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HARD BLOW !

分かっちゃいるけどやめられない 想像通りJBC様が労働裁判の判決を不服で控訴の巻

 栄光の一般財団法人日本ボクシングコミッション様が、安河内剛氏の解雇を無効とし、事務局長職への復帰も認めた全面敗訴の地裁判決を不服とし高裁へ控訴したとの報が、判決日に記者会見にもちゃんと来ていたまともな方の専門誌のニュースサイトが報じております。
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 ボクシングニュース12月9日

 こういう労働裁判の控訴審はことのほか速く結審し、すぐに判決が出るそうです。もちろん新証拠が出ない限り判決は変わりません。判決を覆すような有力な証拠があれば一審で出しているでしょうから、まあ金と時間の無駄遣いとなる可能性が大であります。これまでも相当な金銭を使ってきていると思うのですが、単なる幹部連中のカラ意地でこの上まだ公金に類するお金を使ってしまうその体質には感心します。まあ自分の金じゃないからどうでもいいんでしょうね。

 しかしまあファンも業界の方も「違法か敗訴か知らんけど別に今のままでいいじゃん」と言う人が一杯いて呆れてしまいますね。法律に触れようが、何千万も無駄使いしようが、人権侵害をしようがボクシング続いていくならなんでもいいというこの退廃…。こういう人ってボクシングの何を見ているのでしょうか?不正義を放置しても平気な人が一方で競技の公正を言うのが不思議でなりません。まあなんも考えてないんでしょうね。

 それと秋山氏がぶち上げた『暴力排除の誓約書』を、素晴らしい試みだみたいに評価してる人がいますが、紙切れ一枚書いて暴力排除できるなら何の苦労があるでしょうか?Jリーグやプロ野球、大相撲ですら弁護士や警察関係者等を招いて強制参加の暴排講習を行い、内容についてのレポートも提出させています。内容もケーススタディやロールプレイを交えながら「身分を隠して近づく暴力団関係者をいかに見抜くか、付けこまれないか」を実践的に説いています。紙切れ一枚書いたら暴力団をシャットアウト出来ると秋山氏も、彼を支持するジャーナリストやファンも本気で考えているのでありましょうか?余りにも現実から遊離した空理空論を褒めてしまうような感性は、「法律に触れようが裁判に負けようが自分達が心地よければいいんだ」と言う閉じた感性に通じるもんがあるんでしょうかね?

 普段は普通に会社勤めしながら日常生活を送っているであろうファンが、ことボクシングになると「法律とか裁判なんかどうでもいいじゃん」と言っちゃう粗雑さが当方には信じられません。

 こういう人って自分が不当解雇に遭っても、裁判してる間に会社が回ってたら「自分が間違ってた」と思うんでしょうかね?

 暴排の紙切れと言い想像力の欠如が凄いですな。ああはなりたくないね。

 むしろボクシング界がファンも含めて暴力団的な結合組織なんじゃないの?と思えてきた(旧徳山と長谷川が好きです)



 

事件のその後

                        桜ノ宮 表紙

 面白い本を読んだのでちょっとご紹介を。その本はフリーライターの島沢優子さんがお書きになった『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実―そして少年は死ぬことに決めた』です。

 著者は高校、大学とバスケット部出身で大学では全国優勝という実績の持ち主。彼女の左の脛は高校時代に顧問に蹴られすぎて平たく変型しているのだそうです。人格否定の罵倒など(時には両親の悪口まで)も日常的だったそうです。

 そんな彼女が、様々な議論を巻き起こした桜宮高校バスケ部事件の経緯と現時点の顛末(顧問の刑事裁判の結果など)を詳細に取材してまとめた労作であります。

 ワイドショーなどで「昔は体罰が当たり前だった。今の子はひ弱ではないのか?」というような粗雑な体罰容認論を流布するコメンテイターがいましたが、それは少年の自殺という重い事実の前にはあまりに空疎な言葉でありました。しかし実際に「寛大な処置」を求める署名が1000筆以上集まったり、バスケットボール部員の一部の父母が自殺した少年の家庭に原因があるかのような嘘の情報を週刊誌に流すというような、顧問を守る動きが実際に多くあったのです。顧問の教師は自殺の数日後には少年宅を訪れて、「部活の指導に復帰しても良いか」と尋ねて両親を唖然とさせています。

