なんか記事のタイトルがアジビラみたいになっちゃいましたが、以下が東京都労働委員会の命令書です
http://www.toroui.metro.tokyo.jp/meirei/2013/meirei24-38.html
JBCは当該職員の解雇当時は公益法人だったのですが、こともあろうに団交拒否とは...。ブラック企業並みの対応してこんな命令書出されたら、ボクシング界の先達が泣こうというものです。ほんとしっかりして頂きたい。
この文書のキモは4段「判断のポイント」の二項目ではないでしょうか。以下引用します
・X1の懲戒解雇処分及びX2の解雇処分には、同人らの組合加入以前からの、法人における激しい内部対立の影響が強く推認されることから、組合員であるが故の不利益取扱い、又は組合の運営に対する支配介入であるとはいえない。
(引用以上)
なんと東京都の労働委員会が解雇処分の背景を「法人における激しい内部対立の影響が強く推認される」と結論しているではありませんか。これは勿論あくまで東京都労働委員会の見解ではあるのですが、労働紛争解決の専門家である労働委員会が解雇の原因を「激しい内部対立」と「強く推認」していることの意味は大きいと思います。JBC側の主張するような勤怠や背任行為が理由の解雇とはどうも見ていないようですね。さてこの判断が訴訟にどう影響するか?さらに注視していきたいと思います。
労働委員会の命令書なるものを初めて見て、とても勉強になった(旧徳山と長谷川が好きです)

中出博啓トレーナーと高山勝成選手
いよいよ年の瀬も迫って参りましたが、「あなたにとって今年の日本ボクシング界の最大の事件は何ですか?」と聞かれたら読者の皆様は何を選ぶでしょうか?
私にとっては何をおいても高山勝成選手によるメキシコでのIBF世界ミニマム級タイトル奪取しかありません。南アフリカ、フィリピン、メキシコと過酷なアウェイの地を巡った長征の末、平仲明信選手以来21年ぶりという海外奪取を成し遂げた高山選手とそのチーム。その歴史的な勝利が達成された現地時間3月30日の午後は、時差を考えると日本国内におけるIBFタイトル認可の僅か12時間前というまさにギリギリのタイミングでありました。日本国内のライセンスを返上するという形で退路を断って海外雄飛した彼らの背景を知ればこそ、この勝利は一際深い感慨を残しました。
JBCライセンスを再取得した高山選手の凱旋試合がいよいよ近づいて来ました。諸般の事情から選択試合でなく指名試合となった12月3日の復帰戦の舞台は地元大阪のボディメイカーコロシアム(しかし何回聞いてもピンと来ない呼称…)。よりにもよって亀田兄弟のアンダーというのは個人的には抵抗はありますが、ずっとドのつくアウェイで戦って来た高山選手にすれば「試合内容で観客の心を掴めばよい」というシンプルな境地に達していることでしょう。
当HARD BLOW!にとっては、高山勝成選手と中出博啓トレーナーに取材に応じて頂けたことには重大な意味があります。中出氏からは一連のJBC裁判で争点になっている事の次第について、IBF日本や新コミッション設立等 関与も画策もしていないと明言の上 双方に対し中立の立場を貫いています。その上でコミッションや当事者以外の第三者(ジャーナリスト等)が、ありもしない事実をこじつけてくるのなら、 「中立的・客観的な証拠を突きつける準備がある」というコメントを頂いています。しかしその話題についての記事はもう少しあとにしましょう。今はまず高山選手とその試合についてファンの皆様にお伝えしようかと思います。
まずは11月中旬の某日、デビュー以来高山勝成選手のトレーナー兼マネージャーを勤める中出博啓氏に、単独でお話を伺う機会を得ました。試合まで一ヶ月を切った時期であり試合に向けた練習は勿論のこと取材対応や興行の準備、チケット販売までこなしつつ、ビジネスマンとしての仕事もしているという氏の超多忙な日常の合間を縫って、時間をとって頂きました。まずはその時の会話を一問一答で。(会話の部分は敬称略。質問は赤文字)
高山選手の調子はいかがですか?
中出「調子はいいです。期待してもらっていいですよ」
日本のボクシング界に復帰となりましたが?
