になった時に、アル・ヘイモンとサインして海外で試合が出来る。それは元はといえば、三男の和毅選手がメキシコに行っていたことが凄く大きかったと思います。それはつまり父親の史郎さんに先見の明があったということですよね。

亀田-でもその時は和毅は凄く辛かったんですよ。15歳から一人で向こう行かされてね。治安もムチャクチャ悪いしね。和毅が住んでた家も、玄関は鉄格子入ってるし、となりの家との間は窓がないんですよ。窓があったら泥棒入ってくるから。家と家の間も(通れないように)ぴったりくっついてるんですよ。結局ボクシングする所、ボクサーがおる所っていうのは治安が悪いんですよ。ボクサーは悪い奴らの集まりから出てくるんですよ。

HB-日本だと西成(笑)。

亀田-アメリカでもそうじゃないですか。

HB-デトロイトとか。タイソンも...。

亀田-そういうところに和毅は15 歳から行って、なれへん環境でずっとやってきて、それがあって今があるわけやから。頑張って苦労した分、今ちょっとづつ芽が開いてきて...。こっから先は、アメリカと言う場所で自分で実力で切り開いていかなあかんし。

HB-今ライセンスを取られて、日本で試合は出来ない。その処分の理不尽さとかおかしな部分はおいといて、逆に考えると自由になって何でも出来るとも言えるわけで、海外で日本の業界では考えられない額のお金を稼げる成功例になれば、後に続いてくる選手は出てくると思いますよ。

亀田-だから野球で言えば野茂選手が行って、野茂さんがパイオニアで、ボクシングにはその道を切り開いた人がまだおれへんから。ジムに入って、新人王とって、日本チャンピオンなってって言う道が一つあるけど、それとはまた違う道を作ってみたいなと。

話は海外戦略へと広がっていきます。

亀田-もう日本国内では知らん人がおらんくらい名前も売った。三兄弟世界王者っていう始めてのこともやったと。そしたら次は海外でどれだけ名前を広げることができるか。それが最後の夢やから。おれら小さい体、軽い階級やけど1 パーセントでも望みがあるなら賭けたいなと。
 今やったら和毅が勝って来て、ファイトマネーも上がって来て。負けたらアカンけどこのまま勝って行けば『あ軽量級でもこんだけ稼げるんや。おれもやってみたい』って若い子が思えるような存在になれたらええなと。そういう道を作って行きたいなと、思いますよね。

 今アンダー15で強い子一杯います。大手の有力ジムに強い子いたら、それは延びていきますよ。でも地方のジムやったらどうしますか?そういう子を見つけてきて、どれだけ延ばしてやれるかに日本のボクシングの将来がかかってるんですよ。でもボクシング界が今の小さな村社会のままやったらどないも無理なんですよ。

 俺ら三兄弟が世界チャンピオンになった時に、『次はアジア進出しよう』って言ってたんですよ。フィリピンでやったし、韓国でもやったし。インドネシアとかベトナムとかも話あったんですよ。でも今回ちょっとこんななってしまってストップしてるけど、チャリティイベントを無料でアジアを回ってやろうって。亀田三兄弟の誰かが行って試合して、『あ、ボクシングの世界戦ってこんなんなんや』って興味をもつっていうのを、広げて行きたかった。でそれから世界行こう、アメリカ行こうと。でもたまたま和毅がラスベガスで試合して、ヘイモンとこうなったからね、まあ結果的には良かったんやけど本当はそういうこともやりたかったんですよ。

 考えは一杯あるから。ボクシングは可能性一杯あるんですよ。俺と内藤選手が試合すれば40%の視聴率取る、そういう爆発力のあるコンテンツやから。やっぱりシンプルやから、一対一で拳だけで戦うって言うのは。今世間の人は、ボクシングに対して注目が無い。世界チャンピオンがこんだけ一杯おって、色んな局でゴールデンタイムで中継しても視聴率二桁いかへんっていうのはよっぽどのことですよ。そこをもうちょっと真剣に考えて。

