HARD BLOW !

もう一つのJBC裁判 谷川俊規氏の場合16

 ボクシングマガジン誌(以下BM誌)の『大沢問題』取材記者は、三月号の「大沢宏晋に東洋太平洋王座剥奪、ライセンス一年間停止処分」掲載時点で二名いたということは、私が取材した複数の方の証言で分かっています。連載の前回で触れた「日本で一番権威のあるノンフィクション賞の候補にもなったことがある方」と、当連載の13回で触れた「谷川氏にトンチンカンな説教をカマして唖然とさせた方」(以下『説教くん』)がその二人です。

 このお二人については取材活動で知りえた情報を証拠として裁判所に提出している時点で、既にマスコミ人としての矜持は放棄した単なるJBCの走り使いではあるのですが、まあそれは個々人の生き方ですから言いますまい。それは掲載誌であるBM誌についても同じ事、下らない記事で誌面を埋めれば、もはや人工呼吸器がついた状態で延命してるだけの専門誌の寿命が縮まるだけであります。

 まあさすがに「日本で一番権威のあるノンフィクション賞の候補にもなったことがある方」は利に聡いといいますか、生き方上手といいますか裁判の行方なども睨んで最近は「JBC問題」とは距離を置いておられる様であります。著書もあり、執筆媒体もBM誌だけでない氏にとっては「JBCとの骨絡みで裁判闘争する義理はない」というところでしょう。まあ裁判資料に名前が載ってるので今更逃げ隠れは出来ないのですが。そんなこんなで現在の取材・執筆は『説教くん』が担当されているようです。

 さてその『説教くん』さすがに三月号の取材なしでの記事掲載で、係争当事者から発行元のベースボールマガジン社に抗議が行った事が応えたのか(裁判中の事案でそんなことしたら当り前の反応ですが…)、今回は当事者への取材を依頼するメールを送っています。そんな小さな変化でも彼にとっては大きな進歩なのかも知れませんが、その取材依頼のメールがなんだか少しおかしいのだとか。複数の関係者が受けとったメールには「私はあらゆる媒体と関係ないフリーランスの取材者です」と書いてあるのになぜか「お返事はいついつまでに」と締め切りが設定してあるらしく、フリーでも何でもないのがバレバレ。実際問題こんな記事を掲載する勇気ある媒体はBM誌だけだと思うので端から取材意図は明白なのですが、バレバレの正体を偽って取材かけてる人間に係争中の事案について胸襟を開いて話をする奇特な人がどこの世界にいるでしょう?まして取材なし、告知なしで悪意ある記事を掲載し、あまつさえ説教までカマした前科のある御仁であります。およそ事実の検証が可能な取材体制とは到底思えない取材者にいかような記事が書けるのか?読む前からクオリティは推して知るべしであります。

 いざとなれば責任を押しつけられて、「アイツはフリーランスだからウチとは関係ないよ」と切られてしまうポジションで、それでもJBCとBM誌の為に体を張る氏には一抹の憐憫は感じますが、このような悪あがきが些かでも訴訟の行方に貢献するものなのでしょうか?取材過程も当事者には周知のことであります。「裁判なんかどうでもいいから、ボクシング界に安河内や谷川の悪評が広がればいい」という焦土戦術なのでしょうか?およそ度し難い感性であります。

 それと、最近日本でもアメリカでもメディアが知りえた情報をどう扱っているかが焦眉の問題となっていることをベースボールマガジン社は知らないのでしょうか?

 日本ダービーの三連単を100円だけとった(旧徳山と長谷川が好きです)

もう一つのJBC裁判 谷川俊規氏の場合15

 さて長々とお休みを頂きましたが、今まで以上に充実した(?)内容を目指して連載を再開したいと思います。

 前回の記事で中間総括として、現在のガバナンスなきJBC中枢と夕刊紙・専門誌に執筆する御用記者との華麗なる連携振りについて私なりの分析を書かせて頂きました。実はJBCと一部記者との関係はもはや単なる推測の域を超え、抜き差しならないものとなっていることが裁判資料からも明らかになっています。ボクシングマガジン誌(以下BM誌)に掲載された大沢問題記事の取材をされていた「日本で一番権威のあるノンフィクション賞の候補にもなったことがある方」はなんとJBC側の提出した書面において情報提供者として個人名が出ています。係争当事者に取材で知り得たことを情報提供している人が書いた「大沢問題」の記事が果たして商業誌に掲載するに相応しい報道と言えるのか?私にはジャーナリストとしての一線を越えた逸脱としか思えません。BM誌はいつからJBCの広報誌・機関紙になってしまったのでしょうか?競技の公正性を担保しながら試合運営を管理・監督するJBCがこのような一線を越えた手法を堂々と法廷で取って恬として恥じないと言うのことにも、開いた口が塞がりません。そもそもこのような異常な手法が係争の勝利に些かでも貢献するものなのでしょうか?日本の裁判所も随分と舐められたもんであります。一連の地位保全訴訟の判決後、JBCが相撲協会や柔道連盟のような激震に見舞われなければ良いのですが…。
 