中出「日本も4団体時代になってチャンピオンは弱いチャレンジャーを選べるし、挑戦する側は弱いチャンピオンを選べるようになったでしょ。そんななかでファンの見る目による選別だけが頼りなんですよ。高山はローマン・ゴンザレスとやったあと世界戦と挑戦者決定戦しかやってない。しかも全部アウェイです。世界戦のうち2試合はあの強いジョイと南アフリカでです」
平仲以来21年ぶりというのはかなりエポックなことですが
中出「平仲さんの試合、あれロサリオはプエルトリカンやからメキシコは中立地や!って気付いて。だから敵地での挑戦となったらもっとさかのぼらないと…」
と細かいこだわりを見せる中出氏(笑)
ジョイって強かったですか
中出「ローマンより強いと感じました」
その強いジョイがマリオ・ロドリゲスに負けた。油断があったという人もいますが
中出「私はそうは思わないです。ジョイのモチベーションは高かったと思います。勝てば北米でも試合が出来るわけですから」
海外での試合で会場の雰囲気というのはどういう感じですか
中出「目は肥えてますよ。アフリカ行ってもフィリピン、メキシコでもいい試合すればいいリアクションが帰ってくる。とてもシンプルです」
高山選手の今後のプランは?
中出「とにかく強い選手とやりたい。さっきも言ったけど4団体時代でチャンピオンがいっぱいおってもうファンからしたらなんやわからんでしょ。だから強い選手同士どっちが強いのかと。四つベルトがあるなら四人が戦えばええやんと。実はローマンに負けた後も待ってたら決定戦が出来るという話もあったんですよ。でもそんなもんもう興味が湧かなかったんですよ」
などなど色々とお話を伺いましたが、その日はこちらの都合で時間切れとなりました。
その数日後「12Rスパーをやるので見に来ませんか」というお誘いを受け、再度中出氏の元を尋ねると、高山選手も合流しご本人も交えてお話を伺うことが出来ました 以下も会話の中からの抜粋です
海外に拠点を移す前に『引退して自衛隊に入る』という報道があったと記憶していますが
高山「阪神大震災で災害派遣の自衛官の方の働き振りを見てこれはやりがいのある仕事やなと思って」
中出「『ボクシングで世界チャンピオンやったんです』って言ったら募集窓口のやつが驚いたらしくて(笑)そりゃ適正検査みたいなんは通るわな。ただまさかの年齢制限で引っかかって」
高山「応募のときは行けたんです。ただ入隊のときに年齢が超えると分かって…。でやっぱりボクシングしかないなあと」
海外に行きたいと思ったきっかけは?海外事情への好奇心はありましたか?
高山「ローマン戦のあと、すでに海外進出してた山口賢一選手(元大阪帝拳)がオーストラリアのパースでやったWBOのアジアパシフィックのタイトルマッチを見に行った時に、ショウアップされた華やかな雰囲気にふれて『こういう場所でやりたいなあ』と感じたのが最初ですね」
中出「高山は昔からオルランド・カニサレスが好きで、だからIBFのベルトには憧れがあったみたいですよ」
高山「そうですね。IBFにはいい印象はありました」
中出「私は仕事で海外とも取引してますから、外国に対して構えるような気持ちは比較的低かったと思います」
まずはフィリピンに行って驚きはありましたか?
高山「とにかく不衛生だし最初は参りました」
アジアではフィリピンボクサーの躍進が凄いですけど何が違うと思います?
高山「とにかくパンチのスイングが強いです。一撃でしとめるというパンチをみんな練習しています」
フィリピン人はアウェイで戦うことが前提だから常にKOを狙うのでパンチが強くなるという分析もありますが?
高山「フィリピンの選手はいつ海外から代役のオファーが来るか分からないので、常に節制してウエイトもいつでも落とせるようにしてチャンスに備えてるんです。だから自分も今はそういう風に調整しています。」
そこから南アフリカでIBFの挑戦者決定戦というチャンスが来るわけですが…
高山「もともとは同じプロモーションに所属するフィリピン人が出る予定だったんです。でもその人が結婚式か何かプライベートな事情で試合に出ないということになって、それで『タカヤマこっち来て頑張ってるし出てみるか?』ということになって」
さっき言ってた代役ですね
高山「そうです。日本出て一年も経たずにいきなりチャンスもらえてラッキーでした。でもそのプロモーションの選手はしょっちゅう南アフリカ行って試合してたんですけどみんな負けてて、自分も期待されてなかったみたいで、勝って帰ったら『ようやった』という感じで大歓迎されて」
メキシコで勝ったあとみたいな感じですか?