 今は一部のボクシングジムと一部のボクシングマニアとの間で、ボクシングと言うメジャースポーツが私物化みたいな形になってしもうてる。それが俺は気に入らんのです。メイウエザーなんか100億稼いでる、あらゆるスポーツの中で一番に稼げる、ナンバーワンなのがボクシング。それが日本やとなんでこんなちっさいのと。最低限世界チャンピオンになったらそれでメシ食える。こんだけの生活が出来るんやでっていう業界にしたいですよね。


 こういった話を滔々と述べている時の興毅選手は、プロモーター目線といいますか俯瞰的で、一選手と言う存在を超えたビジョンを感じました。

 ボクシングファンの中には「亀田兄弟にもボクシングのイメージを悪くした責任の一端はあるんじゃないの?」という感想をお持ちの向きも多いかと思います。ですが実際に、トラブル後に大竹トレーナーやワタナベジムと言った業界の重鎮と言っていい人たちや、TBS やテレビ東京と言った大手メディアが兄弟に対して積極的に関与して来たのもまた事実。つまりこれは外部から見ているファンと、実際に彼らに接している人との間に評価の開きがあるということです。それはアル・ヘイモンにしても同じこと。アメリカを代表するエージェントである彼が、食指を伸ばしてくるような商品価値が彼らにはあるということです。
 亀田兄弟がJBCからサスペンドを受けている状態であることは知った上で、活動の場が与えられていることも重要です。
実際JBC はWBA にヘタクソな英語のレターを送って、亀田兄弟が日本ではライセンスが無いことなどを周知していますが、アメリカの各州のアスレチックコミッションは「アメリカで試合することは何の問題もない」と言う見解です。
 「日本で試合が出来ない」ということを犯罪者であるかのように強調するゴシップライターや一部偏狭な自称マニアは、海外の業界人や統括団体に対して批判を加えたりはなぜかしません。結局根拠も不確かなローカルルールに安住して思考停止しているだけではないのか?と思います。

 亀田サイドは柔軟に移籍の道も探してきたし、働きかけもして来ました。しかしJBC は頑としてライセンスの復帰も、移籍も認めない。その頑迷さが結局訴訟と言う結果を生みました。そして恐らくこの裁判も、一連の解雇職員との裁判と同じく敗訴することになると思います。その時が来たら、何の展望も無く「亀田追い出せ!」「亀田を懲らしめろ!」と煽った自称マニアの皆さんはその結果に責任を持つのでしょうか?

 それはいわゆる「スラップ訴訟」だと自己宣伝されているただの名誉毀損裁判とて同じことです。風評だけで亀田兄弟が監禁や暴行といった重大な違法行為に関与したかのように騒ぎ立てる人たちは、判決が出たときに果たしてどのように振舞うのでしょうか?

 続いてアンチファンとの関係について質問してみました。

HB-いわゆる注目集めるための作戦としてテレビ局と組んでヒールを演じていたと言う側面はあるのですか?

亀田-いや別に、勝手にそうなっただけで...。

HB-それだと素が悪いってことになっちゃうじゃないですか!?(笑)

亀田-俺らはいつもなんも考えんと素のままで行ってるから。器用じゃない、不器用でしたからね。

嶋-大体のボクサーは取材の時と普段と違いますからね。彼らは常に一緒なだけで。

HB-視聴率40%とろうと思ったらボクシングファン相手だけじゃ無理ですよね。

亀田-そうですね

HB-亀田が負けるところを見たいという需要を当て込んでやっていたということはないんですか?