 「日本で一番権威のあるノンフィクション賞の候補にもなったことがある方」はそもそも高山勝成陣営に密着取材していたわけですから、JBCを離脱して独自の道を歩んでいたその特殊な立ち居地に感情移入していたはずであります。それがなんでまたJBC側に立って訴訟に情報を提供するような立場に自らを置いているのか?高山のチャレンジを讃える事と、JBCの名代として出版媒体や法廷で敵対者の放逐を画策することにどうやって整合性を見出しておられるのでしょうか?私のような凡人にはもはや異次元の感覚です。

 しかし、と私は思うのです。もし彼がジャーナリストとしての節を曲げずに高山に寄り添い、チャレンジを追いかけていれば、日本のボクシングの歴史に残る高山の勝利を題材にした時代を超えるようなエポックなノンフィクション作品をモノに出来ていたのではないか?と。彼はジャーナリストとしての矜持を放棄した故に「一瞬の夏」や「狂気に生き」のような歴史的な一遍を記述する資格・チャンスを失ったのではないでしょうか?それはノンフィクションライターとしては余りに巨大な損失だと私には思えます。彼にとってはJBCの利益の守護者となって利害をともにする事にそこまでの価値があったと言う事なのでしょうか?どう考えても割に合う取引とは私には思えないのですが。(この項続く)

 「マネーボール」のマイケル・ルイスがサブプライムショックについて書いた「世紀の空売り」を読んで良いノンフィクションライターの条件について考えざるを得なかった(旧徳山と長谷川が好きです)

F・メイウェザー・JRの時

●フロイド・メイウェザー・ジュニア vs ロバート・ゲレーロ(WBC世界ウェルター級戦)
…メイウェザーが3-0で勝利

空間を支配するためには時間を支配しなければならない。時間を支配するためには、相手の思考を先取しなければならない。

メイウェザーvsゲレーロ戦への関心は、ゲレーロについて言えば、彼が粟生や三浦と対戦したGディアスと戦っていることや、サウスポーで左の振り抜きが良く、長短上下にヒットポイントが多彩で、ディフェンスに優れ、ディアスⅡで見せたように戦略家でもあることから、メイウェザー相手にどのような戦略で戦うのかといったものであった。派手さはないが相手をよく研究し、理詰めの攻撃で穴をつくことができるのではないか。そんな期待があった。

メイウェザーについて言えば、ゲレーロ相手ならモズリー戦で見せたようなトラブルに陥りとどめを刺されることもありうるのではないか、言い換えれば、ブロンズメダリストの清水が言うように、メイウェザーが負けることがあるのか? つまり、負けるところを見てみたい、そんな関心・期待があったことも確かである。


1R、序盤に軽いパンチで探りを入れるメイウェザーに対し、ゲレーロはメイの打ち終わりに左のアッパーを合わせる。メイウェザーのスウェイやダッキングのポジションを先読みしたもので、クリーヒットは少ないものの、明らかにメイウェザーの動きを制約していた。メイはパンチを出した後のクリンチで相手の右をきつくホールドするが、ゲレーロが自由な左でクリンチの体勢のまま上下にパンチを当ててくる。

メイウェザーは長い距離からの右をリードブローに使い、強いパンチではないがクリーンヒットを奪う。ラウンドとしてはクリーンヒットの多いメイウェザーだが、ゲレーロがメイウェザーにスピード負けせずにパンチを交換するシーンが見られ、拮抗したスリリングな展開となった。

2R、立ち上がりコーナーにゲレーロを迎え撃つ形になったメイウェザーに、ゲレーロが踏み込んで左ストレートを放つ。ボディと見せかけて顔面を狙ったか、十分な予測が立たないかのようにメイウェザーが真直ぐ後退。被弾はしなかったが、細かいフェイントも入れながらのゲレーロの左の厄介さが感じられる。この後、おそらくメイウェザーはゲレーロの左に関しては、顔面へのパンチに意識を集中したようだ。ボディは距離と体の角度で防いでいたように思う。

メイウェザーはクリンチでゲレロの右だけでなく左もホールドし始める。自身のパンチの引きを早くし、相手のパンチを喰わない距離にスウェイとダックの位置を調整をする。

結果的にこの2つのラウンドでメイウェザーはリスク対策を完了させたのではないか。

3R、メイウェザーは距離をとってゲレーロを前に出させ、ゲレーロのパンチの打ち出しや合間に右をスナッピーに刺しこむ。単発だし強いパンチではないが、メイウェザーをつかまえられない状況と相俟って、ゲレーロを心身共に消耗させたことは間違いない。

この後メイウェザーは無理をしない戦いで大差の判定勝利を収めるが、試合は退屈なものではなかった。とりわけロープ際からの脱出術は、メイウェザーの能力の高さとともに、或る種の美すら感じさせた。ボクシングの技の美と言えようか。
↓1,2,3,8R


それを支えるのは、優れた動体視力、予測力、判断力、身体能力、ボクシング技術であり、それらはメイウェザー個人の才能や努力はもちろんのこと、ボクシング・ファミリーの中で代々培われ醸成され総合されたものでもあるのだろう。