高山「そうですね」
南アフリカの印象はどうでしたか?
高山「南アフリカも丁度ワールドカップの年で危険情報が色々耳に入ってくるので、空港から出たら自分で自分を緊張状態に入れて。でもそういう体験で鍛えられて何があっても動じなくはなくはなりました」
メキシコで勝てたのはそういう体験があったからですか
高山「それは確実にあります。アウェイでの経験を積んでたから落ち着いて試合が出来た。昔だったら序盤にダウンしたときにパニックになったと思います」
南アフリカで対戦したジョイの印象は?
高山「セレモニーであったときは、背も小さいし体も細いし少し拍子抜けしました。ただリングであったら全く印象が違った。体はパンパンだし、背もでかく見えるんです」
中出「ジョイのパンチはとにかく予備動作がなくて見えない。あれが本物のノーモーション」
高山「見えなかったですね」
中出「高山があんな風に反応できずにパンチをもらうということはまあ滅多に無いんですけど」
とそのあたりで、そろそろスパーリングに向けて出発の時間。スパーが行われる大成ジムは和牛で有名な兵庫県三田市にあり、大阪市内からは一時間弱の道のり。中出氏がハンドルを握る車中でさらに話を聞く
今日は12Rのスパーということですけど、スパーリングは多くやるほうですか?
中出「いやむしろ少ないと思いますよ」
高山「やるときは集中的にやるという感じですね」
JBCに復帰して良かったことってありますか?
高山「こうやって出稽古とかにいけるのはメリットですね。以前はパートナーを探すのも大変でした」
中出「そういうたらコミッションから『グローブ何使いますか?』って問い合わせが来てたぞ。『TITLE(タイトル)使います』って言うたろかな」
それどこのグローブですか?
中出「南アフリカはグローブとかコーナーポストとかみんなタイトルのなんです」
アフリカのメーカーですか
中出「わからへんのですよ。でもいいグローブでしたよ。グローブと言えばメキシコは凄かったですよ。三種類グローブ出してきて選べって言うんですよ」
そうなんですか?
中出「薄くて小さいのと薄くて幅が広いのと、分厚いのがあって好きなん選べと」
でも好きなの選ばせるなら恨みっこなしでいいとも言えますね
中出「違うんですよ。三種類から早いもん勝ちで取るんですよ」
えーそれはちょっと凄いですね。
中出「こっちが遠慮せんとパッと薄い小さいほうとったら、メキシコ側はかなり考えて結局薄くて幅が広いやつ選んでました」
メキシコの試合がIBFの国内認可12時間前というのは意識してました?
高山「そりゃもうむちゃくちゃしてましたよ。これで負けたらワールドチャレンジは失敗やと言う気持ちで。あの日は先にモナコで石田(順裕)さんがゴロフキンにKOされて、わーもう俺しかおらんって」
中出「高山は(メキシコに向かう)新幹線とか飛行機の中でどういう気持ちやった?」
高山「いつもよりは緊張してたかなあ」
中出「おれは平常心ではおられんかったなあ」
背水の陣ですね
中出「そんなもん背水も背水よ」
高山「でも石田さんが負けたという報を聞いて、逆に俺がやるしかないなって、いい緊張状態というか気合が入ってよかったです」
戦いたい選手はいますか?
