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HARD BLOW !

まず名を正す

 弟子に「先生は政治をなさるとしたらまず何をしますか」と問われた孔子は、「まず名を正す」と答えたそうです。

 これは「言葉の意味を正確に定義する」と言う意味だそうです。 

 いきなりですいませんが、自分は言葉の定義は本当に大事だなと思うんですよね。

 先日読者のTech21様より、当ブログのコメント欄で

「スラップ訴訟」についてですが、強者が弱者の意見封鎖を目的とするだけではスラップ訴訟の要素を満たしません。山田厚俊氏のブログ記事も読みましたが、一般的に聞きなれないこの言葉を独り歩きさせた感が否めません。

と言うご指摘を頂きました。確かに『スラップ訴訟』と言う言葉の正確な定義を知らずに使うことは、結果的に亀田一家の提起した名誉毀損のどうってことない『民ゴタ』が凄い社会問題だと言う誤解を流布する片棒を担ぐことになります。

ここでスラップ訴訟の正確な定義を確認しておく必要があるでしょう

 スラップ訴訟とは英語のstrategic lawsuit against public participationの頭文字をとった言葉だそうです。直訳すれば『社会参加に対抗する戦略的訴訟』なりますが、具体的には大企業や国家が市民の政治参加や社会的発言を封じる為に行う民事訴訟のことだそうです。次の四つの条件が構成要件となるそうです

・提訴や告発など、政府・自治体などが権力を発動するよう働きかけること
・働きかけが民事訴訟の形を取ること
・巨大企業・政府・地方公共団体が原告になり、個人や民間団体を被告として提訴されること
・公共の利益や社会的意義にかかわる重要な問題を争点としていること

 さて亀田兄弟が自称ジャーナリストを訴えた裁判は上の四つの要件を満たしているでしょうか?答えは否であります。

 記事の事実関係の裏取りがしっかりしていれば名誉毀損には当たらないはずと言う大前提は置いといて、金額の多寡はスラップ訴訟の構成要件ではないようですし芸能人やスポーツ選手などの有名人が、スキャンダル記事を書いた記者やマスメデイアを名誉毀損で訴える裁判は過去から幾多ありまして、ありふれたものです。この件は言葉の定義から言っても、社会慣行から言っても明らかにスラップ訴訟ではありません。

 フリージャーナリスト、フリーライターの皆様に置かれましては、『公人のスキャンダルを暴けば高額の損害賠償を請求される』という判例が出来ることは死活問題であり、それに反対したいと言う心理は重々分かります。

 ただ今回の事件はそのケースとしては余りに要件を満たしていないと思います。端的に言うと記事の真実性が極めて怪しい。それに政治家や権力者、大企業のスキャンダルを暴いた記事ではなく、叩き放題の嫌われ者亀田兄弟を叩いた記事で公共への寄与もきわめて低い。まあ言うたらキワモノ同士の喧嘩に過ぎないと思います。

 ジャーナリストがジャーナリズムの存亡を賭ける機会はこの事件じゃないだろと思えてなりません。


 この訴訟を『スッラプ訴訟』だとして批判の論陣を張るスラップ訴訟反対  被害者支援の会様のサイトの巻頭ページには以下の宣言があります(以下引用)

 本サイトは訴訟の事実関係の争いについてはあくまで司法の判断にすべて委ねるものとし、経緯のみを記載して配慮するが、片岡氏に起こされた裁判での抗議手法については不当なものと反対し、片岡氏を被害者として支援を行なう。そして、このような行為を防ぐために、スラップ訴訟に対する法整備を早急に行なうべきだと主張する。(小林俊之)(引用以上)

 ジャーナリストがまず大切にするべきは事実を書いているか否かだと思うのですが、そこについては判断は停止するそということでしょうか?記事が事実でないなら抗議を受けるのは当然だと思うのですがいかがでしょう?ジャーナリストの仕事と言うのはウソを書いても許容されるような聖職なのでしょうか?金額の多寡に拘るのは敗訴する可能性が高いからではないのでしょうか?

このサイトでは「東京スポーツも同様の記事を書いているのに訴えていない」ことを問題視していますが、東スポの記事を読んでみると、別に「監禁」とも「暴行」とも書いていません。断定的に刑事犯罪を犯したかのように書いているブログ記事とは明らかに一線を画しています。記事の最後には亀田サイドへ取材したコメントも掲載されています。『日付以外は全部誤報』と揶揄されるお楽しみ夕刊紙の東スポですら『双方取材』と言うジャーナリズムの最低基準は守った記事になっているのです。
          記事のリンク
              ↓
亀田大毅「感涙の2階級制覇」裏で“異様トラブル”

おや東スポのWEBに金平会長の記事があるなあ
       ↓

 法廷闘争なら選手として“終わる” 金平会長が亀田側に警告

 金平会長の言ってることは『訴訟を提起したらボクシング村では村八分だよ』ということで、よくもまあこんな前近代的な天真爛漫な発言が出来るなあと感心するやら呆れるやら。裁判と言う場所で公正な判断を受けることの何がそんなに問題なのか理解に苦しみます。まあ彼も村を一歩出れば潰しが利かないから仕方なく村にとどまっているのやも知れませんが。

 金平会長と言えば亀田バブルの時代には生え抜きのチャンピオン坂田健史を冷遇して亀田兄弟に夢中になったあげく、最後は金銭トラブルで裁判沙汰になるほどの敵対関係なったことはボクシングファンの皆様にもお馴染みでありましょう。最近ではネズミ講まがいのアフィリエイトビジネスをやっている怪しいバブル紳士をスポンサーに迎えたかと思えばすぐに仲違いしましたね。あれは何だったのでしょうか?昨年はボクマスさんや大竹トレーナーが退職し、本格世界王者だった佐藤洋太選手も引退しました。一部には深刻な経営難も囁かれる協栄ジム。

 そんな金平会長でも亀田を批判すればすぐに「よく言った!ファンはあなたの味方です」みたいになってしまうのでしょうか?自分はそんな村社会はゴメンですな。

 冬が行ってしまうのが悲しい(旧徳山と長谷川が好きです)