オルティス戦では「錆びついていた」し、この試合でも「キレがなかった」。衰えは確実に訪れている。この後5試合を行うそうだが、勝敗への興味とは別に、彼が見るに価する選手であり続けることを私は希望する。晩年のF.メイウェザー.jrとして鈍い輝きを放ち続けることを希望する。

cf.
1…メイウェザー父


2…ガードが高いアマ時代のメイウェザー


byいやまじで

ボンクラ台北紀行

101.jpg
21世紀台北のシンボル『台北101』

 というわけでGWは家族も仕事も居並ぶボクシングのビッグマッチもほっぽりだして台湾にいた『旧徳山と長谷川が好きです』です。実は台湾は20ウン年前の大学時代に一度訪問した事があります。海賊版のマンガや洋楽カセット(CDはあんまりなかった)、ゲームソフトを買いあさるという青春を無駄使いするような旅をしていたあの頃…。当時は「地球の歩き方」片手に海外に自由旅行に行くというカルチャーが大学生に定着し出した時期でした。一ドルは180円くらいだったと思いますが、バブル景気に浮かされた男女が沢山海を渡って行きました。当時の女子は随分外国人男性に貞操を捧げたことでしょう(遠い目)。10代、20代の皆さんはお母さんに「ところで初めての人は外国人?」と聞いてみてください。怒り出したら怪しいです。

 まあ昔話は置いといて、ひょんなことから今回は副業でやってる映像作家として某音楽家のライブツアーに映像効果担当兼、記録撮影要員として参加する運びとなり慌しく今話題のLCCでチケットを手配し関空からの機中の人となりました。さて、その運賃ときたらGW中にも関わらず格安の往復大三枚也。ところが早々に競合LCC会社のチケットを取ったミュージシャン氏は往復大二枚だと言うから驚くばかり。シーズンオフなら高速バスで名古屋に行くくらいの運賃で台北やソウル、上海に行けると言うんだからエライ時代になったもんです。今回の一行はミュージシャン、パフォーマー、映像作家の自分という中年三人旅。他人様から見れば完全にエロ親父の一団に見えたことでしょうが、ちょっと待ってください!売春が厳罰化された上に物価が上昇した台北はもはや、中小企業の社員旅行が群がった往時の中年の天国じゃないんです!実際のところ20ウン年ぶりの台北の印象といえば、とにかく清潔、ハイテク、オシャレ!四人家族が一台に乗って爆走していた原付、街中に落ちていた檳榔のカスやオヤジの痰ツバやタバコの吸殻、見るからに不衛生な屋台、海賊版しかなかったマンガ本や音楽・ゲームソフト、日本人のオヤジと年の離れた女性のカップル、みんなどこに行ったの!バイクはみんなヘルメット着用で信号も停止線も守る!ゴミは清潔員がきれいに清掃!タバコはどこもかしこも禁煙!檳榔売ってるけど年寄りしか買ってない!屋台はセブンとファミマにやられて激減!マンガやソフトは全部正規版で日本より高い!地下鉄もバスもピカピカ!中国語圏なのにみんな行列守る!公共の場所で静か!怒鳴り合いもなし!どこもかしこもWI-FIだらけ!大規模開発で町並みきれい!街行く女性は日本の都市部の女子のようなゆるふわファッション!男連中はチャラチャラ!でも年寄りには席譲る!(これは昔から)20年でここまで変るもんかとただただ驚いたわけですが、それもこれも民主化による数々の政治的な自由化とアジア通貨危機をほぼノーダメージで乗り切った見事な経済運営の結果でありましょう。こういう変化を寂しく感じない訳ではありませんが、所詮それはたまにやってくる無責任な外野の意見。社会の健全な発展は総体としてはとても眩しいものです。台湾社会もまた新卒学生の就職難や少子高齢化など日本と同じ問題を抱えており、丁度滞在時は年金改革の方針に対するハンストが連日ニュースで報道されていました。それとマレーシアの総選挙も注目の的。聞けば中国本土から来た国民党の残党が政治や経済の中枢を握っているという相似性が関心の理由なのだとか。中共の動向も併せて華人の影響力の大きさが地元民の反感を相当買っているようです。とはいえ民主化後は愛国教育は退潮し、映画上映前の国家吹奏ももうなくなっていました。