高山「一杯いますよ。でもWBOのチャンピオンとやって勝って、日本初の4団体王者になってそれから複数階級というのが希望ですね」

そうこうしているうちに車はスパーリングを行う大成ジムに到着。三田市の中心街にあるこのジムは、元東洋ウエルター級チャンピオンである丸元大成さんが会長。高山選手と拳を交えるのは次戦の対戦相手と同じサウスポーの加納陸選手、服部海斗選手、松岡新選手の三人。加納選手と服部選手はU-15の日本チャンピオンという経歴があり来月にはフィリピンでのプロデビューが決まっているということ。

フィリピンでデビューする愛弟子を見守る丸元大成会長
挨拶がてら丸元会長に「フィリピンでデビューというのは面白い試みですね」と尋ねると「彼らには自分たちの時代には出来なかったことをどんどんやらせたいんです。海外も早くから経験させたほうが絶対いいですから」ということ。お話を伺ってこのような海外志向の流れはもはや止めようがないのではないかという感想を抱きました。


充実の仕上がりを見せる高山選手
スパーリングは3分12R、インターバルは40秒で3人のパートナーは4Rで交代するという形式。高山選手は減量のピークということですが、さてどうなるかと注目しつつ開始のブザーを聞きます。若いパートナーたちは、世界王者とのスパーリングという機会に己の技量を試そうと臆することなく貪欲に向かってきます。高山選手はそんな若いパートナーを正面から受け止め、終始積極的にクロスレンジに出て打ち合い、プレッシャーをかけると上下と内外の打ち分けでヒットを重ねていきます。交代直後やラウンドの前半といったフレッシュな状態では打ち合いになっていた若いパートナーも、じょじょに高山選手の圧力に押されて防戦一方。スタイル自体は日本で活躍していた時と大差ないのですが、描線が一段太くなったといいますか、力強さが増したなという印象を受けました。一番印象的だったのは高山選手の驚異的なスタミナで、打ち込まれ疲れきって交代する若いパートナーとは対照的に、減量中でありながら12Rを完走しても息すら乱れていない。それと再三中出トレーナーが指示していた捨てパンチを生かした攻撃にもベテランらしいサイコロジーがありました。とはいえ円熟という形容は似つかわしくない勢いのある若々しいボクシングで、もともと相手を選ぶようなスタイルではなかったですが、前にもまして負けない・防衛できるスタイルになったと感じました。チャレンジャーよりも王者になってこそ真価が現れるスタイルといっていいと思います。
スパーリング終了後も若いパートーナーの質問に答えて親切に技術指導する高山チャンピオンの様子は、心身ともに充実感を発散しており「良い準備が出来ているんだな」と感じました。中出トレーナーも「減量のピークで息も乱れてないし良い状態」と仕上がりに手ごたえを感じているようでした。
大阪に帰る車にも便乗し、引き続きお話伺いました
先ほどパートナーの若い選手へのアドバイスで体幹を鍛える必要を強調しておられましたが
高山「イーグル戦のあと世界で戦うにはフィジカルの強さが必要やなと感じて」
それとパンチを打つ時もコーナーワークも相手の反応を引き出すのが大切とおっしゃってましたがそういう意識はいつからですか?
中出「それはフィリピンからとちゃうかなあ。フィリピンのトレーナーの話があってね」
高山「フィリピン人のトレーナーが僕に何回も言ったのが『Watch boXing』って言葉で、それはどういう意味やろと考えて。パンチ出すにも動くにも相手をよく観察して場面にあわせて一番良い方法を探せっていうことかなと」
中出「日本人のトレーナーでも『相手見ろ』とはいうけどね、外国で外国語で言われたことでより深くね『見るってどういうことやろ』という概念まで考えたのが良かったと思います」
その他にも色々と伺いましたが今回はここまで。
これまで全く面識の無かった一ファンに過ぎない私の不躾な質問に率直に答えた頂いたお二人に、今一度感謝したいと思います。ひとつ驚いたことは、お二人ともHARD BLOW!の存在は知って頂いていたのですが、中出さんにHARD BLOW!の存在を教えたのは高山選手だということでした。
世界を股にかけた冒険の果てにベルトを手に入れて帰って来た高山選手。たとえ知る人ぞ知るというような存在であっても、このように実りある手ごたえのある人生を生きていることこそ最高の贅沢ではないかと感じるのは所詮、見るだけのファンの感覚なのでしょうか?それでも自分がスポーツをボクシングを見る動機は、彼のように世界と対峙して運命を切り開いて行く人間を見る為だと言って良いです。
12月3日の凱旋試合で日本のファンに本物の質の高いボクシングを見せてくれるものと確信しています。
