HARD BLOW !

速報!! 石田、高山

〇石田、敗れる

初回は両者共に慎重な立ち上がり。特にゴロフキンは石田の力を警戒してか、前には出るものの強振せずジャブを突いてくる。石田は下がることなくこちらもジャブと左フックで応戦。1、2Rは静かだが緊張感のある試合展開。ゴロフキンのジャブが何度も石田をとらえていた。

3回、石田がバックステップを踏んだところ、ゴロフキンが鋭い踏み込みからスイング気味の右を石田の顎にヒット。石田は上半身をロープ外に出し昏倒。失神状態。まさにゴロフキンの一発で石田KO負け。静かな展開から一瞬の突風で根こそぎ持って行かれたような感がありました。

ゴロフキンは石田に対して油断する選手ではなく、石田の動きを十分見極めた上で狙った一発のように見えた。この選手は強い。

石田はゴロフキン相手に下がることなく戦った。下がってさばくのではなく攻めて勝つことを狙っていた。

初のKO負けで石田はショックだろうが、このステージに来たこと自体が賞賛に値する。この日はゴロフキンが強過ぎたとしかいようがない。この階級の実力者としてまだまだ頑張ってほしい。

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〇高山、ユナニマス戴冠

高山選手の試合は見ることができませんしたが、Boxrecによると3-0判定勝利。見事にIBF世界ミニマム級王者に就きました。海外・敵地での王座奪取は見事と言うほかありません。

戦前の予想では、チャンピオンサイドの実力・経験値、初防衛・凱旋でかかるプレッシャーなどから、高山にチャンスは十分ありと見ましたが、何と言っても敵地。判定での勝利は難しい。となるとKOを狙うしかない。それらを考えると必ずしも高山の勝利は計算できないものでした。

4団体制覇の夢を追って海外へ飛びだした高山選手。この勝利はうれしいだろう。今はこの勝利の味をしっかりかみしめてほしい。

日本人にとって困難とされていた海外での世界奪取、そのハードルを下げたという意味でも価値ある勝利だったと思います。

by いやまじで

海外日本人ボクサーの苦闘と充実

3月30日、海外で2人の日本人ボクサーが世界に挑む。

一人は既報の高山勝成選手(24(10)-6(1)-0)。南アの強豪ジョイ(南ア)からIBF世界ミニマム級タイトルを奪ったマリオ・ロドリゲス(メキシコ、15(11KO)-6(1)-4)に挑む。場所は敵地メキシコ、シナロア州グアサベ市。ロドリゲス選手の地元である。

高山選手と中出トレーナーのブログからは、順調な調整ぶり、30時間の移動、当地の暑さ(38°超?)、等々がうかがえる。
現地記者会見
中出トレーナーのブログ
グアサベ市は人口33万人の中都市、海岸平野地帯でメキシコの農業の中心地とされる。海抜27mと高地馴化の必要がないのはよいが、試合会場が野球場(Estadio de Beisbol)らしく、これは気温が心配である。
グアサベ市(wiki)
試合ポスター

ロドリゲスには初防衛と地元凱旋のプレッシャーがかかる。激しい戦いになると思うが、高山には冷静に戦ってベルトを奪い取ってきてほしい。

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もう一人が石田順裕選手(24(9KO)-8-2)。現在ミドル級でKO街道驀進中のGゴロフキンWBA世界ミドル級王者(26(22KO)-0-0)に挑戦である。

石田選手といえば、ベガスにおけるカークランド戦のアップセット以降、Pウィリアムス、ピログ(WBO世界戦)と、ビッグネームとの対戦が続いている。今回は1月にNYでのダニエル・ジェイコブス戦が決まりかけたようだが、2月にはいって一転モナコでのゴロフキン戦が決まった。

ゴロフキン…パンチの強さもそうだが、とにかく体全体の強さを感じる。低い重心でグイグイ前進しながら鋭く強いパンチを振るってくる。スピードもある。身長では石田選手が8cmほど上回るが、リーチにさほど差はなく、石田選手のアドバンテージは少ない。記者会見では石田選手こんなことも言っていたらしいが、ゴロフキン相手にどんな戦いをするのか。個人的にはゴロフキンの直線的な動きを石田選手がどこまでつけるかに注目したい。

もともとWBA暫定世界SW級王座に就いた石田選手だが、決定戦の経緯からその実力について私自身疑問視していた。しかしPウィリアム戦、Dピログ戦を見る限り、この階級で頂点にいるとは言えないにしても、ボクサーとしてのクオリティを証明し続けていると思う。これは素晴らしいことだ。

またモナコで行われるこの試合、ボクシングの聖地再建をもくろむ大がかりなイベントらしくアメリカでもPPVで放送される。
モナコ興行詳細
試合ポスター

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日本で引退届を出し、海外でフリーのボクサーとして活動する2人(石田は既にライセンス再交付を認められた)には、練習面でも経済面でも困難がつきまとうことがブログなどからうかがえる。しかしその一方で、彼らの活動を支える人たちの思いと、チャンスをつかみ世界の戦いの場に立つ彼らの心の充実も感じずにはおれない。

日本でIBFとWBOが解禁される直前の3月30日(高山選手にとってはちょうど一年前ジョイⅡを戦った日)、二人の日本人ボクサーが、海の向こうで勝利の雄叫びをあげることを期待したい。

by いやまじで

追記 ゴロフキンvs石田戦は4月1日WOWOWで放送予定である。高山の試合は何とかネット観戦しようと思う。

IBF承認加盟記者会見?