 今回のツアーは台湾の某インディレーベルの仕切りで、我々の面倒見てくれたのは日本に長期留学していたFくん。彼は単なる裏方でなくミュージシャン・パフォーマー・デザイナーをこなす才人で、我々にとっては台湾アングラシーンの水先案内人でもあります。中学生くらいから日本のマンガにハマり、宮沢りえの「サンタフェ」に股間を熱くし、最近は『TENGA』にもハマった(TENGAのケースを楽器にすることもアリ)というボンクラ具合が嬉しい彼は35歳。日々積極的に仲間とイベントを打ち、台北のカルチャーシーンをかき回すそんなFくんの導きでステージをこなしていったのですが、とにかく現地のスタッフも出演者も客も日本文化大好き野郎ばかり。「台湾は親日的だよ」という情報くらいは知ってましたが、「日本のサブカルチャーやファッション大好き!」という表層から見える以上に深く浸透した日本文化のありようは「そこまで知ってなくてもいいんじゃねえ?」と心配になるレベル。80~90年代のノイズ音楽シーンのレコードやカセット、VHSを持参して嬉々として話しかけてくる濃ゆ~いマニアが連夜来場し、友人になった台湾ヤングに聞いたメールアドレスはと言えば日本の若モンには一切縁の無い80年代のノイズバンドや70年代のアングラ演劇にオマージュを捧げた文字列ばかり。「スラムダンクが好き」とか「AKBが好きとか」という水深から何千メートルも潜った水域に深海魚がウヨウヨ生息しているのです。当のミュージシャン氏が「俺も忘れてたよ。良く知ってるな~」と感心するようなブツを次々持参するマニアの存在を知ったことはこの旅の一番の収穫であり、また驚きでもありました。

 最後の公演が終わった夜、打ち上げがてら当地の呑み助が「面白い店に連れて行ってやるよ」と誘ってくれたのは中国南部の郷土料理とロックのレコードが楽しめる飲み屋。高齢のマスターは雲南出身でビルマ育ちで、少年時代に国共内戦に敗北した国民党軍と一緒に台湾に敗走してきた人。タイ・ビルマの国境地帯で麻薬王国を作って実効支配していたクンサーも雲南出身の国民党軍の残党だという話ですがまっことこの辺の話も興味がつきません。マスターは台湾ビールやアルコール度58%の高粱酒ドバドバと開栓し、「日本人が来たから」とフィンガーファイブや谷村新二のレコードをひっぱり出してきたかと思えば、70年代のマレーシア産特濃ロックのコンピレーションや物凄く貴重な台湾の放浪歌手の史料価値の高いレコードなど激レア版を聞かせてくれたりの最高のもてなしでありました。ひばり
マスター所有のひばりのレコード

58度
アルコール分58度 でも飲みやすい 悪魔のようなヤツ

 大都会台北にずっといても面白くないのでツアーの合間ちょっと地方に足を伸ばそうかいなと台北駅から衝動的に汽車に乗ってみると、どうも様子が変なもんで掃除のオバちゃんに切符を見せると「あらまー」と驚いて車掌さんを呼んで来てくれる。車掌さんは英語で「アンタ次は終点だよ何やってんの?」と呆れ気味。するとそこに日本語がペラペラのサービス係が現れ「この電車はあと二時間はとまらないっすよ」とグリーン車的な車両に通される。軽率な自分は「どうもすいません。適当に乗ったもんで。お金は払いますけん」と平謝りすると「なんか車掌さんは『面倒くさいからもういいよ』って言ってます。まあ折角なんで景色を楽しんで行ってください」と余りにも優しいお言葉。嗚呼恥ずかしい日本人。同胞の皆さんすいません。終点の地方駅の手前でもう一度さっきの日本語が出来るスタッフが現れ「みんな心配してますけど台北まで帰れますか?一応列車の時間書いておきました」と手書きの時刻表まで渡される始末。初めてのお使い状態!あなはずかしや、ほうほうの体で下車し精算所で乗り越し清算しようとするとそこでも「面倒くさいからとっとと出ろ」と改札のオジサンにジェスチャーで促されまんまと改札の外へ。折角なのでイイ味の地方都市を散策し台北まで折り返しましたが台湾の方のビッグハートにオンブにダッコの小旅行となりました。

地方都市の犬
地方都市の駅

マーロン・ブランド
ゲーセンの壁のマーロン・ブランド
 
 折角台湾まで来たのですからプロスポーツでもという事で台湾プロ野球=職棒を観戦。ちなみにプロバスケは職籃だそうです。近年は元タイガースの悪童中込が逮捕されたことでもお馴染みの八百長スキャンダルで人気も低迷しているということですが、WBCではなかなか骨っぽい強さを見せたりと侮れないリーグであります。野球賭博報道
野球賭博挿絵

八百長グループの主犯が殺されてドラム缶詰めにされたという事件を報じる記事

私が行った台北に至近の新荘球場は椰子の木がお出迎えするアプローチもイイ味出してるなかなかのボールパーク。那覇のセルラー球場にちょっと似てる。
新荘 1
南国情緒溢れるスタンドへのアプローチ

入場料はネット裏でも千円程度。プレイの方はと言えば正直NPBに比べればレベルは高くないですが、八百長スキャンダルを受けて本当に好きな人だけが残っているであろう球場の雰囲気は熱くピースフル。拡声器と太鼓のリズミカルなチャントに耳を傾けながらビール片手に五月の夜風に吹かれれば気分は最高。球場をぶらぶらと散策しているとネット裏に乳飲み子を二人連れた白人女性が。多分その日の先発だった外国人ピッチャーの妻であろう彼女は子供をあやしながらグランドを見つめていました。野球が出来る場所を求めて遠い極東の南の島にやって来たであろう彼らの運命を思うと不思議な気分になりました。今後も台湾の市民の憩いの場として職棒がしぶとく生き残ってくれんことを祈るばかりです。
新荘 2
若い娘も熱烈応援する中華職棒