亀田-いやそれで視聴率40%はいかないですよ。そんなんで行けるんやったら誰でもやってますよ。そんな甘い世界じゃない。俺らはもうとにかく世界チャンピオンなるていうて大阪から出てきて、テレビの世界もわからへんし、ボクシングの世界のことも知らんし、親父もほとんどなんも知らんかった。だから俺らはとにかく自分らのスタイルで行こうって言うシンプルなスタイルで来ただけやから。ほんで叩かれたりしたりしたらその時に初めて『あああれは悪かったんやな』『じゃあれは辞めとこう』って経験していって勉強になっていった。もっと早く知ってたら要領よく出来てたんやろうけど...。でも戻ることは出来へんから。

HB-戦略的にやってたことでは全然ないと。

亀田-だから面白かったんじゃないですか?テレビ局の人もプロデューサーの人でも俺らが次に何するか、何を言い出すかって全然知らんかったからね。だからヒヤヒヤしてたと思いますよ。計量のときのパフォーマンスでも親父と相談してただけで、TBS の人は何も分かってなかったから。パフォーマンスは名前を知ってもらわなアカンから、最初はジャンプ(雑誌)破ったり。

HB-フライパン曲げたり。

亀田-そうやって毎試合毎試合パフォーマンスして行こうって、俺らが考えてたのそれくらいで、あとは勝手に撮ってるだけで。映像作るのも俺らじゃないし。

HB-小さい時、密着番組とかで自分が写ってるのとかはどういう気持ちで見ていたんですか?

亀田-う~んあんまり当時は見てなかったけど...。

HB-見てなかったんですか?

亀田-俺あんまり自分が映ってるのを見るの嫌なんですよ。

HB-あそうなんですか?

亀田-自分のしゃべってるの見るの嫌いなんですよ。自分の声聞くのってなんかへんな感じがして。

HB-あーそういう感覚はありますね。じゃ自分からすすんで見たりはしていなかったと。

亀田-まあ家族が見てたらいっしょにちょろっと見たりとかそういう程度で。

 素のままの振る舞いをテレビがそのまま伝えたという説明は個人的には、納得のいくものでした。
 
 興毅×ランダエタ一戦目の判定が読み上げられた瞬間の史郎氏の「えーっ!」と言う心底驚いたような表情や、内藤×大毅戦のセコンドでの反則指示等はいわゆるテレビ局と予定調和の関係では起こりえないことで、それだけをとっても現場のコントロールされていないことの証明になるであろうと思います。

 そしてテレビに出るために、いい子になったりもしないし、かといって露悪的になったりもしない。それで起きたことは、全て自分達のやっとことの結果だという態度も潔いものだと思います。そして彼らはとにかく経験主義者で、いいことも悪いことも、行動して実感したことを根拠に手探りで生きているんだなあと感じました。

 というわけで今回はここまで。

 次回は内藤×大毅戦時の『俺らはいじめっ子』と言う発言や、試合後の興毅選手の謝罪会見。そして高松や大阪のバックステージでのトラブルに対する亀田ジムサイドの見解などをについてです。ご期待下さい。

 スラップ訴訟ってまだ言ってるの?と感じる(旧徳山と長谷川が好きです)

 

K3 BOX&FIT GYM 訪問記 亀田興毅選手インタビュー PART1


※お願い もし今回から始まる亀田興毅選手インタビュー記事を引用されるマスメデイア、ネットメデイアの方やブロガーの方などいらっしゃいましたら、当ブログのメールアドレスまでご一報いただければ嬉しいです。もちろん強制ではありません。よろしくお願い致します。



 来るべき時が来たという感じでしょうか?

 『出来るだけ当事者にあって、直接聞いたことを記事に書こう』という方針でHARD BLOW!を始めて早三年。

 この三年間で様々な選手・元選手・関係者の皆様からお話を伺って記事にして来ました。
 当ブログの原点となった元東洋チャンピオンの榎洋之さん。(記事はこちら→悪童・・榎 洋之さんのこと・・

 坂田×内藤戦の試合後、判定を巡るトラブルでサスペンドされた大串尋人さん。(記事はこちら→ナイフと言われた男

 JBC との長く苦しい裁判を戦った安河内剛さんや谷川俊規さんやその他のJBC の元職員の皆さん。(記事はこちらから→新機軸だよ映像企画!安河内剛氏インタヴューPART1  もう一つのJBC裁判 谷川俊規氏の場合

 JBC を離脱して海外を主戦場に戦う山口賢一選手。(インタビューはこちら→イズム全開 山口賢一インタビュー&スパーリングレポート

 日本での承認直前に敵地メキシコでIBF タイトルを掴んだ高山勝成選手と中出博啓トレーナー。(インタビューはこちらから→高山勝成選手インタビュー&スパーリングレポート  インターバル40秒で12R!