 少年はキャプテンに抜擢されましたが、顧問に目の敵にされて体罰の標的になります。それはこの顧問の常套手段で、レギュラーの中でマジメで素直な選手を怒られ役にしてチームをまとめるという手法を従来からとっていたらしいということが取材から分かってきます。コーチの要望を先回りして読み取って動くという無理難題を日々要求される少年は、暴力と罵倒で磨り減っていき、たまりかねてキャプテンを辞めると申し出ると「それならレギュラーからも外す」と宣告されます。「キャプテンでなければ試合に出れない」という条件をつきつけられたことが自殺の直接の引き金になったと著者は分析しています。理不尽な暴力を一方的に受けた上に「お前はダメな奴だ」と毎日罵倒され、あげくバスケットボールすら取り上げようとした顧問。子供を相手に試合出場と暴力と言うアメとムチで支配した男は自分の行為の残酷さに無自覚だったようで、裁判では自分を舌鋒鋭く論難した少年の兄を睨みつけたりしています。

 実は周囲の生徒や運動部の部員、桜宮高校を目指していた受験生達にも、部活が出来ないことや入試が中止になったことに対する不満が相当あったようです。人が一人死んでいる事の重大さや、原因が顧問の教師にあるという重大性を理解できない、受け止められないという学校のありようは異様であり、入試中止の判断は正しかったと当時も思ったし今もそう思います。

 自殺した少年の人間性や両親、バスケット選手である兄との関係も詳細に書かれています。どちらかというとそちらがテーマかもとすら思えるほどです。

 終章では体罰する側の心理にすら踏み込んだ分析がなされます。

 大変示唆にとんだ内容ですので是非ご一読を。

 バスケ界の内紛も相当ひどいよなあと感じる(旧徳山と長谷川が好きです)


 

奇妙な論理 

 ちょっとおかしな記事だと思われるものがあったので触れておきます。

 亀田大毅のベルトを巡る一連の騒動で、一貫してJBCの秋山氏のコメントを伝えて来たことでお馴染みの、YAHOOのニュースサイトTHE PAGEの本郷陽一記者。その本郷記者が書いた記事が、私からすると『ちょっとこれはないんじゃないの?』と思える内容なのであります。

 <ボクシング>異色のリーゼント王者が事実上の引退危機(←記事へのリンク)というこのヘンテコな記事、センセーショナルなタイトルとは裏腹に論旨は思いっきり不明瞭であります。活字媒体では本格スポーツ評論を志向されていた本郷記者も、すっかりネットメデイアの作法に染まり、「記事の内容よりもクリックさせるような派手な見出しが何より大事だ」という境地に達せられたのかも知れません。確かに『掴みはオッケー』と言う感じの見出しでございます。

 で記事を読み進んで行きますと、なんとも論旨が分かりにくい。要は何が言いたいのかサッパリ分からないのです。

 当初TBSが中継する大晦日興行でドネアに勝ったリゴンドー選手と戦うことを了承していたという和気選手ですが、すでに試合予定があった東洋戦のプロモーターと従来の中継局フジテレビから横槍が入り(というか『こっちが先約やろ』という話ですね)、結局和気選手は世界戦を辞退したと。その部分を引用させて頂きます(以下赤字で引用)

 だが、この動きに東洋太平洋戦をプロモートしていた関係者が意義を唱え、翌9日には古口会長の頭越しに、和気を呼び出し同伴させた上で、TBS側に「東洋戦を先に契約しているので、今回のリゴンドー戦は無効であり、やらない」と伝えた。そのボクシング関係者は、「和気は、フジテレビがここまで育てた選手。それを試合契約した後にTBSに鞍替えするのは、業界のルールに反するし、リゴンドーとやっても勝てないし意味がない。来年はフジテレビが世界戦を組むと言っている。JBCも、すでに認定した試合契約を破棄したらとんでもないことになる」と言って、和気を説得したようだが、和気のマネジメント権を持つ古口会長を通さずに、このような話を独断で進めたため、事態は最悪の展開となった。(引用以上)

 この部分だけ読んでも軽い眩暈を覚える箇所が何箇所かございます。

フジテレビが育てた?テレビ局はスポーツの試合を中継する立場じゃないの?ビジネスとしてやってるのに選手を育てたって思い上がりじゃないの?