 気に入ったのでまた近々行きたいと思います 

 台湾ビールの飲みすぎでゲロ吐いたダメ人間の(旧徳山と長谷川が好きです

20130508 二つのKOの中身

井岡ジム2王者がそろってKO防衛。以下はその観戦記である。

●宮崎亮vsカルロス・ベラルデ(7位)
…WBAミニマム級世界戦

18勝(10KO)3分の宮崎は156㎝とこの階級でも短躯だが、パンチがあって足もある魅力的な選手だ。

対するベラルデは、23勝(13KO)2敗(1KO)1分の22歳、地域タイトル獲得歴のあるメキシコの上位選手。だが対戦相手を見る限り実力的に未知数。

立ち上がり宮崎は近い距離、低いガードで相手とパンチを交換。ガードが低いのはともかく、相手のパンチをかわす工夫に乏しく、自分も当てるが相手のパンチも喰う展開。

ベラルデはガードを上げ、左右上下長短のパンチが淀みなく出て、接近戦で宮崎を何度もグラつかせる。

5Rに入って宮崎が距離をとり、左のリードを軸に戦いを立て直した直後、宮崎の左フックがカウンターで顎に痛烈に決まりベラルデ大の字。レフェリーは即ストップ。記録はTKOだが内容的に10カウントKOといえる。

文字通り結果オーライのKO防衛で、むしろ1~4Rの宮崎選手の戦い方に疑問が残る。おそらく接近戦で相手の力を測り、さしてパワーを感じないところから力で押し切ろうという判断だっただろうが、実際には相手のパンチを喰って自身が無用なダメージを負う形になった。

宮崎選手は本来どんな戦い方をするのか、それが見えない戦いだった。

相手によって戦い方を変えるのは当然としても、自分の本来の戦い方をせずに、相手のパンチを喰う状況というのは、技術的に世界戦の緊張感に欠ける。

理由は二つのメンタルにあると思う。

一つは世界戦で客が喜ぶ試合をしたいという欲求。より正確にはそのために自分のボクシングを忘れてしまうという錯誤。最近ではフライの五十嵐がその傾向にあった。結局自分のボクシングを伸ばせずにいる。猪突猛進は勇気ではない。

もう一つはエゴの不足。井岡に届いたとは思わないというコメントは謙虚で殊勝だが、同じ階級のボクサーとしていつかは食ってやるという何かを感じさせてくれないと。失礼かもしれないが、飼い馴らされた獣のようなところがリング上の戦いに出てしまっているのではないか。

この日の一発KOで宮崎選手が方向を見誤らないことを願います。こんな幸運はもう二度とないのだと…


●井岡一翔vsヴィサヌ・ゴーキャットジム(2位)
…WBAライト・フライ級世界戦

井岡一翔は11勝全勝(7KO)、この日はWBAライト・フライ級レギュラー王座の初防衛戦。立ち上がりはいつも通り相手の出方を見ながらヒットポイントを探る様相。コンディションは良さそうだ。

挑戦者のヴィサヌ・ゴーキャットジム(29歳、タイ)は43勝(13KO)8敗(6KO)2分の戦績が示す通りのベテラン・サウスポー。2007年以降PABAライト・フライ王座を獲得、防衛を重ねるタイの階級上位選手。1Rの内容を見る限り、踏み込んで左のボディ・ストレートがよく伸び、右のジャブ、出入りの足も速い。しかし打ち終わりやフェイント時に相手の射程距離内に不用意に静止するクセがあり、これは井岡も1Rの時点で気づいたであろう。

井岡は最初の2Rこそヴィサヌに左ボディを当てられたが、3R以降はヴィサヌにほとんどヒットを許さず、左のリードと右ストレート、左の返しのフックで徐々に相手にダメージを蓄積。相手のスキが見えているためか井岡は狙い過ぎて単発になるところがあり、タフなヴィサヌに決定的なダメージを与えるには至らないが、9R左から右のボディ、さらに左から再度右ボディと繰り出した2度目のボディが「身構える前に受けてしまい、息が出来なくなった」(ヴィサヌ談 朝日新聞)というタイミングで決まり、ヴィサヌは立ち上がれず。井岡が初防衛戦をKOで飾った。

タイ選手がボディでKO負けする(さしたる苦悶の表情も無く)ことには首を傾げるが、この日の井岡はヴィサヌを試合内容で圧倒しており、ダメージも深かったので、その意味ではヴィサヌの試合放棄にも見えた。

井岡の良さは相手が誰であっても高い緊張を保って戦えるところ。以前は格下相手にダウンも喫したが、今は非常に高い集中力を発揮している。絶対に勝つ、絶対にボクシングで相手に勝る、そんな気迫がうかがえる。ローマン・ゴンザレスとの対戦を回避したことで批判はあるが、私はリング上の戦いは評価できると思う。

この日はヴィサヌのスキがはっきりしていたために、そこに点で合わせる意識が強くなり、なかなかコンビネーションが作れなかったようだが、相手の手を封じながら確実にダメージを与え続けた末のKOシーンは、狙ったものではないだろうが、必然ではあった。

byいやまじで

河野借敗!