徳田虎雄のノンフィクションを読んでる(旧徳山と長谷川が好きです)
すでにいくつかの記事でお伝えしておりますJBCのいわゆる「健保金問題」。
今のところ大きな動きはないようですが、「選手の治療費の為に集めたお金なんだから、帳面上はどうのこうのなんて眠たいこと言ってないで、選手の為だけに使うべきだろう」という、どこから見てもケチのつけようがない結論にまとまらないのは何故なんでしょう。
私たちも、東日本で初めて行われた会合に参加させていただきましたが(健保金問題解決へ向けて;参照)、協会員の皆さまには、ここは何としても是々非々で行動していただきたいと思います。
その先月の会合に名古屋からオブザーバーとして参加され、またご自身の所属する中日本協会でもこの問題の解決に向けて尽力されているのが緑ジムの松尾会長です。
その松尾会長が、11月25日の日本ヘビー級タイトルマッチに挑戦する竹原虎辰選手を引き連れ上京されるということで、少しお話を伺えないかと思い何人かの方にご協力をお願いしたところ、試合前の忙しい中、お時間を割いてくださることになりました。
松尾会長の考えるところも私たちと同じく、至ってシンプルなことです。
松尾会長(以下M)「そうそう。治療費の積立の名目で集めたんだから、それ以外に使うな、というだけですよ」
M「その為にまず、現在健保金として集めたお金の残高がどうなっているのか開示してもらい、そのお金を今後は適正に運営してくれるというなら何も文句はない。しかし、やはりそれはできないというのであれば、これからは協会で管理するから返してくれ、ということです」
M「中日本としては、このままの状態でお金だけ徴収されることは到底承服できないので、一定の期限内にこちらの納得できる回答がなければ、(新制度の)見舞金を納めることをストップし、一時的に協会で預かることも考えている。西日本、西部とも連携して行くつもりです」
やっぱりどこから見てもまっとうな意見だと思います。確かに各法律を杓子定規に解釈すれば、この健保金制度のようなものをJBCが運営することについて問題がゼロとはいえません。しかし他の多くの団体で同じような相互扶助の制度が作られているのも事実です。
いくら一般法人に移行するからといって、「じゃあこれまでの健保金制度はどうやれば継続できるだろうか?」という議論がされた形跡すらないのはおかしい。やる気がないだけなのでは?と言われても仕方ないと思います。
新聞等で報道されたことにより、多くの協会員がこの件を知ることになったわけですが、JBCの対応がはっきりしないことも不信を高めていると思います。
M「残高の件にしても、ある筋の情報では、このくらい使ってしまっているからこのくらいしか残っていない、等と具体的な金額が示されており、別の情報では、実際は全然手をつけてないからまるまる残ってますよ、なんて言われています」
M「噂話をしてるんじゃないんだから、そんなに色んな話が出てきたらこっちだって勘ぐりたくなっちゃいますよ。何かを誤魔化す為にあれこれ言ってるんじゃないかって」
また、JBCだけではなく、東日本に関しては協会員たちの足並みも揃ってるとは言い難い部分があります。皆さん独立された個人事業主ですから自分のことで手一杯ではあるでしょうが、「選手の為」ということを考えたら、導かれる答えは一つだと思うんですが。
こうしてる間にも日々の興行は開催されており、いつ何どき、開頭手術を要するような事故が起こるかわからないんですから。
私たちが色々意見を言うのも、松尾会長がこの件に真剣に取り組んでいるのも「選手の為」の一点のみです。
松尾会長はこの問題以外にも、選手の待遇アップやボクシング界を盛り上げる為のアイディアをたくさんお話ししてくださいました。それらは、まだここで書くわけにいかないことや、もう少し詳しくお話しした上で書いた方がいいことなどもありますので、別の機会にゆずることにしましょう。
この日も、JBC・東日本協会双方に、情報収集や意見の交換に出向くと松尾会長はおっしゃってました。そんな多忙な中、いちファンの為に時間を作ってくださったことに感謝いたします。
こういう会長さんがたが頑張ってくれていると思うと、私たちのモチベーションも高まりますね。
また別れ際に、この日のタイトルマッチのチケットまで頂いてしまいました(汗)。個人的には数十年ぶりに見た日本人ヘビー級ボクサーの試合の模様は、別記事にてご報告したいと思います。
(ウチ猫)
今夜、韓国のチェジュ国際コンベンションセンターでWBAバンタム級タイトルマッチ12回戦が行われる。
この韓国の試合は2ヶ月ほど前に既に情報としてあったが、書いておけばスクープにでもなったのだろうか?(笑)