 韓国で亀田興毅選手と戦い、不遇な判定で敗れたソン・ジョンオ選手とキムマネージャー。(記事はこちらから→HARD BLOW !年末年始スペシャル第一弾 ソン・ジョンオ(孫正五)インタビューinソウル 

 こうして列挙すると業界内のアウトサイダー的な人にばっかり会ってる気もしますが、同時に主流のメディアには載らない、発言の機会の無い人々に焦点を当ててきたと言う自負もあります。

 そんな我々が、ついに亀田三兄弟に直接面会してインタビューできることになりました。2006 年の亀田興毅×ファン・ランダエタ戦からのこの十年間、日本のボクシング界は良くも悪くも亀田三兄弟の強い影響下にあったと言えるでしょう。ブームの絶頂からランダエタ戦で急転直下総バッシング状態となり、その後の反則騒動で完全に世間を敵に回した亀田一家。かくいう自分もネット上では『病的なアンチ』なんて言われるくらいの激しい批判を浴びせたものでありました。

 ですが彼らはアンチの批判にもめげずしぶとく生き残り、日本での承認直後にWBO とIBF の王座を獲得するという絶妙のフットワークの軽さで世界初の三兄弟世界王者となり、アンチファンの鼻をあかしました。三兄弟の父親である亀田史郎氏が、大阪の片隅でぶち上げた「三兄弟世界王者」という稀有壮大な構想が、様々な障害を経て本当に実現したのです。

 もちろん安全第一と見えるスリルに欠けるマッチメイクや、おかしな判定、特異な言動などなど、手放しで乗れない要素に対して評価が分かれるのは致し方ないことであります。自分だって好きか嫌いかと言われたら、未だに好きなタイプのスポーツ選手ではないです。

 ですがしかし!しかし!正直認めざるを得ない要素があるのもまた事実なのであります。
 なんであれ世界初の三兄弟世界王者になったのです!
 2000 年代の国内フライ級トップ、内藤大助にも坂田健史にも勝っているのです!
 海外でWBO タイトルを取っているのです!ラスベガス、MGM グランドのメインアリーナで指名試合をしてKO 勝ちをしているのです!
 アメリカの大物エージェントとサインして、ラスベガスの世界戦で50万ドルのファイトマネーをとっているのです!

 ポンコツJBC の責任逃れのスタンドプレイのせいで国内での試合が出来なくなり、マスコミからも掌返しの冷遇状態という逆境にありながら、それでもJBC 相手に裁判も辞さずという対決姿勢を取れるのは海外のプロモーターとパイプがあるからで、これは日本のボクシングの歴史から見ても極めて特異なポジションです。

 それもこれも、史郎氏が三男和毅選手を単身メキシコに送り込んで鍛えた結果で、その慧眼にも今更ながら驚くばかり。さんざっぱらバッシングして来た自分が言うのもなんでありますが、もはや彼らは批判していれば済むという存在ではありません。現実に世界のボクシング界に一角を形成し、日本の業界に構造変化をもたらす存在になりつつあるのです。

 今回HARD BLOW!は、亀田兄弟の長兄にして亀田プロモーションの代表である亀田興毅選手と、亀田プロモーションのチーフマネージャーである嶋聡さんのお話を伺い、併せて大毅選手と和毅選手のジムワークも少しですが、見学させて頂きました。以下はそのレポートです。