WBA世界スーパーフライ級戦
王者 河野公平(ワタナベ)vs同級1位リボリオ・ソリス(ベネズエラ)
判定0-2 河野初防衛成らず。


昨年大晦日、強い王者テーパリットを打ち倒し大番狂わせで念願の世界王者となった河野選手だったが、今回は実に惜しい試合を落とした。

これまで目立ったキャリアの無いベネズエラ人だが、アマチュア180勝を誇る挑戦者は短期決戦を挑んだか、初回から左アッパー左フックと回転力で王者を攻め立てる。
そして、軽いながらもヒットを重ね早くも主導権を奪う作戦だ。
スタートはいつものように体のほぐれない河野選手だったが、2Rに至近距離での右フックをカウンターで合わせてダウンを奪い序盤をほぼイーブンで抑えた。
挑戦者の予想以上に強い右を浴び効かされてふらつく場面もあったが、体の温まる中盤からが河野選手の勝負パターン。
5Rから執拗なボディ打ちから右を上に被せ徐々に自分のペースを掴み始める。
しかし挑戦者の左から右フックと被弾も多い王者。
消耗戦の様相が呈し始めた中盤、明らかにボディが効き始めた挑戦者だが、しかし奮起した8R開始早々荒々しい左右を振って王者を攻め立てる。河野選手はソリスの圧力に体が立った所に左フックをカウンターで当てられ痛烈にダウン。
タフな河野選手には珍しいシーンだったが過去にも猛然と立ち上がって挽回した試合があった。同じように今回も効かされながらも攻勢をかけポイントを奪い返し、ほぼイーブンで中盤を終えたかに見えた。
結果論だが、後半の10Rにローブローで減点を取られたのが痛かったのと、11Rボディの効いている挑戦者をあと一歩攻めきれず明確なポイントを上げられなかった事が判定に響いた。
河野選手のファンで幾つもの激闘を観て来たが、ファイターとしてはさすがに全盛期の打ち負けない馬力とタフネスに翳りが見えた。
観ているこちらも力尽き果ててしまったが、しかし、今回もまたもや借敗。
もう少し、あと少しだけリングに立つ姿を見ていたい。

さて試合後、判定を不服としWBAに対し再戦を要求するというワタナベジム渡辺会長だが、これに勝てば亀田ジムのラブコールに応える形で亀田大毅選手との防衛戦を見据えていただけに両陣営共に残念な結果となった。
スーパーフライ級戦線は先日のWBC世界戦での佐藤洋太選手の陥落に続いて、またもや混沌として来たが、交渉に強い亀田プロモーションとしてはやり易い方の王者を相手として選べる事になったのではないだろうか。

追記:
河野選手の陥落、悔しいので再度録画を観ながら素人採点してみた。
両者攻めきれない11ラウンドをイーブンとしたが、自己採点は113-113のドローだった。
公式採点は113-113、114-112、115-111で挑戦者。
つまり、僅か1ポイントで辛うじて防衛が成った可能性があった訳だ。
それにしても集計に時間がかかったよなぁ・・。

B.B

内山強し!!

WBA世界スーパーフェザー級戦
王者 内山高志(ワタナベ)vs同級9位ハイデル・パーラ(ベネズエラ)
KO 5回2分15秒 王者7度目の防衛に成功!


内山選手のダイナマイトがまたもや爆発した。
王者の強烈な左ボディフックの衝撃は肝臓だけでなく心臓から脳髄にまで達したのだろう。
悶絶しながらリングにのたうちまわる挑戦者の姿からそれを容易に想像させる。
まさにダイナマイトによる惨劇だった。

今回の被害者はかつてのフライ級王者だったロレンソの実弟、ハイデル・パーラ。
アマチュアで300戦近いキャリアを持つというだけあって柔らかい動きに加え、鋭いジャブ、速い右ストレート、返しの左フックにも威力を感じる。
特に体のポジションを前後左右微妙に揺すりながら長いリーチから放つジャブは王者の顔面を度々弾いた。
これまで無敗のレコードに目立ったキャリアは無いが一定のレベルにある伏兵とも思えた。
気になるのは内山選手の試合スタートだ。
「先の事は考えない。目の前の試合に全力を尽くす」という王者だが、リングサイドにいる対抗世界王者となった三浦隆司選手を意識した訳でもあるまいが・・
そういえば世界戦唯一の負傷引き分けとなったファレナス戦のリングサイドにも当時の対抗王者だった粟生選手が。
「強いボクシングを見せる」という気負いがどこかにあったのではないか?