特に気にも止めていなかったが、テレビのコマーシャルを見て思い出して何気なくBoxRecをめくって見た。
王者は三階級制覇で今回が早くも八度目の防衛戦になるKouki Kameda (Jpn)
実績が数値化されたレーティングを元に格付けされるBoxRecだが王者は世界ランク9位に位置する。
現在、タイトルの有無や戦績、対戦相手の質そして試合内容や結果など総合的に評価するとかなり実態に近いランキングがここでは展開されているのではないだろうか。
もちろん実績の誤認や戦績の洩れ、名前表記の誤りなども見受けられるが概ね参考に出来るものと思う。
さて、このBoxRecのバンタム級レーティングを見渡すと11月19日現在この様になっている。
http://boxrec.com/ratings.php?sex=M&division=Bantamweight&pageID=1
1位にはWBC王者山中慎介、2位にWBAスーパー王者でパナマのアンセル・モレノ、
3位がWBO王者となったTomoki Kamedaが何故かランクされるが、これは実力と言うよりもこれまでローカルタイトル戦を数々こなしてきた事が大きいか。
試合内容よりも独自の戦略がランキングを推し上げたと言って良いだろう。
しかし、今後実力でランキングを上げて来た選手と対戦しながら試合内容でも結果を出さなければランクは確実に落ちて来る。たとえ世界王者の称号を持とうとも。
それは下位ランクを見れば明らかだ。
4位にはKamedaより強いと噂される日本の岩佐、以下ウーゴ・ルイスと続き・・
下位の9位にKoukiの名前がやっと見られる。
本人からすれば納得は出来ないだろうが、これまでの実績を冷静に評価すれば妥当だ。
いかに繕うとも内容の評価されない試合が続けばこうなる。
世界王者、一番強いのはあくまでも唯一人。
強者の系譜でなければならないのだ。
さて、今夜の世界バンタム級戦、Kamedaの相手は孫 正悟Jung-Oh Son (韓国)
WBAランキングは14位となっているが、BoxRecのレーティングではなんと145位の無名選手だ。
ここ最近の試合を追っても昨年に韓国王者に再びなったが実績として目立ったものではない。
BoxRec バンタム級126位~150位
http://boxrec.com/ratings.php?sex=M&division=Bantamweight&pageID=6
日本人の海外遠征試合はそれなりに評価すべきだし、同じ日本人としても海外防衛戦は賞賛したいところだが。
しかしこの試合に世界タイトルの意味や価値があるのだろうか?
ある訳が無い。
また、ここに金を出すテレビ局もボクシングファンの自分としてはまったく理解ができない。
しかし、それを観たいというボクシングファンもまた現実にいるのだ。
申し訳ない言い方だが、同じボクシングファンながらまったく別のスポーツを見ているようだ。
B.B
かねてより私たちが応援している斉藤司選手(三谷大和)が、ブログを始めました。
遅ればせながら、の感はあるんですが、今や多くの選手が情報発信している時代ですので、まだ彼を見たことが無い人に、少しでも興味を持ってもらえたらいいと思いますね。
是非皆さんもご覧になってみてください。
プロボクサー斉藤司 オフィシャルブログ
いつものごとく斉藤司選手の観戦記なわけですが、まず最初に謝らなければならないのは、今回写真がありません!ということです。途中まで「いやまじで」氏にカメラマンを頼んでいたんですが、セミセミあたりでまさかの電池切れ(涙)。
しかしまあ、今夜の試合は写真があっても伝わり切れないほどのインパクトでございました。
対戦相手の岩下幸右選手、私は嶋田雄大選手に敗れた試合しか見ておりませんが、その試合も「まんまとヤラれた」という内容ではありましたが、最後まで諦めず手を出し、決してねじ伏せられたわけではありません。
前回の神崎選手に続き、肩書の上では格下ながら、全力でランク獲りに来るであろうベテランということで、楽な相手ではない。しかしそういう選手に完勝してこそ、その先が見えてくるということで、結果も内容も求められる一戦です。
第1ラウンド、斉藤司応援団がまずドキドキさせられるのがこの初回。攻撃のエンジンが暖まらないというならまだしも、動きが固いまま余計な被弾をするというのが一番心配な斉藤選手。
今日も軽い右で岩下選手をのけ反らせて先手を取ったと思った刹那、さほど強いとも見えなかった右をテンプルに喰らい、たたらを踏んでロープまで後退。
なんだなんだ?バランスを崩しただけなのか、それとも…
と、次の瞬間、また軽い右を正面からもらって、下半身がガクガクと泳いでしまっている。ヤバい、完全に効いてるじゃん!