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 亀田一家の拠点『K3 BOX&FIT GYM』があるのは世田谷区の若林。三軒茶屋駅から徒歩十分程度で、東急世田谷線の沿線と言う渋い立地であります。亀田兄弟が育った大阪の西成も世田谷線のような路面電車が走っていますが、正直街の雰囲気は相当違います(笑)。
 ジムは幹線道路に面しており窓も大きく明るい雰囲気で、2 フロアに渡る広々としたもの。以前の葛飾のジムはプライベートジムで閉ざされた雰囲気でしたが、こちらは一般のフィットネス会員さんも集めると言う開かれたジムなので雰囲気の違いは歴然。リングも相当大きく、照明・音響用のトラスなども備えております。

 ジムの二階に通された我々は挨拶もそこそこに、まずは嶋マネージャーにお話を伺いました。嶋マネージャーはテレビマン上がりと言うことで弁舌の巧みな方かと思いきや、どちらかというと訥弁で、ゆっくりと言葉を選びながら話されるタイプの方でした。

 まずは妄想ゴッシプライターが「監禁・暴行」と書きたてた高松のバックステージでの事件について。

 その様子は一部始終がビデオカメラで撮影・記録されております。というわけでどちらの言い分が正しいのか?我々も映像を見せて頂きました。この映像は当初マスコミ向けに上映される予定でしたが、JBC 職員側からクレームがつきモザイク処理と音声加工が加えられた上でマスコミに公開されました。暴行の事実があるなら満天下に見てもらいたい映像でしょうになぜに正体を隠す必要があるのでしょうか?普段はデタガリの彼がこういうときだけ引っ込み思案になるのも大層不可解であります。

 で肝心のビデオの内容でありますが...。

 全然監禁でも暴行でもありません!抗議の様子は言葉使いも終始穏当で、論理的なものです。暴行と言われるような行為はかけらも記録されておらず、監禁されたと主張しているJBC 職員は普通に歩いて部屋の外に出ています。なぜ監禁を主張しているのでしょうか?

 以下に亀田ジムサイドが制作し、マスコミに配布した、JBC職員側の主張とビデオ映像を比較した表を掲載致します。
原告主張とビデオ映像の対比_01_R

 亀田サイドがマスコミに配ったJBC職員の主張とビデオ映像を比較した図表。我々が見た限り、ビデオ映像は実際この表の通りでした。

 そもそもコミッションの職員にとって、プロモーターやジムのマネージャーに対応することは職業上の義務です。仕事でちょっと抗議されたら監禁だ恫喝だと騒ぎ立てるような人は根本的に職能がないのではないでしょうか?抗議されている内容に対する返答も、長谷川×モンテイエル戦のグローブについて事実誤認しているように専門知識に乏しく、返答も言い逃ればかり。最後には「自分達は下っ端なので決定権がない」と思考停止して逃げるという対応は、はっきり言って職場放棄でプロとしても失格です。大毅×ソリスの体重超過の事案と同じく、根本的にトラブルを解決する能力が無いのではと感じられます。

 ビデオ映像という明白な証拠が残っているにも関わらず、裁判で訴えているJBC 職員の自信の根拠がどこにあるのか当方にはさっぱり分かりません。そしてJBC の職員がいかがわしいゴシップライターと癒着し、職務中にメールや電話でタレコミにいそしむと言う職業倫理にも疑問を感じざるを得ません。仕事に集中していないのではないでしょうか?件の記事の内容もどう見ても事実とかけ離れています。一体誰が事実を捻じ曲げているのでしょうか?安河内氏や谷川氏の裁判でもゴッシプライターの記事の虚偽性は完膚なきまでに暴かれました。彼の言論はお友達のJBC 職員を守るためにあらかじめねじ曲げられているのではないでしょうか?

