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HARD BLOW !

メイウェザーとマティセ、予想外の試合 20130915

●ガルシアvsマティセ

(WBA,WBC世界ライト・ウェルター級タイトル・マッチ)

ガルシアvsマティセ 20130914

期待されたような壮絶な打撃戦とはならなかったが、双方のボクシングの手筋、作戦の妙が見どころの好試合となった。

前進して強打をふるうマティセに対して、ガルシアはディフェンス重視ながら左ジャブ、左フックでコントロールしようとする立ち上がり。

ガルシアの返しのパンチの強さ、特に「見ないで打つ左」に脅威を感じたか、マティセも前進をセーブ。

マティセは一見無造作にパンチをふるうように見え、実際にはディフェンス力も高い。相手の攻撃の予測が良く、体の動きが柔軟で相手のパンチの威力を減じる。防御から攻撃への切れ目がないので相手としては休む間がない。

ガルシアも、上体の動きが少なくハンド・スピードもさほどないのでモッサリと見えるが、相手の攻撃パターンとパンチの軌道の読みが良く、対応策をしっかり講ずることができる。いわば「適応能力」の高いボクサー。

パンチも技術もある2人によるハイレベルな戦いとなった。

ガルシアの左の脅威を力でこじ開けようとするマティセがポイントでは有利に見えた7R、マティセの右瞼が腫れはじめる。

視界を限られ、なおかつ、ガルシアの左をケアしなければならないマティセ。手数が減って正確性も低下、前進力が弱まる。一方ガルシアはビッグショットはないものの、安定したフォームから左を軸にパンチを的確に当てる。

8R、マティセの体が流れる。これまでのマティセには見られなかったものだ。被弾によるダメージは勿論、距離感をつかめない状態での攻防のストレス、ストップの恐怖が、確実にマティセを消耗させたであろう。

11R、捨て身の打ち合いを挑むマティセだが、逆にダウンを喫する。ロープ際でもつれて視界を失い、相手の決定的なパンチを避けるために意図的に座り込んだものでダメージはない。しかしダウンはダウンである。

結局試合は判定に。3-0でガルシアの勝利。これにはマティセも納得。

ガルシアの勝因は、ファイト・プランを忠実に実行したこと。不要な被弾を避け、得意の左で相手の前進を止め、そして後半勝負に持ち込んだこと。特に左のパンチの脅威は、マティセの予想を超えていたであろう。マティセの視界を奪ったという意味においても。

マティセの敗因は何か。ピーターソンを破ったことで、アレキサンダーやジュダーにポイントゲームで敗れた課題を克服したかに思えたが、自分の長所を消してくる相手に対する弱さが再現される形となった。これを取り除けば勝てたと言える意味での敗因は私には思いつかない。ガルシアの左を浴びなければ、というのは表面的すぎる。ただ今回の目の腫れで彼のディフェンス能力が向上することは期待したい。

いずれにしても今後のマティセがどう戦って再び高みへ向かうのか、それともここで終わるのか、それが興味深い。彼は相変わらず魅力的な選手である。

判定決着は予想外だった。ガルシアが逃げのボクシングはしないと見てKO決着は必至と思えたが、ガルシアの総合力が私の予想を超えていたということ。

終わってみれば判定に持ちこまれたが、一瞬で終わる可能性がある目が離せない試合、そして静かだがボクシングの深さを感じさせる試合だった。




追記

ジョー小泉の講釈通り、12Rにマティセの目の腫れが引いたのには驚いた。やはり彼はボクシングの知恵袋だ。


●メイウェザーvsアルバレス 20130914
(WBA,WBC世界ライト・ミドル級タイトル・マッチ)
DSCN2301 - コピー

メイウェザーは戦前予想された通り、試合間隔の短さが良い方向に作用したグッド・コンディションに見えた。

一方アルバレスは、トラウトとの試合で見せたテクニカルなボクシングをするのか、力押しをするのか、そのあたりが注目されたが、6kgのリバウンドを考えると、スピードよりもパワー重視の作戦をとるのではないかと予想された。

実際の試合では、アルバレスがメイウェザーに対してまずボクシングで挑み、それがうまくいかないとなると力押しへと転じた。しかしその時には既にカネロの体の芯は力を失っていた。

この試合に備えてメンタル面でも引き締めてきたであろうメイウェザーは、全くと言ってよいほど隙を見せなかった。このところ錆びつきつつあると見えた彼のボクシングは、少なくとも錆を落としていた。

アルバレスも一発当てれば戦況が一変する力を持つが、後半の消耗した彼の動きを見て(こういうアルバレスを見るのも初めてだ)、それを期待するのは無理だと感じた。

もう少しアルバレスがメイウェザーを追い詰めるシーンが見られると思っただけに予想外の展開だった。

メイウェザーが、彼を追うものとの差を広げて見せた試合だった。

by いやまじで