内山選手が日本史上最高のパンチャーである事に異論を挟むファンは今や少ないだろう。
右でも左でも一発で相手を打ち倒す豪打で唐突に試合を終わらせる事もある。
しかも当てるための高い技術を持ち合わせている事にも異論はないだろう。
おまけにスパーリングパートナーも「決してパンチを芯には当てさせない。防御勘も優れている」と証言するが、もう日本には存在しない万能型だろう。

しかし、内山ボクシングの本当の凄さは相手を叩き潰すまでの冷徹とも言えるその過程にあると思う。
スタイルはバランス重視で、徹底した左のリードで試合を組み立て始め、徐々に間合いを掴むと今度は強烈な左フック、アッパーで相手のスタミナを奪いに行く。
カウンターを狙っていると感じれば、挨拶代わりの強い右でけん制し相打ち覚悟のフルスイングを封じ込める。
これで序盤のお膳立ては出来た。
後は圧力をかけながらスムースなパンチで空いている所にダメージを蓄積させる。
精神的にも追い詰められた対戦者はロープに詰まるか相打ち覚悟で前に出るしかない。
この辺り中盤には体もすっかり温まり相手の攻撃を見極めているのだろう、倒すパンチを既にイメージというより確定していると思われる。
しかし相手にも観客にもそれを悟らせないのが内山選手の凄い所だ。
まるでボクシングで三ツ星フレンチのフルコースを見せられているかのようだ。

しかし・・
前々回のファレナス戦、そして今回のパーラ戦の初回はいきなりメインディッシュに取りかかったかのように見えた。
相手の戦績やキャリアから踏み潰しても勝てると見込んだか、ビッグマッチを見据えて気負いがあったか。
気にしないとは言っても周りの雑音はアスリートには気付かぬうちに影響するものだ。
自然体で臨めば戸惑う必要も無かった。
ラウンドを重ねてやっと取り戻したのか左から組み立てる作業をしていたように思う。
内山選手の最大の武器はくどいようだがやはり左なのだ。

いきなりの右強打を止め、パーラのうるさい左をキャッチボールのように右手でパーリングすると、もういつもの王者のスタイルになっていた。
これからも内山ボクシングの凄さを堅実に守って欲しいと切に思います。

追記:
試合後のインタビューで「凄いボディブローでしたが、当たった時はどうでしたか?」には・・
「はい、当たった瞬間いったと思いました」


国民栄誉賞に輝いた松井秀喜の特大ホームランを思い出して笑ってしまったB.B

佐藤洋太、まさかの8回TKO負け!

佐藤選手が負けるとするなら、ありえないレベルの不当判定か、交通事故のような一発で沈むパターンかと思っていたが、TKO負けという結果以上に予想外の展開となった。

いくら敵地タイの試合とはいえ、中差以上の判定でチャンピオン防衛、というのが私の予想。
いやまじでさんの記事にBBさんがコメントしている通り、佐藤選手のメンタルの強さは折り紙つき。リカルド・ロペスレベルの化け物でも出てこない限り自分のスタイルは崩さないだろうし、いつものパフォーマンスを織り交ぜつつ、「普通に勝つ」と。

ところが初回から、ロープにつまって相手の前進を許す展開。
当たろうが当たるまいが、シーサケットが手を出すだけで大歓声が上がるのは想定内だし、実際クリーンヒットはもらってないとはいえ、ポイントロスという面だけでなく、相手の土俵で伸び伸び戦わせてしまうというのは非常に不安。
スイッチする相手というのはわかっていたが、最初からずっとサウスポーで来たのが少しやりづらさを増したか。

それでも2回には、いい右をカウンターしてシーサケットの動きが一瞬止まるシーンもあり、リングの状態、相手と自分の状態、その他様々な要素を確認しながら戦い方を修正していく王者の適応能力が発揮されていくだろうと感じさせる。

ところが3、4回も、リプレイをみているように同じ展開が続く。
敢えてコーナーやロープを背にして相手の攻撃を受けることは王者のよくやる戦法であるが、それにはまずクリーンヒットを食わないことと、その後に回るなり迎え撃つなりして主導権を奪い返すことが必須であり、今まではそれで勝ってきた。
しかし今日の王者は、とにかく体が重い。
詰まったら詰まりっぱなしで、ガードを固めて丸くなるのみ。

シーサケットは、純粋な技量では大きく王者より劣るとは思うが、止まって固まってるだけの相手を殴るとなると、これは楽な流れ。
コンパクトな連打は回転もよく、強弱・上下の変化もつけて益々勢いに乗る。
特に、細かいアッパー、ボディは、ただでさえ体の重い王者からさらに羽をもぐ効果があったように思う。

4回終了時の公開採点は39-37が二者(私も同じ)、40-35が一者でいずれも挑戦者支持。
フルマークでも不思議ではない。が、おそらく三回の猛攻を10-8としたと思うが、これはやや疑問か。