彼はどんなピンチになろうとも勝利を諦める男ではないが、しかし、どんなに闘志にあふれ、意識がしっかりした状態で立っていても、「この選手はダメージから回復してない」とみなされたら終わってしまうのがボクシング。前々回の負けでそれは学んだはずなので、こんな初回の1ポイントくらいくれてやっても、まずは回復に専念して欲しいところ。
この最初の一発からしばらくの間、やはり本人もパニックに陥ったようでセコンドの声も聞こえなかったとのこと。ただ「ここで倒さなきゃいつ倒す」というほどの決定機でもないので岩下選手も無理には攻めず、何とか1ラウンドは乗り切った。
2ラウンド、インターバルでのセコンドの指示は聞き取れなかったが、出ていく前に何度も屈伸をして足の感触を確かめている。まずはよく動いてダメージを抜いてというところだろうか。
岩下陣営もそう予想していたか、セコンドからも「この回相手は動いてくるよ。慌てて当てにいかないよ、ジワジワ行くよジワジワ」との声。
さてさて、ジワジワ対チョコマカの戦いになるかな、と思っていたら、斉藤選手の右クロスが突如火を噴き、岩下選手の顎を捉え、崩れるようにダウン!
私は彼の試合をどんだけ観たかわかりませんが、これだけ見事なダウンシーンは、新人王東日本決勝あたりまで遡らないと記憶にないですね。
これで8割~9割方趨勢は決まり、直後の二回目のダウンでもう勝負あり。レフェリーのストップかタオルが入ってもおかしくなかったですが、右が直撃して仰向けに倒れた三度目のダウンで試合終了となりました。
試合後、すっかり肝を冷やされたことをからかいながら話を聞くと、初回半ばでそこそこ立て直しは完了しており、その直後からは岩下選手の穴を分析することに専念し、「これは右クロスが当たる」というところまで読んでいたらしいから大したもの。
これは師である中村トレーナーも見抜いており、実際に二回開始直後、再三「クロス当たるよ、右クロス狙えるよ」と声が飛んでいました。それを聞き「いや、それで当たればそんなに苦労はしな…」と言いかけたところで本当に炸裂したので、非常に驚きましたね。
初回に一発喰らった時点で、まず反省材料となるのは当然ですが、その後きちんと立て直しが出来たということでは、いい経験・ノウハウとして蓄積されたんじゃないでしょうか。
ただしこれからもっと上に行くにつれ、その一発で眠らされることもあるわけですから、さらなる精進が必要でしょう。
さて敗れた岩下選手。二度目のダウンで止めてもいいと書きましたが、少なくとも三度目のダウン直前にラッシュされてる場面ではタオルを入れるべきではないか、という印象でした。
それでも続行させたということは、もしかしたら「今回負けたら引退します」なんていう決意だったんじゃなかろうか、だからセコンドは最後まで…なんてことを想像していたのですが、しかーし!
しばし横になって回復した岩下選手、斉藤選手の手を上げて勝利を讃え、赤コーナーまで挨拶に来たついでに、その後ろにいる三谷ジム応援団の客席に向かって「また這い上がります!」と元気いっぱいに宣言。拍手喝采を浴びておりました。うーむ、なんというナイスガイ!