B.B.さんとのメールのやりとりで、標記の会見について「承認」なのか「加盟」なのかという疑問が呈せられまして、ライトなファンの私としてはどちらでもよいけれども、おそらくJBC「IBFさん、今度日本でオタクの世界戦を承認することにしましたんで記者会見に来てくれませんかね」に対し、IBF「そうですか。でもJBCさん、ウチの名前で世界戦やるならちゃんと加盟してもらわねばなりませんから、会見もきちんと加盟会見にしてくださいね」、これに対してJBC「いやあ、加盟だけだと自営商店からコンビニチェーンに鞍替えするみたいだから、これまでの経緯汲んで『承認』も入れてもらえませんかね…」てなやりとりがあったのではないかとうっすら想像してしまったのですが、IBFサイドからすればJBCが加盟するのであって、JBCサイドとしては「承認してやる」と国内向けに発信したいがための文言なのではないかと私は思っています。(実際にはIBFやWBOを使って興行するプロモーターや選手に対して「承認」するのであって、JBCがIBFやWBOに対して「承認」するわけではないのでは。)

新聞各紙で「承認」と「加盟」に表現が分かれるケースはありますが、会見の看板は「承認加盟会見」となっており、これはWBOの会見も同様です。
WBO加盟会見(Box-on)
IBF加盟会見(Box-on)

B.B.さんの問題意識が私には共有できていないのですが、私自身今回の加盟に違和感はあります。43年前のWBC加盟と異なり特段の世論の高まりもないまま進められたこと、下部王座を認めないことの意味、等々です。

私はもともと4団体加盟には賛成で、その理由は、統一戦で最強王者を決めることができる、海外の強豪選手の試合を見ることができるといった単純なものなんですが、何かそういう方向に向かう期待感というものが全くないです。

この問題はもう少し解きほぐし整理して考える必要がありますね。

by 赤磐雄町(岡山)を飲みながらのいやまじで



(追記 2013/04/04)
大沢選手のサスペンド問題について調べていてJBCのサイトを見ていたらこのようなものを見つけました。
4月1日 JBC本部事務局長談話
談話ということで多少の言葉のユルさは置くとして、団体承認加盟を寿ぐ事務局長談話としてはもっと触れるべき点があるように思うのですが、ライセンス返上の件や裁判係争中の問題に触れてみたりというのはどうしたものでしょうか。しかもつながりとしては、それらの問題がそもそもJBCの未承認に起因するという倒錯した書き方です。そもそも従来の未承認の理由や権威低下への対策をさしおいてそれらに言及する意味は何なのでしょうか。何か非常に病的なもの、陰険さを感じます。これは私が現JBCの体制に疑問を持っていることとは別です。一国のスポーツの管理団体の現場トップのコメントとして著しく品位を欠き不適格なのです。現体制の体質が滲み出ているのではないかと危惧します。

斉藤司 敗れる!!

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斉藤司選手(三谷大和ジム)のWBCユース世界ライト級タイトルマッチ(防衛戦)を観戦してきた。(於:後楽園ホール)

相手はジョー・マグシャン選手(8-2-0,比)。WBC暫定ユースJFe世界タイトル戦を経験しているものの目立った実績はなく、昨年8月には内藤律樹選手に2RTKOで敗れている。ただしこの試合、内藤選手が1発で決めてしまったが、それまではマグシャン選手が良い内容で戦っていた。それゆえ実力的に侮れないのではないかと私は思っていた。

序盤は静かな立ち上がり。オーソドックスでアップライトに構えるマグシャン選手、ガード高く上げ、ほとんどパンチを出さない。斉藤選手は体を左右に振りながら相手の手の内を探るように上下に軽いパンチ。相手の力を測りかねて慎重になっているように見える。

2R終盤マグシャンが繰り出した左右フックの鈍重さに相手を見切れたか、3R以降斉藤選手のパンチに力が入り始める。4,5Rと斉藤選手攻勢。しかし、私には斉藤選手がワンサイドで攻めているように見えなかった。どちらかというと攻めあぐんでいるように見えた。コンビネーションが少ない。きれいに当たるパンチが少なく決定的ダメージを与えられない。その上時折マグシャン選手のいいパンチを顔面にもらう(場内微妙な空気)。

それでもポイントはスピードとパワーに勝る斉藤選手。実際ダメージもスタミナ・ロスもマグシャン選手の方が大きい。

そうして迎えた7R。マグシャン選手いよいよエネルギーが残り少ない。しかし、斉藤選手もディフェンスがルーズでたびたび被弾。マグシャンが左ボディから右フックを側頭部に決めると斉藤選手が突如崩れ落ちる。ダウン!! 場内騒然とする中、カウント8で立ちあがる斉藤選手だが、表情が虚ろ。レフェリーはテンカウントを数えた。

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侮りがたい相手(実際粘り強かった)とは思ったが、総合力ではかなり勝っていると思えた斉藤選手が敗れた。

私は斉藤選手の試合を見たのは4試合目で、彼の勝ちパターンやベストパフォーマンスをよく知るわけではないが、今日の相手ならスピードとテクニックで圧倒してほしいというのが正直なところ。最近2戦かなりの格下相手だったことで、勝負勘が鈍っていなかったか。

それにしてもWBC副会長が観戦に訪れガウンも新調したこの試合。敗れて一番悔しいのは斉藤選手自身であろう。いやぁ、悔しいなどという言葉では言い尽くせないだろう。しかし、これがプロだ。

斉藤選手はまだ若い。私のようなオジサンに比べればなおのこと。技術的にもまだまだ発展途上に見える。私はこの試合を成長過程で起きた一つのつまずきと捉える。

敗戦を糧に一段と強くなって帰ってくることを期待しています。


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KO勝ちで新王者となったジョー・マグシャン選手。



付記
 帰路、VADYジム会長と小國選手・胡選手に遭遇。小國選手「引退はしません」とのこと。

by 激忙のウチ猫さんに代わり観戦のいやまじで