しかしまだ三分の一。
「普通に」王者がいつものスタイルを取り戻せば、多少相手のポイントがゲタ履いても、ドロー防衛は全然無理ではないスコアだ。
事実、5回6回は、ほぼイーブンかやや王者優勢と見えた。
シーサケットは最初から全開で来た分、またこれまで長いラウンドを経験していないこともあってか、失速とはいわないまでも、少しスローダウン。
しかし、このあたりで王者は「いっぱいいっぱい」ではなかったかと思う。
短い距離での応戦でそこそこ戦ってはいたが、それがいい戦術だと考えて接近戦を選択したのではなく、それしかできないほどに体が動かなくなっていたように思う。

挑戦者は、5回6回は敢えて休んだいたとも思えるように、7回になると再び王者に襲い掛かる。
この回のロープ際の攻防は、それまでとは明らかに違って、王者がまともにもらうシーンが増える。完全に大ピンチ。終了間際のラッシュでは、止められてもおかしくなかったような状態。

迎えた8回。
王者は意識的に大きくリングを回り、ひょいひょいと左を突いて普段のスタイルを取り戻そうとも見えたが、もう足にスピードはなく、腕をだらりと下げるポーズも、何かの意図があるわけではなく、単に上げていられないほど疲弊していたのではないかと思う。
またもコーナーに詰まって挑戦者のラッシュを受けたところでレフェリーがストップ。
最後は特に猛烈な連打をくったわけではないが、あれだけ体が動かなければ仕方なしか。
8回1分23秒、TKOで挑戦者シーサケットの王座奪取となった。

しかし、あれだけ体が動かず、打ち合いオンリーで戦えば、この結果は当然のこと。
問題は「なぜそうなってしまったか?」ということであるが、中継で電話がつながった金平会長の弁によると、コンディション等も問題なく、しかしいざ始まってみたらまるで動かなかった、とのこと。
スピード豊かなテクニシャンが粉砕されたとなると長谷川穂積選手を連想してしまうが、しかし今回の佐藤選手のケースは、何とも不可解ではある。
赤穂戦について、ファンに対して申し訳ないというような発言をしていたが、だからといって単純に打ち合いに出る選手とは思えない。それとも、タイでの連敗記録やジャッジへの不安等が目に見えないところで作用していたのだろうか。

いずれにしても残念至極ではあるが、文句なしの負けではあるものの、「実力を出し切って、それでも絶対に敵わなかった挙句の敗戦」ではないので、ぜひとも捲土重来を期待したい。

(ウチ猫)

日本人はタイでダンスできるか? 佐藤vsシーサケット Preview

佐藤洋太の三度目の防衛戦はタイのシーサケット県で行われる。挑戦者シーサケットの地元故郷である。

日本人のタイでの初の防衛という記録より、タイで佐藤がどのように戦うかが見ものだ。

これまでタイの世界戦を見る限り、試合前のセレモニーが異様に長いという印象がある。30分はあるのかと思われる間、30℃を超すリング上でゴングを待つというのはアウェーの選手にはメンタル面での負担が大きいはずだ。もっとも、それ以外にも諸々の障害があるだろうが。

挑戦者のシーサケット(18勝(KO 17) 3敗(KO 2) 1分)はオーソドクスのボクサーファイター。

2012年1月のDondon Jimenea戦はこの選手の特徴が出ているように思われる。

ベタ足で前進、左リードを軸に、左右のコンビネーションを3発4発と連ねる。左はジャブ、ダブル、上下のフック、ワンツーの返し、アッパーと変化がある。右も上下に打ち分ける。軽いパンチ重いパンチの使い分けもする。軽く速いパンチで相手を崩し、機を見て強いパンチを織り交ぜる。スイッチする器用さも見せている。

同年7月のDuran戦


同年12月の Alvin Bais 戦では上にパンチを見せてボディ・ショットでKO。


踏込のスピードは速くないが、自分の距離になった時のパンチの回転と正確さはある。前進するファイターだが、相手を見ながら押し引きもできる。打ち終わりも狙ってくる。けっこうボディを打つ。あとは頭。佐藤相手であればこれまで以上に距離をつめる必要があるからバッティングには注意が必要である。

この選手の問題は全体のレベルで、佐藤とボクシングできるレベルにあるのかどうかということ。「当たれば」というパンチの強さもこのレベルでは未知数である。(だから逆に怖さもあるが。)近い距離でのコンビネーションには要注意である。

試合内容や戦績を見る限り佐藤の優位は動かないが(私の予想は佐藤の判定勝利)、試合がタイで行われるということで、佐藤がこれまで通りに戦うことができるかどうか。敵地ということが実力差を縮めることはある。とりわけ当地の空気は日本の会場のそれとは異なる。その中で挑発的なポーズやステップを見せるのか(別に見せなくてもいいが)。日本では「魅せる」ことも多分に意識するところがあろうが、敵地でもそれをやるのか。何かどうでもいいことのようで、彼の場合どうでもよくないような気がして、技術・戦術的なことを含めてなかなかに興味深いのである。

佐藤自身は「タイで遊んでくる」とコメントしていて、これは平常心で臨むための彼なりのメンタルトレーニンングであろうが、いずれにしてもタイで試合をやるには気を遣うということである。やはりリングでどこまで相手に集中できるか。それが双方にとって鍵である。

byいやまじで