30戦以上のキャリアなので、まず体のチェック、ケアを充分にして、まだまだ行けるとなったら存分に頑張って欲しいと思います。
私のボクシング観戦時のテクニカルアドバイザーの「M信氏」によると、「丸山戦でも思ったけど、たとえ格下であっても、A級でそれなりのキャリアのある選手に対し、言い方は悪いけど、外国人咬ませ犬とやった時のような倒し方で勝つというのは並の選手ではできない」との評価。
確かに序盤のミスもあり「完璧」とは言えないながら、あの最初のダウンを取ったパンチはちょっとビビリましたね。
このままいけば来年あたり、日本タイトルも見えてくるんじゃないでしょうか。ただ、こういう試合が続くと対戦相手が決まらなかったり、また今日も、パンフではライト級9位とあり、再起戦はいいKO勝ちだったのに場内コールではなぜか12位になってたりと、なんだかよくわからないこともありますので、なんなら来年は最強後楽園に出てもいいんじゃないですかね。
ともかくますます今後に期待です。
(ウチ猫)
7戦までもつれ込む熱戦となったNPBの日本シリーズは、大方の予想をくつがえして楽天が優勝という大団円を迎えました。王者巨人に正面対決を挑んだ楽天球団の戦いぶりは見ごたえ充分でしたが、ここ数年来の日本シリーズのロ-スコア傾向はやっぱり引き継がれ、相変わらず長くて胃の痛くなるようなゲームばかり…。まあそれも贅沢な悩みですね。戦い済んで後、マー君が第六戦で逆転ホームランを打たれたロペスをスラングで罵ったなんて穏やかでない話題も入って来ましたが、まあ概ね小細工の無い昔ながらのシリーズであったと思います。とはいえ西村の藤田へのデッドボールはちょっと低レベルでしたが…。あと楽天のホームのkスタは広告だらけのゴチャゴチャした雰囲気がバナーだらけで見にくい楽天市場を髣髴とさせなんか落ち着かなかったですなあ。ファンの応援マナーは素晴らしいだけに少し残念な感じでした。巨人にとっては「V9以来の連覇」がかかっていたらしいですが、そもそも一つの球団が9回連続優勝するということは戦力が不均衡であった証左であります。本来はあらゆるチーム・選手に優勝の可能性があるのが健全なプロスポーツです。
さてそんな楽天球団はなぜ誕生したのか?それは読売のあの人を中心とする一部チームオーナーの陰謀が生んだ偶然の産物ともいうべきものでした。2004年の6月、パリーグの近鉄バファローズが経営難を理由になぜか「球団の売却」ではなく「オリックスブルーウエイブとの合併」を発表し、結果パリーグが五球団体制に移行することが唐突に発表されたのです。チーム数が奇数では興行の日程が変則的になります。そこで「将来的には10球団一リーグへの移行」が唐突にまたも一部オーナーからアナウンスされ、ファンと選手無視の強引な絵図は轟々たる非難を浴びます。
ライブドア社長堀江貴文の買収提案→選手会スト→楽天球団誕生という事の次第はファンの記憶にも新しいところでありましょう。新球団の本拠地を仙台としたのは堀江氏のアイデアが土台であり、楽天は丸乗りする形での参入でありました。もとより楽天の参入の背景には、堀江氏の意外なまでの大衆的人気にあせったオリックスの宮内氏が昵懇の仲と言われた三木谷氏を動かしたとも当時分析されていました。当初三木谷氏は、既に保有していたJリーグのヴィッセル神戸の経営が思わしくなかったこともあって、買収に乗り気ではなかったとすら言われました。
このような様々な運命の波にもまれて誕生し、創設8年で優勝を決め、東北地方全体で大衆的支持を得る楽天。裏腹に、欲しい選手をプロテクトし戦力的に有利だったはずのオリックスは分裂後低迷し人気もジリ貧です。
「野球チームはオーナーの持ち物だから仕方がない」とファンが諦めていたらプロ野球は今頃一リーグになっていたはずです。最近ではJリーグ機構が発表した前後期制への移行に対して、サッカーファンが反対の声を上げています。かえりみてボクシング界はどうでしょうか?不可思議な選手・ファン無視の運営がずっと放置されたままではないでしょうか?野球やサッカーに比べても余りにも遅れていると感じてなりません。
マー君のメジャーへの移籍を止める人が誰もいないことに時代の移り変わりを感じる(旧徳山と長谷川が好きです)