 さて続いては、嶋氏とクラブオーナーの吉井氏のライセンス停止の原因となった、大阪の大毅×ソリス戦のバックステージと、その後の移籍をめぐる騒動について、嶋マネージャーに詳しく伺いました。以下インタビュー形式で...。

ハードブロー(以下HB)-JBC には英語が出来る人がいないので、ルールミーテイングで交わされてる会話の内容が分かっていなかったのではと言う人がいるんですが...。

嶋マネージャー(以下嶋)-分かっていなかったと思います。だから試合の後、森田健さんに『JBC に英語が出来る人がいないのはいくらなんでもまずいんじゃないですか?』って言ったら『おおそうだなあ。誰かにやってもらわないと。』と言ってたんです。試合直後は、JBC の人も『今後はこういうことが無いように、ちゃんとルールを確認して』と言う感じだったんですよ。それが森田さんたちが東京に戻ったら急に『亀田が全面的に悪い』みたいになっててどうして?と。

 ここでもJBC は高松のケースと同じくイレギュラーな事態に何ら積極的に対応せず、『当事者同士で解決してください作戦』の一点張り。しかもルールミーテイングで交わされてる英語の会話も何ら理解していなかったのではという懸念すらあります。
 自分達の失態を糊塗して責任逃れするために、亀田ジムに全責任を押し付けたJBC は、嶋氏と吉井氏のライセンスを停止。ジム開き直前でクラブオーナーライセンスを止められた亀田三兄弟は、所属先がなくなったことで実質的に試合が出来なくなってしまいます。しかし興毅選手にはWBA チャンピオンの河野公平選手との指名試合があり、スケジュールの遅滞は許されません。そこで新しく会長を立てる道を模索します。

HB-元協栄ジムの大竹重幸さんが会長となるプランは、協会からも概ね賛同が得られてるという話だったとか?

嶋-こちらもそう思ってたんですけど...。

HB-協会の理事会で、あるクラブオーナーから強硬な反対があったということですが。

嶋-そう聞いてます。

大竹さんと亀田が組むとなる面白くない人は誰か…。それは読者各位が想像して頂きたい。そうあの人です(笑)。

HB-それで大竹さんは撤退となったと。でも『亀田君も頑張って』みたいなコメント出されてましたね。(正確には「興毅君には『お世話になりました』と言ってもらった。ぜひ4階級王者を目指してほしい」です)

嶋-そうですね。スタンスの違いで別れただけなので。

HB-次に話が上がった、ユナイテッドジムと言うのは?

嶋-あれはユナイテッドのオーナーにスポンサーとしてお世話になっていた縁で。

HB-ああリムジンのリースの。

嶋-そうです。

 ユナイテッドジムへの移籍は「世界戦をするような一流ジム」という移籍要件を満たしていないとしてJBCから却下されます。しかし協会の成員を一流とか二流とかコミッションが選別するのもおかしな話だと自分は思います。

HBー角海老ジムも名前が上がってましたが、ジム内部から反発があったとか?

嶋-そうみたいですね。

HB-もう一つ噂のあった、新日本木村ジムは実際に移籍話はあったのですか?

嶋-ありました。お話しをさせて頂いていたのは事実です。

 こうしてみるとかなり柔軟に移籍への道を探っていたのが想像できます。ですが、結局移籍も巧くいかず、国内活動は八方塞となり、最終的に移籍を断念して、亀田ジムの吉井氏と嶋氏がJBC に対してクラブオーナー、マネージャーとしての地位確認を求める裁判を起こすことで、事態の解決は法廷に持ち込まれました。

 ボクサーもジムも試合が出来なければ生活手段が断たれる訳で、ライセンスを止めると言うのは大変に重い行為です。いわば生活権を巡る戦いであり、ご存知の通り他人の収入の道を断つには相当合理的な根拠がいります。過去の事例とも照らしての整合性も問われます。
 根本的な原因が対戦相手の体重超過にあること、リンゼイ・タッカーが自ら失言を認めていること、過去の事例に対して明らかに厳しすぎること、JBC 側にもルール確認を怠ったという瑕疵があること、生活権を侵害するに足る合理的な根拠が無いことなどを考えるとJBC が敗訴する可能性が濃厚であると自分は思います。

 というわけで第一回はここまで。次回亀田興毅選手ご本人も交えてのインタビューをお送りします。ご期待下さい。

 どのような反響があるか楽しみな(旧徳山と長谷川が好きです)