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HARD BLOW !

利益相反

 公益法人から一般法人に移行したJBCでは、今日(7月4日)になってもHP上ではなんら告示はありません。裁判がらみのネタはセッセとリリースしたりする割には、必要なアナウンスは無いというガバナンスの不在ぶりまでツッコミ出すと際限がないので辞めますが、さてひっそりと行われたそのリニューアルの内実に少し気になる点が、私にはございます。

 これ結構デカい話だと思うのですが、日本プロボクシング協会の大橋秀行協会長がJBCの理事になっているのです。
http://www.jbc.or.jp/outline/officer.html
 JBCはボクシング興行を管理・監督する立場の組織で、プロボクシング協会とは利益相反の関係であり、その両方に所属して活動することにはどう考えても矛盾があります。ランキングの移動に始まり、レフェリーやジャッジの人選、当該試合の判定結果について『邪推』を生む温床となる人事だと思います。原子力規制委員会に東電や関西電力の社長がいるようなもんであります。    
 大橋氏がガバナンス無き現状を憂慮して、火中の栗を拾わんとJBCに飛び込んだと言うならそりゃそれでイイ話のような気もしますが、どういう過程でこの様な異例の人事が行われたのかと言う説明があってしかるべきだと思うのですが。

 思えば亀田一家のスキャンダルの原点にも、反則の見逃しと見られるレフェリングや不可解な採点がありました。いま業界を挙げて売り出している井上尚弥選手の試合でもし裁定や判定で程度問題はさておき大なり小なり疑惑が生ずれば「大橋がコミッションにいるんだからそりゃ贔屓するだろ」「レフェリーやジャッジの人選は大橋の意のままだ」というような意見が、事実関係は無視してネット論壇を駆け巡るでしょう。現状では「井上は亀田とは違う本物だからそんな心配ないよ」と言う感覚の方が多いと思いますが、テレビ局がソロバン勘定しながら先行投資しているという背景は亀田のケースと変らないわけで、彼らにとってはボクシングというスポーツの価値は二の次であるという冷徹な目線が必要だと思います。本物の才能だからこそ小細工なしに、厳格・公正にやって欲しいと願ってやみません。

 プロ野球選手会のコミッショナー辞任を求める声明にグッと来た(旧徳山と長谷川が好きです)

箍(たが)を外す

ワイン樽などを外側から強く固定する為の金属の輪を「たが」と言います。
辞書を引くと「規律や束縛から逃れて,しまりをなくす。羽目を外す 」とありますが、現在の日本ボクシング界の現状がまさにこれだと思います。

箍を外し、浮かれまくっての結果がこれです。

コミッション理事に初めて協会長(興行サイドの人)が就任となりましたが、前代未聞であります。
これでJBCはルールの運営も管理も独自では出来ないほど「無能になった事を世間に証明してしまった」という見方があります。

7月1日にJBCは公益法人から一般に移行したそうですが、ボクシングという競技の公益性に固執する事無く、さっさとそれを捨て去ったという見方も出来ます。
八百長問題で国技としての存続さえ危ぶまれた角界でさえ、なりふり構わず、それこそ死に物狂いでそれだけは死守した。
ボクシング関係者は怒りを覚えないのでしょうか?

オリンピアンに特例のA級ライセンス発給でも、何の疑問も呈しない専門誌を含むボクシングを取り巻くメディアにも唖然としますが、興行サイドの言い也では最早他の格闘技団体と同列となってしまったと言っていいでしょう。

これまでも様々な問題はありましたが、それでも辛うじて日本ボクシングの伝統と誇りは保たれて来たはず。
数年前の亀田問題でも業界の中であれほど批判が起こったではないですか。
今や日本のエースとなった山中選手の王座決定戦でさえ、ファンや記者クラブからは疑問の声があったと聞きました。

今のボクシング界は筋も通らない滅茶苦茶な事が起こっても、誰も声を上げない。
どうしてこんな事になってしまったのか?
それはボクシング界の箍(たが)を外し去ってしまったからだと思います。
その役目を担っていた人物を排除した途端のこの惨状です。

果たして一部の愚かな人たちだけが「そうだ、そうだ!」とやったんでしょうか?
皆んな本当に無関心で(あるいはそれを装って)いられるのでしょうか?

先人達が丹念に育て守り抜いてきた樽の中身は無残にも捨て去られたと思います。
取り返しがつかない事に気付かないのか、それとも皆が諦めてしまったのでしょうか?

箍を外した樽は大変な作業でも、もう一度一から組み直さなければなりません。
こぼれたワインは元には戻りませんから、ここからまた酒造りを始めなければならないかも知れない。
こちらの方がよっぽど大変な作業だ。

しかし、強固な箍(たが)はやはり必要です。


B.B