勝てないから意味がない?勝てる相手を選んでやるのが世界戦なの?

来年は世界戦を組む?海外のチャンピオンの興行事情やスケジュールがあるのにそんなこと確約できるの?和気本人や相手が怪我したらどうなるの?

JBCも、すでに認定した試合契約を破棄したらとんでもないことになる?いや興行のキャンセルくらいあるでしょ。というか目の前にドネアを倒したスター選手と世界戦するチャンスがあるのに東洋戦しないとダメなの?

 この匿名の人物の発言内容がナゼの嵐であります。というか問題の元凶は、マネージャーでもないのに古口会長の頭越しに選手のスケジュールを切ってるこの人なんじゃないの?と思うのですが記事の論旨はドンドンあらぬ方向に行ってしまいます。

 ここで本郷記者は、このプロモーター氏の動きには批判は加えず、何故か和気の行動を批判し、選手個人に問題点を集約するするかのような論理を展開していきます。

 テレビの中継局を替えれば軋轢が生じるであろうことは充分想像できますし、東洋戦をキャンセルしなければならないことは自明の事。手当てが必要なのは最初から明らかであります。古口会長は頭越しで動かれてお気の毒ではありますが「今のままでは試合を組めない。今後どうするかは自分で考えなさい!」と突き放した。と言う対応はなんとも解せません。こういったトラブルは当然想定されているべきことです。未然に防ぐことは出来たはずです。

 とここで想像されるのは、古口ジムと和気選手をプロモートするチームがそもそも別々に動いてるんじゃないの?と言う疑念であります。古口会長にすれば和気選手本人が「TBSの中継でリゴンドーとやります」と了承したのだから、「自分のチームにはお前から説明しとけよ」と言う感じでいたら、行った先で和気選手が「テレビ局の壁ってそんな簡単なもんじゃないんだ」と説得されて翻意させられたと。これってファイター個人が責を負うような話でしょうか?

 選手本人は純粋に強くなって世界戦がしたいと思って練習しているのでしょうに、テレビ局の縛りやプロモーターとクラブオーナーの軋轢といった旧弊な商習慣に巻き込まれて「トップ選手との世界戦のチャンスがあるけど、東洋戦をやらなければならない」と言う奇天烈な運命を辿っている彼を、なんでここまで批判できるのでしょうか?明らかに問題があると思しきプロモーター氏は匿名扱いなのに…。

 ジョー小泉氏がファイトニュースに書いた真道選手の記事もそうですが、安易に選手を批判するような記事を書くジャーナリストが多すぎると思います。そうやっておけば波風が立たないと言う業界のあり方もおかしいです。ボクシング界の商習慣やテレビ中継を巡る縄張り争いの不毛さこそが批判されるべきなのに…。

 もう一つ言いたいことは大晦日中心の興行サイクルの危険性です。年末の世界戦は八試合。これは一見活況と映ります。しかし大晦日に総合格闘技のイベントが乱立していたのはほんの数年前の話です。そんな活況があっという間に破綻し、日本の総合格闘技は大幅に市場規模を縮小しました。

 大晦日興行にまつわる選手集めで、外人選手のファイトマネーも高騰していると言います。これは総合のイベントが破綻した主原因でもあります。ボクシングがテレビ局の要請にこたえることで疲弊してしまわないか心配だったのですが、今回の和気選手の事件がその予兆ではないかと考えるのはうがち過ぎでありましょうか?


 以前のように年始にやってもいいんじゃないの?と感じる(旧徳山と長谷川が好きです)